ロワール地方のアンジュ&ソミュール地区は、ロゼワインの製造で有名な地域です。 この地域で造られる主要なロゼワインと言えば次の3つです: ・ロゼ・ド・ロワール(Rosé de Loire) ・ロゼ・ダンジュ(Rosé d’Anjou) ・カベルネ・ダンジュ(Cabernet d’Anjou) この3つのロゼワインの特徴を簡単にまとめてみました。 使用されるブドウ品種 まず、試用されるブドウ品種ですが、それぞれに違いがあります。 ロゼ・ド・ロワール ではさまざまな黒ブドウ品種の利用が認められています。 具体的なブドウ品種をあげると、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、ガメイ、グロロー、コット(マルベック)、ピノノワール、ピノドニスです。 これはもしかしたら、ロゼ・ド・ロワールが他のロゼと比べて、製造範囲が広域であることと関係しているのかもしれません。 ロゼ・ダンジュ では、主に グロロー(grolleau) という黒ブドウ品種が使用されます。 このブドウ品種は、ロワール地方で栽培される主要ブドウ品種の1つであり、その名は黒色に近い見た目から、フランス語でカラスを表す「grolle」に由来しているのだとか。 しかし、特徴や凝縮感に欠けるため、赤ワインの製造には適しておらず、AOCワインとしては主にロゼワインの製造に用いられているようです。 アンジュを代表するロゼワインは、ロワールを代表する品種の1つであるグロローから造られています。 そして最後に、 カベルネ・ダンジュ は、その名の通り「カベルネ」を冠する2種類のブドウである カベルネフラン と カベルネソーヴィニヨン から造られています。 生産可能地域 生産地域の中心は、どのロゼワインも アンジュ&ソミュール 地域です。 しかし、 ロゼ・ド・ロワール のみが、アンジュ&ソミュール地域に加えて、隣のトゥーレーヌ地域でも生産は可能です。 ワインスタイル ロゼ・ド・ロワール は3つのうち、最も残糖が少なく、基本的には 辛口(ドライ) であるようです。 また、色合いは 淡く、フレッシュでフルーティー な早飲みタイプのものが多いようです。 ロゼ・ダンジュ も、ロゼ・ド・ロワールのように 淡い色合いで、フレッシュ&フルーティー ですが、一定量の残糖があるものが多く、半甘口であるようです。 カベルネ・ダンジュ は、ロゼ・...
南オーストラリア州には、いくつかの有名なワイン産地があります。これらはオーストラリアのワイン法で、地区(Region)と呼ばれるレベルのものです。(ZONE > Region > Sub-region)
広大な南オーストラリア州のうち、ワインの主要産地は南端のごく一部です。
各地区はそれぞれ独特の気候を持ち、その気候にあったブドウ品種が栽培されています。
この記事では、それぞれの地区が持つ気候の特徴と、栽培されている品種をまとめて行きたいと思います。
まず、南オーストラリア州のサイズ感ですが、下の地図をみるとよくわかります。
しかし、主要なワイン産地のうち、北端のクレアヴァレーから、南端近くのクナワラまで約500kmあり、ここに東京ー大阪間がすっぽりと収まってしまいます。
いかに広大な土地に広がっているかがよくわかります。
では、ここから主要産地の場所と、気候特徴、主要品種を見ていきたいと思います。
一気に箇条書きにまとめてみました。
① クレア・ヴァレー(Region; 地区)
- 温暖な気候
- 冷涼な風と夜間の気温の低下による緩和効果がある
- 昼夜の気温差によって、果実の成熟が遅くなり、酸味が保持される
- 尾根/丘と谷が連続しており、
- ⇒ 標高の高い地域で、リースリングなどが栽培さる
- ⇒ 標高の低い地域で、シラーズやカベルネソーヴィニヨンが栽培される
② リヴァーランド(Region; 地区)
- 暑い大陸性気候(川や海からの若干の冷却効果あり)
- グレートディヴァイディング山脈の影響で雨が少ない
- ⇒ 大量収穫の健康的なブドウ栽培に理想的な環境
- ⇒ 低価格、大量生産ワインが製造される(GIサウス・イースタン・オーストラリアなど)
③ クナワラ(Region; 地区)
- 温和なボルドーに似た気候
- 海風と雲による気温の緩和効果あり
- テラロッサ土壌(水はけがよく、水と影響の摂取を制限する土壌)
- ⇒ 樹勢が制限され、果実の凝縮度が増す
- ⇒ カベルネソーヴィニヨン、シラーズ、シャルドネ、リースリングが栽培されている
④バロッサ・ヴァレー(Region; 地区)
- 温暖な気候(夏は暑いが、夜は涼しい)
- ほとんどの畑は平野にある
- ⇒ フルボディの赤ワインに適した環境
- ⇒ シラーズ、カベルネソーヴィニヨンが主に栽培される
- ⇒ フルボディのシャルドネやセミヨンも造られる
⑤イーデン・ヴァレー(Region; 地区)
- なだらかな丘陵地帯(ロフティ山系の一部)で、バロッサヴァレーよりも標高が高く、より涼しい気候
- ⇒ リースリングが最も多く栽培される
- ⇒ シラーズは、バロッサヴァレーよりも酸味が高く、タンニンに骨格があり、アルコールが低い
⑥マクラーレン・ヴェール(Region; 地区)
- 温暖~暑い夏
- 気温は湾やアデレードヒルズからの風で緩和される
- ⇒ 黒ブドウが収穫の90%を占めている
- ⇒ シラーズ、カベルネソーヴィニヨン、グルナッシュの栽培が多い
⑦アデレード・ヒルズ(Region; 地区)
- 冷涼~温和な海洋性気候
- 標高による冷涼効果
- ⇒ 比較的涼しいために、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、ピノノワールが多く植えられる
- ⇒ 昼夜の気温差のために酸味が保持される