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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

ワインエキスパート試験は集中力が重要!6ヵ月「全集中」勉強法



ワインの素人だった私が、ワインスクールに通って6ヵ月間(半年)しっかり勉強をして、J.S.A.ワインエキスパート試験を突破することができました。


学習を振り返って感じたことは、

素人でも6ヵ月集中すれば十分受かるし、それ以上かけるのはもったいない

ということでした。


大手ワインスクールの対策講座は、多くが4月~9月の6か月間に渡って開催されます。これはおそらく、この6か月間しっかり勉強をしさえすれば誰でも十分合格ができるレベルに達するという裏返しだと思います。そして、この対策講座に参加をした多くの受講生が合格をしていきます。

もっともおすすめできないことは、中途半端な勉強をして合格を逃してしまうことです。これは、時間、お金、労力、機会をもっとも浪費してしまうパターンです。

ソムリエ・ワインエキスパートの試験は毎年秋に実施されますが、1度合格を逃してしまうと、再受験には1年間待たなければなりません。1年もの間、期間が空くと、折角学んだ知識はどんどん頭から抜けていくし、テイスティング能力もどんどん落ちていってしまいます。

これを維持するために、改めて勉強をし直したり、テイスティングの練習にお金をかけたりとしなければならないわけですが、これは本当に時間や、お金、労力の無駄遣いだと思います。

さらにワインの学習を続ける場合には、これは大きな機会損失でもあると思います。例えば、ソムリエ・ワインエキスパート資格には、上位資格として、ソムリエ・ワインエキスパート・エクセレンス資格があります。これらの受験資格には、ソムリエ・ワインエキスパート資格を取得してからそれぞれ、3年以上、5年以上経過していることという条件があります。これらの上位資格の取得を考えた場合、一度受験に失敗するたびに、これらの試験に挑戦できるタイミングが1年ごと先延ばしになってしまうという大きな機会損失になってしまいます。

これ以外にもワインの資格や勉強の機会はさまざまあるので、ソムリエ・ワインエキスパート試験ばかりに時間を取られてしまうのは、本当に多くの機会を逃してしまうと思います。





6ヵ月(半年)「全集中」勉強法のすすめ


JSAワインエキスパート試験に合格するためには、「とにかく6か月間だけ労力とお金を集中させて一発合格すること」が最もコスパが良いのではないかと思います。

たしかに、独学で勉強をすれば、ワインスクールに通うよりもかなり費用を抑えることができるかもしれません。しかし、一発合格を逃してしまって資格取得までに2~3年を要してしまった場合、その期間の合計費用はもしかしたらワインスクールに通った方が安く済むかもしれません。

さらにその期間に費やした労力や、その期間の機会損失までを考えると、一発合格できないデメリットはかなり大きいと思います。

必ずしもワインスクールに通うことが必要だとは思いません。しかし、一発合格を必ず達成すべき目標として定めて、6ヵ月間だけはそのために必要な投資をすることが重要だと思います。

そうすれば、たとえワインの素人でもワインエキスパート試験には十分合格ができると思います。

この記事では、私がワインエキスパート試験を受けて感じた、勉強方法のコツや私が実際に行った勉強方法を、1次試験(CBT試験)対策を中心に紹介したいと思います。








ソムリエ・ワインエキスパート1次試験突破のコツ


JSAソムリエ・ワインエキスパートの1次試験の特徴は、試験問題は全て『日本ソムリエ協会教本』に書かれていることから出題されるということです。試験申し込みをすることで、冊子形式の教本を入手することができますが、こちらのサイトでは電子版の購入も可能です→ https://ec2.sommelier.jp/products/list.php?category_id=7

そのため、もし教本を丸暗記することができれば、1次試験には余裕で突破できるのですが、それほど単純な話ではありません。教本は600ページ以上もあり、A4版で比較的細かい文字で書かれているのです!

そこで、この膨大な量を暗記するためには正しい戦略が必要です。その戦略は、「暗記すべき範囲とその優先順位を決める」ことと、「暗記すべき範囲を効率的に暗記していく」ことの2つに尽きると思います。

前者に関しては、初めてワインを学ぶ場合は自分一人でやっていくのは非常に大変な作業です。下のようなワインスクールが出版している参考書をもとに勉強をすることもできるのですが、効率的に確実に、一発での合格を目指すのであれば、私はワインスクールに行くことをお勧めします。 

(参考記事:JSAワインエキスパート試験対策のためにワインスクールに行くべきか?それとも独学?

