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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

WSETレベル3の英語受講から合格までの体験記(難易度、勉強法、合格の秘訣など)




ワインの素人だった私が、ワインの勉強をまじめに始めて2年目にWSETレベル3の英語試験を合格した勉強法を紹介したいと思います。


WSETは世界で通用するワイン資格です。主催団体によればレベル3は、

ワインの業界で働くプロフェッショナルおよびワイン愛好家を対象とした上級レベルの資格です。

全世界で通用する資格であるために、海外のワイナリーに行ってWSETのレベル3を持っていると言えば、ワインについてはそれなりに知っていると思ってもらえるようです。

いつか海外のワイナリーを訪れることを思い描きながら、WSETレベル3に挑戦をした軌跡を紹介します。

(参考記事:意外に高い?WSETの合格率




なぜWSETレベル3を受験?


私にとってのワインの勉強は、飲み友達作りにワインスクールに通ったことから始まりました。

当時はワインの勉強などそっちのけで、中途半端な知識でワインスクールのクラスメートとワインを飲み明かすことだけを楽しんでいました。

折角ワインスクールに通ったのに、フランスのワイン産地はブルゴーニュとボルドーしか頭に残っていませんでした。

そんなワイン素人の私がまわりの飲み友達に影響されて、JSAワインエキスパート試験に挑戦をしました。まじめなワインの勉強はゼロから始めたこともあり、はじめはイチかバチかくらいの気持ちで始めた挑戦でしたが、ワインスクールのサポートにも助けられてなんとか一回で合格をすることができました。

次に挑戦すべきは上位資格である「JSAワインエキスパート・エクセレンス」だと思い、この資格は5年間待たなければならないことを知って、ワインの勉強はしばらくお預けだと少し寂しく思っていました。

しかし、ひょんなことからWSETは英語でワインが学べるということを知って、今度も大きな挑戦でしたが、WSETレベル3の英語講座に通うことに決めました。

(参考記事:WSETとは?WSETワインレベル3資格とは?

(参考記事:ワインを英語で学ぼうと思ったきっかけと意外な発見




WSETレベル3を受講してよかったこと


WSETレベル3を受講した良かったことは、ワインを英語で学んで、資格試験にも合格をしたことで、英語の環境でも臆せずワインについて話ができるようになったことです。まだあまり機会はないのですが、チャンスがあれば臆することなく参加ができそうです。

(参考記事:ワイン講座を英語で受けるメリット


また、WSETをやったことでブドウ栽培やワイン醸造に対する知識が広がり、さらにはワインの品質についても理解が深まりました。これはJSAワインエキスパートではあまり学べなかった分野でした。

(参考記事:WSET L3を学んで知った『ワインの品質評価』

(参考記事:やって分かったJSAワインエキスパートとWSET Level3の違い


いままではJSAの考え方に則ったワイン理論しか知らなかったのですが、より世界基準のワイン理論が学べたことも大きなメリットでした。例えば、自力でおいしいワインを探したいと思ったら、WSETの方が役に立つと思いました。私はソムリエを目指しているわけではなかったので、WSETの方がむしろ共感できる点が多かったような気がします。

(参考記事:WSETレベル3とJSAワインエキスパートの違い、どちらがおすすめ?

(参考記事:理論派のための論理的なテイスティング




WSETレベル3の英語受験で苦労したこと


WSETの学習で最も苦労をしたことは、本試験に関する情報が公にはされていないことでした。JSA試験のように過去問や問題集がたくさん市販されているわけではないので、講義と限られた情報源から本試験の情報を集めました。

(参考記事:WSETで苦労する本試験に関する情報の少なさと、何とかみつけた情報源

(参考記事:Amazonで見つかるWSET参考書籍


英語受講にもあまり自信はなかったので、予習・復習をして毎回わからない単語のないようにしてから講義にのぞむなど、様々な工夫を重ねました。

(参考記事:非ネイティブのWSET-L3英語試験対策


ワインの試験と言えば、私はJSAワインエキスパート試験しか受けたことがなかったので、試験構成や、試験のコンセプトの違いになれることにも苦労をしました。特に、WSETレベル3は表面的な知識だけではなく、ワインに対する理解度を試される試験内容なので、試験に対する意識も変える必要がありました。

