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7月, 2021の投稿を表示しています

最新記事

エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

シラー(Syrah)ワインの黒コショウの香りを感じるための個人的な練習方法

特定の香りを感じ取る力には個人差があるようです。 なので、人にはそれぞれ感じ取るのが得意な香りと、苦手な香りがあると思います。 私の場合、感じ取るのが得意なのはMLF(マロラクティック発酵)由来による乳製品の香りです。 MLFの割合の少ないスタンダードなシャブリでも、比較的、乳製品の香りを感じることができると自負しています。 反対に、感じ取るのが苦手なのは、シラーが持つと言われる「黒コショウ」の香りです。 長らくワインのテイスティングトレーニングをやってきましたが、いまだにブラインドテイスティングでシラーを当てる自信は全くありません。 正攻法でシラーワインのテイスティングをひたすら行って「黒コショウ」の香りを探すという方法に限界を感じて、新たな方法をためしてみることにしてみました。 それは、次の写真のように、シラーのワインと、本物の黒コショウを用意して、交互に香りの共通点を探すという方法です。 そもそも「黒コショウ」の香りのもととなるのは「ロタンドン」という名の化学物質です。 参考記事: なぜ北ローヌのシラーには黒コショウの香りが含まれるのか? 間違いなく、シラーワインと黒コショウの両者にこの物質が含まれているはずです。 念のため、このワインが「コショウ」の香りを持っていることを確かめるために、メーカーのウェブサイトでテースティングノートも確認しておきます。 ”Nose: intense, fruity (blackcurrant/ raspberry) and complemented by notes of white pepper.” 「白コショウ」と書かれていますが、基本的には「黒コショウ」と香りの由来は同じです(白コショウは黒コショウの皮をむいたもの)。 テーブルのわきに2つのグラスを置いておいて、他のことをしながら時々思い出したように香りを取るだけなので、非常に楽な練習です。 例え、香りの共通点が見いだせなかったとしても、脳内で、この種のワインの香りと黒コショウの香りを結びつけることができれば十分成功だと思いながら続けています。 果実の香りあとに、余韻のようにやってくるスーッと抜ける香り。スーッと抜けるとは言っても、ハーブやピーマンとは異なる青さを持たない香り。これが、コショウの香りなのではないかと推測しています。 テイスティング用に比較的安い価格のコー

WSET学習に役立ったテキストからの情報のまとめ方

ワイン資格であるWSET(Level 3)の学習に役に立った個人的な情報のまとめ方の紹介です。 WSET(Level 3以上)の学習において重要なことは、ワインやワイン産地の、醸造方法の特徴を理解するだけではなく、「なぜ、そのような特徴を持つのか?」を理解することだと言われます。 入門的なワイン資格の試験と大きく異なるのがこの部分だと思います。 したがって、情報のまとめ方も、「特徴」に加えて、「なぜ?」の部分を合わせてまとめると、非常に役立つまとめノートができあがると思います。 例えば、ブドウ栽培に関しては、縦軸にブドウ栽培に関する要素を並べます(気候、雨、リスク、土壌など)。そして、横軸にそれぞれの「特徴」と、その特徴が与える「影響」やその特徴を持つ「理由」を並べます。前者は、暗記をすべきFactの部分、後者は「なぜ?」のReasoningの部分になるわけです。 ワイン醸造に関しては、横軸は同様で、縦軸にワイン醸造のプロセスを並べていく形になります。 ブドウ栽培における要素(気候、雨、リスク、土壌など)や、ワインの醸造プロセスは、との地域においても大きな違いはありません。 そのため、このようなまとめ方には、ワインの種類や、ワイン産地が異なっても、同じような形式で情報をまとめていけるというメリットがあると思います。

ポルトガルのワイン産地でずっと疑問だったこと(ポルトガルのDOCとVR)

 ポルトガルのワイン産地で、ずっとわからないことがありました。 それは、 「ミーニョ」 、 「デュリエンセ」 、 「ベイラ・アトランティコ」 、 「テラス・ド・ダォン」 、 「リスボン」 、 「ペニンシュラ・デ・セトゥーバル」 などが何をあらわしているのかということです。 有名な「ヴィーニョ・ヴェルデDOC」や「ドウロDOC」などを括っているものなので、日本だと「~地方」や「~県」などに当たるポルトガルの行政区分か何かだと思っていました。 しかし、実際は行政区分などではないようです。 最近わかったのですが、どうやらこれは 「VR(Vinho Regional)」 なのだとか。 VR (Vinho Regional) とは、ポルトガルの品質等級の2段目の 「地理的表示保護」 ワインで、EUの統一基準だと、 「PGI」 ワインに相当します。 上の品質等級のピラミッドが表すように、VRの数は 「14」 あります。一方で、品質等級の最上段の DOC(Denominação de Origem Controlada) の数は 「31」 です。 最後に主だった 「VR (Vinho Regional) 」 と 「 DOC(Denominação de Origem Controlada) 」 の位置をそれぞれまとめてみました。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

