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7月, 2022の投稿を表示しています

最新記事

エントレ・コルディリェラス? チリの新しい原産地呼称の覚え方

 チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>

新世界のシャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリングの違いは? ~温暖地域の白ワイン品種の比較テイスティング~

今回は比較的暖かい地域、特にニューワールドの白ワインの品種についてテイスティングによる品種特徴の確認をしていきたいと思います。 用意した品種は、主要品種である「シャルドネ」、「リースリング」、「ソーヴィニヨン・ブラン」、「シュナン・ブラン」に加えて、「セミヨン」と「トロンテス」も加えてみました。 できるだけ近い地域の方が品種特徴の違いが出るので、ワイン①~③はオーストラリアのもの、ワイン④⑤は南アフリカのものを選びました。 ワイン①:『Lucky Lizard Chardonnay D'arenberg 2018』(シャルドネ:豪、アデレードヒルズ) ワイン②:『 Tyrrell’s Single Vineyard Stevens Semillon 2014 』 (セミヨン:豪、ハンターヴァレー) ワイン③:『Riesling Annie‘s Lane 2019』 (リースリング:豪、クレアヴァレー) ワイン④:『De Trafford Chenin Blanc De Trafford Wines 2018』(シュナン・ブラン: 南ア、ステレンボッシュ) ワイン⑤:『Newton Johnson Sauvignon Blanc 2020』(ソーヴィニヨン・ブラン:南ア、ウォーカーベイ ) ワイン⑥:『Cuma Organic Torrontes Bodega El Esteco 2020』(トロンテス:チリ、 カファヤテ ) 基本的には下表のような味わいになるはずですが、実際のテイスティングでも違いを確認してみたいと思います。 テイスティング ワイン①:『Lucky Lizard Chardonnay D'arenberg (2018)』(シャルドネ:豪、アデレードヒルズ) 【6本〜送料無料】[7月8日(金)以降発送予定]ダーレンベルグ ラッキー リザード シャルドネ 2018 750ml [白]Lucky Lizard Chardonnay D'arenberg 価格:2629円(税込、送料別)   (2022/6/30時点) 楽天で購入 詳しい特徴は以前の記事に書かれていますが、まず特徴的なのはしっかりと乳製品の香りを感じられるところです。 ヨーグルト を連想させるような香りです。 (関連記事: シャルドネの味わいは産地によってどう変わる

シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ミュスカデの味わいの違いは? ~冷涼地域の白ワイン品種の特徴の比較~

これまで、「リースリング」、「シャルドネ」、「ソーヴィニヨン・ブラン」、「シュナン・ブラン」と、主要な白ワイン品種の産地による違いをまとめてきましたが、今回はまとめとして品種ごとの味わいの違いをまとめてみようと思います。 幅広い産地のワインを集めても品種特徴による違いが分かりにくいので、今回はヨーロッパ、特に冷涼な地域を中心に6種類の品種のワインを集めてみました。 今回のワインは次の通りです: ワイン①:『La Chablisienne Chablis La Pierrelee 2018』(シャルドネ) ワイン②:『 Domaines Saint Martin Muscadet Sevre et Maine Sur Lie 2019 』(ミュスカデ) ワイン③:『Pascal Jolivet Attitude Sauvignon Blanc 2020』(ソーヴィニヨン・ブラン) ワイン④:『Domaine Brunet Vouvray Demi Sec Vieilles Vignes 2014』(シュナン・ブラン) ワイン⑤:『Riesling Tradition Charles Sparr 2017』(リースリング) ワイン⑥:『Just B Wines 2017』(アルバリーニョ) いままで登場した主要品種に加え、「ミュスカデ(ムロン・ド・ブルゴーニュ)」と「アルバリーニョ」を加えてみました。 それぞれのワインは表でまとめると次のような特徴を持つはずですが、実際にテイスティングをして試してみました。 テイスティング ワイン①:『La Chablisienne Chablis La Pierrelee 2018』(シャルドネ) ラ シャブリジェンヌ / シャブリ ラ ピエレレ [2018][2019] 白ワイン 辛口 750ml / フランス ブルゴーニュ AOC シャブリ La Chablisienne Chablis La Pierrelee リュット レゾネ 価格:2680円(税込、送料別)   (2022/6/30時点) 楽天で購入 まずは、冷涼地域のシャルドネの代表として、シャブリを選んでみました。 ワインは、シャルドネのテイスティングで用いたものと同じです。 (関連記事: シャルドネの味わいは産地によってどう変わるのか? ~特徴のまとめと、テイスティン