(参考記事:忙しい社会人がワインエキスパートを目指す場合におすすめのワインスクール

(参考記事:ワインスクールに通うメリット・デメリット




暗記すべき範囲とその優先順位を決める」ことができたら、1次試験突破のためにすることは、ひたすら頭に情報を詰め込む作業です。

まさにペンキ塗りのような作業で、ローラーを動かしただけ記憶は頭の中に塗る固められていきます。



このような単純作業の対策は、「勉強計画を立てて、それを定例作業としてひたすら繰り返す!」これに尽きます。

さらに勉強をする時間帯と場所も決めてしまった方が楽ちんです。

私は毎朝2時間程度の時間をとって下のような作業を日常生活に組み込みました。

サラリーマンなので、残業に左右されないのが朝に勉強をやるメリットです。

最初は大変と思えることでも、毎週繰り返していると半年くらいは簡単に続けられてしまいます。

この2つができれば、誰でも試験に受かってしまうというのが持論です。






1次試験合格のための勉強法


私は3月~7月の間にワインスクールに通いましたが、その間に行った勉強方法を<受講期間の勉強法>として、試験直前の勉強法を<テスト準備期間の勉強法>としてまとめました。

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<受講期間の勉強法 (3月~7月)>


ワインスクールの授業が毎週あるので一週間をかけて①~④までを定例作業として繰り返します:


① ワインスクールできっちり受講


[point1] 予習をしてから受講。例えば、暗記の多い部分は事前に暗記(ボルドーAOC、ブルゴーニュAOC、イタリアDOCGなど)。

[point2] 講師のコメントを逐一メモ。(授業で使った書籍↓)








② 授業まとめノートの作成し暗記ポイントを整理



[point1] 様々な資料を見なくてもいいように、全ての情報をまとめノートに集約。電子ファイルで作るのが便利です。

[point2] 覚えにくい部分は語呂を引用したり、独自の語呂を作る (おすすめ書籍↓)



[point3] 地図をベースに産地やワインの情報を整理。

[point4] 視覚的に覚えられるようにできるだけ画像を入れ込む。

[point5] ワインツアーを計画する気分でノートを作ると楽しめます。

(参考記事:一発合格!ワインエキスパート、WSETの暗記のコツ

(語呂合わせの例:アルコール発酵にまつわる2人の重要人物と語呂合わせ

(語呂合わせの例:EUの甘味(残糖量)を表すラベル表示用語とその覚え方




③ 練習問題を解いて記憶の定着の確認


[point1] ワインスクールから与えられた練習問題を解く

[point2] 独自に購入をした市販の練習問題を解く (おすすめ書籍↓)






④ ワインスクールの小テストで実力の確認(毎週)


[point] 毎回の小テストで満点を目指します。小テストで良い点を取ることがかなりのモチベーション維持になりました。実際、ほとんど毎回満点でした。

(関連記事:ワイン資格(JSA/WSET)の取得に役立ったモチベーション





<テスト準備期間の勉強法 (7月~8月)>


一次試験受験までに❶~❸を行います:




❶ まとめノートの見直しと、更新



[point] 国や地域をまたぐテーマがある場合は、新たなまとめノートを作成(年号、シノニム、統計、気候区分、各地の発泡ワインなど)

(関連記事:ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方




❷ 問題集による弱点の補強と記憶の定着


[point] 過去問、市販の問題、スクール提供問題などを繰り返し解く。(新たに下のような書籍も購入しました↓)






❸ スクールで出回る「裏」資料の入手と、それを使った直前対策


[point] あまり細かくは言えませんが、独学では手に入らないような情報がワインスクールに通っていることで手に入ります。「裏」というのは、スクールから公式に提供されるわけではなく、講師や受講生から提供される資料だからです。当時の私の実力では、8割からよくても9割程度の正解率までしかとれなかったと思いますが、この資料のおかげでほとんど満点を取ることができました。一発合格を目指すのであれば、ワインスクールに通った方がよいと思う1つの理由は、ワインスクールには大きな情報収集能力があることです。また、ワインスクールに通っても友人がいないと資料は手に入らない可能性もあるので、できるだけ多く友人を作っておいた方がよいかもしれません。


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このやり方を実践したおかげで、7月にワインスクールの全ての講義が終わったときには、そのまま1次試験を受けても合格ができるレベルに達することができました。(念のための保険で8月もみっちり勉強しましたおかげでさらに正答率は伸びました!)

