スキップしてメイン コンテンツに移動

最新記事

ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

大人の英語学習にはワイン資格がおすすめ!



英語力を伸ばしたい!だけどなかなか伸びないし、勉強も続かない...

こんな悩みを抱えていたら、ワインの勉強がおすすめです!

ワインやお酒が好きならば、なおさら、いっそうおすすめします!


ワインの資格の中には英語で受講や受験をできるものがあります。

難易度も、簡単なものから難しいものまでさまざまです。


私は英語でのワイン資格の勉強をはじめて、毎日英語を読み書きする習慣がつきました。

毎週講義に出席をして、英語を聞いて、英語を話す習慣がつきました。

最終的には、英語のコミュニケーション能力をグンと伸ばすことができました。


英語でのワイン資格の勉強は、様々な面で、大人の総合的な英語学習に向いていると思います。




なぜ英語学習にワイン資格?



私は長らく日本で英語の勉強を続けてきました。

独学でラジオを聞いたり、英会話スクールに通ったり、英会話カフェに行ってみたり、映画を英語音声で見てみたり、英語のパーティーに行ってみたり...

いつか日本語を話すように英語を話せるようになりたいと、色々な勉強を重ねてきました。

しかし未だに目標は遠く...

いままでのやり方で英語力が伸びなかった理由を私なりに考えてみました。


<いままでのやり方で英語力が伸びなかった理由>
-------------------------------------------------------------------

・どこまでやればいいかの目標が漠然としていて続かない

・英語のために英語の勉強をしているので楽しくない

・必死に勉強をするモチベーションがない

・一人でコツコツやるものなので飽きてしまう

・読む、書く、聞く、話すのいずれかに偏ってしまい総合力がつかない

・外国人を前にしても話すテーマがない

-------------------------------------------------------------------


そして、これらの「英語力が伸びない理由」を解決する英語学習として見つけたのが「英語でのワイン資格の取得」でした。


英語でのワイン資格の勉強をはじめると、次のように問題が解決されます。


<英語でのワイン資格の勉強で解決されること>
-------------------------------------------------------------------

・どこまでやればいいかの目標が漠然としていて続かない

 ➡ 資格取得という目標ができる


・英語のために英語の勉強をしているので楽しくない

 ➡ 英語だけでなくワインの学習もできる


・必死に勉強をするモチベーションがない

 ➡ 受験が大きなモチベーションになる


・一人でコツコツやるものなので飽きてしまう

 ➡ ワインスクールに通うことで講師やクラスメートと励ましあえる


・読む、書く、聞く、話すのいずれかに偏ってしまい総合力がつかない

 ➡ 予習・復習、講義に出席、講師への質問で英語の総合力がつく


・外国人を前にしても話すテーマがない

 ➡ ワインを話題に盛り上がる

-------------------------------------------------------------------




おすすめのワイン資格は?



私が受験をした英語のワイン資格は「WSET ワイン レベル3資格」です。

(参考記事:WSETとは?WSETワインレベル3資格とは?


WSET資格は難易度によってレベル1~4までが提供されており、どのレベルでも英語での受講や受験が可能です。

レベル3は「アドバンスコース」と言われており、受講前にある程度のワインの知識を持っていることが推奨されています。

そのため、全くのワイン初心者で英語勉強を目的としている方の場合は、「ビギナーコース」と言われるレベル1か、「ベーシックコース」と言われるレベル2からの受講がおすすめです。


英語力としては資格のレベルが上がるにつれてより高い英語力が求められます。

例えば、レベル1とレベル2の資格試験はマーク式試験のみなのですが、レベル3の資格試験にはマーク式試験に加えて、理論筆記試験と、テースティングコメントの筆記試験が含まれます。

私はレベル3の筆記試験対策として、英作文の練習を繰り返し行いました。

またレベル3の資格取得までの賞味期間は半年ほどなのですが、レベル4では最低18ヵ月間が必要と言われています。


WESTの講座や資格試験は、次のようなワインスクールで提供されています:


<WSETの講座や資格試験を提供しているワインスクール>
-------------------------------------------------------------------

キャプラン・ワインアカデミー
・日本最大のWSET認定校です。WSETの講座は最も豊富です。

アカデミー・デュ・ヴァン
・業界最大手のワインスクールです。JSA資格により力を入れている印象がありますがWSETの講座も提供されています。

わだえみのわいん塾

-------------------------------------------------------------------




なぜ英語力が上がるのか?


