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ボルドーの右岸、左岸のワインスタイルとは?その違いを考察

 ボルドーワインについて語られるときに、 「右岸(のワイン)」 と 「左岸(のワイン)」 という言葉が用いられます。 「右岸」とは、ジロンド川とその支流のドルドーニュ川の東岸のエリア 、そして、 「左岸」とは、ジロンド川とその支流のガロンヌ川の西岸のエリア を指します。 ワインの世界ではボルドー以外でも「右岸」、「左岸」という言葉が用いられますが、基本的には川の上流を視点に川の右側、左側が決められています。 ちなみに、どちらにも当てはまらないドルドーニュ川とガロンヌ川にはさまれた地域は、「アントル・ドゥー・メール地区」(2つの海の間という意味)と呼ばれています。 「右岸」と「左岸」で異なるワインのスタイル 一般にボルドーの 「右岸」と「左岸」では、そのワインのスタイルが異なる と言われています。ボルドーのワイン生産量のほとんどは赤ワインであるために、右岸のワイン、左岸のワインという言葉が使われるときの多くは赤ワインのことを指しています。 スタイルの違いの主な理由は、それぞれのワインで使われる ブドウ品種の違い にあると言われています。 右岸のワイン で最も多く利用されるブドウ品種は 「メルロ」 であり、それに 「カベルネ・フラン」 などの品種がブレンドされます。 左岸のワイン で比較的多く利用されるブドウ品種は 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 であり、多くの場合それに 「メルロ」 がブレンドされています。 同じボルドーという名の地域にありながら、右岸、左岸で栽培されているブドウ品種が異なる理由は、主に土壌の違いと言われています。 「右岸」の土壌は主に粘土質土壌 です。粘土質土壌は水分を多く含むため、日中の温度が上がりにくいことが特徴です。そのため、果実の成熟に一定の暖かさが必要なカベルネ・ソーヴィニヨンは右岸の粘土質土壌での栽培が難しく、比較的、涼しい環境でも栽培のしやすい メルロ や カベルネ・フラン が多く栽培されています。 一方で、 「左岸」の土壌は砂利や小石を多く含む土壌 であり、排水性が良く、日中の気温が上がりやすいことが特徴です。そのため「左岸」の地域では、栽培に一定の暖かさが必要な カベルネ・ソーヴィニヨン が比較的多く栽培されていると言われています。 「右岸」と「左岸」ではこのようなワインに使われるブドウ品種の違いがあるわけですが、 この違いが最も顕著

ワインエキスパート試験は集中力が重要!6ヵ月「全集中」勉強法



ワインの素人だった私が、ワインスクールに通って6ヵ月間(半年)しっかり勉強をして、J.S.A.ワインエキスパート試験を突破することができました。


学習を振り返って感じたことは、

素人でも6ヵ月集中すれば十分受かるし、それ以上かけるのはもったいない

ということでした。


大手ワインスクールの対策講座は、多くが4月~9月の6か月間に渡って開催されます。これはおそらく、この6か月間しっかり勉強をしさえすれば誰でも十分合格ができるレベルに達するという裏返しだと思います。そして、この対策講座に参加をした多くの受講生が合格をしていきます。

もっともおすすめできないことは、中途半端な勉強をして合格を逃してしまうことです。これは、時間、お金、労力、機会をもっとも浪費してしまうパターンです。

ソムリエ・ワインエキスパートの試験は毎年秋に実施されますが、1度合格を逃してしまうと、再受験には1年間待たなければなりません。1年もの間、期間が空くと、折角学んだ知識はどんどん頭から抜けていくし、テイスティング能力もどんどん落ちていってしまいます。

これを維持するために、改めて勉強をし直したり、テイスティングの練習にお金をかけたりとしなければならないわけですが、これは本当に時間や、お金、労力の無駄遣いだと思います。

さらにワインの学習を続ける場合には、これは大きな機会損失でもあると思います。例えば、ソムリエ・ワインエキスパート資格には、上位資格として、ソムリエ・ワインエキスパート・エクセレンス資格があります。これらの受験資格には、ソムリエ・ワインエキスパート資格を取得してからそれぞれ、3年以上、5年以上経過していることという条件があります。これらの上位資格の取得を考えた場合、一度受験に失敗するたびに、これらの試験に挑戦できるタイミングが1年ごと先延ばしになってしまうという大きな機会損失になってしまいます。

