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11月, 2022の投稿を表示しています

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エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

ギリシャの赤ワインブドウ品種「アギオルギティコ」と「クシノマヴロ」を比較してみる

 ギリシャはワイン産地としては非常に伝統のある産地です。ワイン醸造の歴史は少なくとも5000年以上あると言われています。 ギリシャは土着品種の多さが特徴的なワイン産地であり、その数は300品種にものぼると言われています。 有名な土着品種と言えば、「サヴァティアノ」や「ロディティス」、「アギオルギティコ」、「クシノマヴロ」に「アシルティコ」などがあがります。 そしてそのうち、黒ブドウ品種は 「アギオルギティコ」 と 「クシノマヴロ」 の2種類です。 個人的にこの黒ブドウ2品種を何かと混同してしまうことが多いため、その特徴の違いを調べてみようと思います。 まず、 概要 から。 アギオルギティコ は、 ・ギリシャで 最も栽培されている黒ブドウ 品種 ・ さまざまなスタイルのワイン(辛口、ロゼ、甘口など) を造ることのできる品種 です。 一方で、 クシノマヴロ は、 ・ギリシャで 最も高く評価されている黒ブドウ 品種 です。 クシノマヴロのスタイルは、基本的に辛口赤ワインとして造られるようです。 次に 栽培地域 です。 アギオルギティコ は、 ・主に ペロポネソス で栽培され ・ PDOネメア のワインが評価されて います。 一方で、 クシノマヴロ は、 ・主に 北部ギリシャ (マケドニアなど)で栽培され、 ・ PDOナウサ のワインが最も有名 です。 ネメアとナウサのうち関係は、下の地図の通りです。 最後に ワインスタイル です。 アギオルギティコ は、 ・早飲みでフルーティーなスタイルの赤ワイン ・熟成能力を持つ複雑でフルボディの赤ワイン ・ロゼワイン ・甘口の赤ワイン など様々なスタイルのワインを造ります。 多くの アギオルギティコ のワインは、 ・濃い外観 ・熟した赤系果実、・甘いスパイス(オークに由来)の香り/風味 ・中程度の酸味 ・中~高程度の柔らかいタンニン ・中程度のアルコール を持つと言われています。 一方で、 クシノマヴロ のワインは、若いうちは、 ・不快に感じられるほどの高いレベルの酸味やタンニン ・果実というよりも野菜に近い風味 ・淡い外観 を持つために、よくネッビオーロに例えられるそうです。 多くのワインは瓶内熟成により発展し、 ・花、ハーブ、スパイス、皮革、土のような香り/風味(瓶内熟成後) を持つと言われています。 同じ赤ワインでもアギオルギテ