私の思う英語力があがる理由は次のような4点です。

WSETはワインスクールに通わずにオンラインで授業を受けるパターンもあるのですが、ここではワインスクールに通った場合に限って詳しく説明をしたいと思います。

(参考記事:WSETレベル3とJSAワインエキスパートにかかった実額費用とその比較


<ワインスクール通いで英語力が上がる理由>
-------------------------------------------------------------------

【理由1】英語受講では、逃げ場のない英語でのコミュニケーションが求められる

【理由2】資格勉強のために日常的に英語を使う習慣がつく

【理由3】ゴールが明確なので短期集中で英語が学べる

【理由4】英語学習という意識がないので英語に飽きない

-------------------------------------------------------------------


【理由1】英語受講では、逃げ場のない英語でのコミュニケーションが求められる


英語受講では通常、全てのコミュニケーションが英語で行われます。

講義はもちろん、講師への質問や、提出する宿題なども全て英語です。

英語でコミュニケーションを行わなければどんどん授業から置いていかれるので、必死に英語を使うようになります

英語力向上のコツは、英語を使わなければならない環境に身を置くことです!


私が通ったWSETレベル3では約半年に渡って、週に1回~隔週の頻度で毎回2時間~2時間15分ほどの講義が英語で行われました。

講義の内容は毎回時間が足りないくらいで、最初の1時間30分~1時間45分くらいで理論部分の講義を行い、残った時間でテースティングという内容でした。

テースティング以外は講師はずっと話しっぱなしで、その内容を逐一ノートにメモをしていったので、毎回ハードな英語のリスニングテストをやっている気分でした。

また、テースティングでは講師から意見を求められて回答をするというインタラクティブな形式だったので、リスニングに加えてスピーキングの練習にもなりました。

講義の予習で英語テキストを読み込み、講義の復習として授業ノートを英語でまとめるので、英語のリーディングやライティングも繰り返し行いました。

読む、書く、聞く、話すという全ての英語能力が求められ、私は英語の総合力を向上させることができました


WSETレベル1~2は資格試験がマーク式だけで、合格率も非常に高いのでここまで大変ではないと思います。しかし、講義の構成はレベル3と似ているので、同じように英語の総合力を高めることができると思います。



【理由2】資格勉強のために日常的に英語を使う習慣がつく


資格取得を見据えたら、授業の予習・復習が必要です。

予習・復習とは、つまり、英語テキストの読み込みや、授業ノートの英語でのまとめです。

資格試験の講座受講から資格試験受講までは、通常、半年以上の期間を要します。そのため、この期間は英語に触れることが日常習慣となります。(1日コースのWSETレベル1を除く)。

英語力向上のコツは、英語に触れる頻度を増やすことです!


私は受講~受験までの期間は、毎朝1~2時間ほど時間を作り、講義の予習や復習に時間をあてました。そうしなければ、毎回の授業についていく自信がなかったからです。

テキストの読み込みやノートのまとめに加えて、補助資料としてビデオリンクをシェアされることもあったので、英語リスニングも日常習慣となりました。



【理由3】ゴールが明確なので短期集中で英語が学べる


資格試験の良いところは試験日があらかじめ決まっており、それが明確なゴールとなることです。

英語力向上のコツは、小さく定めた明確な目標を1つ1つ達成していくことです!


