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2月, 2022の投稿を表示しています

最新記事

エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

コート・ド・ボーヌの村名の私的な覚え方【地図と語呂合わせ】

  「コート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)」の村名は正直言って、「コート・ド・ニュイ(Cotes de Nuits)」よりも覚えるのが大変です。 その理由は、村の名前が多いことです。 コート・ド・ボーヌの村名は、地域を区切って、主要な村を先に覚えていく方法が個人的には有効だと思います。 分け方は、「コルトンの丘付近」、「ボーヌ付近」、「シャニー付近」の3つの地域に分けました。 ちなみに、「コルトンの丘付近」は、特級畑「コルトン・シャルルマーニュ」を共有する3村、「ボーヌ付近」は赤ワインの生産が多い3村、そして「シャニー付近」は白ワインの生産の多い4村です。 コルトンの丘付近 コルトンの丘付近の村は、頭文字で覚えます。 ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses) アロース・コルトン(Aloxe-Corton) ラドワ・セリニィ(Ladoix-Serrigny) コルトンの丘を中心に反時計回りで、「 PAL 」となります。 この3村は先述の通り、特級畑「 コルトン・シャルルマーニュ 」を有していることで有名です。 (関連記事: 地図を使うと覚えやすい!コルトンの丘のグラン・クリュAOCの暗記法 ) ボーヌ付近 ボーヌ近辺の3村は、ボーヌ付近のいずれも赤ワインの生産の多い村です。 ボーヌ(Beaune) ポマール(Pommard) ヴォルネイ(Volnay) ボーヌは赤白ワインの生産が許可されていますが、ポマールとヴォルネイは赤ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 シャニー付近 シャニーに近い次の4つの村では白ワインが多く生産されています。 サン・トーバン(St Aubin) ムルソー(Meursault) ピュリニィ・モンラッシェ(Puligny-Montrachet) シャサーニュ・モンラッシェ(Chassagne-Montrachet) いずれの村でも赤白ワインの生産が許可されていますが、両モンラッシェの特級畑では白ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 その他の村 その他の村は、余裕があれば少しずつ覚えます。 ちなみに、ブラニィ(Blagny)は、ムルソー村とピュリニィ・モンラッシェ村にまたがる地域のことで、ブラニィという

アンジュ&ソミュール地区(ロワール)で覚えたいAOC

  ロワールは非常に広いワイン産地です。 その中でも、アンジュ&ソミュール地区には、非常に重要なAOCが多く存在すると思います。 特に重要だと思うAOCを抜き出して上の図にまとめてみました。 広域AOCの「 アンジュ(Anjou)AOC  や、  ソミュール(Saumur)AOC 、ロゼのAOC( ロゼ・ド・ロワールAOC 、 ロゼ・ダンジュAOC 、 カベルネ・ダンジュAOC など)は割愛しました。 個人的には、ロワールのAOCは、地図上にまとめていくと記憶に定着するのが早いと思います。 アンジュ近郊 アンジュ・ヴィラージュ(Anjou Villages)AOC ・赤ワインのみのAOC ・主にカベルネフランから造られる(カベルネソーヴィニヨンも許可されている) サヴニエール(Savennières)AOC ・白ワインのみのAOC ・シュナンブランから造られる主に辛口ワイン(酸味が高い) ・南向きの斜面、痩せた石の多いシスト土壌、低収穫量 クーレ・ド・セラン(Coulée de Serrant )AOC ・シュナンブランから造られる白ワインのみのAOC ・ロワール川に面した暖かい場所 ・モノポール ・サヴニエールAOCよりも収穫量低い サヴニエール・ロッシュ・モワンヌ(Savennières La Roche aux Moines )AOC ・シュナンブランから造られる白ワインのみのAOC ・ロワール川に面した暖かい場所 ・サヴニエールAOCよりも収穫量低い レイヨン川沿い ※全て甘口ワインのAOC コトー・デュ・レイヨン(Coteaux du Layon)AOC ・レイヨン川沿いの大きいAOC ・貴腐もしくは過熟のシュナンブランから造られる甘口ワイン コトー・デュ・レイヨン・ プルミエ・クリュ・ショーム(Coteaux du Layon AOC Premier Cru Chaume) AOC ・コトーデュレイヨン+村名(ショーム)のAOC ・コトーデュレイヨン域内で、より厳格な規制 ・貴腐もしくは過熟のシュナンブランから造られる甘口ワイン ・プルミエクリュ カール・ド・ショーム(Quarts de Chaume ) AOC ・貴腐もしくは過熟のシュナンブランから造られる甘口ワイン ・コトーデュレイヨン域内で、より厳格な規制 ・グランクリュ ボンヌゾー(Bonnez