これ以外にもワインの資格や勉強の機会はさまざまあるので、ソムリエ・ワインエキスパート試験ばかりに時間を取られてしまうのは、本当に多くの機会を逃してしまうと思います。





6ヵ月(半年)「全集中」勉強法のすすめ


JSAワインエキスパート試験に合格するためには、「とにかく6か月間だけ労力とお金を集中させて一発合格すること」が最もコスパが良いのではないかと思います。

たしかに、独学で勉強をすれば、ワインスクールに通うよりもかなり費用を抑えることができるかもしれません。しかし、一発合格を逃してしまって資格取得までに2~3年を要してしまった場合、その期間の合計費用はもしかしたらワインスクールに通った方が安く済むかもしれません。

さらにその期間に費やした労力や、その期間の機会損失までを考えると、一発合格できないデメリットはかなり大きいと思います。

必ずしもワインスクールに通うことが必要だとは思いません。しかし、一発合格を必ず達成すべき目標として定めて、6ヵ月間だけはそのために必要な投資をすることが重要だと思います。

そうすれば、たとえワインの素人でもワインエキスパート試験には十分合格ができると思います。

この記事では、私がワインエキスパート試験を受けて感じた、勉強方法のコツや私が実際に行った勉強方法を、1次試験(CBT試験)対策を中心に紹介したいと思います。








ソムリエ・ワインエキスパート1次試験突破のコツ


JSAソムリエ・ワインエキスパートの1次試験の特徴は、試験問題は全て『日本ソムリエ協会教本』に書かれていることから出題されるということです。試験申し込みをすることで、冊子形式の教本を入手することができますが、こちらのサイトでは電子版の購入も可能です→ https://ec2.sommelier.jp/products/list.php?category_id=7

そのため、もし教本を丸暗記することができれば、1次試験には余裕で突破できるのですが、それほど単純な話ではありません。教本は600ページ以上もあり、A4版で比較的細かい文字で書かれているのです!

そこで、この膨大な量を暗記するためには正しい戦略が必要です。その戦略は、「暗記すべき範囲とその優先順位を決める」ことと、「暗記すべき範囲を効率的に暗記していく」ことの2つに尽きると思います。

前者に関しては、初めてワインを学ぶ場合は自分一人でやっていくのは非常に大変な作業です。下のようなワインスクールが出版している参考書をもとに勉強をすることもできるのですが、効率的に確実に、一発での合格を目指すのであれば、私はワインスクールに行くことをお勧めします。 

(参考記事:JSAワインエキスパート試験対策のためにワインスクールに行くべきか?それとも独学?

(参考記事:忙しい社会人がワインエキスパートを目指す場合におすすめのワインスクール

(参考記事:ワインスクールに通うメリット・デメリット




暗記すべき範囲とその優先順位を決める」ことができたら、1次試験突破のためにすることは、ひたすら頭に情報を詰め込む作業です。

まさにペンキ塗りのような作業で、ローラーを動かしただけ記憶は頭の中に塗る固められていきます。



このような単純作業の対策は、「勉強計画を立てて、それを定例作業としてひたすら繰り返す!」これに尽きます。

さらに勉強をする時間帯と場所も決めてしまった方が楽ちんです。

私は毎朝2時間程度の時間をとって下のような作業を日常生活に組み込みました。

サラリーマンなので、残業に左右されないのが朝に勉強をやるメリットです。

最初は大変と思えることでも、毎週繰り返していると半年くらいは簡単に続けられてしまいます。

この2つができれば、誰でも試験に受かってしまうというのが持論です。






1次試験合格のための勉強法


私は3月~7月の間にワインスクールに通いましたが、その間に行った勉強方法を<受講期間の勉強法>として、試験直前の勉強法を<テスト準備期間の勉強法>としてまとめました。

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<受講期間の勉強法 (3月~7月)>


ワインスクールの授業が毎週あるので一週間をかけて①~④までを定例作業として繰り返します:


① ワインスクールできっちり受講


[point1] 予習をしてから受講。例えば、暗記の多い部分は事前に暗記(ボルドーAOC、ブルゴーニュAOC、イタリアDOCGなど)。

[point2] 講師のコメントを逐一メモ。(授業で使った書籍↓)








② 授業まとめノートの作成し暗記ポイントを整理



[point1] 様々な資料を見なくてもいいように、全ての情報をまとめノートに集約。電子ファイルで作るのが便利です。

[point2] 覚えにくい部分は語呂を引用したり、独自の語呂を作る (おすすめ書籍↓)