(参考記事:JSAワインエキスパートと、WSET(Level3)のテストの違い

(参考記事:やって分かったJSAワインエキスパートとWSET Level3の違い


WSETレベル3の最大の難関は、記述式試験(ショートエッセイとも言われるようです)と言われています。記述式試験を突破するにはワインに関する知識に加えて、ブドウ栽培、ワイン醸造に関する深い知識が必要でした。

(参考記事:WSETレベル3記述式試験とJSA筆記試験の大きな違い

(参考記事:WSETレベル3 記述式問題の形式と回答のコツ(英語受験)

(参考記事:WSET Level3の問題構成と記述式試験対策




WSETレベル3合格の秘訣


私はWSETの受験を思い立ってから、最短ルートで講座の受講と本試験を経験しましたが、なんとかもっともよい成績の「Distinction」で一発合格することができました。

私が合格できた秘訣を思うことは次のようなことです。

・試験構成や試験傾向、合格ラインを早めに把握して、早くから本試験を意識した学習をする

 (参考記事:WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト
 (参考記事:WSET L3試験の成績評価に関する考察

・WSETの勉強を日常生活のスケジュールに組み込み、しっかりと勉強時間を確保する


・とにかくテキストをよく読み込み、必要な部分はノートに書き出して、記述式試験の備える

 (参考記事:非ネイティブのWSET-L3英語試験対策


・テイスティング試験のコツを早めにつかむ

 (参考記事:WSET Level3のテイスティングの特徴とは?

 (参考記事:WSETテイスティングで重要だと思った品種




WSETレベル3英語受験の勉強法


私はずっと日本で育ってきて特別な英語教育を受けたわけではないので、WSET Level3英語受験に向けては少し特別な準備を行いました。

まず、英語受験をするにあたって私の英語レベルは、次の通りでした。

・英語の授業を受けて7~8割程度は理解できる

・読むのに1.5~2倍の時間はかかるけど、辞書を使って英語テキストを読むことができる

・複雑な内容でなければ、授業中に英語で質問ができる

・講師から英語で質問をされた場合、内容を理解して何かしらの回答はできる

・英語のワイン専門用語はほとんど知らない

・(参考までに、最後に受けたTOEICは800点を少し超えたくらい)


私の個人的な感覚なのですが、他のクラスメートと比べると私の英語力はちょうど平均くらいだったと思います。最低限の英語を聞く力は必要かもしれませんが、聞くことさえできれば授業にはついていくことができると思います。

(参考記事:ワイン資格の勉強をしているのはどんな人たち?~日本語、英語クラスの違いなど~

(参考記事:WSET英語受講の講師の英語やその難易度について



勉強方法としては、次のようなことを行いました。

<準備編>はWSETレベル3コース受講前にやったこと、<継続編>はコース受講中に繰り返し行っていたこと、<テスト対策編>はコースの受講を終えてから本試験用に行ったことです。

準備や合格通知の受け取りまで含めると、およそ1年がかりくらいのプロジェクトになったのですが、スケジュール感については下の記事を参照してください。

(参考記事:「WSET Level3 合格までのスケジュール」)



◆英語受験に向けての勉強方法(準備も含む)

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<準備編>

①WSET Level3英語クラスへの申し込み

②日本語テキストの購入

③試験問題サンプルの検索


<継続編>

④授業の予習(テキストの読み込み)

⑤授業の復習(授業ノートの清書)

⑥宿題の提出


<テスト対策編>

⑦固有名詞の英単語の暗記

⑧回答を何度も英語で筆記

⑨テイスティング試験対策

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◆勉強方法の詳細


それでは①~⑧までの詳しい説明です。

<準備編>


【①WSET Level3英語クラスへの申し込み】

英語受験をするにしても、全十数回の授業を日本語で受けることは可能ですが、私は英語で授業を受けることを選びました。

日本語で授業を受けた方が理解度は高まるのですが、その場合、英語受験に向けて日本語→英語の翻訳を逐一行わなければならないことが非常に非効率的に思えて、はじめから英語で受講をすることに決めました。さらに、もしLevel4(Diploma)に進むことを考えたら、絶対英語受講に慣れておいた方が良いとも思いました。