「樽」を表す英単語は?WSETのための「樽」を表す言葉の整理

  以前の記事で、WSETの英語資料を読む際に利用をした「容器を表す単語」のリストアップをしましたが、今回は特に「木樽」に絞って英単語の整理をしてみました。 (関連記事: ワインの醸造工程で用いる容器に関する英単語 ) まず、「 wooden vessel 」は、「木樽」を含む「木製の容器」全般表す言葉として使われます。 「barrel」 と 「cask」 はどちらも、広い意味での 「樽」 を表す言葉です。 業界や定義によって「barrel」と「cask」の間には違いがある場合もあるようですが、WSETでは比較的、同じような意味で使われている印象です。どちらかと言えば、「barrel」の方が頻繁に使われている印象で、「cask」は比較的大きめの樽をさす場合に使われていることが多い印象です。 「barrel」 や 「cask」 が一般的な、幅広い「樽」を表すのに対して、 「barrique(バリック)」 、 「foudre(フードル)」 、 「butt(バット)」 、 「pipe(パイプ)」 、 「pièce(ピエス)」 は、 特定の種類の「樽」 を指しています。サイズが決まっているものや、特定の地域やワインの製造に使われるものの名前を表している場合もあるようです。 「oak(オーク)」 や 「chestnut(チェスナット)」 は、樽の素材を表す単語です。「 aged in oak 」などと書かれる場合がよくありますが、これは「 aged in oak (barrels )」を意味していると思います。 また反対に、「 aged in barrels 」と書かれている場合は、オーク樽を指していることが多いと思います。なぜなら、ワイン使われる樽のほとんどが オーク樽 だからです。 「 oak 」の素材の中にもいくつか種類があり、主に「 French oak(フレンチオーク) 」と「 American oak(アメリカンオーク) 」の2つが使われます。それぞれの違いについては、以前の記事で簡単に触れています。 (関連記事: 樽香とは?ワインの樽の香りを整理してみました ) 「 new oak(新樽) 」と「 old oak(旧樽) 」は樽の新しさ/古さを表す時に使われます。新樽(new oak)はオーク樽の香りをワインに与える一方で、旧樽はあまり強い香りづけはせずに緩やか

なぜミュスカデはシュール・リー(sur lie)スタイルが多いのか?の考察

ミュスカデ(Muscadet) は、主にフランスの ロワール地方 、 ペイ・ナンテ地区 で栽培されているブドウ品種です。 ミュスカデはシノニムとして、「 ムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne) 」や単に「 ムロン(Melon) 」とも呼ばれています。 調べてみると、ミュスカデという名前は、もともとこの地域で造られる白ワインの名称だったようで、それが徐々に品種名として呼ばれるようになったのではと思います。 さて、ミュスカデと言えば、 シュール・リー(sur lie) スタイルのワインが有名です。シュールリーとは、「澱の上」を意味し、アルコール発酵後のワインを一定期間、澱と共に接触させておく醸造手法です。 (関連記事: lees の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) この地域には「Muscadet」という名前の含まれたAOCが4つありますが、シュール・リーを経たワインにはいずれのAOCにも「sur lie」という表記をラベルに追加をすることができるようです。 このように、ペイ・ナンテ地区ではシュール・リー スタイルのミュスカデワインが多く造られていますが、 なぜシュール・リー スタイルが多用されるのか を独自に考察してみました。 なぜ、ミュスカデが多く栽培されているのか? まず、ロワールは、北緯47°近辺に位置します。比較的涼しい地域です。 特に、ペイ・ナンテ地区は、大西洋に近く、海風の影響を受けるので、内陸部に比べて雨が多く、気温は低めです。 このため、この冷涼な地域で育ち、成熟するブドウ品種は限られます。 一方で、ミュスカデ品種の特徴は次の通りです: 丈夫な品種 比較的、早熟 高収穫が可能 つまり、 冷涼で雨が多い地域でも、一定の成熟や収穫量が期待できる ということです。比較的早熟であることは、秋雨を避けて早めに収穫ができることにもつながります。 実際に、18世紀にこの地域を寒波が襲った際に、黒ブドウ品種が大きな損害を受けてしまい、代わりにミュスカデが植えられたという歴史もあるようです。 ミュスカデから造られるワインの特徴は? ミュスカデから造られるワインの特徴は次の通りです: 酸味が高い ライトボディ 低めのアルコール度 香りは弱め(青りんごの香り) つまり、酸味の強さに対してボディの軽いワインとなり、痩せた印象のワインになりがちだ

意外な盲点をカバー!?地図で見るボルドーの格付け

ボルドーには、いくつか有名な格付けが存在します。 メドック地区、ソーテルヌ地区、グラーヴ地区、サンテミリオン地区にはそれぞれ個別の格付けが存在し、優良生産者(シャトー)は格付けワインとして認定されています。 普段は、格付けのリストを眺めるのみですが、それぞれの格付けが、どの地域をカバーしているのかを見ると、より格付けに対する理解が深まると思います。 特に、最も有名な「1855年の格付け」は、対象地域がメドックだけだと思っていたら、ソーテルヌも含まれていたりと、個人的には少しわかりづらいと思いました。 また、有名なワイン産地の中では、ポムロールにはまだ格付けは存在していません。 あとは、それぞれの地域で、どんな種類のワイン(赤、白、貴腐など)が格付け対象なのかも、重要なポイントかもしれません。

