スキップしてメイン コンテンツに移動

最新記事

ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

WSETテキストでは足りない醸造工程に関する情報の調べ方

WSETレベル3の参考書の紹介です。



WSETのテキストの良いところは、必要な情報がぎゅっと詰まって書かれていることです。

JSAソムリエ・ワインエキスパートの教本が、分厚くできているのとは対照的です。

しかしその反面、WSETのテキストには、もう少し知りたいのに詳しい情報が載っていないというデメリットがあります。

特にWSETレベル3では醸造工程を深く突っ込んで勉強するので、テキストの文章を読んでもいまいちその醸造工程がイメージできない部分がありました。


そのような醸造工程の1つが、「炭酸ガス浸漬法(Carbonic maceration)=マセラシオン・カルボニック」でした。

複雑な工程で、様々なワインに使われる醸造オプションで、試験に頻出という三拍子。


にもかかわらず、レベル3のテキストに書かれている醸造工程の詳細は次のような簡単な内容です。

「密閉槽の中に破砕していないブドウの房のみを入れて、次にそれを炭酸ガスで満たして酸素を取り除く方法である。これにより細胞内の発酵が始まる。ブドウのアルコール度が2%に達すると、ブドウの果皮が敗れはじめ、果汁が出る。ブドウは一般にこの段階で圧搾されて、果汁と果皮に分けられる。それから果皮と離して酵母によって発酵を完了させる。」

発酵の仕組みはわかるのですが、もう少し、マストの動きや、最後の発酵の完了の部分を詳しく知りたいと思っていました。


色々検索をして、そこで見つけたのがこの参考書!
Understanding Wine Technology: The Science of Wine Explained です。



この本では炭酸ガス浸漬法(Carbonic maceration)の工程が詳しく書かれていました。

引用をすると次の通りです:

<炭酸ガス浸漬法(Carbonic maceration)に関する引用>
-------------------------------------------------------------------------------

...it produces a style of wine that is popular, a wine that is of good purple colour, fresh and fruity on the nose, soft and eminently quaffable, and ready to drink.

(きれいな紫色で、フレッシュな果実の香り、柔らかく非常に口当たりがよく、早飲みタイプという人気のワインスタイルを作り出す。)


The two important factors necessary to the success of this process are the use of whole bunches of undamaged grapes and a fermentation vessel that can be filled with carbon dioxide.

(この工程の成功には、傷のない房ごとのブドウの利用と、二酸化炭素で満たされた発酵容器という2つの重要な要素が必要である。)


The fermentation takes place in two distinct stages, the first in a specially prepared closed vat at an elevated temperature, the second in an ordinary vat at normal temperature.

(この発酵工程は異なる2段階から構成されており、第1段階では高温で専用の密閉タンクで、第2段階では通常の温度で普通のタンクで行われる。)


The complete sequence of events is:

(この工程の全体の流れは次の通り:)


1. A vat that can be totally closed (usually a concrete vat with metal hatch covers) is flushed with carbon dioxide to sweep out all the air, thus eliminating all of the oxygen. It should be noted that the vat remains at atmospheric pressure throughout the process, but air cannot enter.

(完全密閉されたタンク(通常、金属のハッチカバーのついたコンクリートタンク)に二酸化炭素が注入され、酸素を含めた内部の空気は押し出される。工程を通して気圧は一定に保たれているが、空気の流入はない。)


2. The vat is filled with whole bunches of undamaged grapes. It is important that the grape skin is intact, otherwise the juice will escape and an ordinary fermentation will commence.

(容器は傷のない房ごとのブドウで満たされる。ブドウの果皮に傷がないことが重要である。さもなければ、果汁がしみだして通常の発酵が始まってしまう。)


3. The lack of oxygen and the presence of carbon dioxide cause complex metabolic changes to occur inside the grape, which can be simplistically associated with dying. The structure of the grape is attacked by the grape's own enzymes, releasing the sugars from within the cells. The grapes are undergoing anaerobiosis.

(酸素の欠如と二酸化炭素の存在によって、ブドウ内部で複雑な代謝の変化が起こる。ブドウ組織はブドウの持つ酵素の影響を受けて、細胞から糖が放出される。ブドウは嫌気状態となる。)


4. The enzymes in the grape attack the sugars, breaking them down to alcohol. This is intracellular fermentation, and takes place in the absence of yeast (although it is the same biochemical process that occurs inside the yeast during normal fermentation).

