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発酵温度によるワインスタイルの違いのまとめ

マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>

「WSET Level 4 Diploma in Wines(通称、ディプロマ)」について調べてみました

WSETの最高学位であるDiploma(Level 4)について調べてみました。

私は「学習も受験も全て英語で、2年くらいかかる」というのはよく聞いていましたが、内容はずっと謎のままでした。

そこで調べて分かったことをまとめてみようと思います。



申し込み


まず、日本からの申し込みは、2020年現在、キャプランワインアカデミーからしかできないようです。

日本以外からの申し込みであれば、ロンドン校に直接通うなどの方法があるようですが、これは私にとっては無理なのであまり詳しくは調べませんでした。



申し込みの種類


日本からの申し込みの場合、次の2つの申し込みの種類あるようです。

① WSET Level4 Diploma in Wines Online Course(オンラインコース

② Tutorial Programmeのみ(独学コース


①は、いわゆる「オンラインコース」。②は「独学コース」です。

Tutorial ProgrammeというのはDiplomaを受験するにあたって必要なテイスティングテクニックを教えてもらえる2日間のプログラムのようです。これは「オンラインコース」と「独学コース」のどちらの場合にも受講が必須となっているようです。Tutorial Programmeは日本の場合は、キャプランワインアカデミーで開催されています。

「独学コース」の場合は、これだけ受けてもらったらあとは独学で勉強をして、勝手に認定試験を受けてください、というスタンスのようです。



費用


① オンラインコースの場合=約40万円くらい(初期費用のみ)
・登録料、2年間オンライン受講料、D1受験料、Tutorial Programme受講料が含まれます

② 独学コースの場合=約15万円くらい(初期費用のみ)
・登録料、D1受験料、Tutorial Programme受講料が含まれます


「登録料」にはテキスト代も含まれているため、登録後にはテキストを参照することができ、独学でもDiplomaの勉強を開始できることになります。

「D1受験料」とは、Diplomaの勉強を始めたらまず初めに受験しなければならない科目であるD1の受験料のことです。したがって、Diplomaの学習は、まず「D1(Wine Production)」から開始することになります。D1の試験は、「Tutorial Programme」の初日に設定されています。

そして、①と②の差額の約35万円が「2年間オンライン受講料」ということになります。

重要なのは、これはあくまで初期費用であり、それ以外に必ずかかる「D2~D6の5つの認定試験の受験費用」は含まれていないということです。D2~D6の認定試験にかかる費用はおよそ20万円です。

これらを含めて考えるとDiploma取得までには最低でも、オンラインコースの場合は60万円、独学の場合でも35万円がかかるという計算になります。

実際にはこれ以外にも、「テイスティング学習のためのワイン代」や「参考書代」などがかかるため、費用はさらにかかるはずです。



科目(Unit)構成



Diplomaは次のような6つのUnitから構成されます。()は認定試験の形式です。

D1: Wine Production (90min 筆記)

D2: Wine Business (60min 筆記)

D3: Wines of the world (3h20min 筆記 + 3h ブラインドテイスティング)

D4: Sparkling wines (1.5h 筆記+ブラインドテイスティング)

D5: Fortified wines (1.5h 筆記+ブラインドテイスティング)

D6: Research Assignment (※試験なし - リサーチレポート提出)


昔は、「WSET Level4 Diploma in Wines and Spirits」という名称で、ワイン以外のアルコールも範囲に含まれていたようですが、今は「WSET Level4 Diploma in Wines」という名称に変わり、範囲はワインのみに限られています。

これら全てのUnitoの認定試験に合格をして、初めてDiplomaの学位が取得できます。

Level3では1回の試験に合格すれば学位がもらえましたが、Diplomaでは5つの試験とD6のレポート提出が必要となり、かなりボリュームが多いことがわかります。





スケジュール(オンラインコースの場合)



6月開始のオンラインコースの場合、各Unitは次のようなスケジュールで進められるようです。(6月開始の場合の申し込み期限は5月半ばです)

年に2回募集をしているようなので、1月開始の場合は、このスケジュールが半年分ずれる形になると思われます。(この場合、申し込み期限は12月半ばになるはずです)


