マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>
WSET L3のテキストを読んでいると、香り用語の中に「herbal」と「herbaceous」というよく似た言葉が出てきます。
herbalは「ハーブの」、herbaceousは「草の」という言葉で訳されています。
「ハーブの」を表す herbal (もしくは herb) で形容されているブドウ品種は、イタリア系品種(Friulano, Nebbiolo, Dolcetto, Carmenère, Sangioveseなど)やViuraなどです。
一方で、「草の」を表す herbaceous で形容されているブドウ品種は、Cabernet Franc, Sauvignon Blanc ,Cabernet Sauvignonなどです。
WSETのテースティングツールであるSATでは、香りを表す用語ととして herbal と herbaceousは明確に区別されており、
herbal「ハーブの」には、
・eucalyptus(ユーカリ)
・mint(ミント)
・medicinal(薬)
・lavender(ラベンダー)
・fennel(フェンネル)
・dill(ディル)
が含まれる一方で、
herbaceous「草の」には、
・green bell pepper [capsicum](青ピーマン[トウガラシ])
・grass(芝)
・tomato leaf(トマトの葉)
・asparagus(アスパラガス)
・blackcurrant leaf(黒スグリの葉)
が含まれています。
また、熟度の低いブドウからできたワインも、herbaceous「草の」で形容されています。
これを見ると、カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランに含まれるといわれるメトキトピラジンに由来するピーマン香は、herbaceous「草の」で表現されているようです。
実際に、WSETのテキストではソーヴィニヨン(・ブラン)は次のように説明されています。
・The cool climate gives aromas and flavours of green apple and asparagus often with a hint of wet pebbles. [Sancerre and Pouilly Fume]
・The wines display powerful aromas of gooseberry, elderflower, grapefruit and passion fruit. Some may also have herbaceous notes. [Marlborough]
ソーヴィニヨン・ブランは、よく「ハーブの香り」と表現されることが多い品種ですが、WSET L3のテキストでは、ハーブの香りでは形容されている部分は一切見つけることができませんでした。
WSETを学ぶにあたって、少し注意が必要な部分かもしれません。
herbalは「ハーブの」、herbaceousは「草の」という言葉で訳されています。
「ハーブの」を表す herbal (もしくは herb) で形容されているブドウ品種は、イタリア系品種(Friulano, Nebbiolo, Dolcetto, Carmenère, Sangioveseなど)やViuraなどです。
一方で、「草の」を表す herbaceous で形容されているブドウ品種は、Cabernet Franc, Sauvignon Blanc ,Cabernet Sauvignonなどです。
WSETのテースティングツールであるSATでは、香りを表す用語ととして herbal と herbaceousは明確に区別されており、
herbal「ハーブの」には、
・eucalyptus(ユーカリ)
・mint(ミント)
・medicinal(薬)
・lavender(ラベンダー)
・fennel(フェンネル)
・dill(ディル)
が含まれる一方で、
herbaceous「草の」には、
・green bell pepper [capsicum](青ピーマン[トウガラシ])
・grass(芝)
・tomato leaf(トマトの葉)
・asparagus(アスパラガス)
・blackcurrant leaf(黒スグリの葉)
が含まれています。
また、熟度の低いブドウからできたワインも、herbaceous「草の」で形容されています。
これを見ると、カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランに含まれるといわれるメトキトピラジンに由来するピーマン香は、herbaceous「草の」で表現されているようです。
実際に、WSETのテキストではソーヴィニヨン(・ブラン)は次のように説明されています。
・The cool climate gives aromas and flavours of green apple and asparagus often with a hint of wet pebbles. [Sancerre and Pouilly Fume]
・The wines display powerful aromas of gooseberry, elderflower, grapefruit and passion fruit. Some may also have herbaceous notes. [Marlborough]
どれも、herbaceous に含まれる香り表現で、herbal の香り表現は含まれていません。
しかし、一方で、JSA試験では herbal と herbaceous が少し混同されて使われているような気がします。
実際にJSA教本に次のような記述がありました:
” ワインは、パッションフルーツやグアバなどトロピカルフルーツの香味に、清涼感のあるカット・グラス(青草)やハーベイシャス(ハーブのよう)な香りが調和したもので、真新しいスタイルだった。」この「トロピカル・フルーツとハーベイシャス」のアロマのコンビネーションが、2000年代前半まで「ニュージーランド・ソーヴィニヨン・ブラン」の代名詞として、産業を大きく発展させる原動力となった。”
WSETを学ぶにあたって、少し注意が必要な部分かもしれません。