[point3] 地図をベースに産地やワインの情報を整理。

[point4] 視覚的に覚えられるようにできるだけ画像を入れ込む。

[point5] ワインツアーを計画する気分でノートを作ると楽しめます。

(参考記事:一発合格!ワインエキスパート、WSETの暗記のコツ

(語呂合わせの例:アルコール発酵にまつわる2人の重要人物と語呂合わせ

(語呂合わせの例:EUの甘味(残糖量)を表すラベル表示用語とその覚え方




③ 練習問題を解いて記憶の定着の確認


[point1] ワインスクールから与えられた練習問題を解く

[point2] 独自に購入をした市販の練習問題を解く (おすすめ書籍↓)






④ ワインスクールの小テストで実力の確認(毎週)


[point] 毎回の小テストで満点を目指します。小テストで良い点を取ることがかなりのモチベーション維持になりました。実際、ほとんど毎回満点でした。

(関連記事:ワイン資格(JSA/WSET)の取得に役立ったモチベーション





<テスト準備期間の勉強法 (7月~8月)>


一次試験受験までに❶~❸を行います:




❶ まとめノートの見直しと、更新



[point] 国や地域をまたぐテーマがある場合は、新たなまとめノートを作成(年号、シノニム、統計、気候区分、各地の発泡ワインなど)

(関連記事:ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方




❷ 問題集による弱点の補強と記憶の定着


[point] 過去問、市販の問題、スクール提供問題などを繰り返し解く。(新たに下のような書籍も購入しました↓)






❸ スクールで出回る「裏」資料の入手と、それを使った直前対策


[point] あまり細かくは言えませんが、独学では手に入らないような情報がワインスクールに通っていることで手に入ります。「裏」というのは、スクールから公式に提供されるわけではなく、講師や受講生から提供される資料だからです。当時の私の実力では、8割からよくても9割程度の正解率までしかとれなかったと思いますが、この資料のおかげでほとんど満点を取ることができました。一発合格を目指すのであれば、ワインスクールに通った方がよいと思う1つの理由は、ワインスクールには大きな情報収集能力があることです。また、ワインスクールに通っても友人がいないと資料は手に入らない可能性もあるので、できるだけ多く友人を作っておいた方がよいかもしれません。


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このやり方を実践したおかげで、7月にワインスクールの全ての講義が終わったときには、そのまま1次試験を受けても合格ができるレベルに達することができました。(念のための保険で8月もみっちり勉強しましたおかげでさらに正答率は伸びました!)

これに所要した勉強時間はおよそ300時間でした。2時間(1日当たり) x 30日(1か月) x 5か月(3~7月) = 300時間 という計算です。

反省点としては、もう少し予習にしっかり時間を使えばよかったと思いました。私の担当の講師は、講義が終わって4日間は復習、残りの2日間は予習に使うのがおすすめと言っていました。






1次試験(CBT試験)受験にあたっての注意事項



最後におまけに1次試験に当たっての注意事項です。

私の思う一番の注意事項は、1次試験の予約です。

各会場で受け入れることのできる受験生のキャパシティーはあらかじめ決まっているために、多くの人が受験をしたい日程や会場はすぐに予約が埋まってしまいます

私の時は、8月後半の土日の予約がすぐに埋まってしまいました。

1次試験の予約は、予覚開始期間が始まったらすぐに希望の日時と場所をおさえてしまうのがおすすめです。


会場の手際やCBTの仕組みはとても良い印象で、他の受講者の音が気にならないように防音用の耳当てが用意されていたり、回答はマウス操作だけで完了できたり、見直しのしやすいように問題に印をつけてその問題に簡単に飛べたりと、大きなストレスを感じるようなことはありませんでした。

また、しっかり勉強をしてのぞめば時間はかなりあまる印象でしたので、回答を急ぐ必要は全くありませんでした。そのため、余った時間で自己採点用の問題暗記に時間をかけることができました。






2次試験(テイスティング試験)対策



2次試験対策については下の参考記事で紹介をしています:

