シャブリ・ワイン(シャブリ地区で造られるAOCワイン)は、全てシャルドネ種から造られる白ワインです。 シャブリはワイン産地としてはブルゴーニュに属していますが、コート・ドールなどのブルゴーニュのその他の地域と比べるとかなり北に位置しています。 どちらかというと、ブルゴーニュよりもシャンパーニュがすぐ近くにあり、また、内陸であることもあり、気候としてはかなり寒い地域であることがわかります。ちなみに、シャンパーニュでスパークリングワインが多く造られている理由の1つは、果実が十分に熟さないことがあり、シャブリでスティルワインを造る難しさが何となく想像できます。 そんな寒い気候の中で造られるシャブリのワインは、高い酸味とすっきりとした味わいが特徴の辛口ワインです。 シャブリ・ワインは品質レベルによって大きく次の4つに分けられています: - Petit Chablis(プティ・シャブリ) - Chablis(シャブリ) - Chablis Premiers Crus(シャブリ・プルミエ・クリュ) - Chablis Grands Crus(シャブリ・グラン・クリュ) ワインのラベルを見ると、そのワインがどの品質レベルのワインなのかは一目瞭然です。通常、4つのいずれかが大きくラベルに書かれているはずです。 最上級のグラン・クリュとプルミエ・クリュのワインの場合には、クリマと呼ばれる畑の名前が書かれている場合があります。 では、この4つのワイン、それぞれに何が異なるかというと、ブドウの栽培環境が大きく異なります。そして、それによって、出来上がるワインの味わいに違いが生まれます。 シャブリでは特に、斜面の性質と、土壌の違いが、大きく栽培環境の違いに寄与していると言われています。4つのワインの栽培環境の違いを、斜面と土壌の特徴でまとめてみると次のようになります。 基本的には、 プティ・シャブリ ↓ シャブリ ↓ プルミエ・クリュ ↓ グラン・クリュ の順番に、果実がより成熟しやすい環境にあり、より果実の凝縮度と骨格を持ったワインができあがります。 ワインの長期熟成能力(ワインを熟成させて品質の上がる可能性)は、基本的には果実味の凝縮度と骨格(特に酸味)で決まるので、プティ・シャブリは早飲みに適しており、グラン・クリュは長期熟成に適するワインとなります。 次に、考察されるそれ...
キューン ピノ・グリ グラン・クリュ マンブール 2015(Kuehn Pinot Gris Grand Cru Mambourg 2015)です。
フランスはアルザスのブランクリュ畑のピノ・グリです。
ワインショップで3000円程度で購入しました。
比較的古めのヴィンテージで、グランクリュのワインが3000円というところに惹かれて購入しました。
熟成を経ているので、熟成香が造られていることが期待できます。
【購入のポイント】
・アルザスのピノグリ
・グランクリュ
・5年前のヴィンテージ(2015年)→ 熟成香が期待できる
・価格が手ごろ(3,000円以内!)
【感想】
とても厚みのあるエレガントな香りのピノグリでした。凝縮された熟した果実の香りに、あまい花の香りも感じられ、ドライフルーツのような熟成香も感じられ、香りをとった時点でテンションがあがります。厚みのある香りと、残糖とやや高い酸味がとてもバランスがとれている気がします。また、ピノグリ独特のオイリーな風味もありました。文句のつけようはないのですが、もう少し熟成をしたらどうなるのかが気になるところです。
【テイスティングノート】(ワイン素人の個人的な評価です)
外観は、中程度のレモン色。
香りの強さは強い。熟したモモ、レモン、メロンや、スイカズラ、濡れた石、乾燥フルーツ(モモ、アプリコット)の香り。
味は、オフドライ、やや高い酸味、中程度のアルコール、ミディアムボディ。
風味は強く、余韻は口に長く残ります。
とても良いワインに思えました。
熟した果実味と、やや強い酸味、中程度のアルコールのバランスがよくとれている気がします。
後味は、最初に熟した果実の香りが来て、次に乾燥フルーツの香りがやってきて、口にその余韻が長く残ります。
さまざまな香りの層が混在しますが、まだ少し熟した果実の1元的な香りが全体を占めている感じがして、まだ複雑さは十分ではないかもしれません。
高い酸味と、強い果実味があるために、さらなる瓶熟成が期待できそうです。
今はもっとも強く表れている熟した果実味が、瓶熟成を経ることで、より複雑なドライフルーツの香りに変わっていくかもしれません。