タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
ワインの英語書籍を読んでいると、砂利を含んだ畑の土壌を表す言葉として、度々、「gravel」という単語が使われます。 例えば、ボルドーの土壌はよく「gravel soil」と言われます。
gravel は「砂利、小石」と訳されることが多いですが、gravelに似た言葉として、「pebble」や「stony」などの単語も出てきます。
それぞれの単語に一体どのような違いがあるのかが気になったので、その違いについて調べてみました。
少し調べてみて分かったことは、大まかに次の図の通りです。
地質学的に言うと、どうやら「gravel」は「礫(れき)」と呼ばれ、比較的広い範囲のサイズを指すようです。
つまり、「Granule(細礫、砂粒)」、「Pebble(中礫、小石)」、「Cobble(大礫、玉石)」、「Boulder(巨礫、大きな石)」あたりを含んでいる言葉のようです。
しかし、一般的には「砂利、小石」とも訳されることから、「Pebble」と同程度のサイズなのではないかと思います。
gravel よりも小さいサイズとしては、「Sand(砂)」、「Silt(シルト、沈泥)」、「Clay(泥)」などがあります。
ちなみに、「Stone(石)」という聞きなれた言葉もありますが、これは大きさの概念をあまり含まず、「石」という材質を主に意味する言葉のようです。
「Rock(岩)」は、stoneのように材質を意味するとともに、崖や山から生まれた大きな石の破片という意味があるようです。この意味においては、「Rock ≒ Boulder」なのではないかと思います。