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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

WSET Diploma D1オンライン受講の感想⑤ ~テイスティング課題~

 今回は、以前の記事(記事:WSET Diploma D1受講の感想① ~オンライン受講の流れ~)で紹介をした「テイスティング課題」に関してです。




テイスティングはオンライン受講を始めるにあたって最も心配をしていた部分です。なぜならば、私は今まで通い形式のテイスティングの講義しかやったことが無く、オンラインの場合にはどのようにテイスティングが進められるのかが全く想像できなかったからです。

 

主な疑問点は次のようなことでした。

 

    テイスティング用のワインは誰がどのように準備するのか?

 

    テイスティング用のワインの費用はどのくらいかかるのか?

 

    テイスティングはどのように進められるのか?

 

    講師から個別のフィードバックがもらえるのか?

 

    講師のフィードバックはどの程度的確なのか?(特に、同じボトルのワインを飲めない場合)

 

 

Diplomaの説明会に出席をしたりして事前に明らかになった部分もありましたが、全ての疑問は明らかにならず、結局、多少の不安や疑問を持ったままの受講となりました。

 

そして実際にオンラインでのテイスティングを受講していく中で、それらの疑問点が徐々に明らかになっていきました。それを説明して行きたいと思います。

 


    テイスティング用ワインの「準備」について

 

ワインの準備は与えられたガイドラインに従って、全て自分で準備をすることになります。

 

それぞれの週に用意が必要なワインリストは事前に提示がされているので、毎週のテイスティングに間に合うようにワインの注文や購入をしておきます。

 

一般の店舗では入手が難しいワインもあったので、私は主にオンラインのワインショップを利用しました。自宅への到着までに時間がかかるので、少なくとも1週間前には注文をするように心がけていました。

 

用意するワインのガイドラインは例えば「Pinot Noir from Burgundy of very good quality」のように、「品種(もしくはAOC)」×「品質レベル」の形で与えられることが多いです。これに加えて、「甘さのレベル」や「オーク香の有無」のガイドラインが加えられることもありました。

 

「品質レベル」については、ラベルがそのまま品質レベルに直結しているもの(Grand CruPremier Cruなど)は準備をするのが簡単でしたが、そうでないものについてはどのような基準でワインをさがしたら良いのか迷いました。そのような場合には、D1D3のテキストの当該部分を読み込んで、品質の高いサブリージョンや製造者の情報を調べたり、担当講師に直接質問をしたりして、できるだけガイドラインに近いようなワインを購入するように努めました。


通い形式のテイスティング講義ではワインは全てワインスクールが用意をしてくれていましたが、オンライン講義の場合では、ワインを準備することが結構な手間となりました。しかしその反面、自分でワインを準備することで「ワイン選び」という今まで学ぶことのできなかったスキルを学ぶことができたので、これはこれでとても良い経験となりました。


 

    テイスティング用ワインの「費用」について

 

テイスティング用ワインの費用は、以前の記事で説明をしたオンラインコース費用には含まれていません。

(関連記事:「WSET Level 4 Diploma in Wines(通称、ディプロマ)」について調べてみました


そのため、ガイドラインに従ってどのようなワインを購入するかで、費用は大きく変わってきます。


例えは、「Pinot Noir from Burgundy of very good quality」を用意する場合でも、コート・シャロネーズの村名ワインを購入する場合と、コード・ド・ニュイのグランクリュを購入する場合では、費用は大きく異なります。


毎週のワインの必要購入数は2~5本程度だったので、私の場合、1つ1つのワインに大きな金額を書けることはできませんでした。あくまでもワインは趣味なので、それほどお金はかけられません。。。


そこで条件を満たすワインの中で、最も低価格な部類のワインを購入することが多かったと思います。


店舗購入では選択肢が少ないことから、ほとんどのワインをオンラインショップで購入しました。また、できるだけ品ぞろえの多いオンラインショップを選んで、数週間分のワインを一度に購入することで、できるだけ送料も抑えるように努めました。フルボトル(750ml)は高いので、ハーフボトル(375ml)を積極的に選ぶことも費用を抑えるコツでした。


