以前の記事(記事:WSET Diploma D1受講の感想① ~オンライン受講の流れ~)では説明を割愛していましたが、D1の5週目には「フィードバックテスト」が用意されていました。1週目~4週目までにD1のテキストブックの全ての範囲が終わるので、フィードバックテストは総仕上げという位置づけです。
フィードバックテストは簡単に言うと、D1認定試験の模擬テストです。実際の試験に出題されそうな問題が、同じような時間・採点配分で提供されました(D1の本試験は、理論試験90分のみですが、その通りの内容でした)。
本試験との大きな違いは、本試験は紙の答案用紙に書き込むのに対して、フィードバックテストはオンラインプラットフォーム上にパソコンで書き込むことくらいです。
数問用意されている各設問にはポイントが配分され、合計配点は100満点でした。D1本試験の合格ラインは55%ですので、単純計算をするとフィードバックテストで55点が取れれば、本試験でも合格ができるだけの実力があることになります。
フィードバックテストは、その週のうちに1度だけ挑戦が可能で、担当講師から個別に採点とコメントをしてもらえる貴重な機会でした。これは「独学」にはない大きなメリットだと思いました。
理論試験回答のためのガイドライン
WSETの記述試験には独自の回答ルールがあります。
基本的には与えられた質問に対して、白紙の答案用紙にひたすら文章を書きこんでいく形式なのですが、質問文から「何を問われているのか?」を把握することが非常に重要です。
そして「何を問われているのか?」を判別するための要素が、質問文で使われている「動詞」です。
これは以前の記事に書いたような内容です。(関連記事:WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!?)
そして問われたことに対して、「どのような要素を回答する必要があるのか?」についても理解をしておくことが重要です。
オンラインプラットフォームにはこのような理論試験のガイダンスをまとめた「Theory
Guidance」という資料が用意されていたので、フィードバックテストに挑戦をするにあたってこの資料をしっかりと読み込みました。
Diplomaプログラムは、テキストブック以外にもしっかりと読み込むべき資料がいくつかあるので、日ごろから英文の読み込みに慣れていないと結構大変です。
フィードバックテストを受けての感想
フィードバックテストは本試験で得点をとることの大変さをとてもよく教えてくれました。
「~を定義せよ」や「~を3つ列挙せよ」などの単純回答の問題は比較的得点を重ねやすいのですが、「~説明せよ」のような説明を求められる問題(説明系の問題)では半分の得点を取るだけでも至難の業です。
説明系の問題では、それを説明するための全ての要素と、それぞれの要素の詳しい説明が必要なのですが、「全ての要素の列挙」と「各要素の詳しい説明」のどちらを怠っても大きく減点がされてされてしまいます。
例えば、「ブドウ栽培において温度が引き起こす影響」に関する説明を求められた場合、「ブドウの成熟」や「糖分の生成」や「香りやタンニンの成熟」が真っ先に思い浮かびますが、「開花」、「結実」、「日焼け」、「酸味」などへの言及や詳しい説明が無ければ大きな減点要素となったりします。
さらに難しいことに、説明系の問題で問われることはテキストブックにまとまって書かれていることが少ないために、テキストブックを熟読して自分なりに関連する要素をしっかりと理解しておくことが求められます。
Diplomaはレベル3試験のようには簡単にいかないことを教えてくれる模擬テストでした。