今回のテーマは、ブルゴーニュの「コート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)」地区にある「 フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) 」村です。 場所は下の地図のように、モレ・サン・ドニ村、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村の間に挟まれています。 コート・ド・ニュイの村名のワインが認められている他の村と比べると、特にそれほど小さい村でもありません。ヴージョ村やヴォーヌ・ロマネ村の方がよっぽど面積は小さめです。 しかし、このフラジェ・エシェゾー村ではその名を冠したAOCのワインを造ることは許されていません。つまり、「A.O.C. Flagey-Echézeaux」という名のワインは存在しません。 その代わり、この村で栽培されたブドウから村名を冠したワインを造る場合、全て「A.O.C. Vosne-Romanée」という隣の村の名前を冠したワインとして造られます。 なぜ、フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) には村名のワインが無いのでしょうか?少し疑問に思って、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑について調べてみました。 まず、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑の場所ですが、村名以上のワインを造ることのできるブドウ畑は、村の西側に局地化しているようです。村の中心地は、点線の楕円の部分に固まっているので、場所としては村の外れにあるようです。 この村の西側に局地化した畑のうち、大部分を占める畑は、特級畑である「エシェゾー(Echézeaux)」と「グラン・エシェゾー(Grands-Echézeaux)」です。 これら2つのグランクリュ畑から造られるブドウからは、唯一、フラジェ・エシェゾー村のアイデンティティの感じられる、「A.O.C. Echézeaux」と「A.O.C. Grands-Echézeaux」のワインが造られます。 残りの畑は、プルミエ・クリュ畑と村名ワイン畑となりますが、これらの畑で造られるワインはそれぞれ「A.O.C. Vosne-Romanée Premier Cru」と「A.O.C. Vosne-Romanée」となり、フラジェ・エシェゾー村の名前が使われることはありません。 それでは、ここでヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑の分布を見てみたいと思います。 これを見ると、ヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑は、フラジ...
ドイツワインには有名な13の生産地域があります。
ドイツワインの上位2つの品質分類である「プレディカーツヴァイン(Prädikatswein)」と「クヴァリテーツヴァイン(Qualitätswein)」はこの13地域のいずれかで造られています。
(関連記事:プレディカーツヴァインの6区分の直訳による覚え方)
クヴァリテーツヴァインは13地域のいずれか1地域のブドウを100%使って造られていますが、プレディカーツヴァインは13地域の中でさらにベライヒと呼ばれる特別な地区のブドウのみを使って造られています。
このようにドイツワインにおいては重要度の高い、ベシュテムテス・アンバウゲビート(Bestimmter Anbaugebiete)とも呼ばれる13の生産地域ですが、全て覚えるのはなかなか大変な作業です。
そこで、私的な13地域の暗記方法を紹介したいと思います。
暗記方法は次のような語呂合わせで、上から、西→東の順にそれぞれの産地が登場します。
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<ドイツの13生産地域の暗記のための語呂合わせ>
ドイツの
ある打者の(アール)
見てるラインは(ミッテルライン)
もう出ると思っても(モーゼル)
なぜか(ナーエ)
ラインが(ラインガウ)
変な線で(ラインヘッセン)
ファールにならない。(ファルツ)
「へし折れた(ヘシッシェ・ベルクシュトラーセ)
バーで打って(バーデン)
フライになったせい」だと(フランケン)
ブルペンで(ヴュルテンベルク)
戯れごとうんという(ザーレ・ウンストルート)
雑魚専の投手。(ザクセン)
※カッコ内が13の生産地域
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ちょっと苦しい部分もありますが、野球の1場面で全てまとめてみました。
(関連記事:絵で覚えるミュラー・トゥルガウ(ドイツの交配品種))
(関連記事:ドイツワインのVDPとは?VDPの格付けに関する考察)