今回のテーマは、ブルゴーニュの「コート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)」地区にある「 フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) 」村です。 場所は下の地図のように、モレ・サン・ドニ村、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村の間に挟まれています。 コート・ド・ニュイの村名のワインが認められている他の村と比べると、特にそれほど小さい村でもありません。ヴージョ村やヴォーヌ・ロマネ村の方がよっぽど面積は小さめです。 しかし、このフラジェ・エシェゾー村ではその名を冠したAOCのワインを造ることは許されていません。つまり、「A.O.C. Flagey-Echézeaux」という名のワインは存在しません。 その代わり、この村で栽培されたブドウから村名を冠したワインを造る場合、全て「A.O.C. Vosne-Romanée」という隣の村の名前を冠したワインとして造られます。 なぜ、フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) には村名のワインが無いのでしょうか?少し疑問に思って、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑について調べてみました。 まず、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑の場所ですが、村名以上のワインを造ることのできるブドウ畑は、村の西側に局地化しているようです。村の中心地は、点線の楕円の部分に固まっているので、場所としては村の外れにあるようです。 この村の西側に局地化した畑のうち、大部分を占める畑は、特級畑である「エシェゾー(Echézeaux)」と「グラン・エシェゾー(Grands-Echézeaux)」です。 これら2つのグランクリュ畑から造られるブドウからは、唯一、フラジェ・エシェゾー村のアイデンティティの感じられる、「A.O.C. Echézeaux」と「A.O.C. Grands-Echézeaux」のワインが造られます。 残りの畑は、プルミエ・クリュ畑と村名ワイン畑となりますが、これらの畑で造られるワインはそれぞれ「A.O.C. Vosne-Romanée Premier Cru」と「A.O.C. Vosne-Romanée」となり、フラジェ・エシェゾー村の名前が使われることはありません。 それでは、ここでヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑の分布を見てみたいと思います。 これを見ると、ヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑は、フラジ...
「diurnal range = 日較差」です。
「日較差(にちかくさ、にちこうさ)は、一定の場所における1日の最高気温と最低気温の差である。」(source: wikipedia)
通常、最高気温は日中、最低気温は夜間なので、日中と夜間の温度の差という意味になります。
書籍によっては、「日中と夜間の平均気温の差」と書かれている場合もあるようです。
なぜ、ワインにおいてdiurnal range(日較差)が重要かというと、日較差はブドウ栽培において、ブドウの持つアロマや酸味に影響を与えるからです。
日較差の大きい地域は、ブドウの実からアロマと酸味が失われるのを遅らせることができます。これはアロマや酸味が失われやすい温暖または高温の地域において特に重要で、その結果、フレッシュで香りの高いワインを造ることができます。
一方で、ブドウが成熟しにくい冷涼な地域では、夜間にもブドウの成熟が継続するような日較差の小さい地域が好まれるようです。また、このような地域では、ワインの青い香りの原因であるメトキシピラジンの分解も促進されるようです。
diurnal range(日較差)と意味の似た言葉として、continentality(大陸度)という言葉があります。
diurnal rangeが「1日の」気温の差を表すのに対して、continentalityは「一年間の」最も寒い月と暑い月の気温差を表します。混同しやすいので注意が必要です。