英語リスニングにはそれほど自信があったわけではなかったので、英語リスニングのトレーニングは受講期間中も時間を見つけて続けていました。

(参考記事:英語学習でお世話になったウェブサイト(WSET英語受講対策)

英語クラスが開催される時間帯や回数、振替のルールなどは各スクールによって異なるために、無料説明会に参加をして調べてみるのがよいと思います。

(参考記事:受講するワインスクールの選択と、無料説明会に出席した感想





【②日本語テキストの購入】

英語クラスを受講すると、スクールから提供されるテキストも英語版になるのですが、補助資料として日本語テキストをWSETの公式サイトから独自に購入しました。ところどころ英語の言い回しが分かりにくいところを確認したり、さっと復習したいときには日本語テキストがあることは便利でした。8,000~9,000円程度の値段でしたが十分役に立ちました。



【③試験問題サンプルの検索】

勉強を始めるにあたって、出題内容を知っておくことが重要だと思って、試験問題のサンプルをネットで検索しました。

WSET試験は、JSR試験とは異なり試験対策の書籍が全く販売されていないので、頼れるのはインターネットです。

英語受験のメリットは、情報ソースが日本だけでなく海外にもあることで、いくつか無料でサンプル問題や取り組み方を説明しているウェブサイトを見つけることができました。
WSETが公式に公開している記述形式テストサンプル(フルバージョン)も見つけることができました。

勉強方法のコツを説明する動画もありました。(➡ Wine Study - Five Top Tips for Success, ➡ WSET Level Three Exam Questions - What to Expect at Level 3

(参考記事:WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト


また、サンプル問題以外にも海外のウェブサイトで回答のコツや勉強方法なども調べて参考にしました。

(参考記事:英語サイトで見つかるWSETレベル3勉強法

(参考記事:ワインのスタイルや品質に影響を与える5つの要素 (WSET L3記述対策)




<継続編>


【④授業の予習(テキストの読み込み)】

毎回の授業の受講前に、英語テキストを読み込み、分からない単語の意味を調べてから授業に臨みました。

私はワインの専門英語をほとんど知らなかったので、これは授業を理解するうえで非常に役に立ちました。

また、予習をしながらその内容を簡単に電子ファイルにまとめておきました。




【⑤授業の復習(授業ノートの清書)】

授業中はメモを取るのが精いっぱいなので、次の授業までに毎回書きなぐりのメモを清書して、いつでも見直しができるようにしました。

書きなぐりのメモ↓

清書は電子ファイルにまとめました。電子ファイルのメリットは検索機能を使えば、キーワードでいつでも調べたい個所を簡単に見つけられることです。

(参考記事:WSETの英語対策:OCRによるテキストの電子化

これは、記述式問題に対する良い練習にもなりました。難関である記述式問題の対策は、とにかく英語でワインに関する文章を書く習慣をつけることです。

テイスティング部分に関しても毎回授業で出たワインについて模範解答をリスト形式でまとめました。

(参考記事:講義で出題されたワインリストの作成と分析の勧め



【⑥宿題の提出】

毎回提出される宿題は、どんなに忙しくても次回までにやり終えることを心掛けました。
主に記述式問題の対策ですが、これも英語でワインに関する文章を書く習慣作りに大いに貢献してくれました。



<テスト対策編>


【⑦固有名詞の英単語の暗記】

WSETの記述式試験については、よく「減点式ではないので、多少間違いが含まれても、できるだけ沢山書いた方がいい」と言われます。

講師からは「多少、スペルが間違っていても大丈夫」とも言われました。

しかし、ブドウ品種や産地については、あまりにもスペルが異なると得点できないのではと思い、出題されそうな固有名詞は個別に単語帳を作り、正確にスペルを覚えました。

(参考記事:WSETレベル3 記述式問題のための単語帳(一般単語)