D1、D2の学習が終わったタイミングで、「Tutorial Programme + D1認定試験」がやってきます。これは、APP(日本の場合はキャプラン)の会場で2日間に渡って実施されるセッションで、1日目の前半にD1認定試験が行われ、残りの時間でTutorial Programme が行われる形式のようです。

Tutorial Programmeとは、受講者がAPPからディプロマ試験全体像と、理論・テイスティング試験への取り組み方の説明を受けるセッションです。本来、一番初めに実施されると分かりやすいものだと思うのですが、遠方からプログラムに参加をする人のことも考えて、APPに来場する回数を最小限に抑えるためにD1認定試験と同じタイミングで実施が計画されているのだと思います。


D6 Unitのレポート提出は毎年1月と、7月が締め切りとなっているようです。

下のチャートでは2年目の1月と7月にD6の締め切りがプロットされていますが、それぞれのレポートのテーマは1年目の8月1日に発表される形式のようです。そして、1月提出分と、7月提出分はそれぞれテーマが異なり、7月分のテーマを1月に提出することはできないようです。

また1年目と同様に、2年目の8月1日には、3年目の1月、7月が提出期限のレポートのテーマがそれぞれ発表されるようです。最短での合格を目指す人は2年目の1月もしくは7月の提出を目指してD6に取り組むようなのですが、そうではない人は2年目の8月1日までテーマの発表を待って、3年目の1月もしくは7月の提出を目指すようです。

調べていて少し分かりにくかったのですが、D6のレポートはどこかのタイミングで1回提出をして合格をもらえば良いようなので、例えば最早で2年目の1月に提出をして合格をもらった人は、それ以降D6に取り組む必要は無いようです。


D2~D5の認定試験は年に2回ほど設定されており、キャプランワインアカデミーのウェブサイトで適宜日程が公表されます。認定試験は同校で開催されているようです。D1以外の認定試験のタイミングは個々人にまかされているようで、受講者は準備ができた段階で個別に認定試験に申し込みをしていくようです。





どのように認定試験を受けていくかでDiploma取得までの期間は変わってくると思うのですが、取得までの最短期間は18ヵ月と言われています。


オンラインコースの場合は、「D1→D2→D4→D5→D3」の順番に学習を進めていきますが、独学の場合は特に学習の順番に制約はないようです。ただし、D1の試験日程は決まっているので、多くの人がD1から学習を始めるのだと思います。

独学コースの場合の申し込み期限は、Tutorial Programmeの日程の直前のようです(上の図の場合は9月)。



認定試験を受ける順番については、最初にD1を受けること以外は特に制約はないようです。これは、オンラインコースの場合でも、独学の場合でも同じ条件であるようです。

各ユニットの試験の結果は試験日から10週間後(D6のみ12週間後)に報告されるようですので、それも考慮に入れながら、どのような順番で認定試験を受けていくのかの計画を立てていく必要がありそうです。



オンラインコースの内容


オンラインコースでは毎週決められた学習が割り振られ、次のような内容が含まれるようです。毎週の所要時間はテキストブックの読み込みを除いて数時間程度のようですが、英語が得意でない場合はかなりの時間がかかってしまうようです。

・テキストブックの読み込み

・個人ワーク

・グループワーク

・テイスティング

・練習問題


授業のライブ配信などが行われることはなく、基本的にはウェブ上のフォーラムに、出題された課題に対する回答や、テイスティングノートをアップロードしていく形のようです。

テイスティングのワインは全て自前でそろえなければならないので、それなりの予算は確保をしておいた方が良さそうです。WSETの場合、味わうワインのレベルは幅広いので、良いワインにはそれなりの費用がかかります。

テースティングノートに対するフィードバックは担当の講師からもらえるようです。しかし、スクール通いとは異なり同じワインを味わうわけではないので、甘味、酸味の程度などの細かい正解はもらうことができないようです。







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チリの主要ワイン産地(リージョン)の覚え方【語呂合わせ】

チリの主要ワイン産地の覚え方を考えました。 チリの産地には、「リージョン」→「サブリージョン」→「ゾーン」→「エリア」の4つの階層がありますが、今回は最上位階層である「リージョン」についてです。 北から、「アタカマ」、「コキンボ」、「アコンカグア」、「セントラル」、「スール」、「アウストラル」の6つのリージョンがあります。 「チリチリ (チリ) あたまに (アタカマ) コキン (コキンボ) あかん! (アコンカグア) センター (セントラル) スルーで (スール) アウトとれん (アウストラル)」 と覚えます。 チリの産地は、アルゼンチンの産地と混同しがちなので注意が必要だと思います。

