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最新記事

ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

シャブリワインが持つ「ミネラル感」とは何か?を考察

 シャブリのように、酸味が強く、果実味がそれほど豊富ではないワインの表現として、ときどき「 ミネラル感 」という言葉が用いられます。 「ミネラル」とは一般に、「鉱物」や「無機物」、「栄養としての無機質」を意味します。 しかし、これらの風味がどのようにワインから感じられるのかを考えてみると、なかなか具体的なイメージが浮かばないと思います。 ワインの「ミネラル感」とは一体、何のことを指しているのでしょうか? ここで一つ参考になるウェブサイトがありました。 それは「ミネラル感」を代表するワインである、「シャブリ」ワインのウェブサイトです: https://www.chablis-wines.com/tasting/minerality/minerality,3310,16328.html? ここでは、 「ミネラル感」 は次の3つの要素に分けられて説明されています。 - Ocean (磯っぽさ) - Land (土っぽさ) - Smoke (スモーキーさ) 「磯っぽさ」 の具体的な例としては、次のようなものがあげられています: ヨード、殻の内側、生ガキ、波しぶき 「土っぽさ」 の例としては次の通り: チョーク、白色石灰岩、火打石、火薬、濡れた石、乾いた大地に降る雨 そして、 「スモーキーさ」 の例としては次の通りです: 硫黄(擦ったマッチ)、燻煙香、スモークウッド シャブリのワインから感じられる 「ミネラル感」 は、おそらく、これら3つの要素のいずれかか、これらを組み合わせたものなのだと思います。 また、これら3つ以外の要素として、「塩味」もワインに「ミネラル感」を与えうる要素としてあげられていますが、これについては賛否両論があり、まだ十分に解明されていない部分があるようです。 ちなみに、個人的にはシャブリのワインを表す表現としては、「 火打石(flint) 」をよく目にします。 「火打石」 の香りとは、熱せられたり 打ち当てられたりした時のような 岩石の香り 、あるいは 煙の香り と言われています。 火打石の香りは、先ほどの3つの要素の中では 「土っぽさ」 に含まれていますが、その香りの特徴としてはどうやら、「土っぽさ」に加えて、 「スモーキーさ」 の特徴も含まれているようです。 「ミネラル=土っぽさ(岩石っぽさ)+スモーキーさ」 ととらえると、何となく「ミネラル...

リースリングの味わいは産地によってどう変わるのか?ドイツ、フランス、オーストラリア産のワインを比較・考察

 今回は、リースリングワインの産地による味わいの違いを考察してみようと思います。 リースリングの有名産地を3か国あげるとしたら、次の3つがあがると思います。 ①ドイツ ②フランス(特に、アルザス) ③オーストラリア(特に、イーデンヴァレー、クレアヴァレー) ドイツ リースリングは、ワイン用ブドウとしてドイツで最も栽培面積の多い品種です。 ドイツ国内のリースリングの産地としては、モーゼルやラインガウなどいくつかがありますが、ワインのスタイルの違いは、産地による影響よりも、ワインのカテゴリ(品質分類)の違いによって大きくあらわれるようです。 スタイルの異なるワインのカテゴリとしては、辛口ワインが多く造られる「 クヴァリテーツヴァイン(Quälitatswein) 」と、多くの甘口ワインが造られる「 プレディカーツヴァイン(Prädikatswein) 」との2つがあげられます。 クヴァリテーツヴァイン は最も生産量の多いワインであり、その多くは、辛口で、ライトボディ、かつ、フルーティーな早飲みワインです。ドイツのワイン産地は、世界のワイン産地の北限に位置しており、ブドウの成熟度はそれほど高くならないために、このようなスタイルになるのだと考えられます。 より成熟度の高いブドウから造られる一部の最高品質の辛口ワインもこのクヴァリテーツヴァインに含まれていますが、その数はそれほど多くありません。そのため、 クヴァリテーツヴァイン は主に次のような特徴をもっていると考察されます: クヴァリテーツヴァインの特徴 【外観】 ・淡いレモン色 【香り】 ・弱い~中程度の香りの強さ ・フルーティーでフレッシュな香り ・ 緑色系果実(青リンゴなど)~柑橘類(レモン、ライムなど) ・白い花の香り 【風味】 ・辛口~オフドライ ・高い酸味 ・低~中程度のアルコール度 ・ライトボディ 【品質・価格】 ・良いワイン ・低価格~中程度の価格帯 ちなみに、先ほど言及したGG(Grosses Gewächs)などの最高品質の辛口ワインの場合には、ブドウの成熟度が高まるために、香りの強さが高くなり、香りには有核果実やトロピカルフルーツの香りが現れ、ボディも中程度以上になることが予測されます。それでも、冷涼地域のワインの特徴である香りの繊細さやボディの軽さ、酸味の高さはしっかりと感じられる...