(ブドウ内部の酵素は糖をアルコールに分解する。これは細胞内発酵であり、酵母の介在無しに行われる。(しかし、生化学的なプロセルとしては、通常の発酵で酵母内で起こるものと同じである))


5. The biochemical reactions cause the temperature to rise to between 30 and 35°C. This process is allowed to continue for between five and fifteen days, during which time about 3% alcohol is produced.

(この生化学反応は温度を30~35℃にまで上昇させる。この工程は5~15日間続けられ、この間、3%のアルコールが生成される。)


6. At the end of this period, the contents of the vat become soft and semi-liquid, and the characteristic aromatic flavour will have developed. The vat is drained, the juice separated, the skins pressed as usual and the press juice added to the free-run juice. Another unusual characteristic of carbonic maceration is that the press juice is of better quality than the free-run juice.

(この期間が終わると、容器内のブドウは柔らい半液体となり、特徴的なアロマティックな香りが造られる。容器内の液体は排出されて分離され、果皮は通常の醸造工程のように圧搾され、そこから出たプレスジュースはフリーランジュースに加えられる。マセラシオン・カルボニックの一般的な特徴としては、プレスジュースはフリーランジュースよりも品質が良いことである。)


7. The combined juice is cooled to about 20°C, transferred to an ordinary vat and the fermentation allowed to run to completion, using either the natural yeast from the grape skins or an added selected yeast. This is extracellular fermentation. The result is a combination of the best of both worlds: good extraction of softened skins aided by the elevated temperature, followed by the completion of fermentation at a lower temperature, which retains the volatile aromas.

(混ぜ合わせられたジュースは20℃まで冷やされて、通常の容器に移されて最後まで発酵が行われる。この時の発酵には、ブドウの果皮の含まれる自然酵素、もしくは、選ばれて加えられた酵素が使われる。この発酵は、通常の醸造工程で用いられる細胞外発酵である。この結果得られるワインは2つの醸造工程から得られるの両方の特徴を持つ。すなわち、高温によって柔らかくなった果皮からの豊富な抽出と、それに引き続くより低温での発酵の影響による揮発性アロマの保持である。)

-------------------------------------------------------------------------------


かなり「炭酸ガス浸漬法(Carbonic maceration)=マセラシオン・カルボニック」の工程に関する理解が深まりました!


300ページ程度の書籍でWSETのテキストに合わせてすべて読むのは大変なのですが、ポイントポイントで参考書として利用するには便利です。

また、WSET L3を英語で受ける場合には、醸造工程を英語で表現する際の参考にもなると思います。

日本語版も出版されているようです。




》カテゴリー一覧へ



よく読まれている記事

ワインに使うオーク樽の素材は「ナラ」?それとも「カシ」?

ワイン樽に使われる最もメジャーな木材と言えば オーク です。 オークについてwikipediaで調べると、「オーク(英: oak、仏: chêne、独: Eiche)はブナ科 コナラ属(学名:Quercus)の植物の総称。落葉樹であるナラ(楢)の総称。」と書かれています。 ここで疑問が。昔、英語の授業で「 oak = カシ 」と習ったような...。 この疑問について調べてみました。 オークは「ナラ」?それとも「カシ」? まず、ワインで使われるオークは大きく分けて、「 ヨーロッパオーク 」と「 アメリカンオーク 」の2種類があるそうです。 ヨーロッパオーク に使われる種(species/ genus)は2種類あり、 ヨーロッパナラ と呼ばれる Quercus robur(ケルカス・ロブール) と、 フユナラ と呼ばれる Quercus petraea(ケルカス・ぺトラエア) です。 アメリカンオーク に使われる種は、 ホワイトオーク に属する Quercus alba(ケルカス・アルバ) です。 やはりここでも、 「カシ」 ではなく 「ナラ」 という名称が使われています。 そこで、「ナラ」「カシ」の両者についてwikipediaで調べてみました。 ------------------------------------------------------------------------------------- 「ナラ(楢、柞、枹)は、ブナ科 (Quercoideae) コナラ亜科 (Quercoideae) コナラ属 (Quercus) コナラ亜属 (subgenesis Quercus) のうち、落葉性の広葉樹の総称。英語名はオーク (oak)。秋には葉が茶色くなることで知られている。英語のoak(オーク)という単語(他のヨーロッパ言語も同様)はヨーロッパナラを指す場合が多く、常緑性のカシのみを指す言葉はライヴオーク(live oak)であり、誤訳となることがたびたびある。英国に分布するoakはナラに相当する。」 「カシ(樫、橿、櫧)とは、ブナ科の常緑高木の一群の総称である。狭義にはコナラ属Quercus中の常緑性の種をカシと呼ぶ。 英語で常緑性のカシのみを指す場合はライブオーク (live oak...

WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト

資格試験合格のコツは、 出題される問題の傾向を調べて、その対策を意識しながら学習を進めること だと思います。 J.S.A.ワインエキスパート の受験勉強をしたときは、様々なウェブサイトや書籍で過去問が公開されていたので、いち早くそれらを手に入れて早めに対策を進めることができました。 (参考記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) WSETレベル3 の場合、それは大きな課題でした。 なぜなら、WSETは 過去問の公開や口外が禁止されており 、実際に出題された問題や、試験問題のサンプルを公開しているウェブサイトや書籍がほとんどなかった ためです。 しかし、世界的なプログラムであるWSETの良いところは、世界中に情報ソースが散らばっているところ! その数は多くはありませんが、英語で検索をするといくつか本試験問題を把握する上で参考となるサイトが見つかります。 私が見つけて参考にしたウェブサイトのいくつかを紹介したいと思います。 <WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト> https://www.dallaswinecenter.com/short-answer-question-mosel/ *記述式試験サンプル問題です。 http://www.phillywine.com/wset/advanced/acexam.html *記述式試験サンプル問題です。 https://fromgrapestowine.wordpress.com/2013/11/19/wine-spirits-education-trust-wset-level-3-model-de-examen/ *記述式試験サンプル問題です。 https://www.thirtyfifty.co.uk/WSET-L3-Exam-Questions.asp *email登録で一部「Viticulture (Vine-growing) Questions」が無料で参照できます。 *有料登録をすると記述式、選択式の問題がかなり入手できるのでおすすめです。 https://www.finevintageltd.com/contentmanager/file/PRACTICE%20QUESTIONS/...

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって...

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(...

クリアンサ、レゼルバ、グランレゼルバとは?スペインワインの熟成規定(最低熟成期間)の私的暗記法

スペインの赤ワインのうち、最良のワインにはほぼ確実にオークを使用した熟成がされていると言われています。白ワインの大半はフレッシュで果実味が豊かなワインと言われていますが、一部のワインではオークを使った熟成が行われ、異なる風味が加えられています。 スペインのワイン法でもワインの熟成表記に関する規定が定められており、最低熟成期間の長さによって、「 クリアンサ(Crianza) 」、「 レゼルバ(Reserva) 」、「 グラン・レゼルバ(Gran Reserva) 」などのカテゴリーが規定されています。 最低熟成期間には、総熟成期間と樽熟成期間があり、総熟成期間は樽熟成期間を含めたトータルの熟成期間を示しています。 いくつかのワイン試験では、この最低熟成期間をワインの種類(赤、白・ロゼ)ごと、カテゴリーごとに覚えなければならないのですが、この数字の羅列を覚えるのはなかなか至難の業です。 そこで、個人的に考えた、このスペインワインの熟成規定の覚え方を紹介したいと思います。 1. 表を年表示にする まずは、数字を覚えやすくするために、表の単位を「月」から「年」に変換します。 まるで囲んだ部分だけ、語呂合わせなどを使って覚えます。 2. 赤ワインの「グラン・レゼルバ」の熟成期間を覚える 赤ワインのグラン・レゼルバの最低熟成期間は、偶然にもクリアンサとレゼルバの最低熟成期間を足し合わせた期間なので、簡単に覚えられます。 3. 白・ロゼワインの「クリアンサ」、「レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 白・ロゼワインにおいて、クリアンサ、レゼルバの最低の総熟成期間は、偶然にも赤ワインの「最低総熟成期間ー最低樽熟成期間」に一致します。これを覚えます。 4. 白・ロゼワインの「グラン・ レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 今までの法則で行くと、「グラン・レゼルバ」の最低の総熟成期間は3.5年が望ましいですが、 実際は4年 です。ここだけ、例外的に 0.5年だけずれる と覚えます。 5. 白・ロゼワインの 最低樽熟成期間を覚える 白・ロゼワインの最低の樽熟成期間は、全て同一の0.5年です。 赤ワインの「クリアンサ」のものと同じと覚えておくと、覚えやすいかもしれません。 最後に、この表を法則とともに覚えておくことで、暗記作業は完了です。 関連記事: スペインの「グラン・レセルバ(Gran Re...

ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

地図を使うと覚えやすい!コルトンの丘のグラン・クリュAOCの暗記法

ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌ地区の 「コルトンの丘」 のグラン・クリュ畑のAOCと生産可能色は複雑です。 複雑だと思う理由は、 ・3つのグランクリュAOCが3つの村に分散している ・村によって、分散しているAOCと、生産可能色が少しずつ異なる ・3つのグランクリュAOCは、どれも名前が似通っている などです。 特にJSAソムリエ・ワインエキスパートでは、AOCの分散と生産可能色まで事細かに暗記することを求められます。 しかし、下の表のように複雑なために、何度も「覚える→忘れる→覚える→忘れる」のループを繰り返しました。 そこで行きついたのが、地図で覚えるという方法です。 JSA教本の地図を見ながら、「コルトン(赤)」、「コルトン(白)」、「コルトン・シャルルマーニュ(白)」、「シャルルマーニュ(白)」の畑の広がりをまとめてみると、暗記がずっと楽になりました。 コルトン Corton(赤) 「コルトン(赤)」 の生産範囲は、3つの村( ペルナン・ヴェルジュレス 、 アロース・コルトン 、 ラドワ・セリニィ )のグランクリュ畑の(ほぼ?)全域に広がります。 ちなみに 「コルトン(赤)」 の畑は、ラベルにクリマ(畑)の名前を付記することができるそうです。畑は、標高約250~330mに位置し、特に斜面の中腹は傾斜も緩やかで、茶色の石灰岩に由来し、泥炭を多く含む、赤い小石の多い土壌で、ピノノワールに向いています。 コルトン Corton(白) 「コルトン(白)」 の生産範囲は、 アロース・コルトン と ラドワ・セリニィ の2村のグランクリュ畑に広がります。 ペルナン・ヴェルジュレス で生産される白ワインは、 「コルトン・シャルルマーニュ(白)」 だけであるために(図の①がない)ために、ここでは 「コルトン(白)」 は生産されません。 コルトンの生産は大半が赤ワインであり、白ワインの生産はわずかであるそうです。 コルトン・シャルルマーニュ Corton-Charlemagne(白) 「コルトン・シャルルマーニュ(白)」 の生産範囲は、3つの村( ペルナン・ヴェルジュレス 、 アロース・コルトン 、 ラドワ・セリニィ )の...

WSETレベル3のテキスト購入方法とテキスト電子化のメリット

WSET英語学習 の難しさはの1つは、 テキストの記述が全て英語 であることです。 テキストが英語だと、やっぱり 内容の理解度が落ちます 。知らない単語を辞書で調べて...翻訳をして...と読み込んでいくのですが、部分的に言い回しが微妙だったり、細かいニュアンスが伝わらなかったりで、理解が難しい文章がいくつかありました。 <理解度対策は、日本語テキストの購入がおすすめ!> 理解度の問題を解決するために私がとった方法は「WSETレベル3日本語テキストの購入」でした。 ワインスクールでWSETレベル3を受ける場合、英語クラスを選択すると、英語テキストが配布されます。 しかし私はこれに加えて、日本語テキストを購入しました。ワインスクールでも購入ができるようなのですが、受講開始前に手にしておきたかったために個人的にWSETの公式ウェブサイト( https://shop.wsetglobal.com/collections/books )から購入しました。 注文から2週間ほどで手元に届いたと思います。レベル3のテキスト自体は £44.95 GBP でしたが、送料に £17.21 GBP かかり、合計費用は £62.16 GBP (8,300円程度) でした。 もう少し安く購入する方法としては、時々 メルカリ に出品されているものを購入する方法もありますが、常に売りに出されているわけではないのであまり期待できないかもしれません。 Amazonでも時々、中古品がでているのでここで検索するのも良いかもしれません。→  https://amzn.to/3YSx0xy  (Amazonへのリンクです) <情報検索にはテキストの電子化がおすすめ!> テキストが英語であることの問題がもう1つありました。それは、 知りたい情報を探すのが大変 であるということでした。 例えば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」の産地ごとの特徴を知りたい場合、その情報は様々な章に分散されて書かれていました。醸造工程の章、ボルドーの章、アメリカの章などです。 日本語であれば、走り読みをしながらキーワードを探せばそれほど大変な作業ではありません。しかし、英語ネイティブでない私にとって、英語でこれをやるのはとても大変な作業でした。 英語テキス...

