ロゼワインの製法と言えば、「セニエ法」、「直接圧搾法」、「混醸法」、「ブレンド法」などが有名です。
JSAワインエキスパートの試験対策で学んだときは、これら4つの方法を暗記したのですが、それぞれの関係性や違いなどまで、あまり深く理解をできませんでした。
そこで、WSETを学んだ後に、ロゼワインの製法について自分なりに納得のいく整理をしてみました。
WSETでは、ロゼワインの製法として、主に3つの製法が紹介されています。
「直接圧搾法」、「短期間のマセラシオン法」、「ブレンド法」の3つです。
個人的には、ロゼワインの製法は、赤ワインの製法の派生ではないかと思っています。そして、これらのロゼワインの製法の違いは、赤ワインの製法プロセスのどの時点で派生している(ロゼワインの原料となる果汁 or ワインを抜き出している)かの違いなのではないかと考えました。
そこで、「どの段階で、ブドウジュースやワインを抜き出すか」に焦点を絞って、それぞれの製法をまとめてみました。それを表したのが下の図です。
直接圧搾法
マセラシオンの前にロゼジュースを抜き出しているので、この製法では色が薄めになることが特徴です。
ちなみに、房のままのブドウを使ったり、一部に白ブドウを加えるバリエーションもあるようです。
そのため、先述の「混醸法」は、「直接圧搾法」のバリエーションとして扱えるのではないかと考えています。
短期間のマセラシオン法
「短期間のマセラシオン法」では、マセラシオン~アルコール発酵の間のどこかでロゼジュース/ワインを抜き出すのが特徴です。
一定のマセラシオン処理を経るために、直接圧搾法に比べて、色が濃く、香りが強めにでることが特徴のようです。
マセラシオン~アルコール発酵のどの段階でジュース/ワインを抜き出すかによって、色の濃さや香り、味わいが変化をするそうです。
類似の方法として、「セニエ法」がありますが、これは「短期のマセラシオン法」のバリエーションの1つではないかと考えます。
セニエ法では、ロゼワインは赤ワインを濃縮するための副産物をして製造されます。
ブレンド法
ブレンド法は、出来上がった赤ワインを白ワインに混ぜてロゼワインを造る製法です。もっともシンプルな製法です。
最後に、3つの各製法の特徴をまとめました:
直接圧搾法の特徴
- 最も色が薄い(マセラシオンを経ないため)
- 出来上がったワインはよく「ヴァン グリ(vin gris)」と呼ばれる
- プロヴァンスロゼの製造によく利用される
短期間のマセラシオン法の特徴
- 色や香りが濃いめ(マセラシオンを経るため)
- スペイン産ロゼ(ロザート)やタヴェルロゼなどによく使われる
- ボルドーなどの赤ワインを濃縮する方法として利用され、副産物としてロゼワインができる(セニエ)
ブレンド法の特徴
- EU圏内では許可されていない地域が多い
- 品質の低いロゼの製法と認識されていることが多い
- ロゼシャンパーニュの製法として利用される(低品質とはみなされない)
- 赤、白両方のワインを製造するワイナリーにとっては簡単に低コストでロゼワインが製造できる
- 出来上がったワイン同士を混ぜるため、好みの色に調節をするのが容易(上の2つの方法では発酵中などに色が変わる)