ピノノワールの味わいは産地によってどう変わるのか?ブルゴーニュ、ドイツ、カリフォルニア、ニュージーランド、チリ産の特徴の違いを考察

今回はピノノワールのワインの味わいが、産地によってどのように変わるのかを考察してみたいと思います。 (関連記事: メルローワインの味わいは産地によってどう変わるのか?チリ、アメリカ、フランス産の違いを考察 ) 取り上げる産地は次の通りです: ① ブルゴーニュ(フランス) ② ドイツ ③ カリフォルニア(アメリカ) ④ ニュージーランド ⑤ チリ ブルゴーニュ(フランス) ブルゴーニュは、世界の醸造家がお手本とするようなピノノワールの代表的な産地です。 今回取り上げたピノノワールの産地の中では比較的涼しい場所にあります。果実の成熟は全ての畑で毎年、約束されているわけではありません。 そのため、ボディは、広域AOCのワイン(Bourgogne AOCなど)でミディアム程度と言われています。涼しい地域であるために、酸味は高めで、アルコールは中程度(11.0~13.9%)です。タンニンについては、ピノノワールは果皮が薄い品種であるために、少なめ~中程度くらいです。 香りについては、赤系果実の香りを中心に、樽熟成のオークの香りが感じられるのが特徴です。新樽が一部利用されていることが多いですが、果実の成熟度に合わせて、バランスの取れた繊細な樽香が付けられていることが特徴です。 ブルゴーニュのワインは、広域AOCのものから、グランクリュまで品質の幅が広いため、その特徴も大きく変わりますが、おおよそ次のような特徴をもっているのではないかと考察します。 【外観】 ・中程度のルビー色 【香り】 ・中程度~強い香りの強さ ・フレッシュな赤系果実の香り(イチゴ、ラズベリー、赤サクランボ) ・樽香(クローブなど)  ※果実の凝縮度が高いものほど、強い樽香を帯びている ・土、猟鳥類、キノコ  ※数年の瓶内熟成を経たワインのみ  【風味】 ・辛口 ・高い酸味 ・少ない~中程度のタンニン  ※ただし長期の樽熟成を経た高品質なワインはもう少し高め ・中程度のアルコール度 ・中程度のボディ  ※品質の高いワインはより厚いボディを持つ 【品質・価格】 ・良いワイン~非常に良いワイン、素晴らしいワイン ・中程度~高価格帯が多い これらを踏まえると、ブルゴーニュの ピノノワールの特徴は、ミディアム程度のボディとアルコール、高い酸味、繊細な樽の香り になるのではないかと思います。個人的には、ミディアム...

これができないと、テイスティング・スキルが上がらないと思うこと

 個人的に、これができないとテイスティング・スキルがいつまでたっても上がらないと思うことがあります。 それは、 ワインの品質を正しく評価できる ということです。 テイスティング・スキルという言葉が用いられる場合、それはワインに使われているブドウ品種や、ワインが造られた産地を言い当てられることを指すことが多いと思います。 しかし、ワインの品質を正しく評価できることも重要なテイスティング・スキルの1つであり、品種や産地当てよりも真っ先に理解すべきことなのではないかと思います。 さらに言えば、ワインの品質を正確に評価できなければ、いくらテイスティングのトレーニングを重ねても、全く意味をなさないこともあるとあると思います。 例えば、次のような2種類のワインがあります。 右のワインは5000円以上の価格のワイン、左のワインは1000円前後で購入できるワインです。価格帯は異なりますが、両者ともに、チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたワインです。 まず、 右の高価格帯のワイン を味わってみると、暖かい地域で育ったカベルネ・ソーヴィニヨンのしっかりと凝縮された果実の香り・風味が感じられます。そして、その裏に、長期の樽熟成に由来するヴァニラや丁子の香りも感じられます。味わいとしては、しっかりとした果実味と、これもカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴である高いレベルの酸味やタンニンの調和が感じられます。チリの気候と強い日差しによって十分に成熟したタンニンの舌触りも感じられます。 このワインを味わうことで、次のようなテイスティングのトレーニングをすることができると思います。 ・暖かい産地であるチリのカベルネソーヴィニヨンワインの香りの特徴を捉える ・長期の樽熟成に由来する樽香の特徴を捉える ・暖かい産地であるチリのカベルネソーヴィニヨンワインの味わいの特徴(酸味、成熟したタンニンなど)を捉える 次に、 左の低価格帯のワイン を味わってみます。 先ほどのワインに比べると、果実の香りはかなり弱く感じられます。かなり感覚を研ぎ澄ませても、かすかな果実の香りしか感じ取ることができず、どのような果実であるかもかなりぼんやりしています。 果実の香りが弱いために、果実とは異なるアルコールを感じさせるような無機質な香りが感じられますが、それが何の香りかはよくわかりません。 味わいとしては、先ほ...