EUの甘味(残糖量)を表すラベル表示用語とその覚え方【語呂合わせなど】

EU内で生産される/EU内で販売するために生産される発泡性ワイン には、 甘味に関するラベル表示用語(Labelling term) が規定されています。 「Brut Nature」から「Doux」までの7段階 があり、それぞれに対して残糖量の範囲が決まっているのですが、これを覚えるのはなかなか大変です。 WSET L3 では、テキストに「試験では、ブリュット・ナチュール(Brut Nature)、ブリュット(Brut)、ドゥミ・セック(Demi-Sec)の用語と、それぞれの甘味のレベルに関する知識があれば十分である。」と丁寧に書かれているので、この3つだけを覚えれば十分で、暗記はそれほど大変ではありませんでした。 しかし、 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験 では、細かい部分も出題される可能性があり、全ての用語と残糖量の範囲を試行錯誤を重ねて何とか覚えました。 (関連記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) (関連記事: スパークリング・ワインの残糖量の表示の覚え方(新) ) その方法は次の①~④の通りです。 ------------------------------------------------------------- <発泡性ワインの甘味を表すEUのラベル表示用語> <覚え方> ①カテゴリ分けをする ・まず、7段階の表示を、Brut、Sec、Douxに分けて、それぞれ3つ、3つ、1つと覚えました。 ②Brutを覚える ・Brutが 最も残糖量の少ないカテゴリー であることを覚えました。「 Brut=untreated(未加工の)≒糖の添加を極力行わない 」と考えると容易に覚えられました。 ・ Brut Nature、Extra Brut、Brut の3つの表示用語があることを覚えました。 Nature(自然のままの)、Extra(格外の) という意味を考えると覚えるのは容易でした。 ・Brutの 最低残糖量は全て「0」 であることを覚えました。 ・Brut Natureの最大残糖量が「3」であることを覚えました。Natureには「生まれたままの」という意味があるので、「 3つ子の魂100まで

ブドウに含まれる主な酸とその英語名(リンゴ酸、酒石酸、クエン酸)

ブドウに含まれる主な酸は、「 リンゴ酸 」「 酒石酸 」「 クエン酸 」の3つです。 そのうち「リンゴ酸」「酒石酸」の2つでブドウの持つ酸の90%を占め、クエン酸は酒石酸の約20分の1と少量しか含まれません。 リンゴ酸 は英語で、「 malic acid 」。 「malic」は、ラテン語で リンゴ を表す「malus」に由来する言葉で、また英語では「Malus」は リンゴ属 を表します。 リンゴ酸という名前は、この酸が最初にリンゴから見つかったことに由来するそうです。 リンゴ酸は非常にシャープな酸味を持ちますが、マロラクティック発酵(malo-lactic fermentation)を経ることで、より酸味の弱い乳酸に変えられます。 リンゴ酸はブドウのエネルギー源として消費されるため、その量はブドウが成熟するにつれて減るようです。 一方、 酒石酸 は英語で、「 tartaric acid 」。 英語で「tartar」は 酒石 を意味します ワインの樽に沈殿としてたまる酒石がその名前の由来のようです。 酒石酸はブドウで多く見つかりますが、それ以外にもバナナや柑橘類などのフルーツにも含まれるそうです。 酒石酸は糖の合成の副産物として生成されるため、ブドウが成熟するにつれてその割合は増えるようです。 酒石酸は、ほとんどの最終製品としてのワインで見つかる主要な酸となります。 クエン酸 は英語で、「 citric acid 」。 柑橘類(citrus) に多く含まれる酸のためにこの名前が付いたようです。 ちなみに、クエンとは漢字で書くと「 枸櫞 」。枸櫞とはミカン科ミカン属の常緑低木樹のことのようです。 資格試験でもブドウ由来を問われることがありますが、このうち要注意なのは「 酒石酸 (tartaric acid)」です。 「リンゴ酸(malic acid)」と「クエン酸citric acid」はフルーツの名前に由来するので、ブドウに含まれることは何となく想像できるのですが、「酒石酸」はついつい醸造過程で生成される酸と勘違いしてしまいそうです。

