ワインの香りを表現する際に、しばしば 「スギ」 という言葉が登場します。 この「スギ」という言葉は、おそらく英語の「Cedar」に由来しており、Cedarは正確には日本のスギと異なるセイヨウスギを意味します。 厳密には、日本のスギは、マツ綱のヒノキ科スギ属で日本固有種であり、Cedar は、マツ目マツ科のヒマラヤスギ属です。 香りとしては、スギもCedar(ヒマラヤスギ)も一般に、 森林浴を思わせる爽やかさや清涼感を香り を持つと言われています。基本的には、 「スギ」 も 「Cedar」 を似たような香りを持っているようです。 さて、ワインにおいて 「Cedar」 という言葉が使われる場合、多くの場合、これは 樽熟成を経た赤ワイン に対して使われます。「Oak」という表現に類似しており、 ワインが持つ木の香り を表す言葉として使われます。(※樽熟成の代わりにオークチップを使った場合でも感じられるようですが、その香りは弱くなるようです) そのため、香りのタイプとしては通常、 第2の香り(ワイン醸造に関係する香り) に分類されています。 また、ブドウ品種としては 「カベルネ・ソーヴィニヨン」 によく使われる言葉としても知られています。 カベルネ・ソーヴィニヨンは、製造工程において、比較的、 長期の樽熟成を伴う ことの多いブドウ品種です。そのため、ワインはオーク樽由来の木の香りを帯びることが多く、このような表現と相性が良いのだと思います。 また、カベルネ・ソーヴィニヨンは品種由来の香りとして、 「メンソール」 や 「ハーブ」 のような 青さや清涼感のある香り を持つことで知られています。これが樽熟成に由来する木の香りと相まって、森林浴を思わせる爽やかさや清涼感をもつ 「Cedar」 や 「スギ」 という表現用語で表されるのだと思います。 時々、カベルネ・ソーヴィニヨンの品種特徴として「スギの香り」と書かれていることがありますが、樽熟成を伴わないカベルネ・ソーヴィニヨンからはもしかしたらスギの香りは感じられないかもしれません。 一般的に、「スギ」や「Cedar」の香りを持つ赤ワインは、フレンチオークで熟成されたものであると言われています。例えば、ボルドーの赤ワインや、高品質なナパバレーのカベルネ・ソーヴィニヨンなどがこれに当たります。 アメリカンオークが樽熟成に使われた場
実際、私もそうでした。
(関連記事:覚えられない時にどうする? ワイン資格(JSA/WSET)の取得に役立ったモチベーション)
もう、テキストなんて読みたくない!ワインの勉強から離れたい!
そんな時に、モチベーションを上げてくれた映画や読み物を紹介したいと思います。
もう、テキストなんて読みたくない!ワインの勉強から離れたい!
そんな時に、モチベーションを上げてくれた映画や読み物を紹介したいと思います。
どれも気軽に読める/観られるものなので、改めてワインの楽しさを思い出させてくれると思います。
<目次>
この本は、ワイン造りにおいてはまだまだ発展途上と言われる日本において、人生をかけてワイン造りに取り組んだ3人のワイン醸造家の実話に基づいた内容です。
「ウスケボーイズ」の「ウスケ」とは、現代日本ワインの父と称される麻井宇介(あさいうすけ)さんの名前に由来します。
日本では、生食用ぶどうを使ったり、海外からワインやぶどう果汁を輸入して造たっりと、長らく世界の常識からかけ離れていたワイン造りが行われていました。そのような状況に異を唱えた人物が、麻井宇介さんでした。
物語に登場する3人はそんな麻井さんの影響を受けた日本のワイン造りの将来を担う若手醸造家です。しかし、新しいワイン造りを導入すれば何かと反発は起こるもので、代々続くワイナリーの四代目である登場人物の1人は、ワイン造りの方針を巡って父や弟とぶつかり合います。
彼は、自分の心境を「バローロ・ボーイズ」のエリオ・アルターレになぞらえます。バローロとはイタリアを代表する伝統的なワインの1つですが一時人気を落としていました。しかし、エリオ・アルターレを中心とした、若い造り手たちが仲間と情報を交換しあい、ブルゴーニュをで学んだ方法でバローロに改革をもたらします。エリオは伝統を重んじる父親と激しく衝突をしましたが、仲間とともに自分の信じたワインを造り続け、彼らの名は「バローロ・ボーイズ」呼ばれて世界に知れ渡りました。
そして、日本での新しいワイン造りを志し、互いに情報を交換し合い、切磋琢磨を繰り返した彼ら3人の物語が「ウスケ・ボーイズ」です。そして、彼らは日本では絶対に無理と言われたワイン用ぶどうの栽培から醸造までを一貫して手がけるワイン造りを成功させます。
