タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
WSETのテイスティングではSATという名のツールを用いて、ワインの描写と品質・飲み頃に関する評価を行います。
SAT(The Systematic Approach to Tasing Wine)=「系統的テースティング・アプローチ:ワイン」です。
ツールと言うと仰々しいですが、要はテースティングコメントを書くためのルールです。
内容は下のURLから参照できます:
https://www.wsetglobal.com/media/3119/wset_l3_wines_sat_en_jun-2016.pdf
このツールを使って次のような項目を記述していきます。
・外観 (APPEARANCE)
・香り (NOSE)
・味覚 (PALATE)
・結論 (CONCLUSIONS) - 品質レベル(quality level) + 飲み頃のレベル/熟成の可能性(level of readiness for drinking/potential for aging)
例えば、外観は「色の濃さ(inteisity)」と「色(colour)」の2つで評価をします。
それぞれ、評価のゲージが用意されており、濃さは「pale - medium - deep」、色は赤ワインの場合は「purple - ruby - garnet - tawny - brown」です。
また、味覚では例えば「タンニン(tannin)」や「酸味(adidity)」などに対して、「low - medium(-) - medium - medium(+) - high」のゲージが用意されています。
SATの各ゲージは一元的で定量的であるために、とても分かりやすいのが特徴です。常に左側が最も弱くて、右に行くほど強くなります。
JASワインエキスパートで経験をした定量的な表現と定性的な表現が入り組んでいるコメントシートと比べると、ずっと論理的な気がして、私はこちらの方が好きです。
一方で、定性的にワインの評価をおこなう部分も用意されており、「香り(NOSE)」と「味覚(PALATE)」についてはそのワインの持つ香りと風味を、花や果実などの用語で表現します。
SATの模範解答は次のような感じです。
------------------------------------------------
Appearance: (2点)
The wine is pale lemon.
Nose: (7点)
The wine has a medium intensity and it is youthful. The aromas are of lemon, apple, peach, pineapple, and honeysuckle.
Palate: (9点)
The wine is dry with medium acidity, medium alcohol, and medium(-) body. It has a medium flavour intensity and a medium(-) finish. The flavours are of lemon, apple and honeysuckle.
Assessment of quality: (1点)
This wine is good.
Readiness for drinking: (1点)
Drink now: not suitable for further aging.
*下線の部分以外は基本的に毎回一緒なので、この形式だけ覚えれば十分です。
------------------------------------------------
英語なのでちょっと難しい気がしてしまいますが、回答の型は決まっているので、香りや風味を表現する単語を覚える以外は、大した英語力は必要ありません。
しかし唯一ちょっとわかりにくい部分が、この「香りや風味を表現する用語」の選び方。
香り・風味の種類は大まかに分けて次の3種類あるのですが、
・プライマリーアロマ/フレーバー(primary aroma/flavour) … ブドウ果実とアルコール発酵による香りと風味
・セカンダリーアロマ/フレーバー(secondary aroma/flavour) … 発酵後のワイン醸造過程でもたらされる香りと風味
・ターシャリーアロマ/フレーバー(tertiary aroma/flavour) … 熟成によってもたらされる香りと風味
ワインを描写する中で、どのタイプのアロマ/フレーバーがワインに含まれているかを正確に描写する必要があります。
関連記事:講義で出題されたワインリストの作成と分析の勧め
SAT(The Systematic Approach to Tasing Wine)=「系統的テースティング・アプローチ:ワイン」です。
ツールと言うと仰々しいですが、要はテースティングコメントを書くためのルールです。
内容は下のURLから参照できます:
https://www.wsetglobal.com/media/3119/wset_l3_wines_sat_en_jun-2016.pdf
このツールを使って次のような項目を記述していきます。
・外観 (APPEARANCE)
・香り (NOSE)
・味覚 (PALATE)
・結論 (CONCLUSIONS) - 品質レベル(quality level) + 飲み頃のレベル/熟成の可能性(level of readiness for drinking/potential for aging)
例えば、外観は「色の濃さ(inteisity)」と「色(colour)」の2つで評価をします。
それぞれ、評価のゲージが用意されており、濃さは「pale - medium - deep」、色は赤ワインの場合は「purple - ruby - garnet - tawny - brown」です。
また、味覚では例えば「タンニン(tannin)」や「酸味(adidity)」などに対して、「low - medium(-) - medium - medium(+) - high」のゲージが用意されています。
SATの各ゲージは一元的で定量的であるために、とても分かりやすいのが特徴です。常に左側が最も弱くて、右に行くほど強くなります。
JASワインエキスパートで経験をした定量的な表現と定性的な表現が入り組んでいるコメントシートと比べると、ずっと論理的な気がして、私はこちらの方が好きです。
一方で、定性的にワインの評価をおこなう部分も用意されており、「香り(NOSE)」と「味覚(PALATE)」についてはそのワインの持つ香りと風味を、花や果実などの用語で表現します。
SATの模範解答は次のような感じです。
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Appearance: (2点)
The wine is pale lemon.
Nose: (7点)
The wine has a medium intensity and it is youthful. The aromas are of lemon, apple, peach, pineapple, and honeysuckle.
Palate: (9点)
The wine is dry with medium acidity, medium alcohol, and medium(-) body. It has a medium flavour intensity and a medium(-) finish. The flavours are of lemon, apple and honeysuckle.
Assessment of quality: (1点)
This wine is good.
Readiness for drinking: (1点)
Drink now: not suitable for further aging.
*下線の部分以外は基本的に毎回一緒なので、この形式だけ覚えれば十分です。
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英語なのでちょっと難しい気がしてしまいますが、回答の型は決まっているので、香りや風味を表現する単語を覚える以外は、大した英語力は必要ありません。
しかし唯一ちょっとわかりにくい部分が、この「香りや風味を表現する用語」の選び方。
香り・風味の種類は大まかに分けて次の3種類あるのですが、
・プライマリーアロマ/フレーバー(primary aroma/flavour) … ブドウ果実とアルコール発酵による香りと風味
・セカンダリーアロマ/フレーバー(secondary aroma/flavour) … 発酵後のワイン醸造過程でもたらされる香りと風味
・ターシャリーアロマ/フレーバー(tertiary aroma/flavour) … 熟成によってもたらされる香りと風味
ワインを描写する中で、どのタイプのアロマ/フレーバーがワインに含まれているかを正確に描写する必要があります。
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