カベルネソーヴィニヨン、メルロ、シラーワインの比較に関する考察

  個人的に、赤ワインのテイスティングはあまり得意ではありません。 特に、フルボディの赤ワインを赤ワインを作る、 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 、 「メルロ」 、 「シラー」 については頻繁に混同をしてしまいます。 そこで、それぞれの品種の特徴をまとめつつ、テイスティングにおける見極めのポイントを考察してみました。 3つの品種はどれも世界的に幅広く使われている品種であり、地域によって若干の特徴の違いがあるために、フランス産のものに絞って特徴を比較してみました。 各品種の特徴については、WSETのテキストを参考にしています。 (参考記事: 品種情報がよくまとまった便利なWSET Level 2 テキスト ) 比較をしてわかったことは、 ・メルロ = 赤系果実の香りが強い、骨格に比べてボディが豊か ・カベルネ・ソーヴィニヨン = 黒系果実の香りが強い、ボディに比べて骨格がしっかりしている ・シラー = 黒系果実、他の2品種よりも酸味が低めで、肉やスパイスのニュアンスを持つ ということでした。 ちなみに、ボルドーのワインはその多くがメルロとカベルネソーヴィニヨンのブレンドなので、その特徴は、それぞれの品種特徴が合わさったものだと思います。ブレンド比率によって、どちらの特徴がより顕著に表れるかが決まるのだと思います。 また、メルロ、シラーはニューワールドでは、これとは異なる特徴を持っているようなので、また機会があればまとめてみたいと思います。

なぜボルドー左岸の4コミューンで良いワインができるのか?の考察

  ボルドーの右岸では、特に4つのコミューンで素晴らしいワインが造られます。 4つのコミューンとは、「 サンテステフ(Saint-Estephe) 」、「 ポイヤック(Pauillac) 」、「 サンジュリアン(Saint Julien) 」、「 マルゴー(Margaux) 」です。 1855年のボルドーワインの格付けに含まれるワインのほとんどが、これらの4コミューンで造られています。 「ボルドーワインの格付け」は1855年からほとんど変更が加えられず、現状を反映していないのではないかという問題もありますが、それでも、この4コミューンはブドウ栽培地域として非常に優れた環境にあることは間違いがなさそうです。 そこで、なぜ、この4コミューンが優れた環境にあるのかをいままでのワイン学習をもとに考察してみました。 結論から言うと、次の2点がワイン/ブドウの品質と深く関係しているのではないかと思います: ① 気温が暖かい ② 砂利を多く含んだ暖かく、水はけのよい土壌 まず、 気温の暖かさ ですが、ボルドーの左岸は太平洋に近いほど涼しく、ジロンド川に近づくほど暖かい傾向にあるようです。太平洋に近いほど海風などの影響により気温が下がり、反対に川岸に近いほど昼と夜の気温の変化を和らげてくれるようです。 そのため、ジロンド川に最も近い4つのコミューンは左岸のなかでも気温が暖かく、ブドウの熟度が上がる傾向にあるようです。ボルドーは、もともとカベルネ・ソーヴィニヨンが十分に成熟する地域ではないために、気温が高いことは非常に重要です。 次に 土壌 ですが、これも気温と同様にジロンド川に近い地域の方が、多くの砂利を含む傾向にあるようです。ボルドー左岸の砂利は、もともと川によって上流の中央高地やピレネー山脈から運ばれてきたものであるためです。 しかし、一方で、砂利土壌が、左岸の川岸に均一に存在しているわけではないようです。左岸の土壌は場所によって、砂利土壌の丘となっており、名高いシャトーの畑はこのような丘の上にあるようです。このような砂利土壌の丘は、「 croupes 」と呼ばれるそうです。 砂利を多く含んだ土壌は、暖かく、水はけも良いために、ブドウの生育にとっては非常に好ましい環境です。ボルドーは特に雨が多いために、水はけがよく、太陽光により暖まりやすい砂利であることは非常に重要です。 高品

図解!赤ワインの製法から考える「ロゼワイン」の3通りの製法

  ロゼワインの製法と言えば、 「セニエ法」 、 「直接圧搾法」 、 「混醸法」 、 「ブレンド法」 などが有名です。 JSAワインエキスパートの試験対策で学んだときは、これら4つの方法を暗記したのですが、それぞれの関係性や違いなどまで、あまり深く理解をできませんでした。 そこで、WSETを学んだ後に、ロゼワインの製法について自分なりに納得のいく整理をしてみました。 WSETでは、ロゼワインの製法として、主に 3つの製法 が紹介されています。 「直接圧搾法」 、 「短期間のマセラシオン法」 、 「ブレンド法」 の3つです。 個人的には、ロゼワインの製法は、赤ワインの製法の派生ではないかと思っています。そして、これらのロゼワインの製法の違いは、赤ワインの製法プロセスのどの時点で派生している(ロゼワインの原料となる果汁 or ワインを抜き出している)かの違いなのではないかと考えました。 そこで、 「どの段階で、ブドウジュースやワインを抜き出すか」 に焦点を絞って、それぞれの製法をまとめてみました。それを表したのが下の図です。 直接圧搾法 「直接圧搾法」 では、 マセラシオンの前 にロゼジュースを抜き出すのが特徴です。 マセラシオンの前にロゼジュースを抜き出しているので、この製法では色が薄めになることが特徴です。 ちなみに、 房のままのブドウ を使ったり、 一部に白ブドウを加える バリエーションもあるようです。 そのため、先述の「混醸法」は、「直接圧搾法」のバリエーションとして扱えるのではないかと考えています。 短期間のマセラシオン法 「短期間のマセラシオン法」では、 マセラシオン~アルコール発酵の間のどこか でロゼジュース/ワインを抜き出すのが特徴です。 一定のマセラシオン処理を経るために、直接圧搾法に比べて、色が濃く、香りが強めにでることが特徴のようです。 マセラシオン~アルコール発酵のどの段階でジュース/ワインを抜き出すかによって、色の濃さや香り、味わいが変化をするそうです。 類似の方法として、 「セニエ法」 がありますが、これは「短期のマセラシオン法」のバリエーションの1つではないかと考えます。 セニエ法では、ロゼワインは赤ワインを濃縮するための副産物をして製造されます。 ブレンド法 ブレンド法は、出来上がった赤ワインを白ワインに混ぜてロゼワインを造る製法です。も

「gravel」とは、どの程度の石の大きさ?

