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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

JSAワインエキスパートとは?受講をしたメリットは?

ワインエキスパートとは?



日本ソムリエ協会(J.S.A.)のウェブサイトの「J.S.A.呼称資格の定義」に次のように書かれています。

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ワインエキスパートとは酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有する者を言う。 プロフェッショナルな資格ではないので職業は問わず、むしろ愛好家が主な対象となる。我が国においてはJ.S.A.が、ここで 言う定義・役割・求められる能力に適うと認められた者に対してワインエキスパートの資格を認定している。

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つまり、

ワインエキスパートは酒類、飲料、食全般の愛好家のための資格

であるこということです。





ワインエキスパート資格を取得するには?



ワインエキスパート資格を取得するには、第一次試験(筆記)第二次試験(テイスティング)の2つの試験に合格する必要があります。

第一次試験は先ほどの引用にある「酒類、飲料、食全般の専門的知識」をはかるための試験であり、コンピューター形式(CBT形式)の選択式問題で実施されます。所要時間は70分で出題数は120問程度と言われています。

次のような問題がコンピュータースクリーン上に出題されます(過去問からの引用です)。


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<第一次試験の問題の例>

日本の酒税法で規定されている酒類とは、15℃においてアルコール分が何% 以
上のものか。次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1.  0.001%
2.  0.01%
3.  0.1%
4.  1%

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第二次試験は先ほどの引用にある「テイスティング能力」をはかるための試験であり、ワインとワイン以外のお酒を味わって、ワインの場合はその特徴、ワイン以外のアルコールの場合はその名称を回答用紙にマークします。

ワインは通常、白ワイン2種赤ワイン2種が出題され、下のようなテイスティングシートに従ってマークシートに回答をマークします。






その他のお酒通常1種類のみ出題され、次のような特徴の似ているお酒の中から正解のお酒を選択します(過去問からの引用です)。

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<ワイン以外のお酒の出題例>

1. ドランブイ
2. アマーロ
3. チナール
4. ベネディクティン

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両試験を合わせての合格率はおよそ30~40%と言われています。





ワインエキスパート資格取得に必要な勉強期間は?


資格取得までに必要な期間は、その人の事前知識や経験によって人それぞれです。


しかし、一つのガイドラインとして、ワインスクールに通った場合には、次のような7か月ほどの期間を使って準備を行います。私のようなゼロから始めたワインビギナーでもしっかりと勉強をすれば十分一発で合格ができるようなスケジュールになっていると思います。





最初の4か月で、2時間の講義に20回ほど参加をします。(合計40時間)

「一次試験直前講座」と「二次試験直前講座」への参加は、「基本対策講座」を受講してどの程度手ごたえをつかめたかによって、人によって参加の頻度が変わってきます。

私は「基本対策講座」に参加をした後に筆記試験については手ごたえがあったので、「一次試験直前講座」は受講せず、少し不安のあったテイスティング対策として「二次試験直前対策講座」に参加をしました。

「二次試験直前対策講座」は講座を絞って4回ほど参加をしました。

ワインスクールにかかった費用に関しては下の記事を参照ください:






ワインエキスパート資格を取得するメリットは?



ここからは、完全な私の個人的な経験によるものです。

私はワインを仕事にしているわけでもなく、ワインに関する活動を何か特別にやっているわけではないので、収入や名声(箔が付くなど)に関するメリットは全くありませんでした。

私がワインエキスパート試験の学習を通してできるようになったこと(=メリット)は大きくは、「ワインラベルが読めるようになった」「様々なワイン産地の」「様々なワインや蒸留酒の味や特徴が分かった」ということです。


<ワインエキスパートを学習してできるようになったこと>
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  • ワインラベルが読めるようになった
  • ワインリストが読めるようになった
  • ワインを飲んで品種と産地を少しだけ予想できるようになった
  • ショップで欲しい品種と産地のワインを探せるようになった
  • 醸造酒、蒸留酒、リキュールの名前からそのお酒がわかるようになった
  • ワインと食事の基本的な組み合わせ原理がわかるようになった
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一方で、資格取得前には「自分でおいしいワインを見つけられるようになること」を期待していましたが、このレベルにはまだまだ達することができませんでした。



<期待していたけれど、できるようにはならなかったこと>
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  • 自力でおいしいワインを見つける
  • 人においしいワインを勧められるようになる
  • ワインを飲んで良いワインかどうかを評価する
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これにはもっとブドウ栽培やワイン醸造に関する知識、ワインエキスパートでは学ぶことのない作り手などについてもっと学ぶ必要がありました。


ワインエキスパートは英語に例えると、
英会話をするために必要な英単語を覚えるという初歩的なレベルだったと思います。

英会話ができるレベルになるためにはまだまだ勉強が必要だと思いました。

ワインの世界はとても広大です。そのために、ワインを勉強している方々が、とてもキャリアが長くても、勉強熱心な理由がよくわかりました。

JSAワインエキスパートの資格はワインにとって教えてくれるものではないと思います。しかし、広大なワインの世界に一歩を踏み出すきっかけとなり、さらなる深みに対する興味を掻き立ててくれることも大きなメリットの1つだと思いました。



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ナパヴァレーAVA(カリフォルニア)の覚え方を正攻法で考える

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ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

地図を使うと覚えやすい!コルトンの丘のグラン・クリュAOCの暗記法

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混同していたクルティエとネゴシアンとその違い ~クルティエとは?~

ワイン学習をしていると、フランス語から派生をした様々な専門用語がでてくるのですが、私はこれらが苦手です。 英語だと単語からなんとなく意味が分かるのですが、フランス語だと意味を推測することもできません。 その中でも、長年よくわからなかったのが「ネゴシアン(Négociant)」と「クルティエ(Courtier)」です。これらがそれぞれ何であるかをはじめ、それらの違いもよくわからないままでした。 この2つを混同してしまったいた理由は、ワインエキスパートの勉強で出会った下のような「ワインの売買」の図が原因でした。 私はこれを見て、それぞれを、ブルゴーニュ/ボルドーのワイン流通業者だと思っていました。 しかし、それぞれの役割を調べていく中で、それが誤りであることがわかりました。 ネゴシアン(Négociant)とは? まず、ネゴシアンとは、ブドウ栽培者やワイン醸造組合からブドウや果汁、ワインを買い入れて、自社の名前で瓶詰をしているワイン商です。英語では、「merchant」というそうです。 自社で瓶詰をしているということを考えると、「流通業者」というよりは「生産者」に近い存在のようです。 前回の記事でも、少しネゴシアンのことについて触れました。 関連記事: プロセスで整理をしたらわかりやすかったネゴシアン ~ ネゴシアンとは? ~ クルティエ(Courtier)とは? 一方、クルティエとは仲介業者であり、ネゴシアンのように自社で瓶詰をすることはないようです。英語では、「broker(=仲介業者)」に当たるようです。 ワインの流通に寄与しているという意味では流通業者(distributor)に近いようなのですが、流通業者のように物流作業や販売作業に関わることはないようです。 つまり、クルティエが行っていることは、売り手(生産者など)と、買い手(小売、中間業者など)のマッチングのみのようです。 そのため、仲介手数料は小さく、事業規模も小さいというのが特徴のようです。 また、クルティエは、フランスでは法で守られた職業であるようです。

コート・ド・ボーヌの村名の私的な覚え方【地図と語呂合わせ】

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良いワインの条件とは?WSETのBLIC

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