ワイン資格の勉強を始めてから5年目になりますが、テイスティング練習を通して様々なワインを味わってきました。
始めのうちはワインスクールに通って用意されているワインを味わうだけでしたが、最近は、自分でワインを選んでワインを味わうようになりました。しかし、私にとってのワインはあくまでも趣味なので、それほど高いワインは買えません。そのため私が選ぶ商品は、あるテーマに沿ったワインの中で、最も価格の安い部類のものがほとんどです。
しかし、そんなワインの中でも、時々、「とてもおいしい!」と驚くワインに出会います。そんな、ワイン受験生が出会った、おすすめのワインを紹介したいと思います。
今回のワインは「E.ギガル エルミタージュ ルージュ 2009 」です。
フランスは北ローヌのシラー種から造られる、「エルミタージュAOC」の赤ワインです。
エルミタージュでは、ルーサンヌ・マルサンヌとの混醸が15%まで認められていますが、このワインは100%シラー種から造られています。
北ローヌのシラーワインを選ぶ場合に、コスパ重視の私はずっと「クローズ・エルミタージュAOC」のワインばかり選んできました。クローズエルミタージュは、栽培面積が広く、機械作業が可能な平地も多く、比較的お手頃な価格でシラーワインが手に入ります。しかしその反面、栽培環境は北ローヌの他のAOCよりも劣ると言われており、ワインの品質は少し下がります。
そんな、クローズ・エルミタージュのお手頃価格のワインばかり飲んできた私にとって、北ローヌのシラーの印象は、「パワフルだけど、果実やタンニンが未熟で、口当たりの良くないワイン」でした。
しかし、このエルミタージュ・ルージュを飲んで、その印象は一掃されました!
まず香りは、強い成熟した赤系果実と黒系果実の香りが漂います。シラーと言えば一般的に黒系果実の香りが中心と言われますが、このワインからは赤系果実の華やかな香りも感じられます。
さらに、しっかりとした果実の香りとバランスをとるように、甘いヴァニラのような樽香が加えられています。フランスらしいとてもデザートを思わせるような、エレガントな樽の香りです。
味わいはしっかりとした果実味が感じられ、高いレベルの酸味やタンニンと良いバランスを形成しています。タンニンは十分に成熟しており、クローズ・エルミタージュで感じたような、未熟な渋いタンニンは感じられません。
「クローズ・エルミタージュ」と「エルミタージュ」は隣り合った場所に位置しており、名前も非常に似通っていますが、全く異なる種類のワインではないかと思うくらい、エルミタージュワインの品質の高さに驚きました。
「エルミタージュAOC」は、栽培面積も小さく、南向きの急斜面のため機械作業ができず、販売価格は「クローズ・エルミタージュ」よりもかなり高い価格となります。
私が購入したこのワインは、ハーフボトル(375ml)で、4000円程度でした。4000円を超えるワインは一般的にも、私にとってもかなり高い部類のワインです。しかも、ハーフボトルで4千円越えとは!
価格はやや高めですが、きっと一度味わえば、北ローヌのシラーの印象が変わるようなワインだと思います。