ブルゴーニュと言えば、フランスで最も有名なワイン産地の1つだと思います。
AOC(原産地統制名称)の数は84にも上り(ボージョレを除く)、フランスワイン全体のAOC数の23%(約1/4)を占めると言われています。
ブルゴーニュのAOC構造と言えば、「地方名(regional/ generic)」、「村名(communal / village)」、「Premiers crus(一級畑)」、「Grands crus(特級畑)」の4層の階層構造が有名です。
この各階層に属するAOCの数を積算していけば、ブルゴーニュのAOCの総数84になるはずです。
ブルゴーニュワインのウェブサイト(https://www.bourgogne-wines.com/our-wines-our-terroir/decoding-the-aocs/bourgogne-wines-decoding-the-aocs,2467,9263.html)を参考に、各層のAOCの数をカウントしてみると次の通りです:
・地方名(regional/ generic)=7
・村名(communal / village)=44
・プルミエクリュ(一級畑)=0 ?
・グランクリュ(特級畑)=33
「プルミエ・クリュ」を除いた「地方名」、「村名」、「グランクリュ」のAOCの数を積算すると、ちょうど総数の84になりました。
逆算をすると、「プルミエ・クリュ」のAOCの数は「0」ということになります。
このプルミエ・クリュAOC = 0 に疑問を持って、「プルミエ・クリュ」の扱いについて少し調べてみました。
地理的補足を持つデノミナシヨン
ブルゴーニュにはAOC以外にも、地理的補足を持つデノミナシヨンという呼称があるようです。
この「地理的補足を持つデノミナシヨン」は、特定のAOCの後に、付加することが許されているそうです。
例えば、シャブリ・グラン・クリュでは、7つの畑の名前を「Chablis Grand Cru」後につけることが許されています(例えば、Chablis Grand Cru Valmur AOC や Corton-Les Bressandes Grand Cru AOC など)。
ブルゴーニュの他のグラン・クリュは、畑ごとに異なるAOCが存在しますが、シャブリでは「Chablis Grand Cru」が唯一のグランクリュAOCです。しかし、地理的補足を持つデノミナシヨンによって、7つそれぞれの名称の付加が許可されるかたちとなっているようです。
そして、話を「プルミエ・クリュ」に戻しますが、実はプルミエ・クリュもそれ自体が独自のAOCではないようです。
プルミエ・クリュは、「村名」AOCに「一級畑(地理的補足を持つデノミナシヨン)」の名前を付加することが許されたAOCのようです。
これまで調べたことから考えると、「プルミエ・クリュのAOCは、村名AOCに含まれるものであり、個別のAOCとしてはカウントをしないのではないか」というのが私のプルミエ・クリュに関する考察です。
ちなみに、プルミエクリュの「地理的補足を持つデノミナシヨン」のバリエーションは、クリマの数だけあり、その数は640を超えるそうです。(これもまだ確証が無いのですが、クリマ数=一級畑の数なのではないかと考察しています)