イタリアのワイン名はとにかく長い名前のものが多いと思います。
例えば、「Conegliano Valdobbiadene Prosecco」とか、「Dolcetto di Diano d'Alba」とか。
例外もあるんですが、イタリアのワインが長い理由の1つは「地名」と「品種名(ワイン名)」の両方を含んでいるパターンが多いからだと思います。
例えば、「Dolcetto di Diano d'Alba」では、「Dolcetto = 品種名」で、「Diano d'Alba = 地名」です。
フランスのワインの名前の多くが、地名のみで品種名を省略していることを考えると、少なくともこれだけで2倍の長さをもっていることになります。
さらに、ワインのタイプを表す言葉も名称に含めてしまっていることも、名称を長くしている理由だと思います。
例えば、「Verdicchio di Matelica Riserva」とか、「Soave Classico Superiore」とか。
「Verdicchio di Matelica Riserva」の場合、「Verdicchio=品種」、「Matelica=地名」ですが、「Riserva=ワインのタイプ」です。
また、「Soave Classico Superiore」の場合、「Soave=ワイン名」ですが、「Classico」と「Superiore」は特定のワインのタイプです。
ちなみに、特定のワインのタイプを表す言葉は、いくつかのワインで共通して使われており、次のようなものがあります:
・Riserva = 規定された熟成期間よりも長く熟成されたワイン
・Classico = 古くからあるブドウ畑から造られたワイン(同じ名称の新しい畑から造られたワインと区別をするための用語です)
・Superiore = 通常のアルコール規定を上回るアルコール度のワイン
・Passito = 陰干しブドウから造った甘口ワイン
・Recioto = 陰干しブドウから造った甘口ワイン (ヴェネト州における呼称)
・Amarone = 陰干しブドウから造った辛口ワイン
・Sforzato = 陰干しブドウから造った辛口ワイン(ロンバルディア州における呼称)
・Cerasuolo = ロゼワイン
・Rosso = 赤ワイン
・Bianco = 白ワイン
この辺りをおさえておけば、イタリアのDOC/DOCGのワイン名称を読み解くことができるのだと思います。
しかし、これら以外にも頻繁に表れて、ラベルの理解を惑わす単語があります。それは、「Colli/ Colline」、「Castelli」、「di」、「della」、「del」などです。
それぞれの単語の意味を調べてみました。
まず「Colli/ Colline」は、英語にすると「hills」です。例えば、「Colli Orientali del Friuli Picolit (DOCG)」などに含まれます。これは産地の地形を表していると思われます。
「Castelli」は英語にすると「castle」です。例えば、「Castelli di Jesi Verdicchio (DOC)」などに含まれます。これは「イエージの城」という意味です。
「di」、「della」、「del」はかなり多くのワインの名前に使われています。これは英語でいうと「of」に近い意味を持つようです。「della」、「del」は特に「di + 冠詞」の組み合わせを意味するようです。
一見すると難しいイタリアワインの名称ですが、その名前の由来を調べてみると、少し覚えやすくなるかもしれません。
<了>