振り返ると私の英語がなかなかの伸びなかった大きな理由の1つは「目標が漠然としすぎている」ということでした。

「いつか日本語を話すように英語を話したい」と漠然と思っていたのですが、これではいくら勉強を続けても、「自分は目標に近づいているのか?」や、「あとどれくらいで達成できるのか?」が全く分からず、次第に英語に対する熱は冷めて行ってしまいました。

一方で、ワイン資格の場合違います。「試験日までに、一発合格できるだけの英語力を身につける」という明確な目標ができます。そのため短期で英語を頑張ることができるのです。

WSETの場合、レベル1が終わったら、今度はレベル2を挑戦... レベル2が終われば今度はレベル3を挑戦... と、どんどんレベルを上げて英語力を向上させていくことができます。そして、資格を取得するたびに、自分の英語力が向上していることが実感できると思います。

もしWSETに飽きてしまったら、「Italian Wine Scholar」のような他の英語ワイン資格に挑戦をすることも可能です。



【理由4】英語学習という意識がないので英語に飽きない


私はWSETの勉強期間、「英語を勉強している」という意識は全くありませんでした。

「ここを理解したいから英文を読む」「ここが試験で出るから講師の説明を聞く」「ここが重要だから英語でノートにまとめる」という意識でした。

考えているのは「どうやったら試験に受かるか?」で、英語はあくまでもそのための道具や手段として使っているだけなのです。

英語を使うことは「当然」であり、英語はワインを教えてくれる「手助け」であり、そのため「英語に飽きる」という感覚があまり出てこないのです。

英語上達のコツは、英語を道具として使うことです!


道具として英語を使えば、英語に飽きず、英語を苦痛とも思わずに、それでも次第に英語力は向上します。

さらに、ワインの学習を楽しむことができれば、英語による不便さはその楽しさにかき消されてしまいます。




まとめ


これまでの説明のように、英語のワイン資格は、英語学習にとても向いていると思いました。

世界で最もメジャーなワイン資格と言われているWSETの受験経験を中心に説明をしましたが、実はこれ以外にもさまざまなワイン資格が英語で提供されています。

そのため、ワイン学習を英語で続けようと思えば、いくらでも続けることが可能だと思います。

ワイン資格(称号?)の中には本当に、一生をかけて取得を目指すようなものもあるそうです。

「一生続けられる」ということも、ワイン資格を通した英語学習の大きなメリットの一つだと思います。


》カテゴリー一覧へ




よく読まれている記事

サントル・ニヴェルネ地区(ロワール)のAOCの覚え方【語呂合わせ】

  前回の記事に続いて今回は、 サントル・ニヴェルネ地区 です。 ソーヴィニヨン・ブランから造られる白ワインが有名な地域です。 実際に、栽培されているブドウの8割近くがソーヴィニヨン・ブランであるようです。 それに続いて、ピノ・ノワールが2割程度生産されています。 ほとんどの白ワインは、ソーヴィニヨン・ブランから、赤ワインはピノ・ノワールから造られています。 この地区のAOCは、付近を流れる2つの川の流域に集中しています。1つは ロワール川 、もう1つは、トゥール付近でロワール川と合流する シェール川 です。 この地域で最も重要なAOCは、 「サンセールAOC」 と 「プイイ・フュメAOC」 の2つです。実際にこの2つのAOCは、サントル・ニヴェルネ地区で製造されるワインの多くの割合を占めています。特に、サンセールAOCは、この地区で最大のAOCです。 さて、AOCの覚え方についてですが、この地区はあまりAOCの数が多くないために、まとめて語呂合わせを考えてみました。 語呂合わせではAOCは南から北に向かって並べられています。 最後に、各AOCの説明です: サンセール(Sancerre)AOC  ・白ワイン(ソーヴィニヨンブラン)、赤ワイン、ロゼワイン(ともにピノノワール)のAOC ・サントルニヴェルネ最大のAOC ・畑はロワール川沿いの急斜面 ・グレープフルーツやグーズベリーの中程度強さの香りを持ち、酸味の強い白ワインを造る ・ワインの品質は幅広い(中程度から非常に品質が高いものまで) ・カイヨット(Caillottes)、テール・ブランシュ(Terre Blanches)、シレックス(Silex)の3種類の土壌を持つ ・カイヨットは石灰を多く含む浅い土壌、テールブランシュは石灰と粘土の混合、シレックスは石英を含む土壌。 ・カイヨットは早飲みの香りの強いワイン、テールブランシュは最も骨格があり長期熟成向きのワイン、シレックスはミネラル感のあるスモーキーなワインを造る プイイ・フュメ(Pouilly-Fumé)AOC  ・白ワイン(ソーヴィニヨンブラン)のみのAOC ・サンセールの白ワインに似たスタイルだが、香りはやや弱く、少しまろやかなスタイル ・サンセールに似た土壌だが、サンセールほど急な斜面ではない ルイイ(Reuilly)AOC...

