ドイツワインの最上位の品質区分である「プレディカーツヴァイン(Prädicatswein)」は、ブドウ果汁の糖度によって6つの区分に分かれています。
糖度の高い順に、
・Trockenbeerenauslese(トロッケンベーレンアウスレーゼ)
・Eiswein(アイスヴァイン)
・Beerenauslese(ベーレンアウスレーゼ)
・Auslese(アウスレーゼ)
・Spätelese(シュペートレーゼ)
・Kabinett(カビネット)
しかしgoogle翻訳などを利用して、それらを英語や日本語に直訳をしてみると、一気にその難易度は下がります。
なぜならば、その直訳がほとんどの場合、そのワインに使用するブドウの特徴を表しているからです。
直訳と、ワイン(に使用するブドウ)の特徴を下図にまとめてみました。
「Trockenbeerenauslese」、「Beerenauslese」ではその名の通り、糖度の高いブドウの粒を選抜してワインを造っていることがわかります。
粒レベルで、糖度の高いブドウを選定しているため、そこから得られるブドウ果汁の糖度もかなり高いものとなります。
特に、全てが貴腐ブドウから造られる「Trockenbeerenauslese」は非常に高い糖度です。
「Eiswein」も基本的には全てのブドウの粒が凍っているために、圧搾された果汁は非常に糖度の高いものとなります。
「Auslese」もブドウの選抜はしていますが、この選抜は「粒」レベルではなく、「房」レベルです。房中のブドウ粒の糖度はまちまちなので、上位の3区分に比べると糖度は下がります。
「Spätelese」には遅摘みの完熟ブドウが使われますが、基本的には「Auslese」のような房の選抜は行われていません。その代わり、通常収穫よりも長めに(約2週間)ブドウを成熟させるために、ブドウ中の糖度があがります。
最後に「Kabinett」ですが、これは他とは異なりブドウの特徴を表しているわけではないようです。もともとは「Kabinett = キャビネット、戸棚」は、直ぐに販売するワインとは別に特別に保管をしておくリザーブワインのような意味で使われていた言葉のようです。
現在の「Kabinett」はプレディカーツヴァインの中で最も下位に区分されており、リザーブワインという位置づけにあるというわけではありません。しかし、プレディカーツヴァインである以上、一定の品質基準を満たしているワインです。