メルローワインの味わいは産地によってどう変わるのか?チリ、アメリカ、フランス産の違いを考察

メルローは世界中のワイン造りに使われている黒ブドウ品種です。 今回は、メルローワインの味わいが産地によってどのような違いかあるのかを考察してみたいと思います。 産地としては次の3つを取り上げたいと思います: ① チリ、セントラルヴァレー ② アメリカ、カリフォルニア ③ フランス、ボルドー、ポムロール まず、メルローのワインスタイルについてですが、大きく2種類のスタイルがあると言われています。それは 「インターナショナル・スタイル」 と 「ボルドー・スタイル」 です。 インターナショナル・スタイル のメルローワインは、暑い気候のブドウや、温和な気候の過熟ブドウから造られており、 黒系果実の香り を持ち、 高いアルコール度 で フルボディ なのが特徴です。その分、 酸味は中程度~やや低め で、 タンニンも中程度 です。特に熟度が高いものは、 フルーツケーキ や チョコレートの香り を持つと言われています。 一方で、 ボルドー・スタイル は、冷涼~温和な気候で栽培されたブドウから製造されており、先ほどのスタイルに比べるとよりエレガントなスタイルです。 赤系果実やハーブの香り を持ち、 アルコール度が中程度 の ミディアムボディ のワインです。その分、 酸味やタンニンはやや高め です。良いワインはオーク樽による熟成が行われ、 スパイスや樽の風味 を帯びています。 今回取り上げる産地の中では、チリとカリフォルニアのワインの多くがインターナショナル・スタイルで、ポムロールのワインの多くがボルドー・スタイルになるのではないかと思います。 ① チリ、セントラルヴァレーのメルローワイン チリのセントラルヴァレーでは多くの低価格帯のメルローワインが造られていることが有名です。また、一部、品質の高いメルローワインも造られています。 チリのセントラルヴァレーの気候は、温暖で晴れが多く、乾燥しておりブドウ栽培に非常に適しています。また、海洋からの冷涼効果が比較的得られにくいために、日中の温度が非常に高くなり、日差しの強さと相まって、果実の成熟度は非常に高くなります。 このような環境で造られるセントラルヴァレーのメルローワインは次のような特徴を持つと考えられます: 【外観】 ・濃い紫~ルビー色 【香り】 ・黒系果実の香り(ブラックベリー、ブラックプラム、ブラックチェリーなど) ・果実の熟度の...

ワインから感じられる「スギ」の香りとは?(考察)

 ワインの香りを表現する際に、しばしば 「スギ」 という言葉が登場します。 この「スギ」という言葉は、おそらく英語の「Cedar」に由来しており、Cedarは正確には日本のスギと異なるセイヨウスギを意味します。 厳密には、日本のスギは、マツ綱のヒノキ科スギ属で日本固有種であり、Cedar は、マツ目マツ科のヒマラヤスギ属です。 香りとしては、スギもCedar(ヒマラヤスギ)も一般に、 森林浴を思わせる爽やかさや清涼感を香り を持つと言われています。基本的には、 「スギ」 も 「Cedar」 を似たような香りを持っているようです。 さて、ワインにおいて 「Cedar」 という言葉が使われる場合、多くの場合、これは 樽熟成を経た赤ワイン に対して使われます。「Oak」という表現に類似しており、 ワインが持つ木の香り を表す言葉として使われます。(※樽熟成の代わりにオークチップを使った場合でも感じられるようですが、その香りは弱くなるようです) そのため、香りのタイプとしては通常、 第2の香り(ワイン醸造に関係する香り) に分類されています。 また、ブドウ品種としては 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 によく使われる言葉としても知られています。 カベルネ・ソーヴィニヨンは、製造工程において、比較的、 長期の樽熟成を伴う ことの多いブドウ品種です。そのため、ワインはオーク樽由来の木の香りを帯びることが多く、このような表現と相性が良いのだと思います。 また、カベルネ・ソーヴィニヨンは品種由来の香りとして、 「メンソール」 や 「ハーブ」 のような 青さや清涼感のある香り を持つことで知られています。これが樽熟成に由来する木の香りと相まって、森林浴を思わせる爽やかさや清涼感をもつ 「Cedar」 や 「スギ」 という表現用語で表されるのだと思います。 時々、カベルネ・ソーヴィニヨンの品種特徴として「スギの香り」と書かれていることがありますが、樽熟成を伴わないカベルネ・ソーヴィニヨンからはもしかしたらスギの香りは感じられないかもしれません。 一般的に、「スギ」や「Cedar」の香りを持つ赤ワインは、フレンチオークで熟成されたものであると言われています。例えば、ボルドーの赤ワインや、高品質なナパバレーのカベルネ・ソーヴィニヨンなどがこれに当たります。 アメリカンオークが樽熟成に使...