できるだけ費用をおさえましたが、それでもD1だけで3~4万程度はワインの購入代金としてかかったと思います。


一般論で言うと、より高い価格のワインの方が、よりそのワインの典型的な特徴を持っていることが多いので、もう1ランク上のワインを買いたいと思うことは多々ありました。しかし、このような経験をしたことで、できるだけリーズナブルにそこその品質の良いワインを選ぶことができるようになったと思います。



    テイスティングの「進め方」について


オンライン受講では、座学のような仰々しい講義はありません。


1週間の流れでは、週の始めに講師がその週に伝えたいことをビデオメッセージで送ってくれます。


主に伝える内容は、Diplomaでのテイスティングノートの書き方です。


Diploma(レベル4)とレベル3のテイスティングノートの大きな違いは、ワインに対する結論の部分です。レベル3ではワインの特徴と品質レベルを評価して終わりでしたが、Diplomaでは「品質レベルの根拠」と、「熟成ポテンシャル」を文章で説明することが求められます。


受講者は、そのビデオメッセージを参考にしながら、自分のスケジュールでその週のうちに自分で用意をしたワインのテイスティングを行い、テイスティングノートの作成および提出を行います。テイスティングのノートをオンラインプラットフォームに提出をすると、担当講師が個別のフィードバックを書き込んでくれます。


週の中盤くらいには、担当講師が一部の受講者から提出されたテイスティングノートをもとに、追加のアドバイスをビデオメッセージや電子メールで送ってくれます。例えば、「こんな書き方をしている人が多いですが、この部分はもっと具体的に書いてください」などです。


自分が提出をしたテイスティングノートは他の受講者から見られることはなかったので特にプレッシャーはありませんでしたが、じっくりと見直しをしてから提出をすることが多かったので、提出のタイミングは週の後半になることが多かったと思います。


テイスティングノートの書き方は、担当講師からのメッセージに加えて、オンラインプラットフォームに用意されている「Dimloma Tasting Guidance」という資料を参考にしました。課題や、認定試験で求められるテイスティングノートの書き方は、全てこの資料にまとめられていました。


ちなみにD1の認定試験にはテイスティングは含まれていませんでしたので、D1のテイスティング課題は、のちのD3~D5のテイスティング試験のための練習という位置づけだと思いました。


オンライン講座でのテイスティングにはメリット、デメリットがありますが、自分の気が済むまで何度でも、何杯でもテイスティングができることは大きなメリットだと思いました。一度完成させたテイスティングノートでも、次の日に気になる部分があるともう1度テイスティングを行って書き直すこともありました。


余ったワインは、またいつでも味わえるように小瓶に入れて保存をしています。



    テイスティングノートへのフィードバックについて


先程書いたように、テイスティングノートへのフィードバックは受講者ごとに個別にもらうことができました。


その週の半ばくらいまでに提出をすれば、次の週にはフィードバックをくれるので、次のテイスティングノートに活かせるように徐々に早く提出することを心掛けました。


フィードバックの内容についてですが、主な指摘のポイントは、「品質レベルの根拠」の部分と、「熟成ポテンシャル」の文章での説明についてでした。とにかく、具体的な説明が欠如していることについての指摘が多かったと思います。


例えば、「このワインはバランスが取れている/複雑性がある」と書いた場合に、「どのような要素同士の間でバランスが取れているのか具体的に書きなさい」や、「どのような要素が複雑性を生み出しているのか具体的に書きなさい」などのものでした。


また熟成ポテンシャルの説明については、「なぜ熟成ポテンシャルがあるのか?」や「瓶熟成によってワインはどのようになるのかを具体的に書きなさい」というものが多かったと思います。



 フィードバックの妥当性について


オンライン受講では、決して講師は受講者と同じワインを味わっているわけではありませんでした。


そのため、香りや風味の各要素についての細かいフィードバックはそれほど多くはありませんでした。(この点は担当講師も、「同じボトルのワインを飲んでいるわけではないので、細かい指摘はできないと事前に断っていました。」)