・ブルゴーニュの美しい四季を映像を通してみることができてテンションがあがります。
・アカデミー賞で脚色賞を、第62回ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した作品です。
・美しい南仏のプロヴァンスの景色や生活が描写された作品です。
・日本ワインのこれまでの歴史と、今、世界に追いつくためにどのような試みが行われているのかが、勝沼での活動を中心にわかります。
日本では、生食用ぶどうを使ったり、海外からワインやぶどう果汁を輸入して造たっりと、長らく世界の常識からかけ離れていたワイン造りが行われていました。そのような状況に異を唱えた人物が、麻井宇介さんでした。
物語に登場する3人はそんな麻井さんの影響を受けた日本のワイン造りの将来を担う若手醸造家です。しかし、新しいワイン造りを導入すれば何かと反発は起こるもので、代々続くワイナリーの四代目である登場人物の1人は、ワイン造りの方針を巡って父や弟とぶつかり合います。
彼は、自分の心境を「バローロ・ボーイズ」のエリオ・アルターレになぞらえます。バローロとはイタリアを代表する伝統的なワインの1つですが一時人気を落としていました。しかし、エリオ・アルターレを中心とした、若い造り手たちが仲間と情報を交換しあい、ブルゴーニュをで学んだ方法でバローロに改革をもたらします。エリオは伝統を重んじる父親と激しく衝突をしましたが、仲間とともに自分の信じたワインを造り続け、彼らの名は「バローロ・ボーイズ」呼ばれて世界に知れ渡りました。
そして、日本での新しいワイン造りを志し、互いに情報を交換し合い、切磋琢磨を繰り返した彼ら3人の物語が「ウスケ・ボーイズ」です。そして、彼らは日本では絶対に無理と言われたワイン用ぶどうの栽培から醸造までを一貫して手がけるワイン造りを成功させます。
<この作品の特徴や見どころ>
・ワインの専門用語は少なく、登場人物の挑戦にスポットを当てた物語調の作品なので、一気に読めてしまいます。
・世界から見た日本ワインの現在地と、世界基準に追いつこうという日本の醸造家の人生をかけた取り組みが分かり、日本ワインに対して尊敬の念が芽生えます。
・事実を基にした内容で具体的な地名やワイナリー名、品種名などが出てくるので日本ワインやワイン醸造の学習に役立ちます。
・自然派ワインを取り組みなどからワインの奥深さがわかり、ワイン学習に対するモチベーションがわかります
・自然派ワインを取り組みなどからワインの奥深さがわかり、ワイン学習に対するモチベーションがわかります
・「小学館ノンフィクション大賞」を受賞した作品で、映画化もされているような面白い作品です。
2. ソム Somm (2012)[映画]
極めて合格率が低いことで知られるソムリエ界の最高峰である「マスターソムリエ(Master Sommelier)」の資格を目指す4人のアメリカ人ソムリエのドキュメンタリーです。
マスターソムリエは、イギリスの本拠地を置く「Court of Master Sommeliers (CMS)」が提供をする最高位のソムリエ資格(学位;diploma)で、マスターソムリエを有するソムリエは2018年の時点でわずか274人だけです。
CMSの提供する資格は、「Introductory」、「Certified Sommelier」、「Advanced Sommelier」、「Master Sommelier」の4段階に分かれており、試験には理論試験、テイスティング試験、実技試験の3つが含まれています。「Advanced Sommelier」レベルでも1~2年の準備が推奨されているようで、難易度の高さが分かります。
CMS資格は、日本ではあまり頻繁に名前を聞くことはありませんが、これは受験が全て英語で行われるためかもしれません。
物語は、4人の受験者の受験準備から、試験本番、そして、合格発表までを追います。それぞれが異なる動機を持ってマスターソムリエの資格を目指しているのですが、共通していることは、全員、すべてをかけてこの資格取得を目指しているということです。レベルこそ違えど、資格取得を目指してワインの学習をしたことがある人であれば、誰でも共感してしまうような内容がちりばめられています。夜遅くまでワイン産地の地図を眺めたり、暗記カードを持ち歩いたり、納得いくまでワインのテイスティングを繰り返したり、ふと「何のためにこんなに勉強をしているんだろう」と思ったり...
