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11月, 2019の投稿を表示しています

最新記事

エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

WSETの記述式問題:「どの程度書けばいいのか?」の失敗例

記述式問題対策で最も苦労をしたのが 「必要十分な回答を書くこと」 でした。 時には必要な情報を全て書き込むことができずに減点をされてしまったり、時には余分な情報を書きすぎて時間を超過してしまったり... 例えば、 ワークブックのサンプル問題(②ある気候がブドウの育成に与える影響を述べる) から考えて、出題の可能性のある次のような問題。 「地域Aを品種Bにとって最適な育成地域とさせている気候条件を1つのべよ」 このような問題で私がよくやってしまう回答はこんな感じ。 「地域Aには、海からの冷たい風の冷却効果で、その地域の気温が下がるから」 そして、多分これだと満点回答はもらえません。なぜなら、この回答は「気温が下がることが、なぜ品種Bにとって良いことなのか?」が説明されていないから。 満点をもらうためには、 「地域Aには、海からの冷たい風が吹いて、その地域の気温が下がるから。そして、それによって品種Bにとって重要な特徴であるxxxの香りが造られるから。」 ここまで書かなければなりませんでした。 これだから記述式問題は難しい!このことを知っていたとしても、それを文章として表すことができなければ得点をもらうことができません。 「問題をしっかり読むこと!」そして「自分の回答を何度も疑うこと!」。英語で限られた時間内でこれを行うためにはひたすら訓練あるのみでした。 関連記事:「 WSET記述式試験の例題と苦手な問題 」

WSET記述式試験の例題と苦手な問題

WSETレベル3では、記述式試験のサンプル問題が ワークブック で4問ほど提示されています。 WSETの規約に抵触しそうであまり細かい情報は出せないのですが、それらの問題を要約すると次のようなことが回答として求められています。 <ワークブックの サンプル 記述式問題で問われていること> ------------------------------------------ ①ある気候に該当する地域名をあげる ②ある気候がブドウの育成に与える影響を述べる ③ある気候において特定の栽培方法が選ばれる理由を述べる ④あるワインに用いられているであろう醸造オプションあげる ⑤ある醸造オプションがワインスタイルに与える影響を述べる ⑥あるワインと同じスタイルで異なる地域のワインを推薦する ⑦あるワインの提供方法を述べる ⑧ワインの保存方法を説明する ------------------------------------------ サンプルとして提供されているということは、つまり、このような問題が本試験でも出題されるということだと思います。 授業の宿題として提出される問題も、このような出題形式の問題が多いのですが、私が最も苦手で難しいと思う問題は、④と⑤が組み合わさった問題でした。 「あるワイン → そのワインの醸造方法を推測 → 結果のワインスタイルを説明」 という流れの問題です。 例えば、このような形で質問されます。 「画像のワインの醸造に用いられていると思われる醸造オプションを4つ挙げて、その醸造オプションがワインスタイルに与える影響を説明しなさい」 なぜこれが難しいかというと、各地域のワイン1つ1つに対する醸造方法の説明はテキストではおこなわれていないからです。そのため、そのワインスタイルから考えて、用いられている醸造方法を推測するという応用力が求められます。 醸造オプションは、例えば、発酵温度や、発酵容器の選択、熟成期間や、熟成容器の選択などなのですが、これらは多岐に渡るため、その中からもっともらしい答えを導き出すためには、醸造プロセス全体に対する深い理解が求められます。 この手の問題は、配点が10点以上あるような問題が多いのですが、練習問題において私はなかなか満点回答ができず数点は取り

一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例)

「大量生産ワインにpre-fermentation maceration(発酵前のマセラシオン処理)は向いているか?」 この質問は、あるサイトで見つけた記述式問題を意識した質問なのですが、すごくWSET的だと思いました。 なぜなら、WSETレベル3の記述式問題では、かならずしもテキストに書かれていることがそのまま質問されるとは限らず、この問題もテキストのどこを探しても直接的な答えは載っていなかったからです。 テキストで見つけたpre-fermentation macerationの定義は次の通り: ----------------------------------------- Once the fruit has been crushed, some winemakers prefer to leave the grapes to macerate for a period at a low temperature before allowing the fermentation to start. This is sometimes referred to as "Cold maceration" or "Cold soaking". The purpose of this maceration is to extract colour and flavour compounds. Tannins are more soluble in alcoholic solutions and are therefore not readily extracted at this point in the winemaking process. ----------------------------------------- 発酵前にブドウをしばらく果皮や種子と接触したまま低温状態で放置することで、色素と風味成分を抽出することを目的に行うとのこと。タンニンはあまり抽出されてないのも特徴。 マセラシオンなので、基本的には赤ワインに用いられる手法です。 そしてテキストの中で最も関連があるのではと思った部分は次の文章: -------------------------------------

英語受験におけるスペルミスや文法エラーの扱いについての予測 (WSETレベル3)