素朴なワイン(Rustic Wine)とは?そのワインスタイルを考察

 ワインに関する説明を読んでいると、時々、「素朴な」や「ラスティックな」、「Rustic」と表現されるワインが登場します。 何となく意味が分かるような気がしますが、実はあまりわかっていないような気もするので、このようなタイプのワインのスタイルについて考察をしてみたいと思います。 「素朴なワイン」 の説明でよくあげられている言葉としては次のようなものがあります: ・無骨な ・気取らない ・骨太な ・粗削りな ・ブドウ品種に忠実な ・原料を活かした ・テロワールを表現した また、 「素朴なワイン」の反対のスタイル としては次のようなものがあげられています: ・上品な ・洗練された ・エレガントな ・シルキーな ・樽熟成などの醸造テクニックを前面に押し出した これらの言葉から考察をすると、 「素朴なワイン」とは、醸造技術を前面に押し出さず、ブドウの持つ本来の特徴を表現した、場合により粗さの残るワイン であるようです。 ちなみに、「素朴なワイン」とは文脈によりさまざまなタイプのワインを表すこともあるようですが、 一般的には赤ワインを指すことが多い ようです。その理由は、素朴な(Rustic)という言葉が、 タンニンの性質 を表す言葉として使われることが多いからのようです。 よく「素朴なワイン」として表されるワインは次のような特徴をもっているようです: ・酸味が高め ・しっかりとした舌触りのある粗く乾燥したタンニンを持つ ・野生味のある/乾燥した果実やハーブの風味を持つ ・土のニュアンスを持つ ブドウ品種としては、力強い品種である カベルネソーヴィニヨン や プティ・シラー を使ったワインに対する形容として用いられることがよくあるようです。 <了>

ワインの味とは?ワインの味を感じ取るテイスティング方法を考察

ワインを評価する場合、多くの場合「外観」、「香り」、「味覚」の3つの要素が用いられます。 (関連記事: SAT式ワインの英語テイスティングコメント(英語表現) ) どれも重要な要素ですが、今回はワインのおいしさや飲みやすさに直結をする「味覚」に焦点を当てて、味覚に関するさまざまな要素をどのように感じ取ることができるのかを考察してみたいと思います。 まず、ワインの味覚を構成する要素としては次のようなものがあります: ・甘味 ・酸味 ・タンニン(主に赤ワイン) ・アルコール ・ボディ ・風味のタイプや強さ 甘味 甘味はワインに含まれている糖分によって感じ取られる要素です。糖分が含まれていない/非常に少ないワインは「辛口」で、糖分を豊富に含んで甘味が顕著な特徴となっているワインが「甘口」です。 この定義は当たり前のように感じられますが、実は非常に重要です。 なぜなら「甘味」を評価する場合、「糖分由来の甘い味わい」と「甘い香り」をしっかりと区別しなければならないからです。 例えば、綿あめのような甘い香りを持つマスカット・ベーリーAの辛口ワインの試飲をしてみるとその香りの影響によって一瞬、甘味のあるワインのように感じられてしまうことがよくあります。しかし、よくよく味わってみると、口の中では糖分由来の甘味を感じることはできません。 この「味覚」と「香り」の区別は、テイスティングの練習を重ねることが徐々に精度を上げることができますが、もしかしたら最初のうちは混同してしまうかもしれません。 多くの人にとって、甘味は舌先で最も強く感知されると言われているので、テイスティングの際にはこの部分に注意をしてみるのが良いかもしれません。 補足となりますが、ワインが感知のできる少量の糖分を含んでいる場合、ワインは「オフドライ」と言われます。「BRUT」と書かれているスパークリングワインの多くは泡の影響もあってあまり糖分を感じることができないかもしれませんが、実は「オフドライ」であることがほとんどです。 (関連記事: off-dry(オフドライ)ワインとは? | 英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) 酸味 ワインに含まれる主な酸は、酒石酸、リンゴ酸、乳酸です。そのため、酸味はこれらを多く含む食品であるブドウやレモン、その他の果物、ヨーグルトなどを口に含んだ時に感じられる「酸っぱさ」として感じられま...

ワインのマッチを擦ったような香りはどこから来るのか?を考察

 ワインの中には、「マッチを擦ったような香り」を持つものがあると言われています。 このような香りはワインの香りに複雑性を与えるものとして、ポジティブにとらえられることが多いようです。 しかし、この香りが強くなりすぎると、次第に「腐った卵」のような不快な香りに感じられ、これは欠陥ワインの香りとして認知されています。 このような、「マッチを擦ったような香り」や、「腐った卵」の香りが一体どこから生まれてくるのかを考察してみたいと思います。 二酸化硫黄(SO2)? まず最初に、これらの香りの特徴は「硫黄化合物」に共通するものです。 ワインに使われる硫黄化合物でもっともポピュラーなものと言えば、二酸化硫黄(SO2)です。二酸化硫黄は常温では期待として存在し、別名、亜硫酸ガスとも呼ばれています。そして、二酸化硫黄は、ワインの酸化防止剤や防腐剤(抗菌剤)として用いられ、ブドウの収穫から醸造工程のさまざまな工程で用いられます。また、瓶詰めの際には一定量が添加されます。 二酸化硫黄はワインの変性を防ぐというメリットがある反面、人体に有害なことがあるために、ワイン中の上限濃度が大きく法律で厳しく規制されています。しかし、ワイン中の残留濃度は有害なレベルを大きく下回るもので、一般的には非常に安全なレベルと言われています。 さて、ではこの二酸化硫黄(亜硫酸)が「マッチを擦ったような香り」の原因でしょうか? どうやら、この二酸化硫黄は直接的な原因ではないようです。 二酸化硫黄は一部の自然派ワインを除いてほとんどのワインに使われている物質です。しかし、全てのワインが「マッチを擦ったような香り」を持っているわけではありません。 また、先述の通り二酸化硫黄の添加量はごくわずかであり、ワインの香りを変えてしまうような量が添加されているとも思えません。 「マッチを擦ったような香り」には別の理由があるようです。 還元臭 「マッチを擦ったような香り」や「腐った卵」の香りは、どうやら「還元臭」と呼ばれるものであるようです。 還元臭の原因は、揮発性硫黄化合物(VSC)に由来すると言われています。VSCはさまざまな硫黄化合物の相称です。 VSCは、アルコール発酵、澱熟成、瓶内熟成などのワインの醸造・熟成工程に発生します。 アルコール発酵工程においてVSCが発生する原因としては、酵母が発酵中に窒素不足のス...