試験準備の描写はブラインド・テイスティングが中心なのですが、ワインの外観、香り、味の描写に加え、産地、品種、ヴィンテージまで当てる練習が繰り返されます。これを見て日本ソムリエ協会(JSA)の試験が思い出されます。私はソムリエについてはあまり詳しくないので、なぜラベルに書いてあることをわざわざブラインドで当てなければならないのかはわからないのですが、それでもこのような能力は世界で共通して一流のソムリエに求められているようです。
・ワイン試験に取り組む人/取り組んだことのある人であれば、必死でワイン資格に取り組む受験者たちの姿に共感できます。また、自分も頑張ろうという気持ちになれます。
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ちなみに、続編として「Somm ソム: ワインにかけた情熱/ソム:イントゥー・ザ・ボトル(2015)」という作品もリリースされています。
こちらは内容が一風変わって、世界のワインにまつわる10のお話(醸造家、ヴィンテージ、歴史、戦争、新世界、費用、樽、ポイントスコア、ソムリエ、メモリーなど)がまとめられています。私にとっては、少しマニアックなワイン教材という印象でした。明日から語れるワインに関するうんちくが見つかるかもしれません。
マスターソムリエは、イギリスの本拠地を置く「Court of Master Sommeliers (CMS)」が提供をする最高位のソムリエ資格(学位;diploma)で、マスターソムリエを有するソムリエは2018年の時点でわずか274人だけです。
CMSの提供する資格は、「Introductory」、「Certified Sommelier」、「Advanced Sommelier」、「Master Sommelier」の4段階に分かれており、試験には理論試験、テイスティング試験、実技試験の3つが含まれています。「Advanced Sommelier」レベルでも1~2年の準備が推奨されているようで、難易度の高さが分かります。
CMS資格は、日本ではあまり頻繁に名前を聞くことはありませんが、これは受験が全て英語で行われるためかもしれません。
物語は、4人の受験者の受験準備から、試験本番、そして、合格発表までを追います。それぞれが異なる動機を持ってマスターソムリエの資格を目指しているのですが、共通していることは、全員、すべてをかけてこの資格取得を目指しているということです。レベルこそ違えど、資格取得を目指してワインの学習をしたことがある人であれば、誰でも共感してしまうような内容がちりばめられています。夜遅くまでワイン産地の地図を眺めたり、暗記カードを持ち歩いたり、納得いくまでワインのテイスティングを繰り返したり、ふと「何のためにこんなに勉強をしているんだろう」と思ったり...
試験準備の描写はブラインド・テイスティングが中心なのですが、ワインの外観、香り、味の描写に加え、産地、品種、ヴィンテージまで当てる練習が繰り返されます。これを見て日本ソムリエ協会(JSA)の試験が思い出されます。私はソムリエについてはあまり詳しくないので、なぜラベルに書いてあることをわざわざブラインドで当てなければならないのかはわからないのですが、それでもこのような能力は世界で共通して一流のソムリエに求められているようです。
<この作品の特徴や見どころ>
・ワイン試験に取り組む人/取り組んだことのある人であれば、必死でワイン資格に取り組む受験者たちの姿に共感できます。また、自分も頑張ろうという気持ちになれます。
・有名なワインの地名やブドウ品種が出てくるので親しみを感じます。また、ブラインドテイスティングの場面などは、テイスティングコメントを聞いて自分でも産地や品種を予想する楽しみがあります。
・1時間33分と比較的短いドキュメンタリーなのであっという間に見終えることができます。誰が合格するのか?という楽しみもあります。
・英語音声で聞くと、ワイン英語の学習になります。
・英語音声で聞くと、ワイン英語の学習になります。
・Amazonプライム会員であれば、無料で視聴できます。
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ちなみに、続編として「Somm ソム: ワインにかけた情熱/ソム:イントゥー・ザ・ボトル(2015)」という作品もリリースされています。
こちらは内容が一風変わって、世界のワインにまつわる10のお話(醸造家、ヴィンテージ、歴史、戦争、新世界、費用、樽、ポイントスコア、ソムリエ、メモリーなど)がまとめられています。私にとっては、少しマニアックなワイン教材という印象でした。明日から語れるワインに関するうんちくが見つかるかもしれません。
3. ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡(原題:Bttole Shock)[映画]
カリフォルニアのワインの名声を世界に轟かせた「パリスの審判」の実話に基づく物語です。