(参考記事:WSETレベル3 記述式問題のための単語帳(地名、ワイン名、専門用語)


JSAの時にカタカナで覚えてしまったものを新たに英語で覚えるのに本当に苦労をしました。

例えば、シャンパーニュの「ランス」は、英語で書くと「Reims」で、普通に読んだらレイムスです。


【⑧回答を何度も英語で筆記】

最大の難関は記述式問題だとわかっていたので、スクールから提供されたサンプル問題や、独自にネットから入手したサンプル問題について何度も回答をノートに書きだしました。

(参考記事:WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験対策)


記述式問題の難しいところは、しっかり内容を理解していないと、過不足なく回答が書けないことにあります。そのためにノートに回答を書きだしては、必要な要素が含まれているかを毎回チェックしました。加えて、正しいスペルで英語が書けているかの確認にもなりました。

(参考記事:WSETの記述式問題:「どの程度書けばいいのか?」の失敗例

(参考記事:WSET記述式試験の例題と苦手な問題

(参考記事:一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題


毎回しっかり文章を書くのは大変なので、ポイントだけ箇条書きで出す書き方で十分だと思います。
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例)Tokaj Aszú wine production process

  • Aszú berries are macerated in the base wine (before/during/ after fermentation)
  • Traditionally the botrytised berries were made into a paste, but using uncrushed aszú berries avoids the extraction of bitter flavours.
  • This mixture is pressed 
  • the wine is matured for a period of time in oak. 

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記述式試験対策だけで大学ノート1冊を使い切りました。


選択式問題対策としては、ネットで見つけたサンプル問題を解く以上は特に行いませんでした。講師からも「選択式問題でつまづいているようでは、記述式問題は絶対に解けない」と言われていたので、記述式問題のついでに選択式問題対策を行っていました。

(参考記事:WSETレベル3の多肢選択問題(四択問題)対策



【⑨テースティング試験対策】

WSETレベル3のテースティング試験は、記述式試験に比べると比較的合格しやすいと言われています。

しかし私はテースティングがあまり得意ではなく、ワインスクールで行われたテースティングの模擬試験もあまり良い成績ではなかったために、本試験の準備期間には自宅での練習を行いました。

(参考記事:8割越えは難しい... WSET L3テイスティング中間テスト

(参考記事:WSETレベル3 テイスティング対策 ~自宅練習法~

正しくワインを感じ取る能力も重要ですが、大きく得点を落としてしまう受験生の特徴は、WSETのテースティングの記述方法を正しく理解していないことだと担当の講師が行っていました。テースティングの記述ルールについても何度も見直しを行いました。

(参考記事:WSETレベル3のテイスティング試験でやりがちな失敗トップ10




勉強法でさらに改善できたと思うこと


私は試験期間中に実践しませんでしたが、もしやっていればもう少し効率的に勉強ができたと思うことを紹介します。

1つ目はWSETレベル2のテキストの利用です。

WSETレベル3の試験では、記述試験において、かなりの頻度で特定の地域で造られるワインの特徴を答えさせる問題が出題されます。

レベル3のテキストにも地域ごとのワインの特徴が書かれているのですが、レベル3はより栽培方法や醸造方法にフォーカスを当てているために、ワインの特徴に関する記述については情報が足りなかったり、記述箇所が分散されていて探すのが大変です。

一方で、レベル2のテキストはブドウ品種やその品種から造られる主要産地のワインの特徴にフォーカスが当てられており、ページ数も少ないので、ワインの特徴を調べる参考書としては最適です。

(参考記事:品種情報がよくまとまった便利なWSET Level 2 テキスト


2つ目は参考書の利用です。

WSETレベル3のテキストの良いところは、必要な情報が無駄なくシンプルに書かれていることなのですが、特に複雑な醸造部分に関しては「もう少し知りたい」と思う情報が十分に書かれていない部分があります。

