タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
「diurnal range = 日較差」です。
「日較差(にちかくさ、にちこうさ)は、一定の場所における1日の最高気温と最低気温の差である。」(source: wikipedia)
通常、最高気温は日中、最低気温は夜間なので、日中と夜間の温度の差という意味になります。
書籍によっては、「日中と夜間の平均気温の差」と書かれている場合もあるようです。
なぜ、ワインにおいてdiurnal range(日較差)が重要かというと、日較差はブドウ栽培において、ブドウの持つアロマや酸味に影響を与えるからです。
日較差の大きい地域は、ブドウの実からアロマと酸味が失われるのを遅らせることができます。これはアロマや酸味が失われやすい温暖または高温の地域において特に重要で、その結果、フレッシュで香りの高いワインを造ることができます。
一方で、ブドウが成熟しにくい冷涼な地域では、夜間にもブドウの成熟が継続するような日較差の小さい地域が好まれるようです。また、このような地域では、ワインの青い香りの原因であるメトキシピラジンの分解も促進されるようです。
diurnal range(日較差)と意味の似た言葉として、continentality(大陸度)という言葉があります。
diurnal rangeが「1日の」気温の差を表すのに対して、continentalityは「一年間の」最も寒い月と暑い月の気温差を表します。混同しやすいので注意が必要です。