故郷イギリスを離れ、パリでワインショップおよびワインスクールを営むスティーヴン・スパリュア(Steven Spurrier)は、アメリカ独立200周年の記念して、カリフォルニア産のワインをフランスワインと比べて試飲するというイベントを企画します。彼のワインスクールは「アカデミー・デュ・ヴァン(Academie du Vin)」。彼は日本でも有名なワインスクールの創始者です。
当時のパリでは、カリフォルニアワインなど存在していないも同然の扱いで、フランスに勝るワインがアメリカに存在するなど、誰も想像すらしていませんでした。
物語では、スパリュアはカリフォルニアに飛んで、イベントに出すカリフォルニア産ワインを自分の脚で探し出します。
テイスティングは、シャルドネの白ワインとカベルネ・ソーヴィニヨン系の赤ワインの2部構成で行われ、次のようなワインが選ばれました。
---------------------------------------
白ワインの部(シャルドネが10本)
フランス(全てブルゴーニュワイン)
・ムルソー・シャルム / ルーロ 1973年 (プルミエクリュ)
・ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ / ジョセフ・ドルーアン 1973年 (プルミエクリュ)
・バタール・モンラッシェ / ラモネ・プルドン 1973年(グランクリュ)
・ピュリニー・モンラッシェ / ドメーヌ・ルフレーヴ 1972年(コミュナル)
カリフォルニア
・シャトー・モンテレーナ 1973年
・シャローン・ヴィンヤード 1974年
・スプリング・マウンテン 1973年
・フリーマーク・アベイ 1972年
・ヴィーダー・クレスト 1972年
・デイヴィッド・ブルース 1973年
赤ワインの部(カベルネ・ソーヴィニヨン系ワインが10本)
フランス(全てボルドーのメドック格付けワイン)
・ムートン・ロートシルト 1970年 (1級)
・オー・ブリオン 1970年 (1級)
・モンローズ 1970年 (2級)
・レオヴィル・ラス・カーズ 1971年 (2級)
カリフォルニア
・スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ 1973年
・リッジ・モンテ・ベロ 1971年
・マヤカマス 1971年
・クロ・デュ・ヴァル 1972年
・ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970年
・フリーマーク・アビー 1969年
---------------------------------------
カリフォルニアワインと言えば、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが有名です。フランスの最高級のシャルドネの産地といえばブルゴーニュ、そして、最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンの産地と言えばボルドーです。ブルゴーニュワインには最高クラスのグランクリュやプルミエクリュが、ボルドーワインには最高格付けの1級と2級が含まれています。まさに、カリフォルニアとフランスの頂上対決と言ってもよいラインアップだと思います。
スパリュアは、イベントの審査員として、著名ワイナリーやレストランのオーナー、ワイン雑誌の編集長、ワイン行政の要人など、フランスのワイン業界を代表する蒼々たる顔ぶれを選びます。
そして、結果は大方の予想を覆し、白ワイン部門、赤ワイン部門ともにカリフォルニアワインが最高得点を獲得します。
このカリフォルニアワインの歴史的な快挙は、有名なギリシャ神話の挿話になぞらえて「パリスの審判」と呼ばれています。
この物語は、「パリスの審判」が行われた経緯とともに、カリフォルニアを代表する白ワインの1つに選ばれたシャトー・モントレーナ(Chateau Montelena)で働く人たちの苦悩や成長を中心に話が展開されています。
ワイン好きには是非おすすめの1本です。
・ワイン学習者にはお馴染みの「パリスの審判」がわかります。(色々脚色されていると思われる部分もありますが)
・当時のフランスワインとカリフォルニアワインの世界的な評価がわかります。
・ブドウ栽培やワイン醸造にはあまり時間は割かれていませんが、アメリカの広大なワインの畑の雰囲気が分かります。
・音声は英語なので、ワイン英語のリスニング学習にもなります。
・Amazonプライム会員であれば、無料で視聴できます。
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故郷イギリスを離れ、パリでワインショップおよびワインスクールを営むスティーヴン・スパリュア(Steven Spurrier)は、アメリカ独立200周年の記念して、カリフォルニア産のワインをフランスワインと比べて試飲するというイベントを企画します。彼のワインスクールは「アカデミー・デュ・ヴァン(Academie du Vin)」。彼は日本でも有名なワインスクールの創始者です。