WSETレベル3を受けるにあたって、言語的な英語のミスがどの程度許されるのかは私にとって大きな関心事でした。 なぜなら、私は英文を書けば1パラグラフの中にはいくつもスペルミスや文法ミスがあるような英語レベルだからです。 学生時代に特別な英語教育を受けたわけでもなく、大学の選考も英語とは全く関係がなく、長期の海外留学経験もありません。学術的な英語と言えば、TOEICやTOEFLなどの試験勉強用の英語学習を独学でしてきたくらいです。 WSET Level3のspecificationを読んでも、英語の記述に関することはどこにも記載を見つけられませんでした。それもそのはず、Level3は多言語での受験オプションが提供されているわけですから。日本語があるのにわざわざ英語で受けようとする日本人なんてWSETはきっと眼中にないでしょう。 そこで色々ネット検索を続けていきついたのが、"Diploma"向けのある資料。こんな記述がありました。 ------------------------------------------------ If English is not your first language, the examiners will take this into account when marking your script; you will not lose marks for errors in your written English provided that it is intelligible. No candidate will be penalised for poor spelling or grammar if the meaning is clear but you should take particular care to spell correctly any technical vocabulary (such as the names of grape varieties or soil types) and wine terms which appear in languages other than English. This is important whether or

8割越えは難しい... WSETレベル3のテイスティング中間テスト

WSETレベル3コースでは、本試験対策としてテイスティングの中間模擬試験が組み込まれていました。ちょうどコースも半ばを過ぎてテイスティングコメントもこなれてきた絶好のタイミングです。 本試験と同じ、赤白それぞれ15分ずつで行うブラインドテイスティングで、ちゃんと採点もしてもらえます。 毎回、テイスティングの復習をしっかりやってきた自負があるので何とか及第点の55%をとりたいところ。でもいつでも知識先行型で、感覚系の試験には苦手意識のある私。及第点に届かなかったらかなりへこんでしまうので、結構気合を入れて臨みました。 結果はというと...なんとか及第点に届きました! 80%以上の"Pass with distinction"に届かないまでも、65%~79%の"Pass with merit"にあたる得点。中間地点としてはひと安心でした。 せめて70%に届きたかったのですが、テイスティングはそんなに甘くありませんよね。 ------------------------------------ Total: 28/41 (68%) WHITE WINE(白ワイン): 13/21 [62%] Appearance(外観): 2/2 Nose(香り): 5/7 Palate(味覚): 5/9 Assessment of quality(品質レベル): 0/1 Readiness for drinking(飲み頃のレベル): 1/1 RED WINE(赤ワイン): 15/21 [71%] Appearance(外観): 2/2 Nose(香り): 6/7 Palate(味覚): 5/10 Assessment of quality(品質レベル): 1/1 Readiness for drinking(飲み頃のレベル): 1/1 ------------------------------------ 最も減点が多かったのは「Palate(味覚)」 最も外したところは「Palate(味覚)」で赤白あわせて9点分も外してしまいました。そのため「Palate(味覚)」の得点率は赤白合計で 53%(10点/19点)と半分程度でした。 「Palate(味覚)」の

テイスティングの本音と建前 ~目の前のワインと向き合うことは必要か?~

ワインエキスパートの試験対策コースに通っていた時に、受講者と講師の間でこんなやり取りがありました。 -------------------------------------------------------- 受講者「2次試験でフランスのカベルネ・ソーヴィニヨンが出た場合、試験で選ぶ香りを事前に決めました!」 講師「そもそもそのワインの香りを取る前に、どうやってそのワインがフランスのカヴェルネ・ソーヴィニョンってわかるんでしょう?」 受講者「確かにそうですね...」 -------------------------------------------------------- 結局、講師に否定されてしまったアイデアですが、私はこの生徒の考えになんだか共感をしてしまいました。 そして今度はWSETの講義での別のやり取り。 -------------------------------------------------------- 受講生「キイチゴって、どんなワインに使う香りなんですか?」 講師「キイチゴの香りを知っていますか?キイチゴを実際に手に取って、同じ香りがしたワインに使えばいいんです。知らない果物の香りは選ぶ必要はありません。香りはワインによって決まっているものではありません。」 -------------------------------------------------------- これも講師に否定されてしまいましたが、私は受講生の質問になんだか共感をしてしまいました。 ワイン講師はよく「目の前のワインと向き合ってください」という言葉を使います。 これは言い換えれば、(事前の偏見などに頼らずに)そのワインから感じたことをそのままテイスティングコメントで表すという意味だと思います。 確かにおっしゃる通り。反論の余地はありません。 しかし、ワインを学び始めた受講生がそれを実際にできるかと言うと、 そんな簡単にできることではありません 。特に香りに関しては。なぜなら多くのワイン初心者は特定の香りを嗅いだ時に、それが何かもわからないし、それを表す言葉を持ち合わせていないためです。 私の場合、テイスティングにおいて最初にぶち当たった壁はここでした。実は、ワインエキスパートお

