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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

格付けやAOCだけじゃない!学んでみると楽しいボルドーワイン



ワインを学ぶ上で、ボルドーは非常に興味深い産地です。

私がJSAソムリエ・ワインエキスパート試験対策に取り組んだ時には、ボルドーは暗記の山場と言われており、次のような事柄を事細かに覚えました。

・ボルドーの歴史

・各生産地域の名称とAOCの名称と生産色

・各生産地域の格付け(メドック地区、グラーヴ地区、サンテミリオン地区、ポムロール地区、ソーテルヌ地区など)


覚えることが多すぎて、語呂合わせや読み合わせを何度もやって、死ぬ気で覚えたのを覚えています。


しかし、このようなボルドーの表面的な部分だけをやって、ボルドーの学習を終えてしまうのは非常にもったいないと思います。実際にJSA試験に取り組んでいた時の私はそうでした。

次のようなことを考えて学習に取り組んでみると、ボルドーは非常に興味深い地域だと思いました。

・なぜボルドーワインはほとんどのワインが複数品種のブレンドなのか?

・どんな品種が使われていて、なぜそのような品種が使われているのか?

・なぜ、地域によって栽培されている主要品種や、ワインのブレンドが違うのか?

・なぜ一部のボルドーワインは高額で取引されているのか?



WSETでは、こんな疑問に答えられるような学習内容が用意されています。

JSAとWSETでは学習内容が異なることを以前の記事でも説明をしましたが、ボルドーはそんな両者の違いが顕著に表れている学習範囲だと思います。

(参考記事:WSETレベル3とJSAソムリエ・ワインエキスパート資格の違い、どちらがおすすめ?

WSETを通してボルドーワインについて学んだ事を(ごく一部ですが)紹介したいと思います。



ボルドーの気候と、ボルドーワインのスタイルの関係





ボルドーは、「温和な海洋性気候」です。

年間を通じて雨が降るため、開花や結実が妨げられ、果実の腐敗が進み、収穫期にブドウの風味が失われるといった被害も生じます。

健康なブドウを育て収穫期に糖度と風味の発達を高めるために、散布液を使用したり、キャノピーマネジメントの活用が必須となります。

このように変化に富んだ気候、特に降水量に変化があるために、収穫年ごとにスタイルや品質に大きな差が出やすく、ボルドーワインを選ぶ際に、ヴィンテージは重視すべきポイントとなっています。

ボルドー地方の赤ワインはほとんどすべて、また白ワインの多くが、いくつかのブドウ品種をブレンドして造られています。ブレンドが行われる理由は、ヴィンテージによるスタイルや品質の差を緩和するためであると言われています。

また、1つの品種に頼りすぎれば非常にワイン醸造にとっての大きなリスクになることもブレンドが行われる理由です。ボルドーで認可されている品種の中から開花期や成熟期の異なる品種を選んで栽培すれば、一度の霜や大雪による被害で全滅という事態をさけることができます。






ボルドーワインに使われるブドウ品種とそれぞれの役割


ボルドーでは13品種のブドウ品種が認可されており、主に3種の黒ブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン)と2種の白ブドウ品種(ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン)が使用されています。

その主な5種のブドウにと、補助的に使われる黒ブドウ1種と白ブドウ1種の、ブレンドワインにおける役割をまとめてみました。



【黒ブドウ品種(赤ワイン)】




カベルネ・ソーヴィニヨン
・ブレンドにおいては、ワインに長期熟成に必要な骨格(タンニンおよび酸味)と深い色を与える

メルロー
・ブレンドにおいては、ワインにボディ、果実味、柔らかさを与える。

カベルネ・フラン
・ブレンドにおいては、ワインに色や、爽やかな果実と花の風味を与える。

プティ・ヴェルド
・ブレンドにおいては、ワインに深い色や、スパイス香、複雑さ(酸味およびタンニン)を与える
・通常、ブレンドには少量しか加えられない




【白ブドウ品種(白ワイン)】




ソーヴィニヨン・ブラン
・ブレンドワインでは、高い酸味を提供し、これは甘口ワインで特に必要な要素である。

セミヨン
・ブレンドでは、ワインにボディを与える。

ミュスカデル
・ブレンドでは、ワインに独特の香りを与える。
・ブレンドには少量使用されるだけである。






ボルドー左岸と右岸の土壌の違いとそれぞれの適合品種


ボルドーでは、主に栽培されてワインに使われている黒ブドウ品種が、左岸と右岸で異なります。なぜこのような違いが生まれるのかをまとめてみました。







左岸

・土壌は砂利質である
・そのため、ブドウ畑の気温が高くなる
・その結果、カベルネソーヴィニヨンが確実に完熟できる

右岸
・低温の粘土質の土壌が広がる
・カベルネソーヴィニヨンは成熟に苦労をするが、メルローはよく育つ土壌である






ヴァン・ドゥ・ガラージュ(vins de garage) / ガレージワインとは?なぜ高額?