当時のパリでは、カリフォルニアワインなど存在していないも同然の扱いで、フランスに勝るワインがアメリカに存在するなど、誰も想像すらしていませんでした。
物語では、スパリュアはカリフォルニアに飛んで、イベントに出すカリフォルニア産ワインを自分の脚で探し出します。
テイスティングは、シャルドネの白ワインとカベルネ・ソーヴィニヨン系の赤ワインの2部構成で行われ、次のようなワインが選ばれました。
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白ワインの部(シャルドネが10本)
フランス(全てブルゴーニュワイン)
・ムルソー・シャルム / ルーロ 1973年 (プルミエクリュ)
・ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ / ジョセフ・ドルーアン 1973年 (プルミエクリュ)
・バタール・モンラッシェ / ラモネ・プルドン 1973年(グランクリュ)
・ピュリニー・モンラッシェ / ドメーヌ・ルフレーヴ 1972年(コミュナル)
カリフォルニア
・シャトー・モンテレーナ 1973年
・シャローン・ヴィンヤード 1974年
・スプリング・マウンテン 1973年
・フリーマーク・アベイ 1972年
・ヴィーダー・クレスト 1972年
・デイヴィッド・ブルース 1973年
赤ワインの部(カベルネ・ソーヴィニヨン系ワインが10本)
フランス(全てボルドーのメドック格付けワイン)
・ムートン・ロートシルト 1970年 (1級)
・オー・ブリオン 1970年 (1級)
・モンローズ 1970年 (2級)
・レオヴィル・ラス・カーズ 1971年 (2級)
カリフォルニア
・スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ 1973年
・リッジ・モンテ・ベロ 1971年
・マヤカマス 1971年
・クロ・デュ・ヴァル 1972年
・ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970年
・フリーマーク・アビー 1969年
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カリフォルニアワインと言えば、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが有名です。フランスの最高級のシャルドネの産地といえばブルゴーニュ、そして、最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンの産地と言えばボルドーです。ブルゴーニュワインには最高クラスのグランクリュやプルミエクリュが、ボルドーワインには最高格付けの1級と2級が含まれています。まさに、カリフォルニアとフランスの頂上対決と言ってもよいラインアップだと思います。
スパリュアは、イベントの審査員として、著名ワイナリーやレストランのオーナー、ワイン雑誌の編集長、ワイン行政の要人など、フランスのワイン業界を代表する蒼々たる顔ぶれを選びます。
そして、結果は大方の予想を覆し、白ワイン部門、赤ワイン部門ともにカリフォルニアワインが最高得点を獲得します。
このカリフォルニアワインの歴史的な快挙は、有名なギリシャ神話の挿話になぞらえて「パリスの審判」と呼ばれています。
この物語は、「パリスの審判」が行われた経緯とともに、カリフォルニアを代表する白ワインの1つに選ばれたシャトー・モントレーナ(Chateau Montelena)で働く人たちの苦悩や成長を中心に話が展開されています。
ワイン好きには是非おすすめの1本です。
<この作品の特徴や見どころ>
・当時のフランスワインとカリフォルニアワインの世界的な評価がわかります。
・ブドウ栽培やワイン醸造にはあまり時間は割かれていませんが、アメリカの広大なワインの畑の雰囲気が分かります。
・音声は英語なので、ワイン英語のリスニング学習にもなります。
・Amazonプライム会員であれば、無料で視聴できます。
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4. おかえり、ブルゴーニュへ(原題:Ce qui nous lie)[映画]
世界でも最も有名なワイン産地の1つであるフランスのブルゴーニュを舞台とした2017年のフランス映画です。
父親が末期の状態であることを知り、家族とは音信不通だった長男のジャンが、故郷ブルゴーニュへと戻るところから物語は始まります。
父親が末期の状態であることを知り、家族とは音信不通だった長男のジャンが、故郷ブルゴーニュへと戻るところから物語は始まります。