なぜワイン選びが難しいのか?ブルゴーニュのワインラベルから考察

 ワイン選びはある程度の知識がないと難しいと言われます。 なぜワイン選びが難しいのかをフランスのワインを使って考察してみました。 まず、ワインを選ぶ際に、最初に調べる情報は次のようなものだと思います。 ----------------------- ・タイプ(スティル?泡?酒精強化?) ・色(赤?白?ロゼ?) ・原産国(フランス?イタリア?アメリカ?…) ・価格 ----------------------- これらの情報は、お店のポップを見れば書いてあるので、探すのに苦労するような情報ではないと思います。 また、外観や裏ラベル、ボトルの形状からもある程度分かると思います。スパークリングワインなどは瓶の口元の形が特徴的です。 しかし、そのワインの味わいがどのようなものかを知ろうと思うと、一気に難易度があがります。 例えば、次のラベルのワインからその味わいを知ろうと思ったら、ある程度の事前知識を持っている必要があります。 味わいの手掛かりとしては、まずは使われているブドウ品種を知ることです。しかし、品種に関する情報はどこにも書いてありません。 まずは、品種の情報が無いことが、ワイン選びを難しくしている理由の1つだと思います。 ちなみに、ある程度のワインの知識がある人が注目するのは下図の赤い下線の部分です。 「Appellation d'Origine Contrôlée」 と書かれていることで、これがAOCレベルのワインであることが分かります。 AOCレベルのワインは、各産地ごとに厳しい栽培・醸造ルールに則って生産されているワインのことであり、産地によって生産できるワインの色や利用できるブドウ品種も決められています。AOCはフランスで適用されているルールですが、似たようなルールがヨーロッパ全体で運用されています。 従って、このワインの産地が分かればブドウ品種も分かることとなります。 そして、ワインを少しでもかじったことがある人は、 「Mâcon Villages(マコン・ヴィラージュ)」 が産地を表しているとすぐに分かり、頭には次のような地図が思い浮かぶと思います。 マコン・ヴィラージュの 「マコン」 とはマコネ地区にある街の名前であり、ワインで有名なブルゴーニュ地方に含まれています。 ブルゴーニュ地方のAOCレベルの白ワインはほとんど全てが「シャルドネ種」か...

アロマティックな白ブドウ品種の特徴の違いは?(リースリング、ピノグリ、ゲヴュルツトラミネール、トロンテスの比較テイスティング)

 今回のテーマは、独特な香りを持つアロマティック品種から造られた白ワインとして、次の4つの品種のワインを集めてみました。 ワイン①:リースリング(AOCアルザス) ワイン②:ピノグリ(AOCアルザス・グランクリュ) ワイン③:ゲヴュルツトラミネール(AOCアルザス・グランクリュ) ワイン④:トロンテス(アルゼンチン) 具体的なワイン名は次の通りです: ワイン①:Riesling Tradition Charles Sparr 2017 → https://amzn.to/40WFuGO (Amazonのサイトへ) ワイン②:Alsace Grand Cru Pinot Gris Rangen 2003 Chateau d'Orschwihr 2003 →  https://amzn.to/3YYvHxb (Amazonのサイトへ) ワイン③:Paul Ginglinger Alsace Grand Cru Gewurtztraminer Pfersigberg 2018 →  https://amzn.to/3OhcZMl (Amazonのサイトへ) ワイン④:Cuma Organic Torrontes Bodega El Esteco 2020 →  https://amzn.to/4hUluul (Amazonのサイトへ) 外観の比較 まずは外観の比較から。 アルザスのワインは比較的、色が濃く表れていますが、これは品種による違いというよりは、ヴィンテージによる影響が大きいと思います。 香りの比較 次は香りの比較です。 リースリングとピノグリに比べると、ゲウェルツトラミネールと、トロンテスの香りは非常に強く感じられます。 また、それぞれのワインから感じられる特徴的な香りをまとめると、 ・リースリング → 甘やかな花の香り ・ピノグリ → モモのコンポートやハチミツ ・ゲヴ ュ ルツトラミネール → バラ、ライチ、非常に華やかな花の香り(芳香剤のよう) ・トロンテス → ブドウ(マスカット)の香り、火打石のようなスモーキーな香り このようになりました。 トロンテスの火打石のようなスーッとした香りは、どこから来るものなのかは分かりませんでしたが、樽熟成をほとんど行っていないことを考えると、ブドウ由来の香りであると思われまし...