ワインの英語書籍を読んでいると、砂利を含んだ畑の土壌を表す言葉として、度々、 「gravel」 という単語が使われます。 例えば、ボルドーの土壌はよく 「gravel soil」 と言われます。 gravel は 「砂利、小石」 と訳されることが多いですが、gravelに似た言葉として、「pebble」や「stony」などの単語も出てきます。 それぞれの単語に一体どのような違いがあるのかが気になったので、その違いについて調べてみました。 少し調べてみて分かったことは、大まかに次の図の通りです。 地質学的に言うと、どうやら「gravel」は 「礫(れき)」 と呼ばれ、比較的広い範囲のサイズを指すようです。 つまり、「Granule(細礫、砂粒)」、「Pebble(中礫、小石)」、「Cobble(大礫、玉石)」、「Boulder(巨礫、大きな石)」あたりを含んでいる言葉のようです。 しかし、一般的には「砂利、小石」とも訳されることから、 「Pebble」 と同程度のサイズなのではないかと思います。 gravel よりも小さいサイズとしては、「Sand(砂)」、「Silt(シルト、沈泥)」、「Clay(泥)」などがあります。 ちなみに、 「Stone(石) 」 という聞きなれた言葉もありますが、これは大きさの概念をあまり含まず、「石」という 材質 を主に意味する言葉のようです。 「Rock(岩)」は、stoneのように材質を意味するとともに、崖や山から生まれた大きな石の破片という意味があるようです。この意味においては、 「Rock ≒ Boulder」 なのではないかと思います。

ボルドーのジロンド川、ドルドーニュ川、ガロンヌ川、シロン川の覚え方【語呂合わせ】

  ボルドーの主要な川を覚えるための語呂合わせを考えてみました。 ボルドー生まれの ジローは  (ジロンド) ドル、  (ドルドーニュ) ましてや ガロンなんて  (ガロンヌ) 知らん  (シロン) ボルドーの主要な川と言えば、 「ジロンド川」 、 「ドルドーニュ川」 、 「ガロンヌ川」 があり、 ドルドーニュ川 と ガロンヌ川 が合流して、 ジロンド川 となり、さらには大西洋へと向かいます。 また、バルサックやソーテルヌで造られる貴腐ワインに大きな影響を与える 「シロン川」 もあります。 特にポイントとなるのは、どの川がどの場所にあるかです。 語呂合わせでは、北から順に名前を登場させています。 個人的には、ときどき 「ドルドーニュ川」 と 「ガロンヌ川」 の位置を混同してしまうので、その部分に注意をしてみました。 ちなみに「ガロン」は容積の単位で(だいたい4ℓくらい)、アメリカに行くと牛乳などはガロン単位で販売されています。 関連記事: 【語呂合わせ】メドック格付け2級 関連記事: 【語呂合わせ】オーメドック村名AOC 関連記事: 【語呂合わせ】メドック格付け、各級の個数、村ごとの個数 関連記事: 【語呂合わせ】メドック格付け3級 関連記事: 【語呂合わせ】メドック格付け4級 関連記事: 【語呂合わせ】メドック格付け5級

ゴート・ドールのざっくりとした畑の位置と自然環境要因

  コート・ドール(Côte-d'Or)の畑の位置と言えば、グランクリュ畑の位置が重要だと思います。 今までのワイン試験の勉強を通して、いくつかのグランクリュ畑の場所を覚えてきましたが、グランクリュ畑の場所は「歴史的」な決まり事だと思って、なぜその位置にあるのかについてはあまり深くは考えてきませんでした。 しかし、ワインの学習を進めていくと、グランクリュを含むコート・ドールの各AOCの場所は、自然環境と密接な関係があることが分かってきました。 今回はそれを簡単にまとめてみました。 今まで、コート・ドールのブドウ畑については、ひたすら細かい畑の位置ばかり注目していたのですが、自然という大きな視点から畑の位置を見てみるのも重要であることを感じました。 まず、コート・ドールのブドウ畑は南北に細長く、多くの畑は日当たりの良い南東向きの坂の上に位置しています。 広域AOCである「Hautes Côtes de Nuits」と「Hautes Côtes de Beaune」は丘の上にあります。 そして、ブルゴーニュ全域のAOCである「Bourgogne」は、斜面の下の平地にあります。 中間の斜面には、「Côtes de Nuits」と「Côtes de Beaune」があります。そして、斜面の丁度真ん中あたりに、「Grands Crus」畑があります。「Premiers Crus」畑はGrands Crus畑を取り囲むように位置し、「Villtage」レベルの畑は斜面の下方にあるようです。 このうち、最も高品質のブドウができると言われているのが、斜面の真ん中です。 ここは、日当たりも最も良く、土壌は浅く水はけがよく余分な栄養分はありません(余分な栄養はブドウ樹の生長に使われ、その分、果実の成熟度が損なわれると言われています)。また、雨風などの悪天候の影響も受けにくい場所でもあります。 まさにこの斜面の真ん中に、多くのGrands Crus畑やPremiers Crus畑が位置しています。Grands Crus畑は様々な場所に点在していますが、斜面の中腹の中でも、丘の形状により、特に日当たりが良かったり、特に悪天候の影響を受けにくいような場所に位置しているようです。 Villageレベルの畑が位置する斜面の下部は、土壌がやや肥沃であり、水はけも斜面の中部に比べると良くない

