タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
オーストラリアのワイン産地の緯度を確かめるために、ワイン用ブドウの栽培が可能と言われる「北緯/南緯30~50度」の線を世界地図に引いてみました。
オーストラリア本土のワイン産地のほとんどは、南緯30度から37度の間に位置していると言われています。最も涼しい場所に位置するタスマニアでさえ、南緯41度から42度に位置しています。
北緯に当てはめると、北緯30~40度の地域はスペイン南部、イタリア南部、ギリシャなどに該当するために、いかに暑い地域でブドウ栽培がおこなわれているかが分かります。
南半球の地図を見ると、南アフリカの全ての産地と、チリ・アルゼンチンの主要なワイン産地も全て南緯30~40度の比較的暑い地域に含まれていることが分かります(チリのサンチアゴは南緯33度、アルゼンチンのメンドーサは南緯32度)。
唯一、ニュージーランドの南島だけが、比較的涼しいゾーンの南緯40~50度に位置しています。北緯に当てはめると、北緯40~50度は、ヨーロッパの主要なワイン産地である、フランス、イタリア北部、スペイン北部が位置する、比較的涼しい地域です。
ちなみにアメリカで断トツの生産量を誇るカリフォルニアは、北緯30~40度に位置しており、ここも比較的暑い地域となります。
この地図を見ると、ヨーロッパ以外のニューワールドのほとんどの産地では、海風や標高の高い冷涼効果のある地域を中心にワイン産地が選ばれている理由がよくわかります。