これに所要した勉強時間はおよそ300時間でした。2時間(1日当たり) x 30日(1か月) x 5か月(3~7月) = 300時間 という計算です。

反省点としては、もう少し予習にしっかり時間を使えばよかったと思いました。私の担当の講師は、講義が終わって4日間は復習、残りの2日間は予習に使うのがおすすめと言っていました。






1次試験(CBT試験)受験にあたっての注意事項



最後におまけに1次試験に当たっての注意事項です。

私の思う一番の注意事項は、1次試験の予約です。

各会場で受け入れることのできる受験生のキャパシティーはあらかじめ決まっているために、多くの人が受験をしたい日程や会場はすぐに予約が埋まってしまいます

私の時は、8月後半の土日の予約がすぐに埋まってしまいました。

1次試験の予約は、予覚開始期間が始まったらすぐに希望の日時と場所をおさえてしまうのがおすすめです。


会場の手際やCBTの仕組みはとても良い印象で、他の受講者の音が気にならないように防音用の耳当てが用意されていたり、回答はマウス操作だけで完了できたり、見直しのしやすいように問題に印をつけてその問題に簡単に飛べたりと、大きなストレスを感じるようなことはありませんでした。

また、しっかり勉強をしてのぞめば時間はかなりあまる印象でしたので、回答を急ぐ必要は全くありませんでした。そのため、余った時間で自己採点用の問題暗記に時間をかけることができました。






2次試験(テイスティング試験)対策



2次試験対策については下の参考記事で紹介をしています:

(参考記事:テイスティング下手のワインエキスパート2次試験対策


よく読まれている記事

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(...

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって...

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

SAT式ワインの英語テイスティングコメント(英語表現)

WSETを学ぶまで私は英語のテイスティングコメントってとても難しいことだと思っていました。 しかし、WSETレベル3で学習する 「 系統的テースティング・アプローチ:ワイン」(通称、SAT) を使えば、簡単に英語でのテイスティングコメントができるようになりました! (参考記事: WSETとは?WSETワインレベル3資格とは? ) コメントにはきちっとした型があるので、その型を覚えて、あとはワインごとの評価を当てはめていくだけ! これでまともな英語のテイスティングコメントになってしまいます。 系統的テースティング・アプローチ:ワイン(SAT)とは? WSETのテキストによれば、「 これを使うことによってワインを総合的に描写し、次にこの情報をもとに品質と飲み頃に関する評価を行うことができるツールである 」といわれています。 また、「 ワインについて考慮すべき重要な要素のすべてを思い起こさせてくれる整然とした体系的なテンプレートを提供しれくれる 」ともいわれています。 SATの形式は? SATは大きく2つの部分から構成され、 ・第1の部分 = 「外観」、「香り」、「味覚」 ・第2の部分 = 「結論」(品質レベル + 飲み頃のレベル/熟成の可能性) となっています。 具体的なテースティングコメントは、次のような文章で表されます。 <SATのコメントの決まった型 (太字部分)> ------------------------------------------------------------------------ [第1の部分] The wine is  (色の濃さ) (色 ) . The wine has a  (香りの強さ)  aroma intensity and it is  (発達段階) . The aromas are of  (香りの特徴) . The wine is   (甘味)  with  (酸味)  acidity, (タンニン) tannin, (アルコール)   alcohol, and   (ボディ)  b...

パロ・コルタド・シェリーとは?アモンティリャードとオロロソとの製法の違いを調べてみた

JSA試験、WSET試験を通して酒精強化ワインであるシェリー(Sherry)を学んできましたが、ずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、「 パロ・コルタド・シェリーとは何なのか? 」です。 シェリーとは、スペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産される酒精強化ワインのことで、ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、著名な酒精強化ワインと言われています。 シェリーには、フィノ(Fino)/マンサ二ーリャ(Manzanilla)、オロロソ(Oloroso)、アモンティリャード(Almontillado)、 パロ・コルタド(Palo Cortado) 、ペドロヒメネス(Pedro Ximenez)など様々な種類があります。 しかし、JSA、WSETどちらのテキストにおいても、 パロ・コルタド に関する記述 はとても少なく、製法に関する記述もなく、漠然とその特徴が書かれているだけでした。 その特徴は、 ・希少であること ・アモンティリャード(Amontillado)の香りを持つが、味はオロロソ(Oloroso)のボディとこくを持つ という2点だけです。 ずっと疑問に思っていたことを解決すべく、製法を中心にパロ・コルタドについて調べてみました。 参考にしたのは、次のサイトです: https://www.sherrynotes.com/sherry-types/palo-cortado/ https://www.sherrynotes.com/2015/background/palo-cortado-mystery/ まずは、パロ・コルタドの発祥から。パロ・コルタドは、もともとフィノとしては不適合として除外された樽からできたそうです。 <パロ・コルタドの発祥> ------------------------------------------------------------------------ ・パロ・コルタドは、もともとフィノ(Fino)の製造から偶然生まれたワインと言われている。 ・フィノシェリーでは、樽での熟成中にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、フロールのもとで熟成される。しかし、フィノ樽の中には...