ワインから感じられるバナナの香りとは?

特定のワインはバナナの香りを持っていると言われます。 例えば、マセラシオン・カルボニック製法で造られたボージョレワイン、南アフリカのピノタージュ、スペインのガリシア地方で造られるアルバリーニョなどが該当します。 バナナの香りの元となる化学物質は酢酸イソアミル(isoamyl acetate)と呼ばれるエステルです。この物質は、マセラシオン・カルボニックの副産物として、または、通常のアルコール発酵において酵母から発生すると言われています。酢酸イソアミルの香りは、洋ナシや風船ガムの香りとも形容されます。 (関連記事: 【ワインの表現用語】Pear(洋ナシ)、Pear drop(洋ナシ香味のキャンディー)の香りとは? ) 酢酸イソアミルに代表されるワイン中のエステルは、特に低温(例えば15°C前後)で発酵された場合に多く発生すると言われています。 エステルは、ワインにフレッシュでフルーティなアロをもたらすために、若いスタイルのワイン、特に白ワインには欠かせないと言われています。 そのため、多くの白ワインでは赤ワインよりも低い発酵温度が好まれるとも言われます。 反対に、白ワインの中でもフレッシュでフルーティーな香りが好まれないワインでは、やや高めの発酵温度(例えば、17~25°Cなど)で発酵を行い、エステルの生成が抑制されます。

「ジンファンデル」と「テンプラニーリョ」の違いをしらべる!比較テイスティング

 今回は、ジンファンデルとテンプラニーリョの品種比較テイスティングをしてみたいと思います。 なぜこの2つを選んだかというと、どちらも赤系~黒系果実の香りを持ち、ミドル~フルボディのワインを造り、オーク樽との相性が良いという共通点を持っているからです。 今まであまり比較をする機会が無かったので、どのような違いがあるのかを調べてみたいと思います。 今回用意をしたワインは次の通り: ----------------- ①ジンファンデル / ドライ・クリーク・ヴァレー(ソノマ、カリフォルニア) ・ワイン名:Dry Creek Valley Zinfandel Dashe 2017 ②テンプラニーリョ / リオハ(スペイン)ー 伝統的スタイル(アメリカンオーク+フレンチオーク利用で、新樽比率高め) ・ワイン名:Dominio de Ugarte Reserva 2013 ③テンプラニーリョ/ リオハ(スペイン)ー モダンスタイル(フレンチオーク利用で、新樽比率は低め) ・ワイン名:Remelluri Lindes de Remelluri Viñedos de Labastida 2014 ----------------- リオハのテンプラニーリョは、念のために異なる2つのスタイルのものを用意しました。結果としては、ワイン②(伝統的スタイル)の樽香が強すぎて、ワイン①(ジンファンデル)との比較にならなかったので、ワイン③(モダンスタイル)も用意をしておいて正解でした。 外観の比較 まずは外観ですが、どれも濃いルビー色で、それほど大きな違いは見られません。 外観での判別は難しいと思います。 香りの比較 次に香りの比較ですが、用意したジンファンデル(ワイン①)は、よりモダンスタイルのリオハ(ワイン③)に近い香りを持っていました。 反対に、ワイン②はヴァニラの甘い香りが特徴的で、ワイン①とワイン③とは少し香りの質が異なります。 これは、ワイン①、ワイン③ともに、それほど新樽比率の高くないフレンチオークで熟成をしているためだと思います。 香りの近いワイン①(ジンファンデル)とワイン③(テンプラニーリョ)を比べると、ワイン①はより成熟度の高いジャムのようなレーズンのような果実の香りを持っていることが特徴的でした。 また、ワイン①(ジンファンデル)は成熟度の高いジャムのような香...

