ワインの学習を始めたばかりの頃、ある疑問を持っていました。
それは、一般的に言われる「ワインの熟成」とは、「どのプロセスを指しており、どのような効果があるのか」ということです。
具体的には、「瓶詰め前にワインを貯蔵しておくこと」なのか、それとも「瓶詰め後にワインボトルを寝かしておくこと」なのか、どちらを指しているのかということです。
ワインの熟成と呼ばれるプロセスには、「瓶詰め前の熟成」と「瓶詰め後の熟成」の2つのプロセスが存在ます。
ワインの学習を進める中で明らかな答えに出会うことはありませんでしたが、たぶん、一般的には、広義にそれら両方を指しているのではないかと思っています。
つまり「熟成」とは、「瓶詰め前の熟成」と「瓶詰め後の熟成」の両方を含めた、醸造したワインを発展させるプロセス全般を指しているということです。
次の疑問は、「では、ワインの熟成とは一般的に何を意味しているのか?」ということです。
熟成の効果は「瓶詰め前の熟成」と「瓶詰め後の熟成」で異なります。
そこで、「瓶詰め前の熟成」と「瓶詰め後の熟成」の熟成環境の違いと、それによる熟成効果の違いを簡単に表でまとめてみました。
赤色の文字が主な違いです。
大きな違いは、「瓶詰め前」の方が様々な熟成の容器や方法を用いることができ、そのため、その効果も色、香り、味の多岐にわたります。
ミクロ・オキシジェナシオン(Micro-oxygenation)は、樽熟成などにおける「緩やかな酸素との接触」の効果をもたらす代替手段としても用いられます。
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反対に「瓶詰め後」の方は、最終製品化をした後なので、基本的にはワインボトルを寝かせるだけで、熟成の効果は限定的です。
このようにじっくり調べてみると、「瓶詰め前の熟成」と「瓶詰め後の熟成」では、多少効果が異なりますが、一般的に「ワインの熟成による効果」という場合には、両者に共通する効果を大まかに指しているのではないかと思います。
それはつまり、
・色の変化(白→濃く、赤→薄く)
・ブドウ由来の香りの減少と、熟成由来の香りの増加(ドライフルーツの香りなど)
・タンニン(もしくは、酸味)がまろやかになる
などが該当します。