しかし、一般的にありえない回答をしたときには、きちんと指摘をしてくれました。


例えば、「Petit Chablis」のテイスティングをしたときに、「medium acidity」、「full body」などと書けば、「それはあり得ない」と指摘をしてくれます。しかし、「medium(+) acidity」、「medium(-) body」と書いた時には、たとえ正解が「high acidity」、「light body」だったとしてもそこまで細かくは指摘をしてくれませんでした。


また、同様に「Petit Chablis」の香りの表現として「vanilla(樽香)」と書けばおそらくそれはあり得ないと指摘をしてくれますが、「dill」と書いた場合に例え実際にはその香りが無かったとしても(Petit Chablisがdillの香りを持つ可能性は十分にあるので)指摘はしてもらえなかったと思います。


先程、オンライン受講でのテイスティングのメリット、デメリットの話をしましたが、このように香りや風味の各要素について細かい指摘を得られないことはオンライン受講のデメリットだと思いました。



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ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方

WSETと比較をしてみると、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験で特徴的な部分は、ワインに関する歴史が問われることでした。 (関連記事: WSETレベル3とJSAソムリエ・ワインエキスパート資格の違い、どちらがおすすめ? ) ワインやワイン産地には興味があるんですが、正直、ワインの歴史にはそこまで興味を持てませんでした。ワイン愛好家にとって重要なことは、おいしいワインを見つけることや、おいしいワインを飲むことであり、ワインがどんな歴史をたどってきたかなんて近代を除いてそんなに重要なことではないと思えるからです。 「歴史なんか覚えて、何の役に立つの?」正直こんな気持ちでした。 だから、いざ覚えようと思っても、興味のないことはなかなか覚えられません。ワインの色などは語呂合わせを駆使して覚えてきたのですが、年号関連は語呂を作っても同じような語呂ばかりになってしまい、この方法もあまり役に立ちませんでした。 そこで始めたのが、正確な年号を覚えるのはとりあえず置いておいて、年号の順番を覚えるというやり方。特定のトピックにおいて、関連した年号を1つの図にまとめていくと、何となく時代背景が見えてきて、少しずつ頭に入ってくるような気がします。さらに、キーとなる年号だけ覚えておけばその前後関係を覚えておくだけで、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験は4択なので十分対応可能だと思いました。 例えば原産地管理法の年号は、ヨーロッパ→北米・南ア→南米・豪州→NZ・日本のように広まっていくのがわかります。 また、ブドウの伝来もヨーロッパ→南米→アメリカ・南ア→豪州→NZ→日本のように広がっています。 そして、日本も長野・山梨から始まり、北海道や山形に広がっていくのがわかります。 正確な年号を語呂合わせで覚えるよりも、こちらの方が時代背景がわかるので後々役に立つ知識になるとおもいました。 このような類似のトピックで情報を1つの図にまとめていくやり方は、その他覚えにくい生産量のデータや、気候区分を覚えるのにも役に立ちました。単なる数字を覚えるよりもずっと楽に暗記ができました。 例えば、フランス各地の栽培面積とワイン生産量。 そして、各地の気候区分。 試験中に具体的な数字が浮かばなくても、なんどなくこれらの図が頭に浮か...