意外に高い?ワイン資格試験「WSET」の合格率

以前の記事でJSAソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率は紹介をしましたが(➡ 参考記事 )、WSETの合格率はどこを探してもみつかりません。 おそらくWSETが公式には公表していないのだと思います。 色々検索を重ねてそれらしい数字を見つけたのがこのページ。 https://winespirittraining.com.au/learn-all-about-wines-with-wset-courses/faq/237/ 情報ソースは定かではないのですが、 Level 1: Globally 90% Level 2: Globally 91% Level 3: Globally - Tasting:94%, Multiple Choice:85%, Short Answer 65% と書かれています。 (Globallyと書かれているので世界全体での数値を指していると思われます) 噂では、最近のLevel 3のMultiple Choiceの合格率が88%と聞いていたので、結構、信ぴょう性のある数字かもしれません。 もしこの数字が正しいとすると、 WSET Level 3で全ての試験に合格する確率は、94% x 85% x 65% = 52% 52%というとJSAソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率と比べると少し高い数字です。(参考記事: JSAソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率と難易度 ) 公式な合格率は公表されていないので、あくまでも仮定の話に過ぎませんが... ちなみに、日本では、キャプランのWSETレベル3の合格率は、50%くらいだそうです。 (関連記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 )

ワインを英語で学ぼうと思ったきっかけと意外な発見

私はそれほどワインパーティーや試飲会に積極的に参加をする方ではないのですが、ある時友人に誘われてワインの試飲会に参加をしました。 海外団体が主催をする立ち飲み形式の試飲会で、出席者の7-8割は外国人でした。 その頃私はJASワインエキスパートに受かったばかりで、ある程度ワインについては語れる自信があったので、あまり気負うことなく会場に向かいました。 試飲会にはワインブースがワイナリーとに用意されていて、飲みたいワインのブースにいって1杯ずつ注いでもらう形式。立食パーティー用のテーブルが用意されていて、そこでゆっくりワインを味わいます。そしてそこでたまたま知り合った人たちとワインについて語ります。 「このワイン、凝縮感がありますね。」「結構タンニンが豊富で、渋味もある。」 本来であればワインスクールでならったこのような言葉が浮かんでくるのですが、いざ英語での会話となると、言葉が何も浮かんでこない...。いま思えば簡単な、"concentrated"や"tannic"、"astringent"のような基本的なテイスティング用語が全く頭に浮かんできませんでした。 あれだけワインエキスパートで必死に勉強したのに、英語では何も言えない。英語で言えなければ、知らないことと何も変わらない。今度は英語でワインを勉強しよう!と強く心に決めました。 WSETは以前から存在は知っていたのですが、ずっと「海外版ワインエキスパート」だと思っていたのでそれまでずっと興味を持つことはありませんでした。 しかし、英語受講のクラスが提供されていることを知って、俄然興味を持ちました。 受講をするのであればレベル2かレベル3。ワインエキスパートを持っていればレベル3からの受講で十分と言われていましたが、いきなり英語でレベル3を受けるのもちょっと不安。でもレベル2だとあまり多くを学べないのではないか?そんなことを考えながら、結局は準備を万全に備えてレベル3の英語クラスを受講することに決めました。 英語でワインを学べるのであれば、 もう一度ワインエキスパートと同じ内容をなぞってもいいか... そんな気持ちで受講を決めました。 そこから6か月間、しっかりWSETレベル3を学習して新たに発見

WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト

資格試験合格のコツは、 出題される問題の傾向を調べて、その対策を意識しながら学習を進めること だと思います。 J.S.A.ワインエキスパート の受験勉強をしたときは、様々なウェブサイトや書籍で過去問が公開されていたので、いち早くそれらを手に入れて早めに対策を進めることができました。 (参考記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) WSETレベル3 の場合、それは大きな課題でした。 なぜなら、WSETは 過去問の公開や口外が禁止されており 、実際に出題された問題や、試験問題のサンプルを公開しているウェブサイトや書籍がほとんどなかった ためです。 しかし、世界的なプログラムであるWSETの良いところは、世界中に情報ソースが散らばっているところ! その数は多くはありませんが、英語で検索をするといくつか本試験問題を把握する上で参考となるサイトが見つかります。 私が見つけて参考にしたウェブサイトのいくつかを紹介したいと思います。 <WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト> https://www.dallaswinecenter.com/short-answer-question-mosel/ *記述式試験サンプル問題です。 http://www.phillywine.com/wset/advanced/acexam.html *記述式試験サンプル問題です。 https://fromgrapestowine.wordpress.com/2013/11/19/wine-spirits-education-trust-wset-level-3-model-de-examen/ *記述式試験サンプル問題です。 https://www.thirtyfifty.co.uk/WSET-L3-Exam-Questions.asp *email登録で一部「Viticulture (Vine-growing) Questions」が無料で参照できます。 *有料登録をすると記述式、選択式の問題がかなり入手できるのでおすすめです。 https://www.finevintageltd.com/contentmanager/file/PRACTICE%20QUESTIONS/

WSETレベル3の無料説明会に出席した感想 (キャプランワインアカデミー と アカデミー・デュ・ヴァンの評判は?)