ボルドーには小さいシャトーで造られる、高品質のヴァン・ドゥ・ガラージュと呼ばれるワインがあり、中には五大シャトーをも超える価格で取引をされるものもあります。ヴァン・ドゥ・ガラージュについてまとめてみました。




・ヴァン・ドゥ・ガラージュとは、栽培や醸造に手間や費用を惜しまずかけて、小さい畑からごく少量造られるフルボディで極めて円熟したボルドー右岸のワインである。

・これらのワインの多くはその後みずから名声を確立し、今ではサン・テミリオンの原産地呼称制度の格付けに含まれるようになっている。

・メルローが主体で、スタイル的にはより有名な原産地呼称ワインに似たワインを算出している。

・ヴァン・ドゥ・ガラージュの中には極めて高額で取引されるものがある。その理由は、「フルボディで極めて円熟していること」、「小さい畑から少量しか造られていないこと」、「栽培や醸造に手間や費用を惜しまずかけていること」、「みずから名声を確立していること」などである。




(関連記事:なぜボルドー左岸の4コミューンで良いワインができるのか?の考察




よく読まれている記事

トカイ・アスーとその他のトカイワイン (WSET Level 3)

WSET L3のテキストではわずか2ページほどしか割かれておらず、とてもマイナー感のあるトカイ(ハンガリー)のワイン。 しかし、しっかり読み込むと、記述式問題で出題されそうな特殊ワインがいくつか含まれています。 特にトカイ・アスーは、貴腐の影響を受けていない健康なブドウでベースワインを造ってから、そのワインに貴腐ブドウを漬け込んで造られます。他の甘口ワインと比べて(参考記事:「 甘口ワインの醸造手法のまとめ 」)特殊な製造方法で、いかにもWSETの出題者が好きそうな製法です。 トカイではトカイ・アスーを含めて5種類のワインが紹介されているので、こちらを表形式でまとめてみました。まとめた項目は、使われるブドウ(grape selection)、醸造方法(wine making)、熟成方法(maturation)、出来上がるワインの特徴(characteristics of the final wine)です。 5つワインの中でも特に、特有の製法・特徴を持つ、トカイ・サモロドニ(Tokaji Szamorodni)、アスー・ワイン(Aszú wine)、トカイ・エッセンシア(Tokaji Eszencia)の3つに注意をしました。 また、これら3つはハンガリー語であるためか、スペルが独特なので、英語受験に向けてしっかりとスペルも覚えました。 その他のWSET L3の重要ポイントはこちら→「記事: WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ 」 (関連記事: トカイワインの主要ブドウ品種の語呂合わせによる覚え方 ) (関連記事: サモロドニ?サモドロニ?まぎらしいトカイワインの名称の覚え方 )

品種情報がよくまとまった便利なWSET Level 2 テキスト(さまざまなテイスティング試験にも使えます)

