「trellis = ブドウ棚」です。また、「(ブドウ樹を)棚付けする」という動詞としても使われます。
ブドウ棚は、ブドウ樹や毎年成長する新梢を支持するためのもので、基本的には「支柱(stake)」と「針金(wire)」から構成されます。
ブドウ棚は、「棚」という言葉が含まれますが、日本でよく見るようなブドウが頭上に位置するような棚仕立て(pergola)だけではなく、ヨーロッパでよくみられるようなブドウがそれほど高い位置にはならない垣根仕立て(vertical shoot positioning = VSP)も含まれます(ワイン用ブドウの場合はむしろこちらが主流です)。
ブドウ棚を用いるメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。
キャノピー・マネジメントとは、平たく言うと、ブドウ樹の枝葉の管理や整形です。ブドウ果実が理想的に成熟するように、枝葉の量やサイズ、形を整えることです。
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キャノピー・マネジメントには次の3つの目的があると言われています。
・ 日照量の管理
・ 葉とブドウの通気管理
・ 機械収穫(+その他スプレーなどの作業補助)
日照量の管理は主に、ブドウに届く日照の管理です。日照が多いほどブドウの成熟は早まりますが、反対に、日照が強すぎるとブドウが日焼けを起こしてしまいます。
通気管理を良くすると、湿った空気を循環させてカビなどの菌類病のリスクを削減してくれます。また、ブドウのまわりの枝葉を取り除いておくことは、果実のカビの感染の原因となるブドウが傷つくリスクも減らしてくれます。
また、ブドウの成長を支柱やワイヤーに沿わせて整えておくことは、機械による収穫を可能にしてくれます。また、殺虫剤や防カビ剤などのスプレーの噴霧作業の効率も高めてくれます。