ドイツのブドウ品種には、「burgunder(ブルグンダー)」という言葉の入ったブドウ品種がいくつかあります。
その中でも最も有名なブドウ品種は、「Spätburgunder(シュペートブルグンダー)」だと思います。
これはご存じ、フランスでは「Pinot Noir(ピノ・ノワール)」と呼ばれている超有名品種です。
「Spätburugnder」を英語に直訳してみると、「late Burgundy」。「Burgundy(バーガンディ)」はブルゴーニュの英語名なので、「遅いブルゴーニュ」という意味になります。
きっと、成熟するのが遅いブルゴーニュから来たブドウ品種ということでこのような名前が付いたのだと思います。ピノ・ノワールは黒ブドウの中では比較的早熟な方だと思うのですが、冷涼な気候のドイツではなかなか成熟をしなかったのかもしれません。
ちなみに、「Pinot Blanc(ピノ・ブラン)」と「Pinot Gris(ピノ・グリ)」はそれぞれドイツでは「Weißburgunder(ヴァイスブルグンダー)」、「Grauburgunder(グラウブルグンダー)」と呼ばれており、ピノ(Pinot)ファミリーのブドウ品種に対して主に「burgundy」という言葉が使われているように思われます。
こちらも英語に直訳してみると、「Weißburgunder = white Burgundy (白いブルゴーニュ)」、「Grauburgunder = gray Burgundy (グリのブルゴーニュ)」で、まさに名前の通りです。
最後に、ドイツで「Frühburgunder(フリューブルグンダー)」と呼ばれるブドウ品種があります。直訳をしてみると、「early Burgundy」で、「早いブルゴーニュ」という意味です。
これは、「Pinot Noir Précoce(ピノ・ノワール・プレコース)」とも呼ばれる品種で、ピノ・ノワールの突然変異と言われています。
ピノ・ノワールよりも早く成熟することが特徴で、まさにその名が表す通りです。ちなみに、「précoce」を英語に直すと「early」でなので、フランス語でも「早いピノ・ノワール」という意味になります。
ピノ・ノワール・プレコースのワインは、ピノ・ノワールから造られるワインに非常に特徴が似ていると言われています。ピノ・ノワール・プレコースは、英国で造られる瓶内二次発酵のスパークリングワインにも使われています。
今まで「Spätburgunder(遅いブルゴーニュ)」があることは知っていましたが、「Frühburgunder(早いブルゴーニュ)」があることは少し驚きです。
最後に余談ですが、ピノ・ムニエ(Pinot Meinier)とも呼ばれる「ムニエ(Meunier)」はドイツでは、「Schwarzriesling(シュヴァルツリースリング)」と呼ばれています。
「ピノ(Pinot)」という名前が付きますが、ムニエのドイツ名には「brugunder」という言葉は含まれません。
直訳すると「Schwarzriesling = black Riesling(黒いリースリング)」ですが、ムニエとリースリングの間には直接の関係は無いようです。