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10月, 2023の投稿を表示しています

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エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

多すぎる!ポルトガルワインの土着品種の覚え方を考える

ポルトガルワインに使われるブドウ品種の特徴は、土着品種の多さです。 地域ごとに異なる種類の土着品種が使われるので、それぞれの品種を覚えるのが大変です。 地域ごとに覚えたいブドウ品種を、黒ブドウ、白ブドウそれぞれについてまとめてみました。 赤ワインに使われるブドウ品種 ポルトガルでは、より多くの赤ワインが造られていますが、まずは赤ワインの製造に使われる黒ブドウから。 ポルトガルには31のDOC(DOPレベル)と、14のVR(PGIレベル)がありますが、すべて細かく覚えていくのが大変なので、まずは5つのDOCに絞ってみました。 ヴィーニョヴェルデDOC、ドウロDOC、バイラーダDOC、ダォンDOC、アレンテージョDOCの5つです。 品種を覚えるための手助けとして、まずは各地域を南北に北部、中部、南部に分けて、東西に沿岸部、内陸部に分けてみました。(青い点線で記しました) まず、全体的な特徴としては、海風の影響が限定的でより暖かい内陸部では圧倒的に赤ワインの生産量が多いということです。 このような 内陸部 では、ティンタロリス(テンプラニーリョ)や、トウリガナショナル、トウリガフランサなどが大きな役割を果たしています。 一方で、 沿岸部 で栽培されているブドウ品種は、より地域によって特徴的です。 ヴィーニョヴェルデ この地域で生産されるワインの8割以上が白ワインであり、赤ワインが注目されることはそれほどないかもしれません。 ヴィーニョヴェルデで圧倒的に多く栽培されている黒ブドウは、ヴィニャン(Vinhão)です。この品種は、ドウロエリアでも栽培されており、ソウソン(Sousão)という名前で知られています。 この品種の特徴は、 ・果皮が厚く、色濃いワインを造る ・高い酸味を持つ ・赤系果実(さくらんぼ)の香りを持つ などです。 バイラーダ この地域で最も多く栽培されている黒ブドウは、バガ(Baga)という名の品種です。 ポルトガルワインの多くは複数ブドウ品種のブレンドから造られますが、バガはしばしば単一品種のワインとしても製造されるようです。 バガの特徴は、 ・晩熟品種 ・高いレベルの酸味とタンニン ・中程度のボディ ・赤系果実の香り(クランベリー、さくらんぼ、赤プラム) ・若いうちは口当たりが良くないが、瓶内熟成で複雑な味わいになる などです。 バイラーダは海に近く、雨

ポルトガルの2つの「セルシアル」と呼ばれるブドウ品種

 ポルトガルのブドウ品種で「セルシアル」と言えば、真っ先に思い浮かぶのは酒精強化種のマデイラで使われる「Sercial」という白ブドウ品種かもしれません。 この「Sercial」の特徴は、晩熟で高い酸味を持ち、あまり潜在アルコール度が高くないことです。最も辛口のマデイラに使われるブドウ品種です。 そして、ポルトガルにはもう1つ「セルシアル」と呼ばれるブドウ品種があります。 それは、「Cercial」という白ブドウ品種で、ポルトガル本土のダォン、バイラーダ、テージョなどのワイン産地で栽培されています。 「Cercial」は酸味が豊かな品種で、通常、バガ、ビカル、エンクルザードなどのブドウ品種とのブレンドワインに使われることが多いようです。単一品種として使うと、柑橘系果実(ライムやグレープフルーツ)やミネラル感のあるワインを造り、酸味が豊かであるために十年程度の長期熟成が可能であると言われています。 「Cercial」の表記は、「Cerceal」や「Sercial」ともされるようです。 両品種ともに別々の品種のようですが、両社ともポルトガルの土着品種であるために、容易に混同してしまいそうです。 <了>