チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>
白ブドウ品種に続けて、黒ブドウ品種の覚え方も考えてみました。 ネロ・ダヴォラ(Nero d'Avola) ネロ・ダヴォラは、シチリアで最も広く栽培されている黒ブドウ品種です。カラブレーゼ(Clabrese)という名前でも知られています。 シチリア唯一のDOCGワインである「 チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア(Cerasuolo di Vittoria) DOCG 」の主要品種としても有名です。このDOCGではフラッパート(Frappato)という名の黒ブドウとブレンドされます。 ネロ・ダヴォラは晩熟品種で、赤系~黒系果実の香りと、比較的しっかりとした骨格(タンニン、酸味)を持っています。 品質の低い低価格なワインも造りますが、収量を制限すると熟度の高いブドウから品質の高い中~高価格のワインを製造できます。品質の高いワインの多くは、小さめのオーク樽で熟成されます。 高品質なワインを造ることのできる特徴から、90年代には大きな注目も集めた品種であるようです。 ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese) ネレッロ・マスカレーゼは、近年は、 エトナDOC(赤) の主要品種として注目されている品種です。収量を増やして大量生産に使われることもありますが、収量を制限した高品質なワインの製造にも使われる品種のようです。 エトナDOCは、エトナ火山を囲むように広がる地域です。ちなみに先ほど登場したチェラッスオーロ・ディ・ヴィットリアは島の南部に広がっています。 ネレッロ・マスカレーゼは、ネロ・ダヴォラと同様に、晩熟でしっかりとした骨格(特に高い酸味)を持つブドウ品種です。 ネロダヴォラと比べると、赤系果実の香りが中心で、スミレやハーブ、土のような複雑な香りを持っています。強めの香りの強さを持っているようです。 香りの良さと、しっかりとした骨格を持つという特徴から、近年注目されている理由もうかがい知れます。 エトナには60-100歳にもなる古木も栽培されており、最も品質の高いワインは、このような古木から収穫されたブドウで造られています。 <了>