(参考記事:テイスティング下手のワインエキスパート2次試験対策


よく読まれている記事

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の機械化」

WSETレベル3のテキスト購入方法とテキスト電子化のメリット

WSET英語学習 の難しさはの1つは、 テキストの記述が全て英語 であることです。 テキストが英語だと、やっぱり 内容の理解度が落ちます 。知らない単語を辞書で調べて...翻訳をして...と読み込んでいくのですが、部分的に言い回しが微妙だったり、細かいニュアンスが伝わらなかったりで、理解が難しい文章がいくつかありました。 <理解度対策は、日本語テキストの購入がおすすめ!> 理解度の問題を解決するために私がとった方法は「WSETレベル3日本語テキストの購入」でした。 ワインスクールでWSETレベル3を受ける場合、英語クラスを選択すると、英語テキストが配布されます。 しかし私はこれに加えて、日本語テキストを購入しました。ワインスクールでも購入ができるようなのですが、受講開始前に手にしておきたかったために個人的にWSETの公式ウェブサイト( https://shop.wsetglobal.com/collections/books )から購入しました。 注文から2週間ほどで手元に届いたと思います。レベル3のテキスト自体は £44.95 GBP でしたが、送料に £17.21 GBP かかり、合計費用は £62.16 GBP (8,300円程度) でした。 もう少し安く購入する方法としては、時々 メルカリ に出品されているものを購入する方法もありますが、常に売りに出されているわけではないのであまり期待できないかもしれません。 Amazonでも時々、中古品がでているのでここで検索するのも良いかもしれません。→  https://amzn.to/3YSx0xy  (Amazonへのリンクです) <情報検索にはテキストの電子化がおすすめ!> テキストが英語であることの問題がもう1つありました。それは、 知りたい情報を探すのが大変 であるということでした。 例えば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」の産地ごとの特徴を知りたい場合、その情報は様々な章に分散されて書かれていました。醸造工程の章、ボルドーの章、アメリカの章などです。 日本語であれば、走り読みをしながらキーワードを探せばそれほど大変な作業ではありません。しかし、英語ネイティブでない私にとって、英語でこれをやるのはとても大変な作業でした。 英語テキストの情報検索の問題を解決する

WSETレベル3で一発合格できたテイスティング対策

WSETレベル3 の試験には、筆記試験に加えて、 テースティング試験 が含まれます。 WSETのテースティングでは、 SATという名のテイスティング・ツール を用いて、ワインの描写と品質・飲み頃に関する評価を行います。本試験においても、このSATに則って、出題される2種類のワイン(通常、赤ワイン1種と白ワイン1種)についての評価を回答用紙に記述します。 (参考記事: WSETレベル3のテイスティング回答のルール ) 一般的に、 WSETレベル3のテースティング試験は筆記試験に比べて合格をしやすい と言われています。しかしそれでも、試験をパスするためにはある程度の学習と練習が必要だと思います。 WSETレベル3のテイスティング対策を行うにあたって、私が感じたのは、どのように準備をしたら良いのかという情報がJSA試験ほどに豊富には手に入らないということでした。 そこで、この記事では私がテイスティング試験に向けて行った準備を紹介したいと思います。一度の試験で合格ができたので、それなりの効果はあったのだと思っています。 試験突破のカギは「SATの理解」と「品質評価」 テイスティング試験対策に取り組む中で、私が最も重要だと思い、時間を割いたのは、「 SATの記述ルールを理解すること 」と「 ワインの品質レベルを正確にとらえる 」ことでした。 テイスティング試験の合格基準は「55%」の得点率なので、この2つさえできていれば、まず落ちることはないと思いました。 反対にこの2つのいずれかが欠けていると、大きく減点をされてしまう可能性があります。例えば、SATでは、「テイスティングの記述に用いる用語」と「評価をすべき項目」がしっかりと決まっています。間違った用語を用いたり、評価すべき項目が記述されていなければ、全く得点は得られません。用語や評価項目以外にも、いくつか記述のルールが存在するので、ワークブックをしっかり読んで全てを把握しておくことが必須です。 (参考記事: WSETレベル3のテイスティング試験でやりがちな失敗トップ10 ) (参考記事: WSET SATのちょっとわかりにくかった香りと風味の選択・記述ルール ) ルールに関してはJSAのテイスティングのルールとは少し異なると思われる部分もあったので要注意です。

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(=接ぎ木

WSETレベル3とJSAソムリエ・ワインエキスパート資格の違い、どちらがおすすめ?

