以前の記事で、WSETの英語資料を読む際に利用をした「容器を表す単語」のリストアップをしましたが、今回は特に「木樽」に絞って英単語の整理をしてみました。
(関連記事:ワインの醸造工程で用いる容器に関する英単語)
まず、「wooden vessel」は、「木樽」を含む「木製の容器」全般表す言葉として使われます。
「barrel」と「cask」はどちらも、広い意味での「樽」を表す言葉です。
業界や定義によって「barrel」と「cask」の間には違いがある場合もあるようですが、WSETでは比較的、同じような意味で使われている印象です。どちらかと言えば、「barrel」の方が頻繁に使われている印象で、「cask」は比較的大きめの樽をさす場合に使われていることが多い印象です。
「barrel」や「cask」が一般的な、幅広い「樽」を表すのに対して、「barrique(バリック)」、「foudre(フードル)」、「butt(バット)」、「pipe(パイプ)」、「pièce(ピエス)」は、特定の種類の「樽」を指しています。サイズが決まっているものや、特定の地域やワインの製造に使われるものの名前を表している場合もあるようです。
「oak(オーク)」や「chestnut(チェスナット)」は、樽の素材を表す単語です。「aged in oak」などと書かれる場合がよくありますが、これは「aged in oak (barrels)」を意味していると思います。
また反対に、「aged in barrels」と書かれている場合は、オーク樽を指していることが多いと思います。なぜなら、ワイン使われる樽のほとんどがオーク樽だからです。
「oak」の素材の中にもいくつか種類があり、主に「French oak(フレンチオーク)」と「American oak(アメリカンオーク)」の2つが使われます。それぞれの違いについては、以前の記事で簡単に触れています。
(関連記事:樽香とは?ワインの樽の香りを整理してみました)
「new oak(新樽)」と「old oak(旧樽)」は樽の新しさ/古さを表す時に使われます。新樽(new oak)はオーク樽の香りをワインに与える一方で、旧樽はあまり強い香りづけはせずに緩やかな酸化などのその他の熟成効果を狙って使われます。
「oak stave(オークスティーブ)」と「oak chip(オークチップ)」は樽のような容器ではありませんが、ワインにオークの香りづけをするために使われるオークの板やチップです。これらをワインに浸すことで、オーク樽で熟成をさせたようなオークの香りが得られます。しかし、簡易的な方法のため、一般的には品質の低いワインに使われるようです。
最後に余談ですが、「樽」を作る人たちのことは「cooper(樽製造業者)」と言い、cooperの造ったものや、その職業のことを「cooperage(樽類、樽製造業)」と言うようです。