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8月, 2020の投稿を表示しています

最新記事

エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

ワインの購入費用のかからないテイスティング練習方法(ソムリエ・ワインエキスパート 二次試験対策)

ワインの資格試験においての大きな課題の1つは、テイスティングの練習にお金がかかることだと思います。 実際、私にとっても、ワインエキスパート試験や、WSET試験の対策にどのくらいのお金をかけるべきなのかが大きな悩みの1つでした。 テイスティング能力は、ワイン代にお金をかければかけただけ伸びるのか? 私はそうは思いません。 個人的な考えですが、テイスティングには 2つ の要素が必要だと思っています。 それは、 「ワインの特徴を感じ取る力(視覚・嗅覚・味覚)」 と 「ブドウ栽培・ワイン醸造・テイスティングの理論」 です。 これらは、 「感覚」 と 「理論」 の2つと言い換えることができると思います。 「感覚」 については、確かにワインを味わえば味わっただけ伸びる力かもしれません。 しかし、 「理論」 については、いくらワインをたくさん飲んでも、多くのお金をかけても必ずしも伸びる力だとは思いません。 この 「理論」 を伸ばす練習方法の1つとして、私は 「ドライテイスティング」 という手法が有効だと思います。 ドライテイスティングの大きなメリットは、 ワイン代が全くかからない ことです。 (関連記事: JSAソムリエ・ワインエキスパート2次試験対策、セルフ小瓶練習法 ) (関連記事: WSETレベル3で一発合格できたテイスティング対策 ) (関連記事: テイスティング失敗の原因と上達のコツ ~ソムリエ・ワインエキスパート2次試験、WSETレベル3試験対策~ ) ドライテイスティングとは? ドライテイスティングとは、実際にワインを飲んでいないにも関わらず、ワインを飲んだと想像して、そのワインの特徴を書き出していく練習法です。 例えば、JSAワインエキスパートのテイスティング試験の練習として、「フランスの若い状態を抜けたグルナッシュ」を飲んだと想像します。 そして、その想像上のワインの回答を次のように回答用紙に書き出します。 そして、最後に答え合わせを行います。模範解答としては、次のようなものを利用します。 ・ワインスクールで入手した模範解答 ・ワイン参考書 ・公開されている過去問の回答例 ・ワインの資格試験に詳しい人に聞く 上の例は、「公開されている過去問の回答例」を参考に作成しました。 参考までに、WSET レベル3(英語)の場合は次のように書き出します。 ドライテイスティン

WSET レベル3で疑問だった果帽管理の方法の特徴の違い

果房管理は、赤ワインの製造において、ブドウの果皮などから色素や、風味、タンニンを抽出するための重要な工程です。 (関連記事: cap の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) WSET L3では、果帽管理の方法として、パンチングダウン(punching down)、ポンピングオーバー(pumping over)、ラックアンドリターン(rack and return)、回転式発酵槽(rotary fermenters)などが取り上げられていましたが、ずっと疑問だったことがありました。 それは、 「それぞれの果帽管理の手法の特徴は?それがどのようなワインに使われるのか?」 ということでした。 個人的な意見ですが、WSET L3の試験は醸造オプションを選ばせたり、その特徴を答えさせる問題が出題されそうな気がしており、この部分をテキストでもっと詳しく記述してほしいと思っていました。 今回、この疑問を解消するために、個人的にそれぞれの手法の特徴を調べてみました。個人リサーチなので、もしかしたら間違っている部分もあるかもしれません。 まずは、 パンチングダウン(punching down) 。フランス語ではピジャージュ(pigeage)という名前でも有名です。この方法は、基本的には、作業員がタンクの上にたまった果帽を櫂と呼ばれる棒で突いてかき混ぜる方法です。最近は機械化も進められているようです。メリットとしては強すぎず、弱すぎず、まずまずの抽出ができる手法のようです。一方で、人手に頼らなければならないのがデメリットのようです。人手=コストなので、基本的には、少量の高額のワインを造る場合に向いている手法のようです。 次は、 ポンピングオーバー(pumping over) 。フランス語ではルモンタージュ(remontage)という名前で有名です。この方法は、タンクの底の液体を抜いて、上からそれを振りかけることで果帽をかき混ぜる手法です。メリットとしては、激しすぎない、自動化が可能、酸素に多く触れるので還元臭が発生しにくいなどがあるようです。デメリットとしては、とてもやさしい方法なので、他の手法と組み合わせて使わなければならないということがあるようです。この手法は、どんなタイプや価格帯のワインにも使える手法のようです。 ラックアンドリターン(rack and return) 。フラ

malo の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語

「 malo = マロラクティック発酵 (malolactic fermentation) 」です。 省略語なので、一般の辞書には載っておらず、私ははじめてこの「malo」を見たときに、何のことだか全くわかりませんでした。マロラクティック発酵は「MFL」とも省略されるようです。 マロラクティック発酵は、通常アルコール発酵( alcoholic fermentation )の後に行われる発酵で、一部の白ワインと、ほとんどすべての赤ワインで行われると言われています。主な反応としては、ワイン中の「リンゴ酸 (malic acid)」が「乳酸 (lactic)」と二酸化炭素と熱に変えられます。 このため、マロラクティック発酵には次のような効果があると言われています: ・酸味が減りよりまろやかな口当たりになる(酸味は、リンゴ酸>乳酸のため) ・ワインの香りに変化が起こる(バターなどの乳製品のような香りが加わる) ・ワインの微生物的安定性が増す(意図しないマロラクティック発酵が起こりにくくなる) ・赤ワインにおいて色が薄くなる 次のような発酵の起こりやすい環境を整えて、ワインに培養した乳酸菌を加えることで、マロラクティック発酵は促されると言われています: ・温度:18-22度 ・pH:3.3-3.5 ・SO2を減らす(加えない) 反対に、次のような環境にすることで、マロラクティック発酵は抑制されるようです: ・温度を15度以下に保つ ・ワインのpHを高くする ・SO2を加える ・乳酸菌をなくす(濾過や、乳酸菌を殺す酵素の投入など) 私はマロラクティック発酵に関して長らくある疑問を持っていました。それは、マロラクティック発酵はアルコール発酵と同じ容器で同時に行われるのか?それとも、容器を移して別処理として行われるのか?ということでした。 答えとしては、どうやらどちらのパターンもあるようです。 例えば、ワインによってはアルコール発酵終了後に、発酵容器から小さい樽に移して、マロラクティック発酵が行われる場合があるようです。 また製造者によっては、製造のスピードを高めるために、アルコール発酵とマロラクティック発酵を同時に進める場合もあるそうです。

pungent の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語

「pungent = (鼻や舌を)刺激する、鼻にツンとくる」 です。 一般的にはあまり、好ましくない香りを表すようです。 例えば、「酢酸(acetic acid)」や「酢酸エチル(ethyl acetate)」などの揮発性の酸の香りなどです。酢酸エチルは、除光液(nail vanish remover)の香りがすると言われています。 これらの物質はすべてのワインに少量含まれていると言われていますが、過剰に含まれると欠陥のあるワインとして扱われてしまいます。 また、アルコール度の高いワインも「鼻にツンとくる(pungent)」香りがあると言われており、ワインテイスティングにおいてアルコール度を知るために1つの手掛かりになるようです。