発酵温度によるワインスタイルの違いのまとめ

マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>

図解!赤ワインの製法から考える「ロゼワイン」の3通りの製法

  ロゼワインの製法と言えば、 「セニエ法」 、 「直接圧搾法」 、 「混醸法」 、 「ブレンド法」 などが有名です。 JSAワインエキスパートの試験対策で学んだときは、これら4つの方法を暗記したのですが、それぞれの関係性や違いなどまで、あまり深く理解をできませんでした。 そこで、WSETを学んだ後に、ロゼワインの製法について自分なりに納得のいく整理をしてみました。 WSETでは、ロゼワインの製法として、主に 3つの製法 が紹介されています。 「直接圧搾法」 、 「短期間のマセラシオン法」 、 「ブレンド法」 の3つです。 個人的には、ロゼワインの製法は、赤ワインの製法の派生ではないかと思っています。そして、これらのロゼワインの製法の違いは、赤ワインの製法プロセスのどの時点で派生している(ロゼワインの原料となる果汁 or ワインを抜き出している)かの違いなのではないかと考えました。 そこで、 「どの段階で、ブドウジュースやワインを抜き出すか」 に焦点を絞って、それぞれの製法をまとめてみました。それを表したのが下の図です。 直接圧搾法 「直接圧搾法」 では、 マセラシオンの前 にロゼジュースを抜き出すのが特徴です。 マセラシオンの前にロゼジュースを抜き出しているので、この製法では色が薄めになることが特徴です。 ちなみに、 房のままのブドウ を使ったり、 一部に白ブドウを加える バリエーションもあるようです。 そのため、先述の「混醸法」は、「直接圧搾法」のバリエーションとして扱えるのではないかと考えています。 短期間のマセラシオン法 「短期間のマセラシオン法」では、 マセラシオン~アルコール発酵の間のどこか でロゼジュース/ワインを抜き出すのが特徴です。 一定のマセラシオン処理を経るために、直接圧搾法に比べて、色が濃く、香りが強めにでることが特徴のようです。 マセラシオン~アルコール発酵のどの段階でジュース/ワインを抜き出すかによって、色の濃さや香り、味わいが変化をするそうです。 類似の方法として、 「セニエ法」 がありますが、これは「短期のマセラシオン法」のバリエーションの1つではないかと考えます。 セニエ法では、ロゼワインは赤ワインを濃縮するための副産物をして製造されます。 ブレンド法 ブレンド法は、出来上がった赤ワインを白ワインに混ぜてロゼワインを造る製法です。も

WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト

資格試験合格のコツは、 出題される問題の傾向を調べて、その対策を意識しながら学習を進めること だと思います。 J.S.A.ワインエキスパート の受験勉強をしたときは、様々なウェブサイトや書籍で過去問が公開されていたので、いち早くそれらを手に入れて早めに対策を進めることができました。 (参考記事: JSAワインエキスパート試験6ヵ月(半年)集中勉強法 ) WSETレベル3 の場合、それは大きな課題でした。 なぜなら、WSETは 過去問の公開や口外が禁止されており 、実際に出題された問題や、試験問題のサンプルを公開しているウェブサイトや書籍がほとんどなかった ためです。 しかし、世界的なプログラムであるWSETの良いところは、世界中に情報ソースが散らばっているところ! その数は多くはありませんが、英語で検索をするといくつか本試験問題を把握する上で参考となるサイトが見つかります。 私が見つけて参考にしたウェブサイトのいくつかを紹介したいと思います。 <WSETレベル3の試験問題を知るために参考にしたウェブサイト> https://www.dallaswinecenter.com/short-answer-question-mosel/ *記述式試験サンプル問題です。 http://www.phillywine.com/wset/advanced/acexam.html *記述式試験サンプル問題です。 https://fromgrapestowine.wordpress.com/2013/11/19/wine-spirits-education-trust-wset-level-3-model-de-examen/ *記述式試験サンプル問題です。 https://www.thirtyfifty.co.uk/WSET-L3-Exam-Questions.asp *email登録で一部「Viticulture (Vine-growing) Questions」が無料で参照できます。 *有料登録をすると記述式、選択式の問題がかなり入手できるのでおすすめです。 https://www.finevintageltd.com/contentmanager/file/PRACTICE%20QUESTIONS/