「ドイツワインの品質レベル」と「産地の区画(栽培地域)」の関係がわかりにくいのでまとめてみました。
重要なのは、PDOレベルのワインである「プレティカーツヴァイン」と「クヴァリテーツヴァイン」の産地です。
クヴァリテーツヴァインに使用されるブドウは「アンバウゲビート(Anbaugebiete)」と呼ばれる13地域(モーゼル、ラインガウなど)のうちいずれかの1つの地域で栽培されます。そしてその地域名は、出来上がったワインのラベルに表示されなければなりません。
プレティカーツヴァインに使用されるブドウは「ベライヒ(Bereich)」と呼ばれる地区のいずれか1か所で栽培されます。ベライヒとは、13のアンバウゲビートがさらに細分化された栽培エリアのことです。
ベライヒはさらに細分化され、統合畑である「Grosslage(グロースラーゲ)」と単一畑の「Einzellage(アインツェルラーゲ)」が含まれます。
これらの畑の名称は、PDOレベルのワインである「プレディカーツヴァイン(Prädicatswein)」や「クヴァリテーツヴァイン(Qualitatswein)」のラベルに表示することが許されています。しかし、ある程度の知識が無い限りこれらの畑の名前からワインの品質を判断することが難しいため、より分かりやすいラベル表示の導入が求められているようです。
ドイツ語のワイン用語を覚えるのは大変ですが、ここでは「gebiete (独) ≒ area (英)」、「lage (独) ≒ location (英)」辺りをおさえておくと、少し覚えやすくなるような気がします。
ドイツの畑名によるラベル表示がなぜわかりにくいのか?
ドイツの畑名によるラベル表示がわかりにくい理由は、畑名の表示からはワインの品質レベルがわかりにくいことがあげられると思います。
例えば、ピースポート村にある「Goldtropfchen」という名前の単一畑(Einzellage)と、統合畑「Michelsberg」で造られるワインは、それぞれ「Piesporter Goldtropfchen」と「Piesporter Michelsberg」とラベル上に表示されます。
しかし、知識が無ければどちらが単一畑もしくは統合畑かも、どちらのワインが品質が高いかもわからないと思います。(一般的に、単一畑の方が統合畑よりも品質が高いと言われているようです)
さらに、畑の中には「Schloss Johannisberg」、「Schloss Vollrads」のように、村名の表示の省略が許可されているものもあり、余計にラベルの表示をわかりにくくしているのかもしれません。このような畑は5つのみで、「オルツタイラーゲ(Ortsteillage)」と呼ばれています。