現在、WSETレベル3を通いで受講できるのは、日本では「キャプラン ワインアカデミー」か「アカデミー・デュ・ヴァン」の2校です。(もしかしたら、それ以外にもWSETを扱うスクールが徐々に増えているかもしれません) 私はどちらに通うかをかなり迷ったために、無料説明会に出向いて通う学校を決めることにしました。 まず最初に出向いたのは、 「キャプラン ワインアカデミー」 。 日本でWSETと言えば真っ先に名前のあがるワインスクールです。WSETレベル3の先にあるレベル4の「Diploma(ディプロマ)」は日本ではこのスクールでしか提供されていません(実際にDiplomaの授業が提供されているわけではありませんが、Diplomaプログラム参加やDiploma試験の申込の受付、Diplomaに関する情報提供、日本でのDiploma試験の運営などを行っています)。 場所は表参道駅から5~10分程度歩いたところにありました。 説明をしてくれたのは年配の女性の講師。 WSETの背景と、学習内容について一通りの説明を受けた後に、赤白のワインの試飲をさせてもらえました。 こちらのスクールで魅力的に感じたのは、 振替受講の選択肢の多さ です。時間帯の異なる英語クラス動詞の振替受講だけではなく、週にいくつも用意されている日本語クラスにも振替をできることが魅力でした。 また、説明会には英語クラスに興味を持っている日本人の方が多く、英語クラスに関する質問が多くあがりました。日本人講師が担当をする英語クラスがあるためか、スクール側もある程度の英語力があれば、そのような方々を歓迎している雰囲気でした。 少し残念だったのは、学習内容についてあまり詳しく話をしてくれなかったので、WSETその魅力があまり伝わらなかったことでした。 次に出向いたのは、 「アカデミー・デュ・ヴァン」 。 こちらもWSETを扱っていますが、JSA資格により力を入れている印象のあるワインスクールです。 場所はこちらも表参道から5~10分歩いた場所にありました。 無料説明会の担当はやや年配の女性講師。こちらもWSETの説明に加えて、赤白のワインを1種ずつ試飲させてもらえました。 こちらの魅力は 洗練されたスクール全体の雰囲気 でした。キャプランはオフィスの中の会議室的なイメージ

WSETレベル3 記述式問題の形式と回答のコツ(英語受験)

WSET Level3のSpecificationによれば、記述式問題に対しては次のようなサンプル問題が提示されています。(この問題を含め、いくつかのサンプル問題がWebで公開されています) WSETレベル3の記述式問題は、 4つ質問 から構成されており(各質問はいくつかの小問から構成されています)、それぞれが 25 marks で 合計100 marks の形式です。 この質問に与えられているのは 4 marks であるため、4つ大問を構成する1つの小問に過ぎません。 単純に計算をすると、この質問の規模は記述式問題全体の 1/25 程度です。 2時間 ある筆記問題で、マーク式問題を20分で終えられたとすると、記述式問題に使える時間は 100分 。 100分で100 marks を獲得する計算だと、 4 marks のこの問題に使える時間は たったの4分 です。 これだけで、記述式問題がいかに時間に追われるかの想像がつくと思います。 <記述式問題の難しさ> 一見難しく感じますが、実はしっかり勉強をすればそれほど答えに困るような問題ではありません。時間の制約がなく、対話形式のように何度でも答えを述べることができるのであれば、求められていること全てに回答ができると思います。 しかし私が難しく感じた点は、 限られた時間内で求められていること全てを回答に入れ込まなければいけない ことです。 例えばこのサンプルの場合、4 marksを獲得できるだけの内容を回答文に含めなければなりません。これは私の感覚なのですが「回答に求められている事実・事柄1つ=1 mark」であることが多いため、正しい4つの事実・事柄を含めて記述をしなければ満点はもらえない計算となります。 関連することを沢山書くという「下手な鉄砲~」作戦もありますが、これをやっていると4分などあっという間に過ぎてしまいます。 真っ白な空欄に、文字数などの指定もなく、自分の判断で過不足なく回答を書かなければいけない という部分が記述式問題の最も難しい部分だと思いました。 <回答はどの程度書いたらよいのか?> 回答量を判断するポイントは2つあります。 ①付与される「mark」の数 ②質問文の動詞 ①については上でも書いたように、「1 mark=1つの事実・事

WSETによって整理のされたロワール川流域とAOCの暗記

ロワール渓谷 は、JSAソムリエ・ワインエキスパートでは覚えることが多い地域で、暗記をするのにとても苦労をした地域です。 「クール・シュヴェルニの主要品種は?」「オルレアン・クレリの生産可能色は?」「プイイ・シュール・ロワールの主要品種は?」など、重箱の隅をつつくような問題ばかりを意味も分からず必死になって覚えました。 一方、WESTレベル3で学ぶロワール川流域は非常にシンプルで、覚えることは、主要なワイン生産地域の気候やブドウ品種のみでした。 暗記に時間を取られることがなかったために、かえってこの地域全体の特徴をうまく捉えることができたような気がします。 そんなロワール川流域のワイン生産地域の特徴をまとめてみました。 ロワール川流域の気候、主要品種のまとめ ロワール川流域は東から西に、「サントル(Center)地域」、「トゥーレーヌ(Touraine)地域」、「アンジュ―・ソミュール(Anjou-Saumur)地域」、「ナント(Nantais)」という大きく四つのワイン産地に分かれています。 ロワール川は全長1,000㎞にも及ぶフランス最長の川であり、このような東西広域に渡るロワール川流域では地域によって気候が異なります。 また、各地域それぞれの気候に適したブドウ品種が栽培されているために、造られるワインの主要品種もそれぞれ異なります。 それをまとめたのが下の図です。まるで囲った地域は主要なワインの生産地を表しており、青まるは白ワインの産地、オレンジまるは赤ワインの産地を表しています。 この地域のポイントは、 ワイン産地は大きく4地域に分かれていること 海からの距離によって気候の違いがあること アンジュ―・ソミュールはモージュ丘陵(Mauges hills)の影響で、温暖で乾燥していること 気候によって各地の主要品種が異なること です。 この中でも特に重要なワイン産地は、 サヴニエール(Savennieres) だと思います。全体的に冷涼な気候のロワール川流域において、 遅摘み の シュナンブラン から 辛口フルボディ ワインが造れてしまうという、独特な地域です。 気候的な特徴が、ヴォージュ山脈に守られているアルザスに似ているので、ロワール地域の中で記