WSETで納得!JSAで疑問だったギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い

JSAワインエキスパートを学んでいた時に、ブドウ樹の仕立て方でずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、 「ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの違い」 。 両者ともに世界的に広く採用されている仕立て方である「 垣根仕立て 」の代表例なのですが、 ギヨドゥブルは長梢剪定 、 コルドンロワイヤは短梢剪定 の例として紹介されていました。 (参考記事: ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは? ) それぞれぱっと見の形はすごく似ていて、その違いは、枝の太さの違いだけ。ギヨドゥブルは2本に分かれる枝が細くて、コルドンロワイヤはそれが太い。 なぜこのような似通った2つの仕立て方が用いられているのか が、当時の私にはわかりませんでした。 JSAソムリエ・ワインエキスパート試験では、ブドウの栽培方法、特に仕立て方に関してはあまり深い知識は必要なかったために、この2つの機能的な違いや、長梢剪定、短梢剪定に関する説明は試験対策講座でも省略されていました。また、当時、独自でネット検索をして色々調べてみたのですが、結局答えはわからず終いでした。 それから一年、こんな疑問があったことも忘れてしまった頃、WSETレベル3の講義を受けて この疑問を解決することができました! ギヨ・ドゥブルとコルドン・ロワイヤの選定の流れ WSET の講義を受けて分かったことは、次のようなこと: ギヨ・ドゥブル では、前年の新梢が一本だけ残され、その枝(長梢)が水平方向に延ばされる ギヨ・ドゥブル では、水平に伸ばされた長梢の上に、その年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル では、その年の収穫が終わったら、その年の新梢1本だけを残して、残りの枝は刈り取られる コルドン・ロワイヤ では、一昨年かそれ以前に作られた腕枝(コルドン)の上に、去年の新梢の一部(短梢)が残される コルドン・ロワイヤ では、短梢から今年の新梢が垂直に伸びる ギヨ・ドゥブル、コルドン・ロワイヤともに 、新しいブドウの房は新梢の上にできる (ギヨ・サンプル/ドゥブルの剪定の流れ) (コルドン・ロワイヤの剪定の流れ) 仕立てが出来上がった状態では、それぞれとても似通った形になって...

ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリットの整理

 ワイン用のブドウ栽培では、多くのブドウ樹が棚付けされて管理されています。 棚付けとは、ブドウ棚を使用して毎年成長するブドウの枝葉を支持するブドウ樹の管理方法です。 ブドウ棚は下図のような、支柱と針金からなる常設の構造物を指します。 そして、ブドウの樹の棚付けの方法として最も広く使われている方法が 「垣根仕立て(VSP = Vertical Shoot Positioning)」 です。 垣根仕立てがあまりに一般的なので、個人的には、ついつい「棚付けのブドウ樹 = 垣根仕立て」と混同しがちです。 そこで整理のために、ブドウ樹の棚付けと、垣根仕立て(VSP)のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。 棚付けしたブドウ畑(樹)のメリット・デメリット 棚付けの最大のメリットは、キャノピー・マネジメント(樹冠管理)が容易になることです。キャノピーとは、ブドウ樹で毎年成長する緑色の枝葉を指します(一般的に、長年にわたり固定されているコルドンは含まないと思います)。 そして、キャノピー・マネジメントのメリットとしては、「日照量」、「通気」、「機械化」の3つが挙げられます。 日照量のコントロールは、葉陰を減らすことによる日照量の最大化や、反対に葉陰を増やすことによる果実の日焼け対策が含まれます。 通気の管理は、特に雨や湿気の多い地域で重要であり、カビなどの菌類病のリスクを減らします。 また、適切なキャノピー・マネジメントにより、樹の特定の部分に果実や葉がくるようにしておくことは、畑への機械の導入を促します。これにより、作業の効率化を図ることができます。 一方で、棚付けのデメリットとしては、ブドウ棚設置のための初期費用と、それらを維持管理するための費用や手間があげられます。 ブドウ棚は、急斜面では利用できないこともデメリットの1つです。北ローヌなどの急斜面が多い畑では、ブドウ棚の代わりに支柱のみを用いた棒仕立てなどが用いられます。 (関連記事: 棒仕立て、ミストラル、混醸... ローヌ川流域北部のブドウ栽培とワイン造り ) 垣根仕立て(VSP)のメリット・デメリット 垣根仕立て(VSP)のメリットは、ブドウ樹の樹勢が一定以下の場合に、キャノピー・マネジメントがしやすいことと言われます。 したがってそのような場合には、「日照量のコントロール」、「通気の確保」、「作業の...