以前の記事(参照記事: 英語クラスについていくための英語力 )で、ワイン英語対策としてWSETレベル2のテキストを購入したことを書きました。 このテキスト、英語対策だけではなく、 WSETレベル3の試験対策としても非常に役に立ちました 。 役に立つ理由は、「 品種ごとの主要産地 」と「 産地ごとのワインの特徴 」が詳しく書かれているためです。 WSETレベル3の記述式試験では、「 特定の産地のワインのスタイルを書かせる問題 」がよく出題されると聞いていました。そのため、試験勉強でも品種x産地ごとのワインスタイルを何度も調べるのですが、レベル3のテキストでは品種の詳しい情報はテキストの複数箇所に別れて書かれていたので、網羅的に調べるのが大変でした。 一方で、レベル2のテキストは 各チャプターが品種ごとにまとまっている ので、 特定の品種に対して主要産地や、そのワインを網羅的に調べることが非常に簡単 でした。また、レベル2は品種に主眼を置いているために、レベル3のテキストでは省略されているような 各地のワインスタイルもしっかりと記述がなされていました 。 価格も4000円以内とレベル3のテキストほど高くはないので、WSETレベル3の試験勉強を行うにあたって、レベル2のテキストを用意しておくことは決して損はないと思いました。 最新のレベル2テキスト(英語版もしくは日本語版)はWSETのオンラインショップで購入可能です。 また、Amazonなどのサイトで中古を見つけることも可能です。 → https://amzn.to/3CuPhJQ (Amazonへのリンクです) 私は費用を浮かせるためにAmazonで中古品を購入しました・ Level 2の書籍では、シャルドネ、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨン&メルロー、ソーヴィニヨンブラン、シラー&グルナッシュ、リースリングが個別のチャプターで説明されていました。また、その他の品種チャプターの中では、ピノグリ(ピノグリージョ)、ヴェルディッキオ&トレッビアーノ、シュナンブラン、メロンブラン、ヴィオニエ、アルバリーニョ、セミヨン、ゲヴュルツトラミネール、トロンテス、ガメイ、テンプラニーリョ、サンジョベーゼ、ジンファンデル、ピノタージュ、カルメネール、マルベックなどの様々な品種の説明もあり...

どれもパワフル!似ている3種の赤ワインの比較 ~ドウロ品種、シラーズ、マルベック~

 今回は、個人的に特徴が似ていると思う3種類のワインの比較をしてみたいと思います。 ワイン①: ドウロ・ルージュ ・ブドウ品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナシオナル ・ワイン名: Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016 ワイン②:バロッサ・ヴァレー・シラーズ ・ブドウ品種:シラーズ ・ワイン名: Barossa Valley Shiraz Powell & Son 2017 ワイン③:メンドーサ (ルハン・デ・クージョGI)・マルベック ・ブドウ品種:マルベック ・ワイン名: Alpamanta Estate Malbec Alpamanta Estate Wines 2011 3ついずれもパワフル&スパイシーで、果実味としっかりとした骨格を持つワインです。 外観の比較 まず外観は、次の写真の通りです。 どれも最も濃い部類のルビー色で、見た目にそれほど違いはありません。 ドウロとバロッサシラーズがやや紫がかっているように感じられますが、これは2つがマルベックに比べて若いワインであるためで、品種による違いではないと思います。 香りの比較 香りの比較については、どれも熟した黒系果実とスパイシーな香りという、かなり似通った特徴を持っていました。 しかし、若干ながら、それぞれのワインに香りの違いもありました。 まず、ドウロは3つの中で最も控えめなタイプの香りを持ち、香りが最も閉じこもっている印象を持ちました。華やかさの少ないスパイスであるクローヴで形容されるような香りが近いのではないかと思いました。 バロッサヴァレーの香りの特徴は、少し鼻にスーッと感じられるような、コショウを思わせる香りを持つことでした。また、3つの中ではヴァニラやコーヒーで形容される樽香が最も顕著に感じられるワインでもありました。 メンドーサのマルベックは、3つの中では最も果実感が感じられるワインであり、黒系果実に加えて、乾燥プルーンで形容されるような香りを持っていることが特徴だと思いました。また、リコリスのような甘さが感じられることも特徴的でした。 味わいの比較 最後に味わいについての比較です。 どのワインもフルボディでしっかりした骨格を持っているという点は共通する特徴であり、品種による特徴を見つ...

英語の説明力を試されたルミアージュとデゴルジュマンの工程

WSET L3の英語受験において、特に英作文の力を試されたのは、非発泡性ワイン、特に伝統的方式におけるルミアージュ(動瓶)とデゴルジュマン(澱抜き)の工程の説明でした。 伝統的方式の工程の説明やその目的は、試験においてかなり出題される可能性が高いのではないかとしっかりと準備をしておいたのですが、このルミアージュ(動瓶)とデゴルジュマン(澱抜き)は、専門用語もたくさん出てくるし、日本語でも説明ができるか不安な内容でした。 一読しても、英文も複雑で、各工程の詳細をしっかりと説明する自信が全くなかったので、テキストの英文を分解して、自分なりの簡易な英文に作り替えて、それを覚えるという対策をとりました。この方法は、これ以外にもヴィンテージポートのデカンティングの手順や、スパークリングワインの開栓手順を覚える際にも活用しました。 下が、ルミアージュとデゴルジュマンの工程を自分なりに覚えやすい英文に分解した例です(使われている単語が一部難しいので、実際はもう少し簡易な単語に替えました)。テキストの説明よりも冗長になってはいますが、各ステップを単文の一行の英文にまとめることで、覚えるのも書くのもかなり楽になりました。 --------------------------------------------------------------- <Overall explanation of riddling and disgorgement > (ルミアージュとデゴルジュマンの概要) Riddling and disgorgement are processes to remove the lees sediment, after the period of maturation. (ルミアージュとデゴルジュマンは、一定の熟成期間を過ぎたのちに、沈殿した澱を取り除くための工程である) <Detailed flow of each process (各プロセスの詳しい流れ)> Riddling (ルミアージュ/動瓶) ① Bottles were placed horizontally in the holes of an A-frame rack called a pupitre.  (瓶はピュピートルと呼ばれるA字型に開かれた棚の穴...