フランス・ブルゴーニュのにコート・ド・ボーヌに1級畑を所有するドメーヌの長男として育ったジャンは、10年前、世界を旅するために故郷を飛び出し、家族のもとを去りました。
家業を受け継ぐ妹のジュリエットと、別のドメーヌの婿養子となった弟のジェレミーとの久々の再会もつかの間、父親は亡くなってしまいます。
残されたブドウ畑や自宅の相続をめぐってさまざまな課題が出てくるなか、父親が亡くなってから初めてのブドウの収穫時期を迎えます。それぞれが互いには打ち明けられない悩みや問題を抱えながら、3人は自分たちなりのワインを作り出そうと協力し合います。
この作品は、ブルゴーニュの四季折々の美しいブドウ畑を映像に収めつつ、ドメーヌでのブドウ栽培およびワイン醸造の1年が描写されており、ワイン学習をしている人なら誰でも参考になる1本です。私は、ブドウ収穫やワイン醸造の作業を書籍の文章や写真でしか見たことがなかったのですが、実際に映像で見ることができてとてもイメージがしやすくなりました。
<この作品の特徴や見どころ>
・ブルゴーニュの美しい四季を映像を通してみることができてテンションがあがります。
・ドメーヌで行われるブドウ栽培やワイン醸造がリアルに描かれているので、ワイン学習の参考になります。
・ワイン好きでなくても十分楽しめるようなしっかりした人間ドラマです。
5. サイドウェイ(Sideways)[映画]
カリフォルニア州サンタバーバラのワイナリーの、のどかで美しい田園風景を舞台に、「サイドウェイ=人生の寄り道」を描いた映画です。
主人公は、ワインをこよなく愛する小説家志望のダメ男のマイルズ。
離婚のショックからまだ立ち直れないマイルズは、親友のジャックとワインやゴルフ三昧の気ままな男二人旅に出かけます。
マイルズの目的は人生の憂さを大好きなワインに夢中になることで粉らせようとすることです。
しかし、売れない俳優のジャックは目前に結婚を控えているにもかかわらず、女をひっかけることしか頭にありません。
そんなマイルズは旅の途中で、ワイン好きの魅力的な女性マヤと出会います。マヤの友人でワイナリーで働くステファニーも含んで、4人の間にさまざまな事件が起こります。
そして、旅ははいつしか人生のピークを過ぎたダメ男が自分自身を見つめ直すものへと変わっていきます。
こんな人間模様を描いた作品ですが、この作品ではワインにもしっかりフォーカスが当たっており、シュヴァル・ブランやサッシカイアなどの高級ワインとともにワインの話題が次から次へと飛び出してきます。
また、ピノノワールを愛するマイルズが語るワインに関する蘊蓄もこの作品の魅力です。
アカデミー賞で脚色賞を、第62回ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した作品ですが、この作品の社会的な影響も大きく、舞台となったサンタバーバラへは映画を見た旅行客が増えたそうです。また、メルローを貶めてピノノワールを褒めるマイルズの影響で、米国西部では、ピノノワールの販売量が増える一方で、メルローの販売量が減ったとのデータもあるようです。
<この作品の特徴や見どころ>
・アカデミー賞で脚色賞を、第62回ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した作品です。
・アメリカのワイン産地のカリフォルニア州サンタバーバラの雰囲気がわかります。
・物語とワインの両方にバランスよくフォーカスが当てられているので、ワイン好きなら両方楽しめます。
この作品には、日本リメイク版『サイドウェイズ』もあり、日本人キャスト鈴木京香、菊池凛子、小日向文世、生瀬勝久の主演で、2009年に公開されています。
<日本リメイク版>
6. プロヴァンスの贈りもの(原題:A Good Year) [映画]
『グラディエーター』のリドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演のロマンティック・コメディです。
ロンドンのトレーダーであるマックスは、叔父の遺産相続のため少年時代ぶりに南仏プロヴァンスを訪れます。遺産は、ワイン醸造家をしていた叔父の住んでいた古びた豪邸と、ブドウ畑。やり手トレーダーのマックスは、金融商品を扱うかのように叔父から引き継ぐ遺産を売却することを考えます。
だが、シャトーに来たとたん、少年時代の思い出が次々に蘇り、少しずつ心が揺らぎます。そして、地元でレストランを経営するファニーとの出会いもまた彼に大きな影響を与えます。ロンドンから来た当初は馴染めなかったプロヴァンスでの生活も、その陽気な気候や充実したワインや食生活、そして人間関係を経験するなかで少しずつ彼の中で何かが変わり始めてきます。
この映画のテーマは単なる男女の恋愛ではなく、人生にとって何が大切なのかという価値観です。
そして、マックスはロンドンの殺伐とはしているが刺激的な生活を選ぶのか?それとも、プロヴァンスの田舎での刺激は少ないが人間関係の充実した生活を選ぶのか?