どれもパワフル!似ている3種の赤ワインの比較 ~ドウロ品種、シラーズ、マルベック~

 今回は、個人的に特徴が似ていると思う3種類のワインの比較をしてみたいと思います。 ワイン①: ドウロ・ルージュ ・ブドウ品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナシオナル ・ワイン名: Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016 ワイン②:バロッサ・ヴァレー・シラーズ ・ブドウ品種:シラーズ ・ワイン名: Barossa Valley Shiraz Powell & Son 2017 ワイン③:メンドーサ (ルハン・デ・クージョGI)・マルベック ・ブドウ品種:マルベック ・ワイン名: Alpamanta Estate Malbec Alpamanta Estate Wines 2011 3ついずれもパワフル&スパイシーで、果実味としっかりとした骨格を持つワインです。 外観の比較 まず外観は、次の写真の通りです。 どれも最も濃い部類のルビー色で、見た目にそれほど違いはありません。 ドウロとバロッサシラーズがやや紫がかっているように感じられますが、これは2つがマルベックに比べて若いワインであるためで、品種による違いではないと思います。 香りの比較 香りの比較については、どれも熟した黒系果実とスパイシーな香りという、かなり似通った特徴を持っていました。 しかし、若干ながら、それぞれのワインに香りの違いもありました。 まず、ドウロは3つの中で最も控えめなタイプの香りを持ち、香りが最も閉じこもっている印象を持ちました。華やかさの少ないスパイスであるクローヴで形容されるような香りが近いのではないかと思いました。 バロッサヴァレーの香りの特徴は、少し鼻にスーッと感じられるような、コショウを思わせる香りを持つことでした。また、3つの中ではヴァニラやコーヒーで形容される樽香が最も顕著に感じられるワインでもありました。 メンドーサのマルベックは、3つの中では最も果実感が感じられるワインであり、黒系果実に加えて、乾燥プルーンで形容されるような香りを持っていることが特徴だと思いました。また、リコリスのような甘さが感じられることも特徴的でした。 味わいの比較 最後に味わいについての比較です。 どのワインもフルボディでしっかりした骨格を持っているという点は共通する特徴であり、品種による特徴を見つ...

南欧(イタリア、スペイン、ポルトガル)の赤ワインの違いを知る!南欧の代表品種の比較テイスティング

いままで個人的に比較テイスティングをすることの少なかった、イタリア、スペイン、ポルトガルの土着品種から造られた赤ワインのテイスティングをしてみようと思います。 目的は、それぞれの品種やワインの特徴を捉えることです。 1種類のワインだけを味わってその特徴を捉えるだけのテイスティング能力を持ち合わせていないので、とりあえず産地の近いワインを並べてみようと思います。 今回選んだワイン(品種)は次の通りです: ワイン①: ヴァルポリチェッラ・クラッシコ(品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ) ワイン②: バローロ(品種:ネッビオーロ) ワイン③: キアンティ・クラッシコ(品種:サンジョヴェーゼ) ワイン④: リオハ・リゼルヴァ [伝統的な樽香強めのスタイル](品種:テンプラニーリョ) ワイン⑤: リオハ [モダンな樽香弱めのスタイル] (品種:テンプラニーリョ) ワイン⑥: ドウロ(品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナショナルのブレンド) 具体的なワイン名は次の通り: ① Bonacosta Valpolicella Classico Masi 2018 ② Terre del Barolo Barolo 2015 ③ Rocca Guicciarda Chianti Classico Riserva Barone Ricasoli 2012 ④ Dominio de Ugarte Reserva 2013 ⑤ Remelluri Lindes de Remelluri Viñedos de Labastida 2014 ⑥ Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016 外観 まずは外観の特徴の比較です。 特徴的なのは、バローロの色の淡さです。ネッビオーロ種は、かなり色が薄くなる品種のようです。 一方で、リオハとドウロは色の濃さが特徴です。特にドウロは漆黒のような濃い色です。 香り 次は香りの特徴の比較です。 それぞれのワインについての主だった香りの感想は次の通りです。あくまで個人的な感想です。 ヴァルポリチェッラは、比較的シンプルな赤系果実の香りの中に、甘いリコリスの香りが感じられます。 ネッビオーロとサンジョヴェーゼはどちらも赤系果実の香りの中に、枯れたようなドライハーブの香りが感じられ、と...

ワインの揮発性の酸(VA)とは?

ワインの書籍を読んでいると、ワインの欠陥を表す用語として 「揮発性の酸(VA = volatile acidity)」 という言葉が出てきます。 揮発性という観点から見ると、酸には大きく分けて2種類あり、揮発性の高い(蒸発しやすい)酸と、揮発性の低い(蒸発しにくい)酸があるそうです。 不揮発性の酸は主に味覚で感じられますが、揮発性の酸の特徴は、その名の通り気体になりやすいために、主に香りとして感じられると言われます。 ワインに含まれる主要な酸である、酒石酸(tartaric acid)やリンゴ酸(malic acid)、乳酸(lactic acid)は全て揮発性の低い 「不揮発性の酸」 です。 一方で、ワインに含まれる 「揮発性の酸」 はそのほどんどが酢酸(acetic acid)です。 酢酸は、ワインの発酵過程で酢酸菌(acetic acid bacteria)の媒介によりアルコールから生成され、全てのワインに含まれていると言われます。 酢酸はまた、ワイン中のアルコールと反応をして酢酸エチル(ethyl acetate)を作り出すと言われています。酢酸エチルの特徴は、マニキュアの除光液の香りやシンナーの香りと言われています。 酢酸および酢酸エチルは、少量が含まれる場合には、芳香性や複雑性などワインにポジティブな影響を与えると言われます。しかし、大量に含まれる場合には、不快な香りとして感じられます。これが、 「揮発性の酸(VA)」 がワインの欠陥を表す用語として使われる理由のようです。 揮発性の酸(酢酸)は一般的に、古い樽や酸化的な環境で造られたワインに多く含まれると言われています。酢酸菌は酸素の存在下で活発に働き、アルコールを酢酸に変えるためです。 揮発性の酸(酢酸)は、天然酵母を用いたアルコール発酵の際にも発生しやすいと言われます。 また、ボトリティス・シネレア(貴腐菌)を使って作られた甘口ワイン(ソーテルヌなど)は、ブドウに酢酸菌が自然に多く存在する傾向があるので、揮発性酸度が高くなることが多いと言われます。干しブドウから作られたワイン(アマローネ・デラ・ヴァルポリチェッラなど)も同様です。 しかし、当然、これらのワインには通常、欠陥と言われるレベルの揮発性の酸(酢酸)は含まれていません。