長らく勘違いをしていたガメイの品種特徴とマセラシオン・カルボニックの関係

ガメイ(Gamay)は、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験対策で何度も出会った品種で、 ガメイ = キルシュ、バナナ、シナモンの甘い香り と覚えていました。 しかし、何度かガメイを試飲する中でこのような特徴を全く持たないものがあり、それをずっと疑問に思っていました。 WSETをやって理由がはっきりしたのですが、どうやら、キルシュやバナナ、シナモンの甘い香りは、 製造方法に由来する香りで、ガメイの品種特徴ではない ようなのです。 ガメイと言えば、フランスのボージョレ地方の ボージョレ(Beaujolais)ワイン です。 この地域では多くのワインが、 「炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)」 や 「半炭酸ガス浸漬法」 を使って製造されます。そして、これらの製造方法を使った時に、「キルシュ、バナナ、シナモンの甘い香り」が生まれるようなのです。 おそらく、ワインスクールで提供されたボージョレワインは、すべて「炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)」もしくは「半炭酸ガス浸漬法」で製造されたものだったのだと思います。 (関連記事: ボージョレのガメイ・ワインの特徴を調べてみる ~冷涼・温暖地域の赤ワインとの比較~ ) 炭酸ガス浸漬法(マセラシオンカルボニック)・半炭酸ガス浸漬法とは? 炭酸ガス浸漬法/半炭酸ガス浸漬法は、破砕されていないブドウを房ごと発酵工程に含めてワインに独特な果実のアロマを加える醸造方法です。 この醸造方法では、「細胞内の発酵(intracellular fermentation)」と呼ばれる反応が起こり、アルコールとともに、キルシュ、バナナ、チューインガム、シナモンのような香辛料の特徴的な香りが生み出されます。 特に、炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)では、ブドウから色素は抽出されるが、タンニンはほとんど抽出されず、果実風味が豊かで口当たりのよい 早飲みタイプのワイン が造られます。 ボージョレ地方で有名な、 ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau) ではこの「炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)」が用いられています。 ボージョレ・ヌーボーは、「ボージョレAOC」および「ボージョレ・ヴィラージュAOC」の品質のワインで造ることができます。 ち

WSETレベル3資格試験 当日の流れと気を付けたこと

WSETレベル3資格試験の特徴は、一日で 筆記試験とテイスティングの両方 を行い、主に ワインスクールで行われる ことです。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験のように、一次試験、二次試験が別日に設けられているわけではありません。 当日の流れ は大体こんな感じです。 <試験当日の流れ> ------------------------------------------------- テイスティング試験に関する説明(20分) テイスティング試験 (30分) 休憩 (10分) 筆記試験に関する説明(20分) 筆記試験 (120分) ------------------------------------------------- 合計で3時間30分くらいかかる長丁場です。 受験会場は慣れ親しんだクラスルームなのですが、いつもと違ってちょっとピリッとした雰囲気になっています。多くの方が少し早めに来て、テキストやノートを読み込んでいます。 英語受験の場合は、受験に関する説明も全て英語で行われます。 試験官が日本人の場合、日本語で質疑ができるので英会話に自信がなくても問題ありません。 最初のテストは テイスティング から。 私の場合、次のようなことに気を付けました。 ------------------------------------------------- <テイスティングで気を付けたこと> その日初めてのワインはアルコール度とボディを高めに感じてしまうので、自宅で赤白のテイスティングをしてから望む。 本試験では白ワインから試飲する。なぜなら、白ワインの方がよりシンプルなワインである可能性が高いから。 それぞれのワインに時間をかけすぎず、第一印象だけで全ての回答を書きあげる。 第一印象を大事にして、時間がたってからの再評価にはあまり頼らない。なぜなら再評価ではワインを過大評価してしまうため。 書き残した項目がないかをしっかり確認する。(慌てていると、flavour characteristicsなどを飛ばしてしまいがちだったので) 香り・風味の特徴に減点はないために、1つくらい多めに書く -----------------------------------------

地理的表示のワイン法(WSETレベル3選択式問題対策)

ワイン法 は紛らわしい。EU圏内での統一は図られているものの、伝統的に使われてきた各国独自の呼称は覚えるのが厄介です。 しかも、言語が英語だけに限らないのが、これまた厄介。 WineなのかWeinなのか、VinoなのかVhinoなのか?それぞれしっかり覚える必要があります。 (私が学習時にまとめたメモ) 個人的には、ヨーロッパのPGIと地理的表示のないワイン(No-GI)の部分をよく混同してしまいました。(特に赤字の部分) 選択式問題の練習問題をやったりするとよく問われる部分なので注意が必要です。 記述式問題には出なさそうだったので、選択式問題対策だけにして、あまり深くは突っ込みませんでした。