地図で覚えるワイン産地の気候区分

「アメリン&ウィンクラー博士によるワイン産地の気候区分」を地図にまとめてみました。 以前の記事(参考記事: ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方 )で紹介しましたが、気候区分は地図を使って視覚的に暗記をするのがおすすめです。 地図を使うと、他地域との地理的な比較がわかりやすく、すんなり頭に入ります。 そもそもこの気候区分という考え方自体、世界の異なる地域の栽培環境や、そこで造られるワインスタイルを比較するために考え出されたそうです。 アメリン&ウィンクラー博士による気候区分は、ブドウの成育期の積算温度によってワイン産地を区分する考え方で、「Growing Degree Days (GDD) = 積算成長度日」と呼ばれるそうです。   もともとは、カリフォルニアのブドウ産地を比較するために作られたのだとか。 ヨーロッパや日本では、基本的には緯度がそのまま気候区分に比例していますが、カリフォルニアでは緯度と気候区分の間に直接の関係はないようにみられます。カリフォルニアのワイン産地の気候は、寒流であるカリフォルニア海流の影響を強く受けるためです。このような気候的特徴を持つカリフォルニアでは、GDDモデルが活躍するのもよくわかるような気がします。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

個人的なAOCの簡単ざっくり理解 ~AOCってこういうこと?

 ワイン学習において「AOC」は避けて通れない言葉です。 しかし、この概念を正確に理解するのは結構大変です。 これまでワインを学んできて、「 AOCって結局、こういうことじゃないか? 」と思うことをざっくりとまとめてみました。 まだ理解が十分ではなく、間違っている部分もあるかもしれませんので、他の記事と同様、修正をしていきたいと思います。 メリットを簡単にまとめると、AOCは「 消費者には参照を提供し、生産者には差別化を与える(AOC  provides producers with a point of difference whilst giving consumers a point of reference )」ようです。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

ソノマ・ナパ カウンティのサブリージョン(AVA)の私的な覚え方【語呂合わせ】

アメリカ、カリフォルニアの暗記の難関と言えば、ソノマ・ナパのサブリージョン(AVA)の暗記です。 正攻法で覚えると結構大変なので、ポイントを絞った覚え方を考えてみました。 (参考記事: ナパヴァレーAVAの覚え方を正攻法で考えてみる ) そのポイントとは、「 そのAVAが、ナパ、ソノマどちらに属するのか? 」ということです。 あるAVAが取り上げられて、「これはナパ、ソノマどちらのAVAでしょう?」という問題が結構頻出なので、個人的には結構つかえる覚え方ではないかと思っています。 ソノマと、ナパのAVAを五十音順に並べてみると、意外と頭文字が重ならないことに気が付きます。 「ア」と「チ」が頭文字のものは両者に含まれるので、「アレ」と「チョ」で覚えます。 重複する「ロスカーネロス」は超重要なので、これは自力で覚えます。 名前に「ソノマ」が含まれるものは、わざわざ頭文字を覚えるまでもないので、除外しています。 あとはこの頭文字を語呂合わせなどで覚えます。 例えば、下のように。 ソノマさえ覚えてしまえば、「ソノマ」と「ナパ」の2択の場合は、ソノマの頭文字に含まれていなければ自動的に「ナパ」であることがわかります。 一応、下はナパの頭文字の語呂合わせです。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

ボルドー1855年の格付けの説明のための英単語

ボルドーの格付けを説明するための英単語(一部、フランス語も含む)を簡単にまとめてみました。 --------------------------------------------------------------------- メドック1855年の格付け (the 1855 classification of grand classé  略して、 the 1855 classification) 1855年のパリ万国博覧会 (the Exposition Universelle de Paris) の際、ボルドー市の商工会議所 (the Bordeaux chamber of commerce) が、当時の取引価格を基に、ジロンド県 (Gironde) のワインの格付け (classification of wines) を作成した。 全ジロンド県のワインが対象だったが、19世紀に主に輸出されていたのはメドック地区 (Médoc) の赤ワインとソーテルヌ (Sauternes) ・バルサック (Barsac) 地区の甘口白ワインだったため、この2地区のワインが格付けに選ばれる結果となった。 1級から5級 (First to Fifth growths  もしくは premiers to cinquièmes crus) まで5階級 (five tiers) に60シャトー (châteaux) が格付けされている。 パリ万国博覧会 - the Exposition Universelle de Paris ナポレオン3世 - Napoléon III ボルドー市の商工会議所 - the Bordeaux chamber of commerce 1885年の格付け - the 1855 classification of grand classé (略して、the 1855 classification) 1級 - First growths (= premiers crus) 5級 - Fifth growths (= cinquièmes crus) (1885年の)格付けワイン - Cru classé wine 5段階 - five tiers シャトー - châteaux ジロンド - Gironde メドック - Médoc  ソーテルヌ - Sa

