チリのワイン産地は南北に長く広がりますが、地形的な特徴の影響を受けるために、実は南北よりも東西にかけて、気候や土壌の多様性が非常に高いと言われています。 従来の原産地呼称では、この東西にかけてのワインスタイルの特徴の違いが十分に表現されていませんでしたが、2011年から、この問題を解決するための新たな付加的な原産地呼称が加えられました。 それが、「コスタ(Costa)」、「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」、「アンデス(Andes)」の3つです。 これは従来の原産地呼称に付加的に加えられるもので、例えば「Aconcagua」で造られたワインに対して、「Aconcagua Costa」、「Aconcagua Entre Cordilleras」、「Aconcagua Andes」のようにラベルに表記されるようです。 上図のように、「コスタ」は海の影響を受ける地域、「アンデス」はアンデス山脈の影響を受ける地域、そして「エントレ・コルディリェラス」はその間の地域を表します。 この新たな原産地呼称の仕組み自体はシンプルなのですが、それぞれの名前、特に「エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)」を覚えるのが厄介です。 そこで、これを覚えるための語呂合わせを考えてみました。 エントレ・コルディリェラスは少し苦しいですが、英語のスペルも覚えられるように、それに合わせた語呂合わせにしてみました。 <了>
ヴェレゾン(véraison)(=色づき)はブドウ育成のライフサイクルにとって大きな転換点です。
これを機にブドウの果実の成熟が始まり、適切なタイミングで収穫がはじまります。
ブドウのライフサイクルは、JSA試験、WSET試験のどちらにも含まれる内容ですが、今回はWSETのテキストを中心にヴェレゾンの特徴をまとめてみました。
(関連記事:JSA酒類飲料概論1-2の感想(ブドウの生育サイクルと栽培作業など))
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ヴェレゾンとは...
・ヴェレゾンは、果実が熟し始める時期。
・ヴェレゾンは、結実後、6~8週間後に起こる。
・ヴェレゾンは、北半球では7月~9月、南半球では1月~3月に起こる
・ヴェレゾンの時期になるとブドウの果皮が色づいてくる。黒ブドウ品種は赤くなってから紫になる。白ブドウ品種は半透明で金色になる。
・ヴェレゾン以降、ブドウが成熟するにつれて、糖度は上がり、酸度が下がる。
・ヴェレゾン以降には、ブドウに典型的な風味が発達し、ブドウの果皮のタンニンの苦みと渋味が少なくなってくる。
Véraison is...
・Véraison is the point at which the grapes begin to ripen.
・Véraison occurs 6-8 weeks after the fruit is set.
・Véraison is July-September in the Northern Hemisphere, and January-March in the Southern Hemisphere.
・Véraison is signalled by a change in colour of the grapes' skins; black varieties turn red, then purple whereas white varieties become translucent and golden.
・(After véraison) As the grapes ripen, sugar levels rise and acid levels drop.
・At this time (after véraison), grapes develop their signature flavours and the tannins in the skins of the grapes become less bitter and astringent.
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ヴェレゾン(véraison)の後、ブドウ樹は、成熟(maturité; マチュリテ) → 収穫(vendange; ヴァンダンジュ)という流れをたどります。
ヴェレゾン(véraison)から成熟までは、およそ40日と言われていますが、収穫の時期は糖度と酸度のバランスが最適なタイミングで行われるそうです。
一般に、温暖な気候では、ブドウの成熟とともに酸度が急激に落ちるために収穫は早めに行われる一方で、冷涼な気候では酸度を許容可能なレベルまで下げるために収穫はできる限り先延ばしにされるそようです。
また、糖度-酸度のバランスに加えて、タンニンや、風味の熟成も考慮されて、生産されるワインのスタイルと品質にあったタイミングで収穫が行われます。
多くのワイン醸造家は、実際に果実を噛んで、糖と酸のバランス、タンニンが渋すぎないか、種が緑から茶色に変わっているかなどを見て、収穫に取り掛かりそうです。
そういえば、この映画にもそのようなシーンがありました。