今回のテーマは、ブルゴーニュの「コート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)」地区にある「 フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) 」村です。 場所は下の地図のように、モレ・サン・ドニ村、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村の間に挟まれています。 コート・ド・ニュイの村名のワインが認められている他の村と比べると、特にそれほど小さい村でもありません。ヴージョ村やヴォーヌ・ロマネ村の方がよっぽど面積は小さめです。 しかし、このフラジェ・エシェゾー村ではその名を冠したAOCのワインを造ることは許されていません。つまり、「A.O.C. Flagey-Echézeaux」という名のワインは存在しません。 その代わり、この村で栽培されたブドウから村名を冠したワインを造る場合、全て「A.O.C. Vosne-Romanée」という隣の村の名前を冠したワインとして造られます。 なぜ、フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) には村名のワインが無いのでしょうか?少し疑問に思って、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑について調べてみました。 まず、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑の場所ですが、村名以上のワインを造ることのできるブドウ畑は、村の西側に局地化しているようです。村の中心地は、点線の楕円の部分に固まっているので、場所としては村の外れにあるようです。 この村の西側に局地化した畑のうち、大部分を占める畑は、特級畑である「エシェゾー(Echézeaux)」と「グラン・エシェゾー(Grands-Echézeaux)」です。 これら2つのグランクリュ畑から造られるブドウからは、唯一、フラジェ・エシェゾー村のアイデンティティの感じられる、「A.O.C. Echézeaux」と「A.O.C. Grands-Echézeaux」のワインが造られます。 残りの畑は、プルミエ・クリュ畑と村名ワイン畑となりますが、これらの畑で造られるワインはそれぞれ「A.O.C. Vosne-Romanée Premier Cru」と「A.O.C. Vosne-Romanée」となり、フラジェ・エシェゾー村の名前が使われることはありません。 それでは、ここでヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑の分布を見てみたいと思います。 これを見ると、ヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑は、フラジ...
JSAソムリエ・ワインエキスパートの勉強はとにかく範囲が広くて、あまり細かいことに構ってられません。
そのためいくつか分からないまま飛ばしてしまったことがありました。
その1つが、オーストリアの16の限定的生産地域。
このDAC産地は9産地あるとのことなのですが、残りの7産地はDAC産地になることを選んでいないため、産地にDACがついていないのです。
・DAC産地以外で作られたPODワイン → 上質ワイン(Qualitaswein)
これがWSET Level3を勉強して理解できたことです。
もう一つ、オーストリアで紛らわしかったのが、ワイン生産地域の数!
JSAではオーストラリアの生産地は「3つのブドウ栽培地方と、9つの包括的生産地域、16の限定的生産地域」に細分化されていると習ったのですが、包括的生産地域(=州連邦)が4つしか見つからないんですよね...
これ実は、4つの州連邦以外はあまり重要ではなくて省略されているみたいなんです。
実際に、
・PDO生産地域に指定されているのは、4つの州連邦と16の小地区(限定的生産地域)のみ
・16の小地区を包含しているのは4つの州連邦のみ
なんです。
「ドイツと同じ!」と言われてあまり時間が割かれないオーストリアですが、ちゃんと考えてみると結構複雑です。
そのためいくつか分からないまま飛ばしてしまったことがありました。
その1つが、オーストリアの16の限定的生産地域。
疑問だったことは...
「なぜ、地域名にDACがついているものと、そうでないものがあるのか?」
「なぜ、地域名にDACがついているものと、そうでないものがあるのか?」
ということです。
例えば、「ヴァッハウ」はDACではありませんが、「クレムスタール」はDACです。
「DACが付いた限定的生産地域は、オーストリア原産地統制呼称ワイン(District Austriae Controllatus)産地になることを選んだ産地である」
ということです。
このDAC産地は9産地あるとのことなのですが、残りの7産地はDAC産地になることを選んでいないため、産地にDACがついていないのです。
しかし、次に新たな疑問が湧きました。それは、
「なぜ7産地はDAC産地になることを選んでいないのか?」
ということです。
こちらも調べてみたのですが、どうやらDAC産地になるためにはさらにいくつかの基準を満たすことを地域の生産者たちが合意することが必要で、さらにその地域を最もよく表すと考えられているワインのスタイルしか作れなくなってしまうようです。もし、異なるワインのスタイルを作ろうと思ったら、もうその地域の名称は名乗れず、もっと広域な名称しか名乗れなくなってしまうようなのです。
オーストリアの16の限定的生産地域では、PODワイン(原産地呼称保護ワイン)が作れるのですが、DAC産地と、そうでない産地では造られるPODワインが次のように異なります。
「なぜ7産地はDAC産地になることを選んでいないのか?」
ということです。
こちらも調べてみたのですが、どうやらDAC産地になるためにはさらにいくつかの基準を満たすことを地域の生産者たちが合意することが必要で、さらにその地域を最もよく表すと考えられているワインのスタイルしか作れなくなってしまうようです。もし、異なるワインのスタイルを作ろうと思ったら、もうその地域の名称は名乗れず、もっと広域な名称しか名乗れなくなってしまうようなのです。
オーストリアの16の限定的生産地域では、PODワイン(原産地呼称保護ワイン)が作れるのですが、DAC産地と、そうでない産地では造られるPODワインが次のように異なります。
・DAC産地で作られたPODワイン → DACワイン
・DAC産地以外で作られたPODワイン → 上質ワイン(Qualitaswein)
DAC産地以外で造られる上質ワイン(Qualitaswein)の場合は、認可されている35のブドウ品種を使えば、どのようなスタイルのワインでも作ることができるそうです。
しかし、DACワインはブドウ品種と、ワインスタイルが地域ごとに厳しく定められており、作ることのできるワインのスタイルは特定のものに限られます。
これがWSET Level3を勉強して理解できたことです。
もう一つ、オーストリアで紛らわしかったのが、ワイン生産地域の数!
JSAではオーストラリアの生産地は「3つのブドウ栽培地方と、9つの包括的生産地域、16の限定的生産地域」に細分化されていると習ったのですが、包括的生産地域(=州連邦)が4つしか見つからないんですよね...
これ実は、4つの州連邦以外はあまり重要ではなくて省略されているみたいなんです。
実際に、
・PDO生産地域に指定されているのは、4つの州連邦と16の小地区(限定的生産地域)のみ
・16の小地区を包含しているのは4つの州連邦のみ
なんです。
「ドイツと同じ!」と言われてあまり時間が割かれないオーストリアですが、ちゃんと考えてみると結構複雑です。