ワインが劣化原因する原因とは?【語呂合わせ】

WSETレベル3のテキストは、テイスティング手法であるSATの説明から始まります。 これらは全てテイスティング試験のためだと思ったら大間違い。多肢選択問題で出題される可能性も大いにあります。 その中で、怪しい匂いがプンプンするのが、7つの「 ワインの劣化原因 」。 数も7つと手ごろだし、それぞれに特徴的な香りがあるので出題するにはもってこいのエリアです。 <ワインの劣化の7つの 原因> -------------------------------------------------------------- Volatile acidity (揮発性の酸 ) Brettanomyces (Brett; ブレタノマイセス ) Reduction (還元) Oxidation (酸化) Out of condition (不良な状態) Trichloroanisole (TCA; トリクロロアニゾール ) Sulfur dioxide (亜硫酸) -------------------------------------------------------------- 私はこれらをそれぞれの頭文字をとって、 「VB ROOTS」 と覚えました。 Wine faults come from  VB (very bad)  ROOTS . 翻訳すると、 「ワインの劣化は、非常に悪い根っこのせい」 という自作の英語版語呂合わせです。 それぞれに次のような劣化を表す特徴的な香りを持っているのですが、試験で出題される可能性もあると思ったのでしっかりと覚えました。 <劣化ワインの香り> -------------------------------------------------------------- Volatile acidity (VA; 揮発性の酸 )  vinegar(酢), nail polish remover (除光液) Brettanomyces (Brett; ブレタノマイセス )  sticking plasters(絆創膏), hot vinyl(熱したビニール), smoked meat(燻製肉), leather(皮革),

チャートで覚えたワインのサービス温度(WSETレベル3)

ワインのサービス温度 を覚えるのも、ワインと料理の相互関係と同様に苦労しました。 ワインのサービス温度 は、多肢選択問題だけではなく、記述式問題にも出題される問題であるため重要です。個人的には出題もしやすい内容だと思ったので、記述式問題対策としてヤマをはりました。(➡ WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ ) しかし、テキストは数字の羅列で覚えにくい... そこで、ここも表にまとめて何とか覚えることにしました。 ポイントは保管温度の上限である 15℃を基準に、2℃ごとの変化 で各種ワインの提供温度を覚えるというもの。 例えば、ミディアム~フルボディの赤ワインは、17℃を中心に「Room temperature」15℃~18℃がサービス温度に設定されています。 ミディアム~フルボディの白ワインは、11℃を中心に「Lightly chilled」10℃~13℃がサービス温度です。 1℃レベルの細かい温度を覚えるのも意味がないと思ったので、個人的にはこれで概要をおさえておけば十分だと思いました。 この中でも特に 「Sweet wines」「Sparkling wines」「Red wines(Medium/Full-bodied)」 は重要度が高いと思いしっかり覚えました。 なぜならば、 記述式問題 で、抜栓やデカンティング、製造方法と絡めて問題が作りやすいと思ったからです。例えば、このような問題。「スパークリングワインの抜栓から提供までを説明しなさい」とか、「ヴィンテージポートの提供方法について説明しなさい」など。 特に、 「Red wines(Medium/Full-bodied)」 にはデカンティングの必要な ヴィンテージポート が含まれるために注意をしました。

ワインと料理の組み合わせの法則(WSETレベル3)

WSETレベル3では、ワインと料理の関係性を覚えなければなりません。 Specificationによると出題は多肢選択(四択)問題に限られるようなので重要度はそれほど高くありませんが、暗記をせずに試験に臨む勇気はありませんでした。 特に、「料理がワインにどのような影響を及ぼすのか」がつらつらと箇条書きで書かれている部分を覚えるのが大変で、すべてを表にまとめてみました。 表にしてみると意外にもその規則性が見えてきて、料理(Food)・ワイン(Wine)ともに各要素が2つのグループに分けられることがわかりました。 グループ1の特徴を持った料理は、グループ1のワインの要素を打ち消して、グループ2のワインの要素を引き立てます。反対に、グループ2の特徴を持った料理は、グループ1のワインの要素を引き立てて、グループ2のワインの要素を打ち消します。 唯一の例外は、料理の苦味(Bitterness)で、これはワインの苦みや渋味を引き立ててしまいます。 表や図に置き換えてみると、暗記作業も効率的に進めることができました。