ブルゴーニュの「プルミエ・クリュAOC」に関する疑問とその考察

ブルゴーニュと言えば、フランスで最も有名なワイン産地の1つだと思います。 AOC(原産地統制名称)の数は 84 にも上り(ボージョレを除く)、フランスワイン全体のAOC数の 23%(約1/4) を占めると言われています。 ブルゴーニュのAOC構造と言えば、「地方名(regional/ generic)」、「村名(communal / village)」、「Premiers crus(一級畑)」、「Grands crus(特級畑)」の4層の階層構造が有名です。 この各階層に属するAOCの数を積算していけば、ブルゴーニュのAOCの総数84になるはずです。 ブルゴーニュワインのウェブサイト(https://www.bourgogne-wines.com/our-wines-our-terroir/decoding-the-aocs/bourgogne-wines-decoding-the-aocs,2467,9263.html)を参考に、各層のAOCの数をカウントしてみると次の通りです: ・地方名(regional/ generic)=7 ・村名(communal / village)=44 ・プルミエクリュ(一級畑)= 0 ? ・グランクリュ(特級畑)=33 「プルミエ・クリュ」を除いた「地方名」、「村名」、「グランクリュ」のAOCの数を積算すると、ちょうど総数の84になりました。 逆算をすると、「プルミエ・クリュ」のAOCの数は「0」ということになります。 この プルミエ・クリュAOC = 0 に疑問を持って、「プルミエ・クリュ」の扱いについて少し調べてみました。 地理的補足を持つデノミナシヨン ブルゴーニュにはAOC以外にも、 地理的補足を持つデノミナシヨン という呼称があるようです。 この「地理的補足を持つデノミナシヨン」は、特定のAOCの後に、付加することが許されているそうです。 例えば、シャブリ・グラン・クリュでは、7つの畑の名前を「Chablis Grand Cru」後につけることが許されています(例えば、Chablis Grand Cru Valmur AOC や Corton-Les Bressandes Grand Cru AOC など)。 ブルゴーニュの他のグラン・クリュは、畑ごとに異なるAOCが存在しますが、シャブリでは「Chablis Gran

characteristic(特徴・特性)の意味 | 英語ワイン書籍に出てくる英単語

  「 characteristic = 特徴・特性 」です。 英語ワイン書籍に関わらず、学術系の書籍にはよく出てくる単語だと思います。 ワイン書籍の場合は、「シャルドネの品種特徴は~」や、「ブルゴーニュの栽培環境特徴は~」など、さまざまな場面で使われる単語です。 「特徴」を表す単語と言えば、character, property, attribute, feature, aspect など様々ありますが、「characteristic」が最も一般的に使われる言葉のようです。 もの・こと・人 の「特徴」を表す言葉として幅広く使えるそうです。 類義単語と「characteristic」の違い 「 character 」も、もの・こと・人の「特徴」を表す言葉ですが、さまざまな characteristics を合わせた全体としての特徴を表すニュアンスのようです。「 characteristic 」の方がより際立った、突出した違いを指すことが多く、「特性」や「特色」といった訳語が合うそうです。従って、 品種や環境における1特徴を表す場合 は、「 characteristic 」の方が向いているようです。 「 property 」は、人ではなく、 物質が持っている 特質・特性を指し、学術的な文章でよく使われる言葉のようです。ニュアンス的に、他と異なるより際立った、突出した違いを表す場合には「 characteristic 」の方が向いているようです。 「 attribute 」は、 人や物が内に秘めている属性を表す場合によく使われるようです。 ニュアンス的に、他と異なるより際立った、突出した違いを表す場合には「 characteristic 」の方が向いているようです。 「 feature 」は、より 視覚的 な、 目にとまる ような顕著な「 特徴 」を表す場合によく使われる単語のようです。また、 「 aspect 」は、 物事の持っている 表面的な 特徴のうちの一つを指す時に使われるようです。 表面的なものだけでなく、内在する「特徴」にも広く言及をする場合には、 「 characteristic 」の方が向いているようです。 このように、特定の突出した特徴を表したい場合には、 「 characteristic 」が最も好んで使われているようです。

WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!?