ある程度、体系的にワインの事を学びたいと思ったらワインの資格取得はおすすめです。 資格を取得するためには決められた範囲を満遍なく学ばなければならないために、試験勉強を終えた頃にはしっかりと 体系立ったワインの知識 が頭の中に残ります。 メジャーなワイン資格といえば何と言っても、日本ソムリエ協会(JSA)の運営する ソムリエ・ワインエキスパート試験 。これはおそらく日本でもっとも有名なワイン資格です。大雑把に言うと、ソムリエ試験はソムリエ向け、ワインエキスパートは私のようなそれ以外の受験者向けです。 そしてもう一つ、世界的にメジャーなワイン資格といえば、 WSET 。この資格はレベル1〜4までありますが、JSAソムリエ・ワインエキスパート資格と同等レベルと言われるのはWSETレベル3です。WSETレベル3は、レベル2を取得していなくても取得が可能ですが、レベル4を取得するにはレベル3の取得が必須です。 私はこの「JSAワインエキスパート」と「WSETレベル3」の両方を受験しましたが、実際に経験をしてみて様々な違いを感じました。 違いは様々ありますが、一番違いを感じたのは学習内容。 ・JSAワインエキスパート=膨大な情報の詰め込み ・WSET=なぜ?なぜ?なぜ?を突き詰める こんなイメージです。 JSAワインエキスパートではとにかくワインの名前や、世界の地理、 ワインの色、品種、格付けなど覚えることが盛りだくさんです。 代表的な例は、ボルドーメドックの格付け1級〜5級を全て覚えなければならないことです。 一方、WSETでは覚えることは各地、各国の代表的な産地やワインくらい。 その反面、 なぜそこでそのようなワインが作られていて、 なぜそのようなブドウが作られているのか? なぜ、そのようなブドウ栽培方法がとられているのか? など、ひたすら理由を追求して、試験ではそれを文章で説明しなければなりません。 この2つは、 ・「知識の幅」 (JSA) ・「知識の深さ」 (WSET) というそれぞれの強みがあるために、 両方学ぶ事で一段とワインへの理解が深まります。 私は、JSAワインエキスパートを合格した後にWSETを受講したのですが、 JSAで詰め込みで覚

2次試験でも役立つ?酒精強化ワインの見分け方(シェリー、ポートワイン、マデイラ、VDN、ラザグレン・マスカット)

 最近、さまざまな酒精強化ワインを飲む機会に恵まれたため、私的な酒精強化ワインの見分け方を表にまとめてみました。 対象とした酒精強化ワインは次の通りです: シェリー ポート マデイラ VDN ラザグレン マスカット まだまだ酒精強化ワインは飲み始めなので間違っているところもあるかもしれませんので、気が付くたびに修正をしていきたいと思います。 この見分け方は、個人的には、JSAソムリエ・ワインエキスパートの二次試験でもかなり有用なのではないかと思っています。 以下、この表の詳細です。 【レモン色 x 辛口】のタイプ ・フィノ/マンサニーリャ(シェリー) レモン色で辛口の酒精強化ワインと言えば、ほぼ「フィノ」か「マンサニーリャ」シェリーで決まりだと思います。 さらに、フロール(産膜酵母)由来のアセトアルデヒドのツンとした香りや、ナッツ系の香りが感じられたらまず間違いないなしです。 「フィノ」と「マンサニーリャ」は気候の違いによりフロールの形成に違いがあり、香りにも若干の違いが出るようなのですが、この香りをかぎ分けるのは相当至難の業だと思います。試験などでも問われることはまずないようなので、私はかぎ分けることはほぼあきらめています。 【レモン色~黄金色 x 辛口】 のタイプ このタイプには、「ペールクリーム シェリー」、「ホワイトポート」、「VDN(白)」が含まれます。 見た目やアルコール度で判断するのは難しいので、この3つは個人的には香りで判断をするしかないと思っています。 ・ペールクリーム(シェリー) ペールクリームは、フロールの下での熟成を経ているため、フィノやマンサニーリャと同様に、「フロール由来のアセトアルデヒドのツンとくる香り」や「ナッツ系の香り」を持つことが特徴だと思います。 ・VDN(白) VDN(白)には具体的には、「ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ」、「ミュスカ・ド・フロンティニャン」、「ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ」などが含まれます。 VDN(白)は、マスカット由来の華やかでさわやかな香りが特徴だと思います。個人的には、「はちみつレモンのようなフレッシュな香り」で覚えています。 ・ホワイトポート ホワイトポートはレモンのさわやかさというよりは、熟したモモやアプリコットに近い香りだと思います。個人的には「煮詰めたリンゴの香り」で覚えて