grafting(=接ぎ木)の意味|英語ワイン書籍に出てくる英単語

「 grafting = 接ぎ木 」です。 grafting(接ぎ木) は、ワイン用として栽培されるほとんどのブドウ樹に採用されている手法です。 上部の scion(穂木) には Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ種) と呼ばれるユーラシアの種が一般的に用いられます。 一方で、 rootstock(台木) にはVitis Rupestris(ヴィティス・ルペストリス)、Vitis Riparia(ヴィティス・リパリア)、Vitis Berlandieri(ヴィティス・ベルランディエリ)などの北米原産種が用いられます。 一般的にワイン用ブドウに向いている種は Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ種) と言われています。しかし、 Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ種) には大きな弱点があります。それは、フィロキセラと言われる害虫に対する耐性がないことです。フィロキセラは主にブドウ樹の根を襲って、最終的にはブドウ樹を死に至らしめます。 フィロキセラはもともと北米からやってきた害虫です。北米原産のブドウ品種は長い時間をかけて、フィロキセラに対する体制を身につけてきました。 そのため、穂木を Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ種) 、台木を北米原産種とすることで、両者の「いいとこどりをする」というのが、この接ぎ木の考え方です。 こうしてできたブドウ樹は、Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ種)のブドウの味を持ちつつ、フィロキセラに対する耐性を保持します。 最も一般的な接ぎ木の手法は、穂木と台木になる両方のブドウ樹から長梢を切り取り苗木を作るという方法です。 この苗木を植えて育てることで、フィロキセラ耐性のあるブドウ樹に成長します。 高接ぎ 高接ぎ(Head grafting / Top grafting)は、苗木としての接ぎ木とは異なり、既に収穫ができるまでに成長したブドウの樹に接ぎ木をする方法です。 高接ぎでは、ブドウの樹は主幹だけを残して短く切られ、枝接ぎ、または、芽接ぎによって主幹とは異なる新しい品種のブドウ樹が接ぎ木がされます。 高接ぎの最大のメリットは、接ぎ木をしてからワイン生産用の果実を収穫できるようになるまでのスピードの速さにあります。 通常、新しく植えられたブドウの...

