チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>
ワイン学習において、ナパヴァレーAVAの暗記は難関だと思います。 いままで語呂合わせによる覚え方などを考えてきましたが、今回は正攻法による覚え方を考えてみたいと思います。 まず、ナパヴァレーの位置ですが、ナパ郡の西部の広い範囲に位置しています。そして、ソノマ郡とソラノ郡に挟まれたやや内陸に位置しています。 東西を、ヴァカ山脈とマヤカマス山脈に挟まれているために、東のセントラルヴァレーからの暖かい空気や、太平洋からの冷たい空気から守られています。 しかし南部はサン・パブロ湾に面しているために、ここからの冷たい海風や霧の影響を受けています。また、北部の一部も山脈が少しだけ途切れているために、ソノマ郡からやってくる涼しい空気の影響もやや受けます。 さて、ここから本題のナパヴァレーのAVAに関してです。 ナパヴァレーには、この地域全体をカバーするNapa Valley AVAと、その中に16の小地域のAVAが含まれています。覚えるのが難しいAVAは、この16の小地域のAVAです。 主だったAVAは、下の図のように、山の斜面と、谷底の川の近くに、南北に並んでいます。 数あるものを覚えるための1つの方法としては、それぞれの要素をグルーピングすることだと思います。 そこで、これらのAVAを、まずは山の斜面にあるもの(緑色)と、谷間にあるもの(無色)に分けてみたいと思います。 緑色のAVAではほとんどの畑が霧の冷涼効果を受けないフォグライン(Fog line)よりも高い標高に位置しています。一方で、無色のAVAの畑は霧の影響を受けるフォグラインよりも標高の低い場所に位置しています。 そして、次にサン・パブロ湾からの冷たい風と霧の影響を受ける度合によって、谷間のAVAを3つのグループに分けようと思います。南に位置するAVAほどその影響は大きく、北に位置するAVAほどその影響は小さくなります。 下図の青い地域は湾からの影響を大きく受け涼しい地域であり、赤い地域は湾からの影響はほとんどなく暖かい地域です。そして黄色はその中間くらいです。 谷間の南部のAVA まずは、谷間のAVAのうち、もっともサン・パブロ湾に近い地域にある3つのAVAです。 ・ロス・カーネロス(Los Carneros) ・クームズヴィル(Coombsville) ・オーク・ノール・ディストリクト(Oak Knoll