WSETレベル3の多肢選択問題(四択問題)対策

WSETレベル3の試験は、「 理論試験 」と「 テースティング試験 」の2つのユニットから構成され、さらに理論試験は、「 多肢選択問題(50問) 」と「 記述式問題((4問) 」から構成されています。 WSETのspecificationによれば、 ----------------------------------------- ユニット 1: 理論試験の試験時間は 2時間で、2部構成になっています。問題の構成は次の通りです。 • 多肢選択式問題 50 問 • 記述式問題 4 問(各 25 点) このユニットの試験に合格するには、各部の問題で正解率 55% 以上を得点する必要があります。 ----------------------------------------- と書かれているために、合格をするためには記述式問題では 55%以上 の正答率が必要です。 受験をした経験から言うと、「記述式試験」、「テースティング試験」と比べて、「多肢選択問題(50問)」で55%の正答率をとることは 非常に容易 です。 しかし、一方で良い評価で合格をしたいのであれば、 満点を狙って 取り組む分野だと思います。 なぜなら、WSETレベル3の評価基準は、全ての試験の合計得点によって次のように決められているからです。 ------------------------------------------ 合計得点の正解率が80% 以上、各試験で65% 以上を得点していること ⇒ Pass with distinction 合格(優) 合計得点の正解率が65% ~ 79% ⇒ Pass with merit 合格(良) 合計得点の正解率が55% ~ 64% ⇒ Pass 合格(可) 合計得点の正解率が45% ~ 54% ⇒ Fail 不合格(不可) 合計得点の正解率が44% 以下 ⇒ Fail unclassified 不合格(分類外) ------------------------------------------ 実際に多肢選択問題(四択問題)を解いた感想は... <多肢選択問題(四択問題)を解いた感想> ------------------------------------------ 基本的なこと

WSETレベル3英語受講は通い?オンライン?どっちがおすすめ?

WSETレベル3は英語受講の場合、 ・ワインスクールに通う ・オンライン の2通りが用意されています。 (※日本語受講の場合は、ワインスクールに通う方法だけだと思います) 私は 「指定のワインスクールに通う」 方法を選択して無事に資格の取得ができました。 私がスクール通いにした主な理由は、「他の受講生や講師と直接やり取りをしたかった」こと、「スクールへのアクセスが便利なところで働いていた」という2点でした。 実際にワインスクールに通ってみて、それ以外の思わぬ メリット、デメリット も見つかったので、それらを紹介したいと思います。 スクール通いのメリット・デメリット まずは、私が感じたワインスクール通いのメリットから説明をしたいと思います。 <ワインスクール通いのメリット> ●友人ができる  試験情報の交換などで学習に対するモチベーションが高まります。またテイスティングの評価をその場で話し合えることも大きいです。仲良くなれば講義の帰りに飲みに行ったりもできます。 ● 講師に直接質問ができる 疑問に思ったことを即座に質問できるのは大きいです。オンライン受講の場合のメールなどのメッセージのやり取りでは質問できることが限られます。 ● 学習のリズムができる 受講の曜日と時間が決まっており、それに合わせて予習・復習を行うので自然と学習のリズムが出来上がります。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) ● スクールでの受講は集中力が高まる ワインスクールに行くと日常生活の切り替えができて、ワイン学習のスイッチが入ります。その結果、集中をしてワインの勉強に取り組むことができます。 ●毎回の授業でテイスティングの模範解答をもらうことができる スクール通いの場合、毎回4~6種類程度のワインのテイスティングが行われます。個々人でテイスティングを行った後に、講師から模範解答が提示されるのですが、これは非常に貴重な情報です。なぜなら、色調、香り、味覚をどのように表現すれば本試験で得点がもらえるかは、なかなか自分だけの評価ではわからないからです。 たとえば、自分では「タンニンが中くらい」と思ったワインが、講師による模範解答では「タンニンが強い」と評価されるようなこ

JSAワインエキスパートとは?受講をしたメリットは?

ワインエキスパートとは? 日本ソムリエ協会(J.S.A.)のウェブサイトの「J.S.A.呼称資格の定義」に次のように書かれています。 ----------------------------------------------------- ワインエキスパートとは酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有する者を言う。 プロフェッショナルな資格ではないので職業は問わず、むしろ愛好家が主な対象となる。我が国においてはJ.S.A.が、ここで 言う定義・役割・求められる能力に適うと認められた者に対してワインエキスパートの資格を認定している。 ----------------------------------------------------- つまり、 ワインエキスパートは酒類、飲料、食全般の愛好家のための資格 であるこということです。 ワインエキスパート資格を取得するには? ワインエキスパート資格を取得するには、 第一次試験(筆記) と 第二次試験(テイスティング) の2つの試験に合格する必要があります。 第一次試験 は先ほどの引用にある「 酒類、飲料、食全般の専門的知識 」をはかるための試験であり、コンピューター形式(CBT形式)の 選択式問題 で実施されます。所要時間は70分で出題数は120問程度と言われています。 次のような問題がコンピュータースクリーン上に出題されます(過去問からの引用です)。 ----------------------------------------------------- <第一次試験の問題の例> 日本の酒税法で規定されている酒類とは、15℃においてアルコール分が何% 以 上のものか。次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。 1.  0.001% 2.  0.01% 3.  0.1% 4.  1% ----------------------------------------------------- 第二次試験 は先ほどの引用にある「 テイスティング能力 」をはかるための試験であり、ワインとワイン以外のお酒を味わって、ワインの場合はその特徴、ワイン以外のアルコールの場合はその名称を回答用紙にマークします。