リオハ(スペイン)のサブゾーンの覚え方【語呂合わせ】

 スペインのワイン産地であるリオハには3つのサブゾーンがあります。 「リオハ・アルタ」、「リオハ・アラベサ」、「リオハ・オリエンタル」の3つです。 この3つのサブゾーンの位置関係は、ワイン試験において頻出なのです。 しかしよく位置を間違えてしまうので、個人的に覚え方をまとめてみました。 各サブゾーンはエブロ川に沿って広がりますが、ログローニョの町を境に上流地域と下流地域に分けられます。 上流地域が、「リオハ・アルタ」と「リオハ・アラベサ」、下流地域が「リオハ・オリエンタル」です。下流が東側なので、オリエンタル=東方で覚えやすいと思います。 「リオハ・オリエンタル」は以前は、「リオハ・バハ (Rioja Baja)」と呼ばれていたようです。バハとは「下流」という意味ですが、「低い」というネガティブな意味もあるので「オリエンタル」に名前が改められたようです。 あとは上流にある「リオハ・アルタ」と「リオハ・アラベサ」の位置関係ですが、個人的にはこれを混同しがちです。 エブロ川を挟んで、北部が「リオハ・アラベサ」で、南部が「リオハ・アルタ」です。 「アルタ」は「上流」という意味なので比較的、覚えるのは容易でした。声域の「アルト」も「高い」と言う意味が由来のようです。 しかし一方で、「アラベサ」は名前の由来がよくわからず、なかなか頭に入りませんでした。 少し調べてみましたが、「アラベサ」はその土地の名前に関係がありそうです。 「リオハ・アルタ」が、ラ・リオハ州のラ・リオハ県に属している一方で、「リオハ・アラベサ」は、バスク州のアラバ県に属しているようです。 「アラベサ」という名前は、アラバ県に由来しているのかもしれません。 バスク州がラ・リオハ州よりも北にあることを覚えておけば、「リオハ・アラベサ」がエブロ川の北部に位置することも難しくはないと思います。 最後に、「リオハ」、「エブロ川」、「ログローニョ」という名称もサブゾーンに合わせて覚える必要があるのですが、私は次のような語呂合わせのイメージで覚えました。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )

ドイツワインの品質基準の覚え方は「手羽好き」【語呂合わせ】

ドイツワインで覚えるべき品質基準と言えば、プレディカーツヴァインの6段の分類です。 試験などでは順番を問われることが多いのですが、おすすめの暗記法は、頭文字による語呂合わせです。  頭文字が 「T E B A S K」 なので、私は、 「手羽好き」 と覚えています。 もともとは、「手羽先」という覚え方を教えてもらったのですが、「TEBASAKI」だと、アウスレーゼとシュペートレーゼの順番を混同してしまうことが多かったので、「手羽好き(TEBASUKI)」という語呂合わせに変えました。 これだと、アウスレーゼの「A」は、明らかにシュペートレーゼの「S」より前に登場します。 順番を覚えて満足しがちなのですが、それぞれの分類の中身を抑えておくこともおすすめです。 個人的な経験を言うと、私自身があまり中身を理解できていなかったので、備忘用にポイントをまとめてみました。 まず、上の3段階(TBA~ベーレンアウスレーゼ)は、ブドウの「粒」による選別です。「粒」レベルで選別をすることで、非常に糖度の高いマスト(ブドウ果汁)を作ることができます。その代わり選別の手間や費用がかかるので、出来上がるワインも高額になります。 下の3段階は、粒レベルではなく、ブドウ(房)での選別です。「粒」ごとに収穫をするようなことは無いので、上の3段階のような手間や費用は掛かりません。その代わり、マストの糖度は上の3段階よりも低くなります。 とはいえ、最下層のカビネットもかなり糖度の高いブドウであるために、基本は残糖のある甘味のあるワインとなります。 辛口ワインは基本的には、プレディカーツヴァインよりも下の、クヴァリテーツヴァインなどに含まれます。(理論的には、プレディカーツヴァインからも辛口のワインを造ることはできるようですが、数はそれほど多くないようです) (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 )