ワインにおける「キュヴェ(Cuvée)」とは、なんとなく意味がわかりそうで、でも、意味を聞かれるとしっかりと答えるのが難しい言葉のような気がします。
そういえば、私がワインを学ぼうと思ったきっかけも、この「キュヴェ」という言葉でした。
あるとき、仕事の資料の中に「Cuvée」という言葉がでてきて、意味を調べようとさまざまサイトやブログを検索をしてみました。
しかし、どのサイトやブログの説明を見ても、いまひとつ何のことを言っているのかよくわかりませんでした。結局、ワインをある程度体系的に学ばなければ、「キュヴェ」の意味を理解できないという結論に至って、そこからワイン学習に興味を持ち始めました。
あれから数年ワインの勉強を続けて、「キュヴェ」とはこんなことを意味するのではないかと思うところをまとめてみました。あくまでも私自身の理解なので、正解かどうかはわかりません。
まず、「cuvée」という言葉は、「cuve(醸造おけ)」から由来したワイン用語で、基本的には樽やタンクに入ったひとまとまりのワインを表すようです。しかし、場合によって様々な意味に使われている言葉のようです。
ワインは上の図のように、多くの場合、異なるソース(畑、畑の区画、品種など)のワインや、異なる醸造工程を経たワインをブレンドして製造されます。そして、最終的なブレンドは、ここのボトルに瓶詰めされます。
多くの場合、キュヴェという言葉は、ワインラベルなどに「スペシャル・キュヴェ」などの形で現れます。このようなに使われる「キュヴェ」の意味するところは、瓶詰め直前のタンクや樽の中のワインのことだと思います。スペシャル・キュヴェを言い換えると、特別なワインだけでブレンドした「スペシャル・ブレンド」のような言葉になると思います。
しかし、醸造工程中にキュヴェという言葉を使う場合は、必ずしも最終的なブレンドだけを表すだけでなく、その前段階の樽やタンクにはいったワインも表すことがあると思います。
基本的には、キュヴェとはこのような意味なのではないかと思います。
シャンパーニュ醸造工程で使われる専門用語の「キュヴェ(Cuvée)」
キュヴェにはもう1つ意味があります。
こちらは意味が明確な言葉で、シャンパーニュの製造工程で使われる専門用語です。
図のようなブドウのシャンパーニュの圧搾工程で、一定量(400kg)のブドウから圧搾できる果汁の量は、2,550リットルと厳格に決められています。
このうち、自然に流れ出るフリーランジュースと最初の優しいプレスから得られる2,050リットルの果汁のことを「キュヴェ(cuvée)」と言います。
最終消費者として「キュヴェ」という言葉を目にした場合、これを意味していることはあまりないと思います。