トゥーレーヌ地区(ロワール)で覚えたいAOC【語呂合わせ】

前回の記事(関連記事: アンジュ&ソミュール地区で覚えたいAOC )に続いて、今回はトゥーレーヌ地区についてです。 トゥーレーヌ地区は、アンジュ&ソミュール地区に比べるとシンプルです。 次の6つのAOCをあげてみました。 トゥーレーヌ(Touraine)AOC  ・トゥーレーヌ広域のAOC ・白、赤、ロゼ、泡などの製造が許可されている ・白はソーヴィニヨンブラン、赤はカベルネフランとコット、ロゼはカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、ガメイ、グロローなどから造られる ヴーヴレ(Vouvray)AOC  ・白ワインのみ ・ほとんどシュナンブランのみから造られる ・主に辛口で、半甘口、甘口も造られる モンルイ・シュール・ロワール(Montlouis-sur-Loire)AOC  ・ロワール川の南の斜面 ・シュナンブランのみから造られる白ワイン(ヴーヴレに似ている) ブルグイユ(Bourgueil)AOC  ・赤ワイン、ロゼワインの製造が許可されている ・主にカベルネフランから造られる ・カベルネソーヴィニヨンの使用も少量許可されている サン・二コラ・ブルグイユ(St-Nicolas-de-Bourgueil)AOC  ・赤ワイン、ロゼワインの製造が許可されている ・ブルグイユよりも軽いスタイルのワイン ・ソミュールシャンピニィに似たスタイル シノン(Chinon)AOC ・赤、白、ロゼワインの製造が許可されている ・赤、ロゼはカベルネフラン、白はシュナンブランから造られる そして、個人的にはこんな語呂合わせで覚えています。 その他のAOC その他のAOCとしては、東部に シュヴェルニ(Cheverny) クール・シュヴェルニ(Cour Cheverny) ヴァランセ(Valencay) などがあります。 シュヴェルニやヴァランセでは、ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランなど、「サントル・ニヴェルネ地区」で利用される品種が利用されています。 クール・シュヴェルニは、 ロモランラン(Romorantin) 種という珍しい品種から造られる白ワインが製造されています。

読んでおいて良かったWSETのSpecification(仕様)

WSETでは、各コースに関する詳細な情報が「Specification (仕様)」としてまとめられています。 L3 英語版: https://www.wsetglobal.com/qualifications/wset-level-3-award-in-wines/ L3 日本語版: https://www.wsetglobal.com/jp/japanese-qualifications/level-3-award-in-wines-jp/ この資料はWSETのコースに申し込みをしなくても、上のWSETの公式ウェブサイトから誰でも入手することが可能です。 ページ数は34ページで、なかなか読み応えのある資料なのですが、 試験で問われること や、 試験の形式 、 試験の合格基準 、 各試験の問題例 も載っているので、WSETの試験をイメージする上でとても役に立ちました。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成(マーク式、記述式、テースティング) ) 特に読んでおいてよかったと思うのが、試験の合格基準に関わる「2 試験の構成と結果」の部分でした。 私はWSETの試験を受けるにあたって、ある対策講座クラスに出席をしたのですが、そこでは「理論試験は、選択式問題と記述式試験の合算で55%以上をとれば受かるかもしれない」と講師が説明をしていました。「合格基準は、合算で55%かもしれないし、個別に55%かもしれないし、それは明らかにされていないけど、私は合算だと思います」と。 しかし、「Specification (仕様)」を読むと、しっかりと次のように書かれています: ----------------------------------- ユニット1:理論試験の試験時間は2 時間で、2 部構成になっています。問題の構成は次の通りです。 • 多肢選択式問題50 問 • 記述式問題4 問(各25 点) このユニットの試験に合格するには、 各部の問題で正解率55% 以上を得点する必要があります 。 ----------------------------------- ちなみに英語では次の通りです。 ----------------------------------- Unit 1: Theory Exam...