WSET試験では、レベル3から記述式問題が用意されています。 例えばこんな問題が出題されます: Vertical shoot positioning (VSP) is a trellising system often used when growing Chardonnay in a cool climate. Explain why a grape grower would choose to use this system.  (垣根仕立て(VSP)は、冷涼な気候でシャルドネ種のブドウを栽培する際に使用されることの多い棚付け方法である。ブドウ栽培者がこの方法を選択する理由を説明しなさい。) この手の問題は、 テキストブックに書かれていることを暗記しているだけでは対処をするのが難しい というのが個人的な感想です。 実際にWSETのウェブサイトにもこのように書かれています: With a multiple-choice question, you know with 100% certainty how that question will be marked. WSET’s Level 3 and Level 4 examinations include other question types which may be less obvious. A truly prepared exam taker goes beyond preparing to answer questions, they prepare how to answer them. ( https://www.wsetglobal.com/knowledge-centre/blog/2021/january/26/how-to-prepare-for-your-wset-exam/ ) 要約すると、このような感じです: ・レベル3と4には選択式以外の問題が含まれている → 記述式問題 ・その問題(記述式問題)は、100%確実な答えがあるわけではない ・そのような問題には、回答を準備するだけではなく、 回答方法 を準備する必要がある そう、このような記述式問題の対策としては、 回答方法 を準備することが必要だと思います。 回答方法の準備 では、一体、どのような準備をする必要があるのかというと、

アパッシメント(appassimento)とパッシート(passito)の違いに関する考察

ワイン用語を学習していると、少し違いの分かりにくい言葉がいくつか登場します。 私が最近疑問に思ったのは、 「アパッシメント(appassimento)」 と 「パッシート(passito)」 。 両者ともイタリアの陰干しブドウで造ったワインに関する用語なのですが、少し違いが分かりにくいと思いました。 結論から言うと、 「アパッシメント(appassimento)」= ブドウの陰干しの 工程/製法 「パッシート(passito)」= 陰干しブドウで造られた ワインスタイル ということのようです。 つまり、 アパッシメントで、パッシートスタイルのワインができる ということです。 こちらのウェブサイト(https://www.winespectator.com/glossary/index/word/appassimento)では、アパッシメント、パッシートが次のように説明されています: ----------------------------------------------- アパッシメント(Appassimento) - 収穫されたブドウを、伝統的に竹の棚や藁のマットの上で、糖分と風味を濃縮するために数週間から数ヶ月間乾燥させることを表すイタリア語。このプロセスは、アマローネ、レシオト、スフォルツァートの製造に使用される。 パッシート(Passito) - イタリア語で文字通り「甘い」と訳されているパッシートは、イタリアでアパシメント法で乾燥ブドウから作られたワインを表すために使用される。ブドウを乾燥させると糖分が濃縮され、このプロセスを使用して、レチョートなどの甘いデザートワインと、アマローネやスフォルツァートなどの辛口赤ワインの両方を作ることができる。 ----------------------------------------------- これだけならばそんなに混乱をする話ではないのですが、厄介なのは時々、 「パッシート製法(passito method)」 という言い回しが使われることです。 この場合、「パッシート(passito)」という言葉が、製法を表す用語としても使われているので注意が必要です。 どうやら、「パッシート(passito)」という言葉は、基本的には「ワインスタイル」を表すものの、時には、「製法」表す言葉としても使われることがあるよ

destem(除梗=じょこう)の意味 | 英語ワイン書籍に出てくる英単語

 「destem」 = 「除梗」 です。読み方は、除梗 (じょこう) です。 「除梗」 とは、 ブドウの茎(果梗)を取ること です。 「除梗」は通常、ブドウがワイナリーに到着してから、「圧搾」や「アルコール発酵」の前に行われます。通常は機械で行われ、多く場合、「除梗」と「破砕」の両方を機械処理で行うそうです。 「除梗」が行われるのは、手作業で収穫された「房のままのブドウ」のみで、機械収穫によるブドウに対しては行われません。機械収穫では、機械がブドウの木を揺さぶって茎から離れたブドウの粒のみを収穫するので、既に茎は取り除かれているからです。 しかし、全ての「房のままブドウ」に対して「除梗」が行われるとも限りません。 例えば、白ワインの醸造工程において、「房のままのブドウ」がそのまま 「圧搾」 される場合があります。 房ごとのブドウの圧搾には、 ・ブドウが酸化しにくい ・タンニンや色素や固形物が抽出されにくい ・果汁を果皮から分離しやすい などのメリットがあると言われています。 一方で、 ・手摘みをしなければならないので追加費用がかかる ・1回に圧搾できるブドウの量が少なくなる(茎の体積があるため) などのデメリットも存在します。 これは白ワイン以外にも、シャンパーニュや、ロゼワインの製造にも使われる方法です。 また、赤ワインの醸造工程では、「房ごとのブドウ」がそのまま 「アルコール発酵」 に使われる場合があります。 房ごとのブドウの発酵には、 ・茎がワインにスパイスやハーブの香りを加える ・茎がワインにタンニンを加える などのメリットがあると言われています。 反対に、 ・手摘みをしなければならないので追加費用がかかる ・茎が十分に成熟していないと、不快な苦みをワインに加える などのデメリットもあります。 「 マセラシオン・カルボニック」も房ごとのブドウを使った発酵方法ですが、これは破砕のされていない「無傷の」ブドウを使うことが目的で、茎からのスパイス/ハーブの香りや、タンニンの抽出を狙ったものではないようです。 (参考記事: 赤ワインで重要な「房ごと発酵する醸造方法」と「細胞内の発酵」 ) 一般的にタンニンの抽出の好まれない白ワインの醸造では、この方法は利用されていないようです。 ワイン醸造において、「茎=いらないもの」というイメージが付きがちですが、茎も使い方によっ

ワイン学習を英語学習に例えてみると?JSA試験やWSETの特徴は?