クリアンサ、レゼルバ、グランレゼルバとは?スペインワインの熟成規定(最低熟成期間)の私的暗記法

スペインの赤ワインのうち、最良のワインにはほぼ確実にオークを使用した熟成がされていると言われています。白ワインの大半はフレッシュで果実味が豊かなワインと言われていますが、一部のワインではオークを使った熟成が行われ、異なる風味が加えられています。 スペインのワイン法でもワインの熟成表記に関する規定が定められており、最低熟成期間の長さによって、「 クリアンサ(Crianza) 」、「 レゼルバ(Reserva) 」、「 グラン・レゼルバ(Gran Reserva) 」などのカテゴリーが規定されています。 最低熟成期間には、総熟成期間と樽熟成期間があり、総熟成期間は樽熟成期間を含めたトータルの熟成期間を示しています。 いくつかのワイン試験では、この最低熟成期間をワインの種類(赤、白・ロゼ)ごと、カテゴリーごとに覚えなければならないのですが、この数字の羅列を覚えるのはなかなか至難の業です。 そこで、個人的に考えた、このスペインワインの熟成規定の覚え方を紹介したいと思います。 1. 表を年表示にする まずは、数字を覚えやすくするために、表の単位を「月」から「年」に変換します。 まるで囲んだ部分だけ、語呂合わせなどを使って覚えます。 2. 赤ワインの「グラン・レゼルバ」の熟成期間を覚える 赤ワインのグラン・レゼルバの最低熟成期間は、偶然にもクリアンサとレゼルバの最低熟成期間を足し合わせた期間なので、簡単に覚えられます。 3. 白・ロゼワインの「クリアンサ」、「レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 白・ロゼワインにおいて、クリアンサ、レゼルバの最低の総熟成期間は、偶然にも赤ワインの「最低総熟成期間ー最低樽熟成期間」に一致します。これを覚えます。 4. 白・ロゼワインの「グラン・ レゼルバ」の最低総熟成期間を覚える 今までの法則で行くと、「グラン・レゼルバ」の最低の総熟成期間は3.5年が望ましいですが、 実際は4年 です。ここだけ、例外的に 0.5年だけずれる と覚えます。 5. 白・ロゼワインの 最低樽熟成期間を覚える 白・ロゼワインの最低の樽熟成期間は、全て同一の0.5年です。 赤ワインの「クリアンサ」のものと同じと覚えておくと、覚えやすいかもしれません。 最後に、この表を法則とともに覚えておくことで、暗記作業は完了です。 関連記事: スペインの「グラン・レセルバ(Gran Re...

ソムリエ・ワインエキスパート試験で苦労をした年号の覚え方

WSETと比較をしてみると、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験で特徴的な部分は、ワインに関する歴史が問われることでした。 (関連記事: WSETレベル3とJSAソムリエ・ワインエキスパート資格の違い、どちらがおすすめ? ) ワインやワイン産地には興味があるんですが、正直、ワインの歴史にはそこまで興味を持てませんでした。ワイン愛好家にとって重要なことは、おいしいワインを見つけることや、おいしいワインを飲むことであり、ワインがどんな歴史をたどってきたかなんて近代を除いてそんなに重要なことではないと思えるからです。 「歴史なんか覚えて、何の役に立つの?」正直こんな気持ちでした。 だから、いざ覚えようと思っても、興味のないことはなかなか覚えられません。ワインの色などは語呂合わせを駆使して覚えてきたのですが、年号関連は語呂を作っても同じような語呂ばかりになってしまい、この方法もあまり役に立ちませんでした。 そこで始めたのが、正確な年号を覚えるのはとりあえず置いておいて、年号の順番を覚えるというやり方。特定のトピックにおいて、関連した年号を1つの図にまとめていくと、何となく時代背景が見えてきて、少しずつ頭に入ってくるような気がします。さらに、キーとなる年号だけ覚えておけばその前後関係を覚えておくだけで、JSAソムリエ・ワインエキスパート試験は4択なので十分対応可能だと思いました。 例えば原産地管理法の年号は、ヨーロッパ→北米・南ア→南米・豪州→NZ・日本のように広まっていくのがわかります。 また、ブドウの伝来もヨーロッパ→南米→アメリカ・南ア→豪州→NZ→日本のように広がっています。 そして、日本も長野・山梨から始まり、北海道や山形に広がっていくのがわかります。 正確な年号を語呂合わせで覚えるよりも、こちらの方が時代背景がわかるので後々役に立つ知識になるとおもいました。 このような類似のトピックで情報を1つの図にまとめていくやり方は、その他覚えにくい生産量のデータや、気候区分を覚えるのにも役に立ちました。単なる数字を覚えるよりもずっと楽に暗記ができました。 例えば、フランス各地の栽培面積とワイン生産量。 そして、各地の気候区分。 試験中に具体的な数字が浮かばなくても、なんどなくこれらの図が頭に浮か...