リースリング(Riesling)の主要産地とそのワインの特徴

前々回のソーヴィニヨン・ブランの主要生産地域一覧(参考記事: Sauvignon Blancの主要産地一覧と代替ワイン )に引き続き、今度はリースリングの主要生産地域一覧。 WSET L3のテキストの情報をもとに下のようにまとめました。 リースリングの産地としては、ドイツやアルザスのような涼しい地域のイメージが強いですが、ニューワールドのオーストラリア、アメリカ、ニュージーランドでも造られています。 リースリングはアロマティック品種で樽を効かせたものは少ないので、WSET L3の本番試験で代替ワインを求められるようなことがあれば、果実の熟度や香りのタイプの近いものを選ぶのが正攻法ではないかと思います。 ここでもWSETテキストの物足りなさで、New York StateとNew Zealandのリースリングについてはあまり細かい記述がありませんでした。きっと記述式試験にはでないということだと思い、あまり深く突っ込んで調べるようなことはしませんでした。 クレア・ヴァレーのリースリングは、テキストには「瓶熟成により、ハチミツやトーストの風味を醸すことがある」と書かれていましたが、授業では瓶熟成を経ていない若いワインでもこのような風味を醸すと説明されたので、少し疑問が残るところでした。試験ではテキスト通りに書いた方が無難かもしれません。 リースリングは他にカナダなどでも造られているのですが、キリがないのでこの辺りの産地にとどめました。 各品種の産地ごとの特徴は、WSET Level 2のテキストにまとめられていたので、こちらも参考にしました。品種によってはL3のテキストよりも詳しく説明がされていました。 (参考記事: 品種情報がよくまとまった便利なWSET Level 2 テキスト ) <ドイツの品質分類ごとのリースリングの特徴> リースリングの場合は、ドイツの品質分類ごとのワインのスタイルも重要です。 どのようなブドウからどのように造られるのか?そして、その結果、どのような特徴を持ったワインが出来上がるのか?に注意して、それぞれのワインのスタイルをまとめました。 具体的には、TrockenbeerenausleseとBeerenausleseは、貴腐の影響を受けているために、必ず甘口で果実の皮の砂糖漬けのような香りを持っていることや、Eisw...

南欧(イタリア、スペイン、ポルトガル)の赤ワインの違いを知る!南欧の代表品種の比較テイスティング

いままで個人的に比較テイスティングをすることの少なかった、イタリア、スペイン、ポルトガルの土着品種から造られた赤ワインのテイスティングをしてみようと思います。 目的は、それぞれの品種やワインの特徴を捉えることです。 1種類のワインだけを味わってその特徴を捉えるだけのテイスティング能力を持ち合わせていないので、とりあえず産地の近いワインを並べてみようと思います。 今回選んだワイン(品種)は次の通りです: ワイン①: ヴァルポリチェッラ・クラッシコ(品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ) ワイン②: バローロ(品種:ネッビオーロ) ワイン③: キアンティ・クラッシコ(品種:サンジョヴェーゼ) ワイン④: リオハ・リゼルヴァ [伝統的な樽香強めのスタイル](品種:テンプラニーリョ) ワイン⑤: リオハ [モダンな樽香弱めのスタイル] (品種:テンプラニーリョ) ワイン⑥: ドウロ(品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナショナルのブレンド) 具体的なワイン名は次の通り: ① Bonacosta Valpolicella Classico Masi 2018 ② Terre del Barolo Barolo 2015 ③ Rocca Guicciarda Chianti Classico Riserva Barone Ricasoli 2012 ④ Dominio de Ugarte Reserva 2013 ⑤ Remelluri Lindes de Remelluri Viñedos de Labastida 2014 ⑥ Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016 外観 まずは外観の特徴の比較です。 特徴的なのは、バローロの色の淡さです。ネッビオーロ種は、かなり色が薄くなる品種のようです。 一方で、リオハとドウロは色の濃さが特徴です。特にドウロは漆黒のような濃い色です。 香り 次は香りの特徴の比較です。 それぞれのワインについての主だった香りの感想は次の通りです。あくまで個人的な感想です。 ヴァルポリチェッラは、比較的シンプルな赤系果実の香りの中に、甘いリコリスの香りが感じられます。 ネッビオーロとサンジョヴェーゼはどちらも赤系果実の香りの中に、枯れたようなドライハーブの香りが感じられ、と...