  数年間にかけてワインの学習をしてきた経験から、ワインの学習範囲を、独断と偏見で、英語学習に例えてみました。 このような例えを用いることで、ワイン学習をしたことのない人に、少しはワインの学習範囲の構成が伝わるかもしれません。 まず、ワイン学習において最初に圧倒されてしまう 「ワイン名称やワイン用語」 は、 「英単語」 のようなものだと思います。これを知らないと、ワインについて語ることさえできません。 次に、ワイン学習を始めたばかりではおそらくとっつきにくい 「ワイン法」 は、 「英文法」 のようなものだと思います。ブドウ栽培やワイン醸造は、すべでこの「ワイン法」に定められたルールに則っておこなわなければなりません。AOCやPDO、GIなどのルールや、各ワインに使われるブドウ品種や、製造可能色(赤・白・ロゼなど)もこの範囲に含まれると思います。 「ワイン理論」 は、ワインを読み解き、なぜそのようなワインが造られるのかを説明するための理論です。 「ワイン理論」 による「ワインの読解」や「ワインの説明」は、 「英文読解」 や 「英作文」 にあたる部分だと思いまます。 最後に 「テイスティング」 は、ワインを感じ取る学習なので、 「英会話」 や 「リスニング」 にあたる分野だと思います。正確に、ワインの声を感じ取る力が養われます。 これをもとにいくつかの資格の特徴を考察してみると? 日本で最もメジャーなワイン資格である JSAのソムリエ・ワイン資格 を、英語学習の例えにあてはめてみようと思います。これもあくまでも独断と偏見です。 私の印象では、JSA試験は「英単語」と「英文法」にあたる、「ワイン名称・ワイン用語」と「ワイン法」に非常にウェイトを置いた試験だと思います。 なぜならば、この試験では、ワイン名称やワイン産地の名称に加えて、大量のワインについての主要品種や生産可能色を覚えるという膨大な暗記を行う必要があるためです。 一方で、個々のワインを読み解いたり、ワインを説明するための「ワイン理論」にはほとんどといってよいほどウェイトがかけられていない印象です。 「テイスティング」はある程度重視されてるのですが、「ワイン理論」の部分がすっぽりと抜けているので、「ワイン名称・ワイン用語/ワイン法」と「テイスティング」の関係性が少しわかりにくいカリキュラムだと思いました。 しかし

ワインをブレンドする7つの目的とは?

  以前の記事「 ワインをブレンドする3つの目的 」で醸造工程においてワインをブレンドする目的を説明しましたが実は目的は3つだけではありません。 他にもいくつか理由があるので、記事をアップデートしようと思います。 前回は目的として、「バランス (Balance)」、「一貫性 (Consistency)」、「スタイル (Style)」をあげましたが、それ以外にも 「複雑性(Complexity)」 、 「欠陥の最小化(Minimize faults)」 、 「量(Volume)」 、 「価格(Price)」 の4つも目的として挙げられます。 個人的な覚え方は、頭文字の「B C S C M V P」を合わせて、 Because she is MVP.   (BCS, C is MVP)。 ブレンドの主なタイミングは、「瓶詰め前」や「熟成前」ですが、醸造工程のどの段階でも起こりうるそうです。シャンパーニュなどの瓶内二次発酵を伴うスパークリングワインでは、「二次発酵前」にブレンドが行われます(澱抜きを除いては、基本的に封を開けることなくそのまま出荷されるので)。 ブレンドのパターンとしては次のようなものが含まれます: ・異なる ブドウ品種 のブレンド (e.g. ボルドーブレンドなど) ・異なる 畑 で栽培されたブドウのブレンド (e.g. 広域アペラシオンなど) ・異なる 作り手 によるワインのブレンド (e.g. ネゴシアンが複数の生産者のワインをブレンドして販売する場合など) ・異なる 収穫年(ヴィンテージ) のワインのブレンド (e.g. NVシャンパーニュなど) ・異なる 醸造工程 を経たワインのブレンド (e.g. ワインの一部だけ新樽熟成される場合など) ・運送上の理由で 異なる容器 に入れられたワインのブレンド

ワインのテイスティングに使える英語表現 ~色、甘さ、酸味、苦み、ボディを表す表現は?~

  ワインの英語表現をまとめてみました。 この辺りを押さえておけば、ちょっとしたワインの英会話ができそうです。 香りと風味は似ていますが、「香り = aroma」は嗅覚、「風味 = flavor (flavour)」は味覚で感じるものです。 これらは味覚で感じるワインの味に関する表現です。 「Acidic」、「Tannic」については、「sour (酸っぱい)」や「astringent(渋い)」、「bitter(苦い)」を使うよりも、ワイン通な感じを与えるのではないかと思います。