担当講師に質問をするという方法もあるのですが、講師からの回答も欲しい時にすぐ帰ってくるとは限りません。

担当講師からは「レベル3のテキストをしっかり読み込んでおけば、それ以外の参考書を使わなくても試験は大丈夫」と言われていたのですが、醸造工程の少しわかりにくい部分に関しては参考書があっても良いのかなと思いました。特に「Distinction」などのよい成績で合格をしたい方にはおすすめです。(書籍に関しては下の記事を参照してください)

(参考記事:WSETテキストでは足りない醸造工程に関する情報の調べ方




本試験にあたって心掛けたこと


学習が順調に進んでも、本試験で失敗しては元も子もありません。

本試験は、持ち物や当日の体調管理など、万全の準備をして臨みました。

(参考記事:WSETレベル3資格試験 当日の流れと気を付けたこと




よく読まれている記事

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(...

パロ・コルタド・シェリーとは?アモンティリャードとオロロソとの製法の違いを調べてみた

JSA試験、WSET試験を通して酒精強化ワインであるシェリー(Sherry)を学んできましたが、ずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、「 パロ・コルタド・シェリーとは何なのか? 」です。 シェリーとは、スペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産される酒精強化ワインのことで、ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、著名な酒精強化ワインと言われています。 シェリーには、フィノ(Fino)/マンサ二ーリャ(Manzanilla)、オロロソ(Oloroso)、アモンティリャード(Almontillado)、 パロ・コルタド(Palo Cortado) 、ペドロヒメネス(Pedro Ximenez)など様々な種類があります。 しかし、JSA、WSETどちらのテキストにおいても、 パロ・コルタド に関する記述 はとても少なく、製法に関する記述もなく、漠然とその特徴が書かれているだけでした。 その特徴は、 ・希少であること ・アモンティリャード(Amontillado)の香りを持つが、味はオロロソ(Oloroso)のボディとこくを持つ という2点だけです。 ずっと疑問に思っていたことを解決すべく、製法を中心にパロ・コルタドについて調べてみました。 参考にしたのは、次のサイトです: https://www.sherrynotes.com/sherry-types/palo-cortado/ https://www.sherrynotes.com/2015/background/palo-cortado-mystery/ まずは、パロ・コルタドの発祥から。パロ・コルタドは、もともとフィノとしては不適合として除外された樽からできたそうです。 <パロ・コルタドの発祥> ------------------------------------------------------------------------ ・パロ・コルタドは、もともとフィノ(Fino)の製造から偶然生まれたワインと言われている。 ・フィノシェリーでは、樽での熟成中にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、フロールのもとで熟成される。しかし、フィノ樽の中には...

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

WSETレベル3のテキスト購入方法とテキスト電子化のメリット

WSET英語学習 の難しさはの1つは、 テキストの記述が全て英語 であることです。 テキストが英語だと、やっぱり 内容の理解度が落ちます 。知らない単語を辞書で調べて...翻訳をして...と読み込んでいくのですが、部分的に言い回しが微妙だったり、細かいニュアンスが伝わらなかったりで、理解が難しい文章がいくつかありました。 <理解度対策は、日本語テキストの購入がおすすめ!> 理解度の問題を解決するために私がとった方法は「WSETレベル3日本語テキストの購入」でした。 ワインスクールでWSETレベル3を受ける場合、英語クラスを選択すると、英語テキストが配布されます。 しかし私はこれに加えて、日本語テキストを購入しました。ワインスクールでも購入ができるようなのですが、受講開始前に手にしておきたかったために個人的にWSETの公式ウェブサイト( https://shop.wsetglobal.com/collections/books )から購入しました。 注文から2週間ほどで手元に届いたと思います。レベル3のテキスト自体は £44.95 GBP でしたが、送料に £17.21 GBP かかり、合計費用は £62.16 GBP (8,300円程度) でした。 もう少し安く購入する方法としては、時々 メルカリ に出品されているものを購入する方法もありますが、常に売りに出されているわけではないのであまり期待できないかもしれません。 Amazonでも時々、中古品がでているのでここで検索するのも良いかもしれません。→  https://amzn.to/3YSx0xy  (Amazonへのリンクです) <情報検索にはテキストの電子化がおすすめ!> テキストが英語であることの問題がもう1つありました。それは、 知りたい情報を探すのが大変 であるということでした。 例えば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」の産地ごとの特徴を知りたい場合、その情報は様々な章に分散されて書かれていました。醸造工程の章、ボルドーの章、アメリカの章などです。 日本語であれば、走り読みをしながらキーワードを探せばそれほど大変な作業ではありません。しかし、英語ネイティブでない私にとって、英語でこれをやるのはとても大変な作業でした。 英語テキス...