なぜアイスワインの製造が可能?カナダのワイン産地の自然環境を考察

 カナダと言えば、アイスワインが有名です。 アイスワインの主な産地はオンタリオ州で、ここで生産されるアイスワインの割合は、カナダ全体の9割を占めると言われています。 オンタリオ州の主なワイン地域は州南部の五大湖の周辺に集まっており、北緯はだいたい41~44°くらいです。この緯度をヨーロッパに当てはめると中央イタリアからボルドーくらいです。また日本で言うと札幌市が43°くらいです。 緯度としてはそこまで寒いイメージは無いのですが、なぜアイスワインの製造ができるのでしょうか? そこで、なぜカナダでアイスワインが製造できるのかを考察してみようと思います。 なぜアイスワインが造れるほど寒いのか? まずは、オンタリオ州のワイン産地の位置から調べてみます。 カナダのワイン産地はオンタリオとブリティッシュ・コロンビアの東西に大きく分かれています。 ブリティッシュ・コロンビアの方が北に位置していますが、実は冬の寒さが厳しいのはオンタリオの方です。これは意外な感じがしますが、どうやらカナダ西岸と東岸を流れる海流の違いが東西の気候の違いを生み出しているようです。 オンタリオのある東岸にはラブラドル海流と呼ばれる寒流が流れていますが、ブリティッシュ・コロンビアのある西岸にはアラスカ海流と呼ばれる暖流が流れています。 オンタリオに寒さをもたらしている影響の1つとしては、まず、この寒流の影響が考えられます。 しかし、オンタリオの冬を厳しくしている原因はこれだけではないと思います。それは、オンタリオのワイン産地がかなりの大陸性気候であるということです。 先程の地図では分かりにくいですが、実はオンタリオのワイン産地は沿岸から500 km以上離れています。 大陸性気候の特徴は、暑く短い夏と、寒い冬です。実際に、ワイン産地にごく近いトロントの1月の平均最高気温は-1℃と、とても寒い気候です。 寒流と、大陸性気候の影響によって、オンタリオの冬はアイスワインを造ることができるくらい気温が下がるのだと考えられます。 なぜ寒い地域にも関わらずブドウ栽培ができるのか? オンタリオのワイン産地は冬場は非常に気温が低いことが分かりました。 では反対に、なぜこのような寒さが厳しい地域にも関わらず、ブドウ栽培ができるのかについて考えてみたいと思います。 それには次の4つの理由があるのではないかと考察します。 ...

WSETレベル3の英語受講はブドウ栽培、ワイン醸造部分が難しい

英語受講というと全てがとても難しく思えてしまいます。 しかし、個人的な経験からいうと、学習範囲によって難しい部分とそこまで難しくない部分があります。 大きく分けると 難しい部分 は 「ブドウ栽培」「ワイン醸造」に関わる部分 で、 そこまで難しくない部分は、「各地のワイン」です。 具体的には難しいのは次のような章です。 <比較的難しい章> -------------------------------------------------------- Ch.4 The Vine Ch.5 The Growing Environment Ch.6 Vineyard Management Ch.7 Common Elements in Winemaking and Maturation Ch.8 White and Sweet Winemaking Ch.9 Red and Rose Winemaking Ch.41 Sparkling Wine Production Ch.43 Sherry Ch.44 Port -------------------------------------------------------- その他の章は、英語でもそこまで難しくはないと思います。 特に、Ch.4~Ch.9は、ほとんど全ての章に関係してくる部分なのでしっかり理解をすることが重要です。 これら難易度の高い部分に対しては、受講前にしっかりとテキストを読み込んで予習をすることがおすすめです。 (➡ 参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) また、事前にYoutubeなどにあがっている無料の素材を視聴して、使われている単語になれておくのも良いかもしれません。 <難しい章への対策> ・テキストを読み込んで予習 ・無料素材(Youtubeなど)で予習 次のようなYoutube動画はとても参考になります: ・ Viticulture ・ Vine Pruning ・ Introduction To Winemaking ・ Malolactic Fermentation この内容を英語で聞いてしっかり理解できるようであれば、きっと英語受講は問題ないと思い...