WSETレベル3の英語受講から合格までの体験記(難易度、勉強法、合格の秘訣など)

ワインの素人だった私が、ワインの勉強をまじめに始めて2年目にWSETレベル3の英語試験を合格した勉強法を紹介したいと思います。 WSETは世界で通用するワイン資格です。主催団体によればレベル3は、 「 ワインの業界で働くプロフェッショナルおよびワイン愛好家を対象とした上級レベルの資格 」 です。 全世界で通用する資格であるために、海外のワイナリーに行ってWSETのレベル3を持っていると言えば、ワインについてはそれなりに知っていると思ってもらえるようです。 いつか海外のワイナリーを訪れることを思い描きながら、WSETレベル3に挑戦をした軌跡を紹介します。 (参考記事: 意外に高い?WSETの合格率 ) なぜWSETレベル3を受験? 私にとってのワインの勉強は、 飲み友達作り にワインスクールに通ったことから始まりました。 当時はワインの勉強などそっちのけで、中途半端な知識でワインスクールのクラスメートとワインを飲み明かすことだけを楽しんでいました。 折角ワインスクールに通ったのに、フランスのワイン産地はブルゴーニュとボルドーしか頭に残っていませんでした。 そんなワイン素人の私がまわりの飲み友達に影響されて、JSAワインエキスパート試験に挑戦をしました。まじめなワインの勉強はゼロから始めたこともあり、はじめはイチかバチかくらいの気持ちで始めた挑戦でしたが、ワインスクールのサポートにも助けられてなんとか一回で合格をすることができました。 次に挑戦すべきは上位資格である「JSAワインエキスパート・エクセレンス」だと思い、この資格は5年間待たなければならないことを知って、ワインの勉強はしばらくお預けだと少し寂しく思っていました。 しかし、ひょんなことからWSETは英語でワインが学べるということを知って、今度も大きな挑戦でしたが、WSETレベル3の英語講座に通うことに決めました。 (参考記事: WSETとは?WSETワインレベル3資格とは? ) (参考記事: ワインを英語で学ぼうと思ったきっかけと意外な発見 ) WSETレベル3を受講してよかったこと WSETレベル3を受講した良かったことは、ワインを英語で学んで、資格試験にも合格をしたことで、英語の環境でも臆せずワインについて話ができるようになっ...

WSETレベル3で一発合格できたテイスティング対策

WSETレベル3 の試験には、筆記試験に加えて、 テースティング試験 が含まれます。 WSETのテースティングでは、 SATという名のテイスティング・ツール を用いて、ワインの描写と品質・飲み頃に関する評価を行います。本試験においても、このSATに則って、出題される2種類のワイン(通常、赤ワイン1種と白ワイン1種)についての評価を回答用紙に記述します。 (参考記事: WSETレベル3のテイスティング回答のルール ) 一般的に、 WSETレベル3のテースティング試験は筆記試験に比べて合格をしやすい と言われています。しかしそれでも、試験をパスするためにはある程度の学習と練習が必要だと思います。 WSETレベル3のテイスティング対策を行うにあたって、私が感じたのは、どのように準備をしたら良いのかという情報がJSA試験ほどに豊富には手に入らないということでした。 そこで、この記事では私がテイスティング試験に向けて行った準備を紹介したいと思います。一度の試験で合格ができたので、それなりの効果はあったのだと思っています。 試験突破のカギは「SATの理解」と「品質評価」 テイスティング試験対策に取り組む中で、私が最も重要だと思い、時間を割いたのは、「 SATの記述ルールを理解すること 」と「 ワインの品質レベルを正確にとらえる 」ことでした。 テイスティング試験の合格基準は「55%」の得点率なので、この2つさえできていれば、まず落ちることはないと思いました。 反対にこの2つのいずれかが欠けていると、大きく減点をされてしまう可能性があります。例えば、SATでは、「テイスティングの記述に用いる用語」と「評価をすべき項目」がしっかりと決まっています。間違った用語を用いたり、評価すべき項目が記述されていなければ、全く得点は得られません。用語や評価項目以外にも、いくつか記述のルールが存在するので、ワークブックをしっかり読んで全てを把握しておくことが必須です。 (参考記事: WSETレベル3のテイスティング試験でやりがちな失敗トップ10 ) (参考記事: WSET SATのちょっとわかりにくかった香りと風味の選択・記述ルール ) ルールに関してはJSAのテイスティングのルールとは少し異なると思われる部分もあったので要注意です。 ...

ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

コート・ド・ボーヌの村名の私的な覚え方【地図と語呂合わせ】

  「コート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)」の村名は正直言って、「コート・ド・ニュイ(Cotes de Nuits)」よりも覚えるのが大変です。 その理由は、村の名前が多いことです。 コート・ド・ボーヌの村名は、地域を区切って、主要な村を先に覚えていく方法が個人的には有効だと思います。 分け方は、「コルトンの丘付近」、「ボーヌ付近」、「シャニー付近」の3つの地域に分けました。 ちなみに、「コルトンの丘付近」は、特級畑「コルトン・シャルルマーニュ」を共有する3村、「ボーヌ付近」は赤ワインの生産が多い3村、そして「シャニー付近」は白ワインの生産の多い4村です。 コルトンの丘付近 コルトンの丘付近の村は、頭文字で覚えます。 ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses) アロース・コルトン(Aloxe-Corton) ラドワ・セリニィ(Ladoix-Serrigny) コルトンの丘を中心に反時計回りで、「 PAL 」となります。 この3村は先述の通り、特級畑「 コルトン・シャルルマーニュ 」を有していることで有名です。 (関連記事: 地図を使うと覚えやすい!コルトンの丘のグラン・クリュAOCの暗記法 ) ボーヌ付近 ボーヌ近辺の3村は、ボーヌ付近のいずれも赤ワインの生産の多い村です。 ボーヌ(Beaune) ポマール(Pommard) ヴォルネイ(Volnay) ボーヌは赤白ワインの生産が許可されていますが、ポマールとヴォルネイは赤ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 シャニー付近 シャニーに近い次の4つの村では白ワインが多く生産されています。 サン・トーバン(St Aubin) ムルソー(Meursault) ピュリニィ・モンラッシェ(Puligny-Montrachet) シャサーニュ・モンラッシェ(Chassagne-Montrachet) いずれの村でも赤白ワインの生産が許可されていますが、両モンラッシェの特級畑では白ワインの生産しか許可されていません。 個人的には次のような語呂合わせを使って覚えています。 その他の村 その他の村は、余裕があれば少しずつ覚えます。 ちなみに、ブラニィ(Blagny)は、ムルソー村とピュリニィ・モンラッシェ村にまたがる地域のことで、ブラニ...

ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは?

ブドウ樹は、その土地に合わせて様々な形をしています。このブドウ樹の形は「仕立て」と呼ばれ、休眠期の剪定によって整えられます。 例えば、ボルドーやブルゴーニュでは針金と柱を用いて枝を地面と垂直方向に伸ばす「垣根仕立て」が多く採用されています。 一方で日本では、ブドウや葉を棚の天面に広げる棚仕立て(Pergola ペルゴラ)が多く採用されています。 このような仕立てや選定は、気温、日照、水、土壌の栄養分などのブドウ樹が必要とする要素や、ブドウ畑の機械の使用などを考慮して、そのブドウ畑に最適なものが選ばれます。 WSETレベル3では、この「仕立て」、「剪定」について比較的しっかりと学ぶのですが、ブドウ畑に馴染みのない私にとっては少し理解が難しい部分でした。 特に私が混乱してしまったのは、「仕立て(training)」と「剪定(pruning)」の違いでした。両者はお互いに深い関係があり、テキストの説明だけでは直感的にわかりにくかったので、個人的に図などを利用してまとめてみました。 (関連記事:t rellis の意味 | 英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) <仕立てと剪定の違い> WSETテキストによれば「仕立て」と「剪定」は次のように説明されています。 「ブドウ樹の整枝・仕立てとは一般に株の形状のことをいい、大きく分けて、株仕立てとコルドン仕立ての二つに分類できる。」(株…ブドウ樹で一年以上経っている木質部のこと) 「剪定とは、冬または生育期間中に、望ましくない葉や長梢、株を除去することである。剪定によって樹の形が決まり、大きさが制限される。」 つまり、仕立てとは「ブドウ樹の形」を意味し、剪定とはその「ブドウ樹の形をつくるための作業」ということになります。 <仕立てと剪定の種類> 「仕立て」は株(一年以上経っている木質部)の形によって大きく「株仕立て(head training)」と「コルドン仕立て(cordon training)」の二つに分類ができるようです。 「株仕立て」は株の部分が比較的小さいのに対して、「コルドン仕立て」はコルドンと呼ばれる腕枝があるのが特徴です。コルドンは通常1~2本ですが、4本以上のコルドンを持つ「大木仕立て(big vine)」と呼ばれるものもあるようです。 ...