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって...

IGPペイ・ドック(IGP Pays d’Oc)とは?ラングドック&ルーション地方で大きな存在感を持つ理由の考察

 IGPペイ・ドックとは、 ラングドック・ルーション地方のIGPワイン のことです。 図のように広域のラングドックAOCを包含しています。ちなみにラングドックAOCには、ルーション地方に加えて、ルーション地方も含まれています。 IGPワインとは、3段階あるフランスワインの品質分類のうち、2段階目に位置するワインです。 (関連記事: EU各国とその他の国々のワインの品質分類の整理 ) (関連記事: ワインの原産地統制名称 -  AOC、AOP、PDOのざっくり整理 ) 簡単に言ってしまうと、AOCワインほど製造方法やブドウ品種に対するルールは細かく規定されてはいませんが、特定の地域でのブドウ栽培と醸造が求められているワインです。 IGPペイ・ドックは、ラングドック・リューション地方での栽培・製造が求められており、この地域全体をカバーしている広域IGPです。 IGPペイ・ドックは、IGPの中でも最大の生産量を誇り、フランスワインの10-15%をも占める生産量だということです。 なぜ、最大のIGPがラングドック&ルーション地方にあるのか? ここからは、なぜラングドック&ルーション地方にこのような大きなIGPがあるのかを考察したいと思います。 それには次の3点が関係していると思います: ・ブドウ栽培に非常に適した気候 ・お手頃価格のIGPワイン ・長いブドウ栽培の歴史 ラングドック&ルーション地方の気候 地中海に面するラングドック&ルーション地方の気候は、 地中海性気候 です。 夏は温暖で雨は少なく、非常に日照量が豊富で、ブドウが成熟するのに最適な気候です。 また、トラモンタンと呼ばれる乾燥した北西の風が年間を通して吹き、ブドウ樹や果実の病気を減らしてくれます。病気の心配が少ないため、オーガニックワインの生産も盛んで、フランスのオーガニックワインの製造の1/3を占めているそうです。 このようにラングドック&ルーション地方は、非常にブドウ栽培に適した環境に恵まれています。 そのため幅広い土地がブドウ栽培に適しており、ブドウの栽培面積は大きく、それらを使って大量のワインが生産されていると考えられます。 お手頃価格のIGPワイン 品質階級最上位のAOCワインに比べ、一般的に、IGPワインの価格は安いと言われています。その理由は、IGPワインのブドウ栽培・ワイン醸...

リースリングの「菩提樹」の香りを知るヒント|ワインの香り用語

「菩提樹」 は、JSAソムリエ・ワインエキスパートの白ワイン用の回答用紙でよく登場する香りです。 リースリング 特有の香りを表す重要な香り用語なのですが、私は長らく、 この香りがどんなものなのかがわからず 、そのワインが リースリング だと思ったら、得点稼ぎのために 「菩提樹」 を選ぶという使い方をしていました。 実際に、私が分析をした範囲ではワインスクールの JSA試験対策 において リースリング のテイスティングシートでほぼ毎回 「菩提樹」 が選ばれていました。(下の回答シートは典型的なリースリングの回答例です) しかし、このままでは良くないと思い、 「菩提樹」 に関して調べてみてこれが何なのか、どんな香りなのか自分なりに研究をしてみました。 リースリングはワインにおいては重要な品種で、JSA試験において頻出の品種です。なので、この品種特徴について把握をしておくことはテイスティング能力を上げるうえで大きな助けになると思います。 私がワインエキスパート試験を受けたときには、実際に、ドイツのリースリングが出題されました。なんとか、その時は何とか品種・産地ともに当てることができました。 菩提樹とは何か? 菩提樹で検索をすると、「インド原産のクワ科イチジク属の常緑高木インドボダイジュ」、「インド原産のクワ科イチジク属の常緑高木ベンガルボダイジュ」、「中国原産のシナノキ科シナノキ属の落葉高木ボダイジュ」、「ヨーロッパ原産のセイヨウシナノキ(別名:リンデンバウム=リンデン)」が見つかります。 色々調べてみた結果、最後にあげた「ヨーロッパ原産のセイヨウシナノキ(別名:リンデンバウム= リンデン )」が、ワインの香りにおける「菩提樹」に該当しそうだとわかりました。 その理由は、海外の様々なウェブサイトで、リースリングの品種特有の香りとして、 「リンデン」 があげられていたからです。 リンデンとは何か? リンデンについて説明しているサイトがあったので、引用をしました。 ヨーロッパでは ハーブ として使われているようです。 ------------------------------------------------------ リンデンはヨーロッパ原産のハーブで、和名はセイヨウボダイジュといいます。お釈...

