今回のテーマは、ブルゴーニュの「コート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)」地区にある「 フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) 」村です。 場所は下の地図のように、モレ・サン・ドニ村、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村の間に挟まれています。 コート・ド・ニュイの村名のワインが認められている他の村と比べると、特にそれほど小さい村でもありません。ヴージョ村やヴォーヌ・ロマネ村の方がよっぽど面積は小さめです。 しかし、このフラジェ・エシェゾー村ではその名を冠したAOCのワインを造ることは許されていません。つまり、「A.O.C. Flagey-Echézeaux」という名のワインは存在しません。 その代わり、この村で栽培されたブドウから村名を冠したワインを造る場合、全て「A.O.C. Vosne-Romanée」という隣の村の名前を冠したワインとして造られます。 なぜ、フラジェ・エシェゾー(Flagey-Echézeaux) には村名のワインが無いのでしょうか?少し疑問に思って、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑について調べてみました。 まず、フラジェ・エシェゾーのブドウ畑の場所ですが、村名以上のワインを造ることのできるブドウ畑は、村の西側に局地化しているようです。村の中心地は、点線の楕円の部分に固まっているので、場所としては村の外れにあるようです。 この村の西側に局地化した畑のうち、大部分を占める畑は、特級畑である「エシェゾー(Echézeaux)」と「グラン・エシェゾー(Grands-Echézeaux)」です。 これら2つのグランクリュ畑から造られるブドウからは、唯一、フラジェ・エシェゾー村のアイデンティティの感じられる、「A.O.C. Echézeaux」と「A.O.C. Grands-Echézeaux」のワインが造られます。 残りの畑は、プルミエ・クリュ畑と村名ワイン畑となりますが、これらの畑で造られるワインはそれぞれ「A.O.C. Vosne-Romanée Premier Cru」と「A.O.C. Vosne-Romanée」となり、フラジェ・エシェゾー村の名前が使われることはありません。 それでは、ここでヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑の分布を見てみたいと思います。 これを見ると、ヴォーヌ・ロマネ村のブドウ畑は、フラジ...
Marsala(マルサーラ/マルサラ)と言えば、イタリアはシチリアで造られる酒精強化ワインです。
JSAの教本でも紹介されていたワインで、次のように説明されていました。
<Marsala(マルサーラ/マルサラ)の特徴>
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・シチリア島西端で造られる酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)のDOC
・1773年、イギリス人ジョン・ウッドハウスがシチリアで生産
・アルコール度17~18%
・使用ブドウ品種:
白(オーロ、アンブラ):グリッロ、カタラット
赤(ルビーノ):ピニャテッロ、ネレッロ・マスカレーゼ
・色による分類:
oro(オーロ):黄金色
ambra(アンブラ):琥珀色
rubino(ルビーノ):ルビー色
・甘さによる分類
secco:40g/ℓ以下
semisecco:40-100g/ℓ
dolce:100g/ℓ以上
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歴史や、分類などを中心に説明をしているところがとてもJSAらしいのですが、いったいどんな特徴のあるワインで、どんな製法で造られるのかがずっと疑問のままでした。
しかし、最近やっと造り方に関する記述を見つけることができました。まとめると次のような内容です:
<Marsala(マルサーラ/マルサラ)の製法など>
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・ポートワインと同じく、発酵中にブランデーを加えて発酵を止める製法で造られる。
・甘口ワインにする場合は、発酵初期にブランデーを加え、よりドライスタイルにする場合は発酵後期に加える。
・シェリーと同じくソレラシステムで熟成される。
・ソレラでの熟成の長さによって次のように分類される
Marsala Fine(マルサーラ・フィーネ):1年
Marsala Superiore(マルサーラ・スペリオーレ):2年
Marsala Superiore Riserva(マルサーラ・スペリオーレ・リゼルヴァ):4年
Marsala Vergine(マルサーラ・ヴェルジネ):5年
・料理酒として有名(ティラミスにも使われる!)だが、酒精強化ワインとして優れたマルサーラもある。
・近代的な温度、酸素管理手法を用いて、最近は高品質のより軽めワインも造られている。
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ポートワインと同じくミュータージュ(発酵の停止)を使い、シェリーと同様にソレラシステムを使うというと、何となく身近なものに感じられます。
Marsala(マルサーラ/マルサラ)は、シェリー、ポート、マデイラなどの他の酒精強化ワインと比べるとマイナー感が強くなかなか製法に関する情報が見つからないので、このような情報はとても参考になりました。
今回の記事はこちらの書籍を参考にしています:
マルサラ辛口、甘口:
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