パロ・コルタド・シェリーとは?アモンティリャードとオロロソとの製法の違いを調べてみた

JSA試験、WSET試験を通して酒精強化ワインであるシェリー(Sherry)を学んできましたが、ずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、「 パロ・コルタド・シェリーとは何なのか? 」です。 シェリーとは、スペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産される酒精強化ワインのことで、ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、著名な酒精強化ワインと言われています。 シェリーには、フィノ(Fino)/マンサ二ーリャ(Manzanilla)、オロロソ(Oloroso)、アモンティリャード(Almontillado)、 パロ・コルタド(Palo Cortado) 、ペドロヒメネス(Pedro Ximenez)など様々な種類があります。 しかし、JSA、WSETどちらのテキストにおいても、 パロ・コルタド に関する記述 はとても少なく、製法に関する記述もなく、漠然とその特徴が書かれているだけでした。 その特徴は、 ・希少であること ・アモンティリャード(Amontillado)の香りを持つが、味はオロロソ(Oloroso)のボディとこくを持つ という2点だけです。 ずっと疑問に思っていたことを解決すべく、製法を中心にパロ・コルタドについて調べてみました。 参考にしたのは、次のサイトです: https://www.sherrynotes.com/sherry-types/palo-cortado/ https://www.sherrynotes.com/2015/background/palo-cortado-mystery/ まずは、パロ・コルタドの発祥から。パロ・コルタドは、もともとフィノとしては不適合として除外された樽からできたそうです。 <パロ・コルタドの発祥> ------------------------------------------------------------------------ ・パロ・コルタドは、もともとフィノ(Fino)の製造から偶然生まれたワインと言われている。 ・フィノシェリーでは、樽での熟成中にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、フロールのもとで熟成される。しかし、フィノ樽の中には...

ドイツワインの13の栽培・生産地域の私的暗記方法(語呂合わせ)

ドイツワインには有名な 13の生産地域 があります。 ドイツワインの上位2つの品質分類である「 プレディカーツヴァイン(Prädikatswein) 」と「 クヴァリテーツヴァイン(Qualitätswein) 」はこの13地域のいずれかで造られています。 (関連記事: プレディカーツヴァインの6区分の直訳による覚え方 ) クヴァリテーツヴァインは13地域のいずれか1地域のブドウを100%使って造られていますが、プレディカーツヴァインは13地域の中でさらにベライヒと呼ばれる特別な地区のブドウのみを使って造られています。 このようにドイツワインにおいては重要度の高い、 ベシュテムテス・アンバウゲビート(Bestimmter Anbaugebiete) とも呼ばれる13の生産地域ですが、全て覚えるのはなかなか大変な作業です。 (関連記事: ドイツワインの品質レベルとブドウ産地の関係と、ラベル表示の話 ) そこで、私的な13地域の暗記方法を紹介したいと思います。 暗記方法は次のような語呂合わせで、上から、西→東の順にそれぞれの産地が登場します。 --------------------------------------------------- <ドイツの13生産地域の暗記のための語呂合わせ> ドイツの ある打者の (アール) 見てるラインは (ミッテルライン) もう出ると思っても (モーゼル) なぜか (ナーエ) ラインが (ラインガウ) 変な線で (ラインヘッセン) ファールにならない。 (ファルツ) 「へし折れた (ヘシッシェ・ベルクシュトラーセ) バーで打って (バーデン) フライになったせい」だと (フランケン) ブルペンで (ヴュルテンベルク) 戯れごとうんという (ザーレ・ウンストルート) 雑魚専の投手。 (ザクセン) ※カッコ内が13の生産地域 --------------------------------------------------- ちょっと苦しい部分もありますが、野球の1場面で全てまとめてみました。 (関連記事: ドイツワインの品質基準の覚え方は「手羽好き」【語呂合わせ】 ) (関連記事: 「遅いブルゴーニュ」、「早いブルゴーニュ」とは?ドイツのブドウ品種の名前 ) (関連記事: 絵で覚えるミュラー・トゥルガウ(ドイツの交配品種) ) (...