シュナン・ブランの味わいは産地によってどう違う? ~産地比較テイスティング~

 リースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランに引き続き、今回はシュナン・ブランのワインです。 (関連記事: リースリングの味わいは産地やタイプでどう違うのか? ~産地やタイプによる特徴の違いのまとめ~ ) (関連記事: シャルドネの味わいは産地によってどう変わるのか? ~産地ごとの特徴の違いのまとめ~ ) (関連記事: ソーヴィニヨン・ブランの味わいは産地によってどうかわるのか? ~産地ごとの特徴の違いのまとめ~ ) まずシュナン・ブランの主な特徴をまとめると次の通りです。 ・主要産地は、ロワール(仏)と南アフリカ。 ・高い酸味を持つノンアロマティック品種。 ・果実の成熟が不均一で、一房のブドウの中でも成熟度合が異なる (ロワールでは... ) ・スパークリングワイン、スティルワイン(辛口、オフドライ、甘口)など様々なスタイルのワインが造られる。 ・多くのワインは、ミディアムボディ、やや残糖あり、高い酸味、オーク熟成なし、緑色系果実から南国系果実の香りや、青い香りを持つ (南アフリカでは... ) ・主に低価格帯の大量生産ワインに使われ、その多くは、ミディアムボディ、辛口~オフドライ、中程度~高い酸味、柑橘系~南国系果実の香りを持つ。 ・ブレンドワインにも使われる ・近年、高価格帯のワインの製造も増えている 主な特徴はこのあたりだと思います。 そして、主要産地のワインの特徴は下の表にまとめてみました。ロワールでは、「ヴーヴレ」、「サヴィニエール」、「コトー・デュ・レイヨン」でそれぞれ特徴的なスタイルのワインが造られています。 シュナン・ブランのテイスティング では、この情報を踏まえて、実際にテイスティングをしてみようと思います。 今回用意をしたワインは次の通り。 ワイン①:『Domaine Brunet Vouvray Demi Sec Vieilles Vignes 2014』(ヴーヴレAOC) ワイン②:『Savennieres Chateau D'epire 2005』(サヴニエールAOC) ワイン③:『De Trafford Chenin Blanc De Trafford Wines 2018』(南アのプレミアムCB) ワイン④:『Libertas Chenin Blanc Distell 2019』(南アのテーブルワインCB) ワイン①:『

一年間の保存状態の違いで実感。ワインの保存容器にペットボトルは避けるべき!

 先日、ワインの保存方法について気が付いたことがありました。 それは、ワインの保存に 「ガラス瓶」 と 「ペットボトル」 を使った場合の違いです。 私はテイスティング用のワインを購入した場合、今後同じワインで練習ができるように、一部を別容器に移し替えて保存をしています。 多くの場合、保存用には 「ガラス瓶」 を用いているのですが、ガラス瓶が足りなくなってしまった場合には、仕方が無く 「ペットボトル」 を使うこともあります。 それぞれ図のように空気を極力抜いてキャップを使って密閉してあります。 両者ともに密閉ができているし問題がないだろうと思っていましたが、先日、同じ時期に 「ガラス瓶」 と 「ペットボトル」 に詰めたワインを開封してその違いに驚きました。 詰めていたのはニュージーランドの若いシャルドネワインでしたが、約1年の保存を経て、上図のように外観に大きな違いが現れていました。 「ペットボトル」 のワインは、開封後の緑がかったレモン色から、やや濃いめのゴールドになってしまっていました!かなり酸化が進んでしまっているようです。 「ガラス瓶」 のワインもやや色が濃くなって、完全なレモン色になっていますが、 「ペットボトル」 のワインに比べると、ずっと酸化が抑えられていることが分かります。 いままでは、なんとなくガラス瓶を使っていましたが、 今回の経験で、これほど大きな差が出てしまうということが実感できました。 最近はプラスチック容器で販売されるワインも増えてきましたが、早飲み用のワインにしか使われない理由がなんとなく分かりました。 やはり、ワインの保存には 「ガラス瓶」 が一番のようです。

ソーヴィニヨン・ブランの味わいは産地によってどうかわるのか(産地比較)? ~特徴のまとめと、テイスティングによる確認~

 リースリング、シャルドネに引き続き、今回はソーヴィニヨン・ブランワインの産地による味わいの違いを調べてみようと思います。 (関連記事: リースリングの味わいは産地やタイプでどう違うのか? ~特徴のまとめと、テイスティングによる確認~ ) (関連記事: シャルドネの味わいは産地によってどう変わるのか? ~特徴のまとめと、テイスティングによる確認~ ) まず、ソーヴィニヨン・ブランワインの一般的な特徴は次の通りだと思います: ・アロマティック品種 ・緑系果実と野菜の強い香り ・酸味が高い ・辛口のミディアムボディが多い ・フレッシュさを押し出すことが多いため、樽香を持つものは少ない ・温暖な地域では樽香を持つものも造られる ・酸味が高いため、甘口ワインとの相性が良い この辺りだと思います。 そして、産地ごとのワインの特徴をまとめてみると、独断と偏見も含めて下の表のようになると思います。 ソーヴィニヨン・ブランのテイスティング では、この情報を踏まえて、実際にテイスティングをしてみようと思います。 用意をしたワインは次の通りです: ワイン①:『Pascal Jolivet Attitude Sauvignon Blanc (2020)』(ロワール IGP) ワイン②:『Pouilly Fume Cuvee De Boisfleury Cailbourdin (2013)』(プイィ・フュメの古いヴィンテージ) ワイン③:『MOUTON CADET BLANC (2021)』(ボルドーAOCのSB) ワイン④:『Le Chenes de Bouscaut Blanc (2015)』(ぺサック・レオニャンのSB) ワイン⑤:『POUNAMU Sauvignon Blanc (2019)』(ニュージーランドSB) ワイン⑥:『Newton Johnson Sauvignon Blanc (2020)』(樽香ありの南アSB) オールドワールドとニューワールド、樽熟成なしと樽熟成ありをバランスよく、メジャーな地域から集めてみました。 ニュージーランドのソーヴィニヨンブランは樽熟成を経たものもありますが、代表的なものは樽香のないフレッシュなワインなので、そのようなタイプを選びました。 また、南アフリカのソーヴィニヨンブランは、樽香のないフレッシュなものと、樽香のあるものがありますが、