チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>
各国のワインを学習していると、ワイン産地の地理的な区分が、国が行政を行う上での行政区画と一致しない場合があります。 ギリシャもそのうちの1つです。 ギリシャの行政区画は、最も大きな区画で、13の「ペリフェリア(=地方)」に分かれています。 そして、このペリフェリアの下に、県にあたるペリフェリアキ・エノティタ(74)と、市にあたるディモス(325)が区画されています。 しかし、ワイン産地における地理的区分は若干異なり、9つの地方に分かれています。 ここで使われる「地方」は「ディアメリスマタ」と呼ばれていますが、日本語では「ペリフェリア」と「ディアメリスマタ」のどちらも「地方」と翻訳されているようです。 なぜ、行政とワイン産地で地理的な区画が異なるのかが疑問でしたが、調べてみた結果、なんとなく理由が分かりました。 それは、ギリシャでは比較的最近(2010年)に「カリクラティス改革」と呼ばれる大規模な地方制度改革が行われ、新たな行政区画が2011年1月1日付で導入されたからです。 この新たな行政区画が、「ペリフェリア」を用いた13の地方の行政区画です。 最近導入された区画であるため、ワイン産地としては、昔から用いられていた9の地方の地理的区分も用いているようです。 細かい話ですが、このようなことを学んでいくのもワイン学習の楽しみの1つだと思います。 <了>