タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>
いままで個人的に比較テイスティングをすることの少なかった、イタリア、スペイン、ポルトガルの土着品種から造られた赤ワインのテイスティングをしてみようと思います。 目的は、それぞれの品種やワインの特徴を捉えることです。 1種類のワインだけを味わってその特徴を捉えるだけのテイスティング能力を持ち合わせていないので、とりあえず産地の近いワインを並べてみようと思います。 今回選んだワイン(品種)は次の通りです: ワイン①: ヴァルポリチェッラ・クラッシコ(品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ) ワイン②: バローロ(品種:ネッビオーロ) ワイン③: キアンティ・クラッシコ(品種:サンジョヴェーゼ) ワイン④: リオハ・リゼルヴァ [伝統的な樽香強めのスタイル](品種:テンプラニーリョ) ワイン⑤: リオハ [モダンな樽香弱めのスタイル] (品種:テンプラニーリョ) ワイン⑥: ドウロ(品種:ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカ、トウリガ・フランカ、トウリガ・ナショナルのブレンド) 具体的なワイン名は次の通り: ① Bonacosta Valpolicella Classico Masi 2018 ② Terre del Barolo Barolo 2015 ③ Rocca Guicciarda Chianti Classico Riserva Barone Ricasoli 2012 ④ Dominio de Ugarte Reserva 2013 ⑤ Remelluri Lindes de Remelluri Viñedos de Labastida 2014 ⑥ Quinta dos Avidagos Douro Tinto Reserva 2016 外観 まずは外観の特徴の比較です。 特徴的なのは、バローロの色の淡さです。ネッビオーロ種は、かなり色が薄くなる品種のようです。 一方で、リオハとドウロは色の濃さが特徴です。特にドウロは漆黒のような濃い色です。 香り 次は香りの特徴の比較です。 それぞれのワインについての主だった香りの感想は次の通りです。あくまで個人的な感想です。 ヴァルポリチェッラは、比較的シンプルな赤系果実の香りの中に、甘いリコリスの香りが感じられます。 ネッビオーロとサンジョヴェーゼはどちらも赤系果実の香りの中に、枯れたようなドライハーブの香りが感じられ、と...