カベルネソーヴィニヨンとシラーズの品種比較テイスティング ~ニューワールド編~

 よく特徴が似ていると言われる、カベルネソーヴィニヨン(以下、CS)とシラーズの特徴の違いを知るための品種比較テイスティングをしてみたいと思います。 今回用意をしたワインは次の4種類です: ワイン①:Village Shiraz Yering Station 2017 (ヤラヴァレー[豪]/シラーズ) ワイン②: Favourite Son Cabernet Sauvignon Parker Coonawarra Estate 2018(クナワラ[豪]/CS) ワイン③:Barossa Valley Shiraz Powell & Son 2017 (バロッサヴァレー[豪]/シラーズ) ワイン④: Decoy Limited Cabernet Sauvignon Napa Valley Duckhorn Vinyards 2018(ナパヴァレー[米]/CS) CSとシラーズを1種類ずつでは、品種の比較としては心もとなかったために、それぞれニューワールドから2種類ずつのワインを用意しました。 外観 まずは外観の特徴の比較です。 CS、シラーズともに、濃い色のワインを造ることで有名な品種であるために、外観には品種による違いは現れませんでした。 ヤラヴァレーは色がやや薄めで、バロッサヴァレーとナパヴァレーは非常に濃い色合いという違いがありましたが、これは産地の特徴による違いだと思います。 香り 次に香りの比較です。 個人的に感じた香りの印象をイラストで表してみました。 香りについては、次のようにシラーズとCSに異なる傾向がありました。 シラーズ → 黒系果実 + スパイスの香り CS → 黒系果実 + 植物(野菜)の香り この傾向は、品種特徴の違いと言っても良いのかもしれません。 味わい 最後に味わいの比較です。 特に、タンニン、酸味、味わいの印象について違いを調べてみました。 結果としては、シラーズとCSの品種による顕著な違いは見つかりませんでした。 それぞれのワインでいくつか違いは現れましたが、これは産地の特徴による違いが大きいのではないかと思います。 まとめ カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズの品種による違いが大きく表れたと感じられたのは、「香り」についてのみでした。 黒系果実 + スパイス中心 → シラーズ 黒系果実 + 青い香り → CS このよ...

ピノタージュの特徴を調べる! ~ピノノワール、ジンファンデルとの品種比較テイスティング~

 ピノタージュは、主に南アフリカで栽培される黒ブドウ品種です。 1925年に、ピノノワールとサンソーの交配により、同国で開発されました。サンソーは南アフリカでは、エルミタージュとも呼べばれているそうです。 赤系果実の香りを持つ品種と言われているために、同様に赤系果実の香りを持つ、「ピノノワール」と「ジンファンデル」と比べて、その特徴を調べてみました。それぞれの産地は、南アフリカのような比較的暖かい地域である、カリフォルニアのものを選びました。 ちなみに今回は下の3種類のワインを選びました: ①ソノマPN:Migration Pinot Noir Sonoma Coast Duckhorn Vinyards 2016 ②ローダイ・ジンファンデル:Dry Creek Valley Zinfandel Dashe 2017 ③ウエスタンケープ・ピノタージュ:Mount Rozier Myrtle Manor Pinotage 2020 外観の特徴 色の濃さは、 「ピノノワール < ピノタージュ < ジンファンデル」 の順番でした。 ピノノワールよりはやや濃い程度の色でしたが、ジンファンデルよりは圧倒的に薄い色でした。いわゆるミディアムルビーに該当する色ですが、若いワインであることもあり、紫色のトーンが強く表れています。下の写真のように、グラスの底がしっかりと透けて見えます。 ピノタージュは、粒が小さく高い糖度に達するブドウで、濃い色で高アルコールを造ることができると言われるため、少し意外な結果でした。 南アのピノタージュは、フルボディのスタイルと、それよりもエレガントなスタイルの両方が造られているために、このワインはおそらくエレガントなスタイルなのだと思いました。 香りの特徴 ピノタージュの香りの特徴は、まずはしっかりとした樽香が感じられました。焦げた木のようなタークチョコレートのような、華やかさとは対極にあるような香りです。この香りに圧倒されて、果実の香りが鳴りを潜めている印象です。 そういえばWSETレベル3に次のような記述がありました。 「ピノタージュは、強くトーストしたオーク樽で発酵・貯蔵すると、コーヒーやチョコレートの強いアロマを帯びることがある。このようなワインは、しばしばそのユニークなスタイルを強調するために販売され、一部の消費者に非常に人気がある。...