パロ・コルタド・シェリーとは?アモンティリャードとオロロソとの製法の違いを調べてみた

JSA試験、WSET試験を通して酒精強化ワインであるシェリー(Sherry)を学んできましたが、ずっと疑問に思っていたことがありました。 それは、「 パロ・コルタド・シェリーとは何なのか? 」です。 シェリーとは、スペイン・アンダルシア州カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとその周辺地域で生産される酒精強化ワインのことで、ポート・ワイン(ポルトガル)、マデイラ・ワイン(ポルトガル)とともに、著名な酒精強化ワインと言われています。 シェリーには、フィノ(Fino)/マンサ二ーリャ(Manzanilla)、オロロソ(Oloroso)、アモンティリャード(Almontillado)、 パロ・コルタド(Palo Cortado) 、ペドロヒメネス(Pedro Ximenez)など様々な種類があります。 しかし、JSA、WSETどちらのテキストにおいても、 パロ・コルタド に関する記述 はとても少なく、製法に関する記述もなく、漠然とその特徴が書かれているだけでした。 その特徴は、 ・希少であること ・アモンティリャード(Amontillado)の香りを持つが、味はオロロソ(Oloroso)のボディとこくを持つ という2点だけです。 ずっと疑問に思っていたことを解決すべく、製法を中心にパロ・コルタドについて調べてみました。 参考にしたのは、次のサイトです: https://www.sherrynotes.com/sherry-types/palo-cortado/ https://www.sherrynotes.com/2015/background/palo-cortado-mystery/ まずは、パロ・コルタドの発祥から。パロ・コルタドは、もともとフィノとしては不適合として除外された樽からできたそうです。 <パロ・コルタドの発祥> ------------------------------------------------------------------------ ・パロ・コルタドは、もともとフィノ(Fino)の製造から偶然生まれたワインと言われている。 ・フィノシェリーでは、樽での熟成中にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、フロールのもとで熟成される。しかし、フィノ樽の中には...

WSET Level3 記述式問題で重要に思えたところ(本試験の筆記問題対策)

繰り返しになりますが、WSET level3の最大の難関は記述式問題です。 (参考記事: WSET Level3 の試験構成 ) WSETの記述式問題では、出題されたテーマに対して、深く理解をしているかが問われます。 (参考記事: 一筋縄ではいかない!とてもWSET的だと思った記述式問題(問題例) ) そのため、記述式問題の基本的な対策は、WSETレベル3のテキストの読み込みと、講義ノートの見直しを主に行いました。 しかし、広大な産地全てについて、万遍無く、深く理解をするというのは途方もない作業に思われました。 さらに私の場合は英語受験だったので、日本語のようにテキストをスラスラ読むこともできるわけはなく、本試験までの日数から逆算をすると、とてもそんな時間は確保できないと思いました。 そこで記述式試験対策の方針としては、いくつか重要と思われる部分にヤマを張って、それらを重点的に勉強することにしました。「重要と思われる部分」は次のような判断基準で抜き出しました。 ・講義中に担当講師が「重要」「試験に頻出」と言っていた部分 ・サンプル問題で、何度も問われていた部分 (参考記事: WSET過去問は共有禁止!それでもWSETレベル3の試験問題の参考にしたウェブサイト ) ・複雑で、しっかり理解をしていないと説明ができないと思った部分(特に醸造工程のオプションなど) ヤマを張った部分に関しては何度もテキストを読み返して、テキストの重要ポイントは何度もノートに書きあげて英文を書く練習を続けました。 (参考記事: WSET Level3の英語受験を一発合格した勉強方法 ) (関連記事: WSET試験の記述問題対策では「動詞」が重要!? ) 「重要と思われる部分」として抜き出した具体例を下に紹介します: <ワインの保管とサービス> ワインの保管方法(参考記事: ワインの保管方法 ) ワインの提供温度 (参考記事: チャートで覚えたワインのサービス温度 ) ワインのデカンティング 発泡性ワインの栓の抜き方(参考記事: 非発泡性(スパークリング)ワインの栓の抜き方 ) ワインの保存に使われる方法(参考記事: ワインの保管方法 ) <ブドウ樹の栽培、畑の管理、ワインの醸造> 高接ぎとその特徴(参考記事: grafting(...

ブドウ樹の仕立て、剪定とは?短梢剪定、長梢更新剪定とは?

