マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>
ワインの書籍を読んでいると、「カビ」を表す用語やそれに関連する用語が様々でてきます。
まず、はじめに「fungus」。これはカビが属している「菌類」を表す単語です。複数形は「fungi」と不規則な変化をする単語です。
fungas(菌類)には、カビだけではなく、アルコール発酵を助ける「yeast」(酵母)も含まれます。
酵母のうち、ワインの発酵を主に行う酵母は、Saccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレヴィシエ)と呼ばれています。スペルが長くて覚えるのが大変な名前です。この名称はラテン語に由来し、Saccharo は sugar(糖)、myces は mold/fungus(カビ/菌類)、そして、cerevisiae は of beer(ビールの) という意味があるそうです。合わせると、ビールのための砂糖カビといったところでしょうか。
実際に、ワインの発酵だけではなく、ビールやパンの発酵にも使われているそうです。酵母などから構成される澱に一定期間浸す製法であるシュール・リーで造られたワインが、パンの香りを持つのもこのためだと思われます。
次に、今度はカビそのものを表す英単語である「mildew」と「mold(米) / mould(英)」です。
両者ともにカビという意味ですが、mildewは主に白いカビを表すのに対して、moldは青や緑色のカビを指すようです。
ブドウの病気で知られる、白カビが原因のベト病の英語名は Downy mildew、白色の粉状の胞子が表れるウドンコ病の英語名は Powdery mildew です。
一方で、ボトリティス・シネレア菌(botrytis cinerea)が原因の灰色カビ病の英語名は、gray mold (gray rot) でこちらは白いカビではないために mold/mould と名付けられているようです。
<ブドウの菌類病のまとめ>
上の説明に登場した、「ウドンコ病」、「ベト病」、「灰色カビ病」の詳細です。
これらに加えて、日本では「晩腐病」がブドウに大きな被害を与えています。
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ウドンコ病
(Powdery mildew = Oidium オイディウム)
・it
is introduced into Europe from North America
in the 1850s.
・if
affected, grapes lose
their fruity flavours and can give the wine a mouldy
bitter taint.
・can
be treated with Sulfur-based spray 硫黄ベースの農薬 or Benlate ベンレート(benomyl ベノミル剤).
・canopy
management can
also reduce its risk.
ベト病 (Downy
mildew = Mildiou ミルデュ)
・it is appeared in
Europe in 1878.
・if
affected, grapes lose their fruity flavours
and can give the wine a mouldy bitter taint.
・can
be treated with Bordeaux mixture ボルドー液 (a
copper-based spray
銅ベースの農薬)
or canopy management.
・canopy
management can also reduce its risk.
灰色カビ病 (Grey
rot = Pourriture grise プリテュール・グリーズ)
・caused
by Botrytis
cinerea ボトリティス・シネレア菌.
・it
can taint grape flavours
and lead to colour loss in black grapes.
・it
helps to produce some of the finest sweet
wines (noble rot 貴腐).
・can
be treated with iprodione イプロジオン水和剤.
・canopy
management can also reduce its risk.
晩腐病 (Ripe rot)
・caused
most damage in Japan.
・can
be treated with Benlate ベンレート(benomyl ベノミル剤).
<ブドウのウイルス病のまとめ>
カビなどの菌類以外にも、ブドウ樹はさまざまなウイルス病にかかります。ウイルスは非常に感染力が強く、挿し木や線虫(nematodes)によって広がります。
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・examples
of virus disease are Grapevine leafroll disease (葉巻病),
fleck disease (フレック), corky bark disease (コーキーバーク).
・they
can dramatically reduce yield and quality.
・no
treatments or cures. Viruses can only be
eradicated by digging up the vines and sanitising the land.
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