「なぜイタリアのDOC(G)は覚えるのが難しいのか?」の考察

イタリアのDOC/DOCG、平たく言えば、イタリアのワインの名称。 これらはは覚えるのが大変です。得意だと言う人もいるかもしれませんが、個人的には非常に苦労をしましたし、いまだに苦労しています。 イタリアはもともと小国の集まりだったこともあり、ワインの種類や、ブドウの品種が非常に多いこと が大きな理由な1つだと思います。 しかしそれ以外にも理由があると感じることが多々あるので、イタリアワインの名称が複雑になる理由を考察してみました。 ① 様々な呼称パターンが許されている 1つ目の例は 「コネリアーノ・ヴァルドッビアデネ・プロセッコ / コネリアーノ・プロセッコ / ヴァルドッビアデネ・プロセッコ DOCG」 です。 これは、ヴェネト州のコネリアーノからヴァルドッビアデネに挟まれた特定の地域で造られるプロセッコの呼称です。 「/」によって3パターンの呼称が表記されていますが、どれも同一のワインを表す呼称です。 呼称に「コネリアーノ」だけが入ったもの、「ヴァルドッビアデネ」だけが入ったもの、両者がが入ったもの、これらいずれの呼称も許可されているそうですが、このような呼称のバリエーションがワインの名称を複雑にしている1つの理由なのではないかと思います。 ② 特定の地域だけ、呼称が異なる 2つ目の例は、 「アゾーロ・プロセッコ DOCG」 です。 これは、ヴェネトのアゾーロという高品質なブドウを栽培する地域で作られたプロセッコです。 一般のプロセッコには「プロセッコ DOC」という呼称が用意されています。しかし、アゾーロで造られる高品質なプロセッコには、それとは別に特別な呼称「アゾーロ・プロセッコ DOCG」が用意されています。DOCよりも一段上の、DOCGステータスです。 「キアンティ・クラッシコDOCG」もこのパターンで、特定の地域で造られたキアンティには「キアンティDOCG」とは別に、この呼称が与えられています。 主に差別化の目的だと思いますが、特定の地域にだけ別呼称を与えていることも、イタリアワインの名称を複雑にしている理由だと思います。 ③ 特定の製法だけ、呼称が異なる 3つ目の例は 「レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラDOCG」 です。 これはヴェネト州で造られる甘口ワインですが、これとは別に 「ヴァルポリチェッラDOC」 というワインがあります。 両者とも

planting material の意味 | 英語ワイン書籍に出てくる英単語

planting material とは、文字のごとく畑に植えるもの、つまり畑に植えるブドウ樹のことです。 上手い翻訳が見つからなかったのですが「 planting material = 植栽材料 」とでもいうべきでしょうか。 一般的には「苗 = seedling」 のことだと思うのですが、既に植えられている台木に接ぎ木をするようなパターンが良く行われるので、一概に「苗」とは言えないのだと思います。 個人的には、この「planting material」という単語は要注意でした。なぜなら、なじみ深い単語の組み合わせなので、なんとなく意味を知った気になって読み飛ばしてしまうのですが、よくよく考えてみると何を表しているのかが自分の中で不明確になってしまっていたからです。 例えば、「The vigour of the vine depends on the planting materials.」と書かれている場合、「樹勢(vigour)は、planting materialsに依存する」という意味ですが、planting materialに含まれる要素をしっかり理解していないと、正しく意味が取れません。 「planting material」に含まれる主な要素は次の3点です: ・ブドウ品種 ・クローン ・台木 つまり上の例文は、樹勢は、ブドウ品種、クローンの種類、台木などに依存をするという意味を含んでいるわけです。 上の3要素以外にも、ブドウ樹の年齢や、健康状態なども、おそらく「planting material」を考える時に検討すべき要素なのだと思います。 一見簡単に見える言葉でもしっかりと意味を理解しておくことは、WSETなどの英語のワイン試験を受験する場合にはとても重要なことだと思います。

フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の主要DOC(G)の覚え方【語呂合わせ】

  フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州と言えば、イタリアの北東端に位置する州です。 この州は、生産量は少量ながら、高品質な白ワインが造られることで有名です。 ワインは国際品種(ピノグリージョなど)と土着品種(フリウラーノ、リボッラ・ジャッラなど)の両方から造られています。 この州ではいくつかのDOC(G)ワインが造られているのですが、暗記をするのが大変なので、語呂合わせを作ってみました。 最初のDOCは、 コッリオ (Collio) DOC  と コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ(Colli Orientali del Friuli) DOC  です。低い丘の畑で作られる高品質なワインで、その多くは単一品種の白ワインです。18品種の利用が許可されています。2つの地域は政治的な理由で分けられているだけで、ワインの特徴は基本的に同じなのだとか。 グラーヴェ デル フリウリ (Grave del Friuli) DOC と フリウリ イゾンツォ (Friuli Isonzo) DOC は平地で造られるデイリーワインです。 ラマンドロ (Ramandolo) DOCG は、乾燥したブドウを利用した甘口ワインです。ヴェルドゥッツォ (Verduzzo) というブドウ品種から造られます。 コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット (Coli Orientali del Friuli Picolit) DOCG  も甘口ワインで、こちらはその名の通り、ピコリット (Picolit)というブドウ品種から造られます。 これら以外にも、広域の フリウリ (Friuli) DOC や、3州にまたがる  ピノ・グリージョ デッレ・ヴェネツィエ (Pinot Grigio delle Venezie) DOC というDOCがありますが、覚えやすさや、フリウリ外にも広がるという理由から、語呂合わせからは外しました。