ブドウ樹は、その土地に合わせて様々な形をしています。このブドウ樹の形は「仕立て」と呼ばれ、休眠期の剪定によって整えられます。 例えば、ボルドーやブルゴーニュでは針金と柱を用いて枝を地面と垂直方向に伸ばす「垣根仕立て」が多く採用されています。 一方で日本では、ブドウや葉を棚の天面に広げる棚仕立て(Pergola ペルゴラ)が多く採用されています。 このような仕立てや選定は、気温、日照、水、土壌の栄養分などのブドウ樹が必要とする要素や、ブドウ畑の機械の使用などを考慮して、そのブドウ畑に最適なものが選ばれます。 WSETレベル3では、この「仕立て」、「剪定」について比較的しっかりと学ぶのですが、ブドウ畑に馴染みのない私にとっては少し理解が難しい部分でした。 特に私が混乱してしまったのは、「仕立て(training)」と「剪定(pruning)」の違いでした。両者はお互いに深い関係があり、テキストの説明だけでは直感的にわかりにくかったので、個人的に図などを利用してまとめてみました。 (関連記事:t rellis の意味 | 英語ワイン書籍に出てくる英単語 ) <仕立てと剪定の違い> WSETテキストによれば「仕立て」と「剪定」は次のように説明されています。 「ブドウ樹の整枝・仕立てとは一般に株の形状のことをいい、大きく分けて、株仕立てとコルドン仕立ての二つに分類できる。」(株…ブドウ樹で一年以上経っている木質部のこと) 「剪定とは、冬または生育期間中に、望ましくない葉や長梢、株を除去することである。剪定によって樹の形が決まり、大きさが制限される。」 つまり、仕立てとは「ブドウ樹の形」を意味し、剪定とはその「ブドウ樹の形をつくるための作業」ということになります。 <仕立てと剪定の種類> 「仕立て」は株(一年以上経っている木質部)の形によって大きく「株仕立て(head training)」と「コルドン仕立て(cordon training)」の二つに分類ができるようです。 「株仕立て」は株の部分が比較的小さいのに対して、「コルドン仕立て」はコルドンと呼ばれる腕枝があるのが特徴です。コルドンは通常1~2本ですが、4本以上のコルドンを持つ「大木仕立て(big vine)」と呼ばれるものもあるようです。 ...

WSETレベル3のテキスト購入方法とテキスト電子化のメリット

WSET英語学習 の難しさはの1つは、 テキストの記述が全て英語 であることです。 テキストが英語だと、やっぱり 内容の理解度が落ちます 。知らない単語を辞書で調べて...翻訳をして...と読み込んでいくのですが、部分的に言い回しが微妙だったり、細かいニュアンスが伝わらなかったりで、理解が難しい文章がいくつかありました。 <理解度対策は、日本語テキストの購入がおすすめ!> 理解度の問題を解決するために私がとった方法は「WSETレベル3日本語テキストの購入」でした。 ワインスクールでWSETレベル3を受ける場合、英語クラスを選択すると、英語テキストが配布されます。 しかし私はこれに加えて、日本語テキストを購入しました。ワインスクールでも購入ができるようなのですが、受講開始前に手にしておきたかったために個人的にWSETの公式ウェブサイト( https://shop.wsetglobal.com/collections/books )から購入しました。 注文から2週間ほどで手元に届いたと思います。レベル3のテキスト自体は £44.95 GBP でしたが、送料に £17.21 GBP かかり、合計費用は £62.16 GBP (8,300円程度) でした。 もう少し安く購入する方法としては、時々 メルカリ に出品されているものを購入する方法もありますが、常に売りに出されているわけではないのであまり期待できないかもしれません。 Amazonでも時々、中古品がでているのでここで検索するのも良いかもしれません。→  https://amzn.to/3YSx0xy  (Amazonへのリンクです) <情報検索にはテキストの電子化がおすすめ!> テキストが英語であることの問題がもう1つありました。それは、 知りたい情報を探すのが大変 であるということでした。 例えば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」の産地ごとの特徴を知りたい場合、その情報は様々な章に分散されて書かれていました。醸造工程の章、ボルドーの章、アメリカの章などです。 日本語であれば、走り読みをしながらキーワードを探せばそれほど大変な作業ではありません。しかし、英語ネイティブでない私にとって、英語でこれをやるのはとても大変な作業でした。 英語テキス...