この作品は、フランス南部プロヴァンスにぶどう農園を所有しているリドリー・スコット監督が、「ガレージ・ワイン」(メジャーではないがその高品質により高値で取引される希少生産ワイン)の噂話を友人の有名な作家ピーター・メイルに持ちかけて、メイルがその話を元に小説を執筆し、スコットが映画化することとなったものだそうです。
そのため、ワインやブドウ栽培の話も作品の随所に登場します。「Le Coin Perdu(コアンペルデュ)」という名のガレージ・ワインが物語の1つの鍵を握りますが、これは実際にChateau La Canorgue(シャトー・ラ・カノルグ)という生産者が造るワインとして存在します。このシャトーはAOC Luberon(リュベロン)の名を持ち、地域的には南ローヌとプロヴァンスの間位に位置していると思われます。
<この作品の特徴や見どころ>
・美しい南仏のプロヴァンスの景色や生活が描写された作品です。
・世界的ヒットメーカーのリドリー・スコット監督の作品で、主演はラッセル・クロウ、ヒロインはTAXIシリーズでもお馴染みのマリオン・コティヤールで、見ごたえ十分です。
・ブドウ栽培やワイン醸造とともに歩む人生という価値観を考えさせられます。
7. 日本のワインで奇跡を起こす 山梨のブドウ「甲州」 [書籍]
日本固有種であるブドウ「甲州」にこだわってワイン造りを進める伝統ワイナリーの父娘の挑戦のドキュメンタリーです。
私がこの本を手に取ったきっかけは、ある日本ワインのテイスティングをしたことでした。そのワインは日本固有種である「甲州」から造られた白ワインでした。
その頃私が「甲州」ワインに持っていた印象は、「薄い、味がしない、水っぽい」という印象でした。しかし、その時飲んだ甲州ワインは、爽やかで、果実の香りがしっかりして、酸味も豊かなもので、リースリングやソーヴィニヨン・ブランと間違えてしまうくらい、私が持っていた「甲州」のネガティブなイメージを覆すものでした。
そのワインは「グレイス甲州(2017)」。
この書籍の著者である、三澤親子が経営する中央葡萄酒株式会社が造ったワインでした。
書籍を読んでなぜこのワインがこんなにも美味しかったのかがよく分かりました。中央葡萄酒は、2014年には「キュヴェ三澤」で、世界で最も権威があるといわれるワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)」金賞を日本で初めて受賞し、その後も世界屈指のコンクールで様々な賞を受賞した革新的なワイナリーだったのです。
この書籍は2部構成で、第1部を父であり中央葡萄酒株式会社代表取締役社長である三澤茂計氏が、第2部は娘であり同社の取締役栽培醸造責任者を務める三澤彩奈氏が担当をしています。
個人的な感想ですが、第1部は少し説明的な文章が多いことと、日本ワイン不遇の時代について書かれていることから、読書のペースはあまり順調には進みませんでした。しかし第2部は、若くてエネルギーにあふれた彩奈氏の活動と、それに伴い「甲州」ワインが飛躍していく内容で、あっという間に読み終えてしまいました。
読み終えた後は、再び同社の「甲州」ワインが飲みたくなるような内容でした。
<この書籍の特徴や見どころ>
・日本ワインのこれまでの歴史と、今、世界に追いつくためにどのような試みが行われているのかが、勝沼での活動を中心にわかります。
・日本固有のブドウ品種である「甲州」の特徴と、これからの可能性がわかります。
・ブドウ栽培やワイン醸造の選び方によって、出来上がるワインにどのような影響があるかまで具体的に書かれておりワイン学習者にとっては勉強になります。
・ワイン醸造者やワイナリー経験者の生活や苦労がわかります。
・日本ワインの挑戦に勇気づけられます。