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9月, 2021の投稿を表示しています

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エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

ミュスカデ(ムロン・ド・ブルゴーニュ)のシュール・リーを捉えるためのテイスティング練習

今回は、シュール・リー工程を経て作られたミュスカデ(ムロン・ド・ブルゴーニュ)の特徴を捉えるためのテイスティング練習をしてみました。 シュール・リー(sur lie)とは、ワイン発酵後に粗い澱を取り除いた後に、しばらくの間、細かい澱とともにワインを熟成させる工程のことです。 この工程を経ることで、ワインにボディが加えられたり、口当たりがまろやかになるというメリットがあるようです。   ミュスカデは、もともと、酸度が高く、軽いボディのワインを造るという特徴をもっていますが、シュール・リーを経ることで、ワインに厚みやまろやかさを加えて、より品質の高いワインにしているのだと、個人的には理解しています。 またシュール・リーを経ることで、ワインには澱(主に酵母)に由来する独特な香りが加えられると言われています。それは、ヨーグルト、パン生地、ビスケット、トーストの香りと言われています。 これは、シャンパーニュなどの瓶内二次発酵のスパークリングワインでも顕著に感じられる香りです。しかし、シャンパーニュなどの多くの瓶内二次発酵スパークリングワインに比べて、ミュスカデワインの澱との接触期間は比較的短いために、その香りはあまり強くは感じられないようです。(ロワールのミュスカデAOCでは、ワインは収穫の翌年の、3月1日から11月30日までに瓶詰することになっているので、澱との接触は最長でも1年程度のようです) lees の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語 このようなテイスティング理論を踏まえて、今回は、ミュスカデAOCのワインと、ドライイーストの入ったグラスを並べて、本当に酵母の香りが感じられるのかを試してみました。(上の写真の左と真ん中) (左:ドメーヌ ウ゛ィネ ミュスカデ セーウ゛ル エ メーヌ シュル リー ドメーヌ サン マルタン 375ml) また、ベンチマーク用のワインとして、低価格なシャルドネワインも並べてみました。本当は低価格なシャブリあたりを用意したかったのですが、今回は自宅にたまたまあったオーストラリアの低価格シャルドネで代用をしました。(最も右のグラス) <テイスティングの結果> テイスティングの印象は、次の通りです: ・弱い~やや弱い香り ・香りの種類は、緑系果実(青りんごなど)、草の香り、かすかに酵母の香り(パン生地) ・やや高い~高い酸味 ・ライト~ミデ