クリアンサ、レゼルバ、グランレゼルバとは?スペインワインの熟成規定(最低熟成期間)の私的暗記法

スペインの赤ワインのうち、最良のワインにはほぼ確実にオークを使用した熟成がされていると言われています。白ワインの大半はフレッシュで果実味が豊かなワインと言われていますが、一部のワインではオークを使った熟成が行われ、異なる風味が加えられています。 スペインのワイン法でもワインの熟成表記に関する規定が定められており、最低熟成期間の長さによって、「 クリアンサ(Crianza) 」、「 レゼルバ(Reserva) 」、「 グラン・レゼルバ(Gran Reserva) 」などのカテゴリーが規定されています。 最低熟成期間には、総熟成期間と樽熟成期間があり、総熟成期間は樽熟成期間を含めたトータルの熟成期間を示しています。 いくつかのワイン試験では、この最低熟成期間をワインの種類(赤、白・ロゼ)ごと、カテゴリーごとに覚えなければならないのですが、この数字の羅列を覚えるのはなかなか至難の業です。 そこで、個人的に考えた、このスペインワインの熟成規定の覚え方を紹介したいと思います。 1. 表を年表示にする まずは、数字を覚えやすくするために、表の単位を「月」から「年」に変換します。 まるで囲んだ部分だけ、語呂合わせなどを使って覚えます。 2. 赤ワインの「グラン・レゼルバ」の熟成期間を覚える 赤ワインのグラン・レゼルバの最低熟成期間は、偶然にもクリアンサとレゼルバの最低熟成期間を足し合わせた期間なので、簡単に覚えられます。 3. 白・ロゼワインの「クリアンサ」、「レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 白・ロゼワインにおいて、クリアンサ、レゼルバの最低の総熟成期間は、偶然にも赤ワインの「最低総熟成期間ー最低樽熟成期間」に一致します。これを覚えます。 4. 白・ロゼワインの「グラン・ レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 今までの法則で行くと、「グラン・レゼルバ」の最低の総熟成期間は3.5年が望ましいですが、 実際は4年 です。ここだけ、例外的に 0.5年だけずれる と覚えます。 5. 白・ロゼワインの 最低樽熟成期間を覚える 白・ロゼワインの最低の樽熟成期間は、全て同一の0.5年です。 赤ワインの「クリアンサ」のものと同じと覚えておくと、覚えやすいかもしれません。 最後に、この表を法則とともに覚えておくことで、暗記作業は完了です。 関連記事: スペインの「グラン・レセルバ(Gran Re

ワインのテイスティングに使える英語表現 ~色、甘さ、酸味、苦み、ボディを表す表現は?~

  ワインの英語表現をまとめてみました。 この辺りを押さえておけば、ちょっとしたワインの英会話ができそうです。 香りと風味は似ていますが、「香り = aroma」は嗅覚、「風味 = flavor (flavour)」は味覚で感じるものです。 これらは味覚で感じるワインの味に関する表現です。 「Acidic」、「Tannic」については、「sour (酸っぱい)」や「astringent(渋い)」、「bitter(苦い)」を使うよりも、ワイン通な感じを与えるのではないかと思います。

ワインから感じられるバナナの香りとは?

特定のワインはバナナの香りを持っていると言われます。 例えば、マセラシオン・カルボニック製法で造られたボージョレワイン、南アフリカのピノタージュ、スペインのガリシア地方で造られるアルバリーニョなどが該当します。 バナナの香りの元となる化学物質は酢酸イソアミル(isoamyl acetate)と呼ばれるエステルです。この物質は、マセラシオン・カルボニックの副産物として、または、通常のアルコール発酵において酵母から発生すると言われています。酢酸イソアミルの香りは、洋ナシや風船ガムの香りとも形容されます。 (関連記事: 【ワインの表現用語】Pear(洋ナシ)、Pear drop(洋ナシ香味のキャンディー)の香りとは? ) 酢酸イソアミルに代表されるワイン中のエステルは、特に低温(例えば15°C前後)で発酵された場合に多く発生すると言われています。 エステルは、ワインにフレッシュでフルーティなアロをもたらすために、若いスタイルのワイン、特に白ワインには欠かせないと言われています。 そのため、多くの白ワインでは赤ワインよりも低い発酵温度が好まれるとも言われます。 反対に、白ワインの中でもフレッシュでフルーティーな香りが好まれないワインでは、やや高めの発酵温度(例えば、17~25°Cなど)で発酵を行い、エステルの生成が抑制されます。