WSETレベル3記述式試験とJSA筆記試験の大きな違い

WSETレベル3記述式試験に向けて、JSAの勉強法から大きく変えなければならなかったことがありました。 それは、 自分の言葉で答えを書くこと です。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、 「 全ての答えは教本にそのまま書いてある 」 というのが前提でした。 そのため、教本を丸暗記することに慣れすぎていて、 最初はWSETの勉強法に慣れるのに時間がかかりました。 例えば、次のような一見ワインには関係のないような問題でも、JSAの場合は必ず答えが教本に書かれていました。 --------------------------------------- <JSAソムリエ・ワインエキスパート試験の問題例> 問題: ポルトガルのカステラの起源とされる、軽いスポンジ状のケーキは? 答え:Pao-de-lo(パォン・デ・ロー) --------------------------------------- JSAソムリエ・ワインエキスパートの一次試験は、言い換えると 暗記競争 です。 出題者側も合否の差をつけるためには、 どんどん重箱の隅をつつくような問題を出すしかありません。 上の問題も、その「重箱問題」の一例です。 そのため、出題される問題も 「これ、覚えて何の意味があるの?ワインと関係ある?」 と思わず言ってしまいたくなる問題が、数多く出題されています。 ※個人的な意見ですが、日本ソムリエ協会は「サービスを提供する側は、サービスを受ける側よりも膨大な知識をもっていなければいけない」ということに重きを置いているような気がします。「ソムリエは知識で顧客に負けてはいけない」そんな意気込みが伝わってきます。専門的なワインショップやレストランに行くと、ソムリエに圧倒されて顧客側が委縮してしまうという話をよく聞きますが、もしかしたら何か関係があるのかな?って思ってしまいます。 一方で、WSETレベル3記述式試験の答えはそのままテキストに書かれているとは限りません。 例えば、このような問題が出題されます。 --------------------------------------- <WSETレベル3記述式試験の問題例> 問題:画像のワインはどのような工程を経て醸造がされているか

JSAソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率と難易度

JSAソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率は、日本ソムリエ協会のホームページで公開されています。 ➡ 資格保有者・合格率一覧を参照 <JSAワインエキスパート試験の合格率> 2016年 38.2% 2017年 33.1% 2018年 32.8% <JSAソムリエ試験の合格率> 2016年 29.0% 2017年 23.5% 2018年 26.5% おおよそ3割くらいの合格率です。難易度は決して低くはありません。 この数字には再受験の方も含まれているので、一発合格の合格率は3割を割り込むかもしれません。 それではその3割に入るためにどうしたらよいのか? 私の考える「一発合格」に必要なことを紹介します。 <一発合格のために必要なこと> ---------------------------------------- ①ある程度の費用は覚悟する ②半年間は試験勉強を生活の一部とする ③ワインスクールに通う ④定期的にテイスティング練習を行う ---------------------------------------- ①ある程度の出費は覚悟する 大事なものを手に入れるためには必ず対価が必要です。 ワインの資格取得にも何かとお金がかかります。例えば... ・ワインの購入 ・ワイン会の試飲会への参加 ・参考書の購入 ・ワインスクール ・試験料 などなどです。 人よりもうまくやることで、かかる費用を最小限に抑えたいという心情は理解できます。 しかし、一発合格できなければ、翌年に再受験や再勉強のためにさらなるお金と時間がかかってしまいます。 大事なことは、はじめに十分な予算をとってその予算内で最短距離で目標を達成することです。 以前の記事でも紹介をしましたが、個人的には30万円くらいは予算をとっておいた方が良いと思います。 (参考記事: WSETレベル3とJSAワインエキスパートにかかった実額費用とその比較 ) ②半年間は試験勉強を生活の一部とする JSAソムリエ・ワインエキスパート試験の勉強期間は半年は必要と言われています。 資格取得までの一般的なスケジュールは次の通りです: ------------

WSETレベル3 記述式問題のための単語帳(地名、ワイン名、専門用語)

WSETレベル3の英語の記述式問題対策として、 一般の英単語 に加えて、地名、ワイン名、専門用語についても単語帳を作りしっかり覚えました。 テキストに登場する全ての単語を覚えているとキリがないので、以前の記事( 記述式問題で重要に思えたところ )でピックアップした部分を説明するために重要であると思われる単語に限定をしました。 実際の試験でも、地名、ワイン名、AOCなどを書かされる可能性があるので、スペルも含めてしっかりと覚えました。 ----------------------------------------------------------- Albariño (Alvarinho) アルバリーニョ [品種] Albariza アルバリサ [土壌] Aloxe-Corton アロース・コルトン Amontillado アモンティリャード Anjou アンジュー Asti Spumante アスティ・スプマンテ Barossa Valley バロッサ・バレー Barsac バルサック Beaunne ボーヌ Bordeaux Superieur ボルドー・シュペリウール Brouilly ブルイイ Brunello di Montalcino ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ Casablanca カサブランカ Catalunya カタルーニャ Chassagne-Montrachet シャサーニュ・モンラッシェ  Chateauneuf-du-Pape シャトーヌフ・デュ・パプ Chianti Classico Riserva キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ Coteaux du Layon コトー・デュ・レイヨン coulure 花ぶるい Criadera クリアデラ Cru Bourgeois クリュ・ブルジョワ Crus C