「ジンファンデル」と「テンプラニーリョ」の違いをしらべる!比較テイスティング

 今回は、ジンファンデルとテンプラニーリョの品種比較テイスティングをしてみたいと思います。 なぜこの2つを選んだかというと、どちらも赤系~黒系果実の香りを持ち、ミドル~フルボディのワインを造り、オーク樽との相性が良いという共通点を持っているからです。 今まであまり比較をする機会が無かったので、どのような違いがあるのかを調べてみたいと思います。 今回用意をしたワインは次の通り: ----------------- ①ジンファンデル / ドライ・クリーク・ヴァレー(ソノマ、カリフォルニア) ・ワイン名:Dry Creek Valley Zinfandel Dashe 2017 ②テンプラニーリョ / リオハ(スペイン)ー 伝統的スタイル(アメリカンオーク+フレンチオーク利用で、新樽比率高め) ・ワイン名:Dominio de Ugarte Reserva 2013 ③テンプラニーリョ/ リオハ(スペイン)ー モダンスタイル(フレンチオーク利用で、新樽比率は低め) ・ワイン名:Remelluri Lindes de Remelluri Viñedos de Labastida 2014 ----------------- リオハのテンプラニーリョは、念のために異なる2つのスタイルのものを用意しました。結果としては、ワイン②(伝統的スタイル)の樽香が強すぎて、ワイン①(ジンファンデル)との比較にならなかったので、ワイン③(モダンスタイル)も用意をしておいて正解でした。 外観の比較 まずは外観ですが、どれも濃いルビー色で、それほど大きな違いは見られません。 外観での判別は難しいと思います。 香りの比較 次に香りの比較ですが、用意したジンファンデル(ワイン①)は、よりモダンスタイルのリオハ(ワイン③)に近い香りを持っていました。 反対に、ワイン②はヴァニラの甘い香りが特徴的で、ワイン①とワイン③とは少し香りの質が異なります。 これは、ワイン①、ワイン③ともに、それほど新樽比率の高くないフレンチオークで熟成をしているためだと思います。 香りの近いワイン①(ジンファンデル)とワイン③(テンプラニーリョ)を比べると、ワイン①はより成熟度の高いジャムのようなレーズンのような果実の香りを持っていることが特徴的でした。 また、ワイン①(ジンファンデル)は成熟度の高いジャムのような香...

ブドウ品種「ピクプール(Piquepoul)」とは?

