タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
バロッサ・ヴァレー(Barossa Valley)と言えば、シラーズ種のワインで有名なオーストラリアのワイン産地です。
南オーストラリア州のアデレードの近くに位置する産地です。
私はこのバロッサ・ヴァレーのラベル表記に長らく疑問を持っていました。
それは、「Barossa Valley」と書かれているものと、「Barossa」と書かれているものがあることです。
色々調べてみた結果、どうやら「Barossa Valley」と「Barossa」という異なる2つのGIが存在するためのようです。
「GI Barossa Valley (Region;地区)」は、「GI Barossa (Zone;地域)」に含まれる産地なのだとか。地図では下のように、入れ子構造になっています。
ちなみに、「Barossa Valley (Region;地区)」の東には、リースリングで有名な「Eden Valley (Region;地区)」が位置しており、これも「Barossa (Zone;地域)」に含まれます。
オーストラリアのGI構造では、ZONE(地域) > Region(地区) > Sub-region(小地区) の広さの関係があるようです。