赤ワインの製造には、 「房ごとのブドウを用いた発酵手法」 が用いられることがあります。 「房ごとのブドウを用いた発酵手法」を用いると次のような特徴を持ったワインが製造されると言われています: ① 嫌気性の反応(ブドウの細胞内の発酵)が起こるためにキルシュやバナナ、風船ガム、シナモンのような独特な香りが加えられる ② 嫌気性の反応(ブドウの細胞内の発酵)によりリンゴ酸が消費されて酸味が抑えられる ③ 嫌気性の反応(ブドウの細胞内の発酵)によりグリセロールが生成されてワインに質感が加えられる ④ 茎由来のスパイスやハーブの香りがワインに加えられる ⑤ 茎由来のタンニンがワインに加えられる ちなみに、 『マセラシオン・カルボニック』 も「房ごとのブドウを用いた発酵手法」の1つです。マセラシオン・カルボニックで製造されたワインは次のような特徴を持っていると言われています: Ⓐ 品種由来の香りに加えて、キルシュやバナナ、風船ガム、シナモンのような独特な香りを持つ Ⓑ フルーティーでタンニンが少なく、早飲みスタイルのワインを造る ここで1つ疑問が発生します。上にあげた特徴の⑤とⒷは明らかに矛盾しているような気がします。 「房ごとのブドウを用いた発酵手法」を用いると茎の存在のためにより多くのタンニンが抽出されるはずなのに、マセラシオン・カルボニックではタンニンが少ないワインができると言われています。 一見、矛盾に思われるこの特徴の違いがなぜ表れるのかを、一般的な「房ごとのブドウを用いた発酵手法」と「マセラシオン・カルボニック」の工程を比べることで調べてみました。 まず、 「房ごとのブドウを用いた発酵手法」 としてよく用いられる、破砕したブドウマストに房ごとのブドウを加えて発酵させる手法の工程をしたにまとめてみました。 この工程では、果皮や種子に加えて茎もマストに加えられてマセレーション~アルコール発酵が行われています。 タンニンはアルコールに溶けやすい性質を持っているために、発酵によってアルコールが生成されることで、果皮や種子、そして茎から多くのタンニンがマスト内に溶け出します。 これが「房ごとのブドウを用いた発酵手法」において、茎由来のタンニンが抽出される理由です。 では次に、 「マセラシオン・カルボニック」 における流れを見てみたいと思います。下にマセラシオン・カルボニック
アルゼンチンの主要ワイン産地の覚え方を考えてみました。
アルゼンチンのワイン産地は、「北部」、「クージョ」、「パタゴニア」の3つの「地方」に分かれており、それぞれの「地方」に行政区画である「州」が含まれています。
地図をみると、主要なワイン産地の全てがアンデス山脈のふもとにあるのが特徴です。
アルゼンチンは、チリのように海風による冷却効果が得られないため、特に緯度の低い暑い地域では、標高による冷涼効果を得ています。
主要産地としては、サルタ州(北部地方)、ラ・リオハ州、サン・ファン州、メンドーサ州(クージョ地方)、ネウケン州、リオ・ネグロ州(パタゴニア地方)の6つを取り上げました。
このうち、ワインの生産量の多い州のトップ3は全てクージョ地方に位置しています。
・メンドーサ州(1位)
・サン・ファン州(2位)
・ラ・リオハ州(3位)
ちなみに4位には、トロンテスで有名な北部地方のサルタ州が続きます。