ピクプール(Piquepoul) というブドウ品種について調べてみました。 この品種は、主にフランスのローヌ渓谷や、ラングドック地方、また、スペインのカタルーニャで栽培されているワイン用ブドウ品種です。萌芽が遅く、ウドンコ病の影響を受けやすい品種です。 ピクプールには果皮の色が異なる 「ピクプール・ノワール」 、 「ピクプール・ブラン」 、 「ピクプール・グリ」 の3種類があります。 ラングドック地方では長い歴史があり、最も古い土着品種の1つのようです。ここでは、ブレンドワインとヴァラエタルワインの両方に使われています。特に、ピクプール・ノワールから生産される赤ワインは、アルコール度数が高く、香りが豊かですが、非常に色が薄いため、ブレンドに使われることが多いようです。 ローヌ渓谷では、ピクプール・ノワール、ピクプール・ブランがシャトーヌフ・デュ・パプAOCのブレンド品種として許可されています。また、広域のコート・デュ・ローヌAOCにも使われています。 ピクプール・ノワール、ピクプール・ブラン、ピクプール・グリのうち、最もよく知られているものは「ピクプール・ブラン」であり、栽培面積は増加傾向にあるようです。 フランスだけではなく、ピクプール・ブランはカリフォルニア州ソノマやオーストラリアでも栽培がされているようです。 ピクプール・ド・ピネ(Picpoul de Pinet)AOC ピクプールを使った最も有名なワインの1つはラングドック地方の 「ピクプール・ド・ピネ(Picpoul de Pinet)AOC」 だと思います。 このワインは、その名が表す通り、ピクプール品種から造られており 「ピクプール・ブラン」100%の白ワイン です。しかし、品種( Piquepoul )とワイン名( Picpoul )で「ピクプール」のスペルが若干異なります。 この地域では、ピクプールはもともと主にベルモットのベースワインとして利用されていましたが、醸造技術の発展により、フルーティーなヴァラエタルワインとして造られるようになりました。 ピクプール・ブランは、温暖な気候にあっても成熟時に高い酸味を保持することができ、ピクプール・ド・ピネAOCワインは、高いレベルの酸味を持つことが特徴です。 レモンや花の香りを持つ、ミディアムボディの辛口ワインとして造られます。 下のような特徴的なボトル...

ワインエキスパート2次試験対策で味わった「ワイン以外(その他)のお酒」 ~リキュール編~

JSAワインエキスパート資格の2次試験(ブラインドテイスティング試験)では、ワインに加えて、「ワイン以外のお酒」も1種類出題されます。 詳しくはこちらの記事を参照: JSAソムリエ・ワインエキスパート2次試験対策、セルフ小瓶練習法 ワインのテイスティングとは異なり、「ワイン以外のお酒」はお酒の種類を当てるだけの単純な問題です。通常、4つの選択肢が与えられており、そのうち1つをマークするような形式です。 あるワイン講師によれば、「ワイン以外のお酒」への最良の対策は、できるだけ多くの出題される可能性のあるお酒を味わって、その特徴を自分の言葉でまとめることだそうです。 その教えに従って、「ワイン以外のお酒」対策として私が味わったお酒と、その時個人的に感じた感想をまとめたノートを公開したいと思います。 「ワイン以外のお酒」で出題される可能性のあるお酒には、大きく分けて 「リキュール」 、 「蒸留酒」 、 「酒精強化ワイン」 の3つが含まれます。 そのうち今回は 「リキュール」 を紹介したいと思います。 (関連記事: ワインエキスパート2次試験対策で味わった「ワイン以外(その他)のお酒」 ~酒精強化ワイン編~ ) (関連記事: ワインエキスパート2次試験対策で味わった「ワイン以外(その他)のお酒」 ~蒸留酒編~ ) 試験対策で味わったリキュール ※実際は一部、味わえなかったものも含まれます。 「リキュール」の特徴は、 アルコール度が強め であることと、 香りや風味が強め であることです。中にはスーズのようにアルコール度がワイン並み(15%)の例外もあるので注意が必要です。 対策ノートは、整理がしやすいように 「リキュールの色」 x 「アルコールの強さ(高・中・低)」 でまとめました。 「ワイン以外のお酒」の中でもリキュールは、色、アルコール度、主要な香りをしっかり覚えておくと、その知識だけでかなりの確率で正解ができると思います。 琥珀色のリキュール 黄色のリキュール 透明のリキュール その他の色のリキュール まとめたリキュールは28種類にもなりました。そのうち23種類は実際に味わいました。 「リキュール」以外に、「蒸留酒」、「酒精強化ワイン」があることを考えるとかなりの数です。 日本ソムリエ協会の発表によれば、「ワイン以外のお酒」の試験における得点配分は1種わずか3%だそうで...