名前の紛らわしいフォーティファイドワイン VDN、VDLの覚え方

醸造法で分けるとワインには次の4つのタイプがあるのですが、 ① Still wine (スティルワイン) ② Sparkling wine (スパークリングワイン) ③ Fortified wine (フォーティファイドワイン/ 酒精強化ワイン) ④ Flavored wine (フレーヴァードワイン) VDNとVDLは、フランスを代表するフォーティファイドワイン(③)として登場します。 VDNはVins Doux Naturels (ヴァン・ドゥー・ナチュレル = 天然甘口ワイン)、VDLはVins de Liqueurs (ヴァン・ド・リキュール = リキュールワイン)の略称です。 VDNの代表的なワインは「ミュスカ・ボーム・ド・ヴニーズ」で、一方、VDLは「ピノー・デ・シャラント」などです。 名前も似ており、紛らわしいこの2つのワインですが、大きく違うのは 酒精強化のタイミング です。 酒精強化とは、ワインにコクや保存性を持たせるために醸造中にブランデーやアルコールを添加する処理のことです。 VDNでは酒精強化を 果汁の発酵中 に行うのに対して、VDLでは 未発酵の状態 (一部例外もある)で行います。 主なフォーティファイドワインの酒精強化のタイミングをまとめてみました。 VDNでは酒精強化が行われることで、ワイン酵母が活動できなくなりアルコール発酵はこのタイミングで止まります(このことを、 Mutage ミュタージュ といいます)。甘味を残すために醗酵を途中で止めるという製法は、一般的な甘口ワインと同様です(ただし、一般の甘口ワインでは、発酵を止めるための方法としてアルコール添加は行いません)。 このことから、VDNの「天然の糖から造られた 甘口ワイン 」というネーミングが何となく関連付けられます。 一方で、VDLは基本的に、ブドウジュースにアルコールを加えただけの飲み物です。ワインの定義を「ブドウの果汁を発酵させたアルコール飲料」とすると、ワインと言えるかどうかも怪しいです。むしろ、蒸留酒に風味成分や甘味を加えるリキュールに近い製法です。 これが理由ではありませんが、VDLの名前に リキュール が含まれていると、...

ナパヴァレーAVA(カリフォルニア)の覚え方を正攻法で考える

 ワイン学習において、ナパヴァレーAVAの暗記は難関だと思います。 いままで語呂合わせによる覚え方などを考えてきましたが、今回は正攻法による覚え方を考えてみたいと思います。 まず、ナパヴァレーの位置ですが、ナパ郡の西部の広い範囲に位置しています。そして、ソノマ郡とソラノ郡に挟まれたやや内陸に位置しています。 東西を、ヴァカ山脈とマヤカマス山脈に挟まれているために、東のセントラルヴァレーからの暖かい空気や、太平洋からの冷たい空気から守られています。 しかし南部はサン・パブロ湾に面しているために、ここからの冷たい海風や霧の影響を受けています。また、北部の一部も山脈が少しだけ途切れているために、ソノマ郡からやってくる涼しい空気の影響もやや受けます。 さて、ここから本題のナパヴァレーのAVAに関してです。 ナパヴァレーには、この地域全体をカバーするNapa Valley AVAと、その中に16の小地域のAVAが含まれています。覚えるのが難しいAVAは、この16の小地域のAVAです。 主だったAVAは、下の図のように、山の斜面と、谷底の川の近くに、南北に並んでいます。 数あるものを覚えるための1つの方法としては、それぞれの要素をグルーピングすることだと思います。 そこで、これらのAVAを、まずは山の斜面にあるもの(緑色)と、谷間にあるもの(無色)に分けてみたいと思います。 緑色のAVAではほとんどの畑が霧の冷涼効果を受けないフォグライン(Fog line)よりも高い標高に位置しています。一方で、無色のAVAの畑は霧の影響を受けるフォグラインよりも標高の低い場所に位置しています。 そして、次にサン・パブロ湾からの冷たい風と霧の影響を受ける度合によって、谷間のAVAを3つのグループに分けようと思います。南に位置するAVAほどその影響は大きく、北に位置するAVAほどその影響は小さくなります。 下図の青い地域は湾からの影響を大きく受け涼しい地域であり、赤い地域は湾からの影響はほとんどなく暖かい地域です。そして黄色はその中間くらいです。 谷間の南部のAVA まずは、谷間のAVAのうち、もっともサン・パブロ湾に近い地域にある3つのAVAです。 ・ロス・カーネロス(Los Carneros) ・クームズヴィル(Coombsville) ・オーク・ノール・ディストリクト(Oak Kn...

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

スパークリング・ワインの残糖量の表示の覚え方(新)【語呂合わせ】

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ワインの原産地統制名称 - AOC、AOP、PDOのざっくり整理

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