よく特徴が似ていると言われる、カベルネソーヴィニヨン(以下、CS)とシラーズの特徴の違いを知るための品種比較テイスティングをしてみたいと思います。
今回用意をしたワインは次の4種類です:
ワイン①:Village Shiraz Yering Station 2017 (ヤラヴァレー[豪]/シラーズ)
ワイン②: Favourite Son Cabernet Sauvignon Parker Coonawarra Estate 2018(クナワラ[豪]/CS)
ワイン③:Barossa Valley Shiraz Powell & Son 2017 (バロッサヴァレー[豪]/シラーズ)
ワイン④: Decoy Limited Cabernet Sauvignon Napa Valley Duckhorn Vinyards 2018(ナパヴァレー[米]/CS)
CSとシラーズを1種類ずつでは、品種の比較としては心もとなかったために、それぞれニューワールドから2種類ずつのワインを用意しました。
外観
まずは外観の特徴の比較です。
CS、シラーズともに、濃い色のワインを造ることで有名な品種であるために、外観には品種による違いは現れませんでした。
ヤラヴァレーは色がやや薄めで、バロッサヴァレーとナパヴァレーは非常に濃い色合いという違いがありましたが、これは産地の特徴による違いだと思います。
香り
次に香りの比較です。
個人的に感じた香りの印象をイラストで表してみました。
香りについては、次のようにシラーズとCSに異なる傾向がありました。
シラーズ → 黒系果実 + スパイスの香り
CS → 黒系果実 + 植物(野菜)の香り
この傾向は、品種特徴の違いと言っても良いのかもしれません。
味わい
最後に味わいの比較です。
特に、タンニン、酸味、味わいの印象について違いを調べてみました。
結果としては、シラーズとCSの品種による顕著な違いは見つかりませんでした。
それぞれのワインでいくつか違いは現れましたが、これは産地の特徴による違いが大きいのではないかと思います。
まとめ
カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズの品種による違いが大きく表れたと感じられたのは、「香り」についてのみでした。
黒系果実 + スパイス中心 → シラーズ
黒系果実 + 青い香り → CS
このような傾向がありましたが、それでも同じ品種同士でも、「ヤラヴァレー vs バロッサヴァレー」、「クナワラ vs ナパヴァレー」では香りの印象が大きく違いました。
そのため、品種の違いを見極めることも大事ですが、「産地x品種」の組み合わせでワインの味をしっかりと把握しておくことも同様に非常に重要ではないかと思いました。