マスト(ブドウ果汁や果肉、果皮などの混合物)の発酵温度によって出来上がるワインにどのような特徴の違いが出るのかをまとめてみました。 まず発酵温度についてですが、白ワインと赤ワインでは、低温、高温と言われる発酵温度は異なります。 一般に、白ワインの方が赤ワインに比べて低い温度で発酵されます。 低温での発酵の特徴 低温での発酵の特徴は、フレッシュでフルーティーな香りが生成・保持されやすいこと、また、ブドウからの果汁以外の成分の抽出度合いが低いことです。 それにより、出来上がるワインはフレッシュで果実味があり口当たりの良いものになると言われています。 しかし一方で、長期熟成に必要な果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンや酸味が十分に抽出されないために、早々に出荷されて消費されることを目的とした早飲みタイプのワインになりやすいと言われています。 ちなみに白ワインの発酵温度が赤ワインよりも低い理由は、白ワインにとってフレッシュでフルーティーな香りはより重要で、赤ワインのようにタンニンの抽出を必要としていないことにあるようです。 高温での発酵の特徴 高温での発酵の特徴は、ブドウの果皮などからの抽出度合いが高まるために、果実の香りの凝縮度や、骨格となるタンニンなどの成分が果汁内に多く抽出されることです。 一方で、揮発性のエステルなどの成分が失われてしまうことで、フレッシュでフルーティな香りが失われてしまうとも言われています。 このような発酵の特徴から、高温で発酵された場合には、より長期熟成に向いたワインが出来上がると言われています。 <了>
キューン ピノ・グリ グラン・クリュ マンブール 2015(Kuehn Pinot Gris Grand Cru Mambourg 2015)です。
フランスはアルザスのブランクリュ畑のピノ・グリです。
ワインショップで3000円程度で購入しました。
比較的古めのヴィンテージで、グランクリュのワインが3000円というところに惹かれて購入しました。
熟成を経ているので、熟成香が造られていることが期待できます。
【購入のポイント】
・アルザスのピノグリ
・グランクリュ
・5年前のヴィンテージ(2015年)→ 熟成香が期待できる
・価格が手ごろ(3,000円以内!)
【感想】
とても厚みのあるエレガントな香りのピノグリでした。凝縮された熟した果実の香りに、あまい花の香りも感じられ、ドライフルーツのような熟成香も感じられ、香りをとった時点でテンションがあがります。厚みのある香りと、残糖とやや高い酸味がとてもバランスがとれている気がします。また、ピノグリ独特のオイリーな風味もありました。文句のつけようはないのですが、もう少し熟成をしたらどうなるのかが気になるところです。
【テイスティングノート】(ワイン素人の個人的な評価です)
外観は、中程度のレモン色。
香りの強さは強い。熟したモモ、レモン、メロンや、スイカズラ、濡れた石、乾燥フルーツ(モモ、アプリコット)の香り。
味は、オフドライ、やや高い酸味、中程度のアルコール、ミディアムボディ。
風味は強く、余韻は口に長く残ります。
とても良いワインに思えました。
熟した果実味と、やや強い酸味、中程度のアルコールのバランスがよくとれている気がします。
後味は、最初に熟した果実の香りが来て、次に乾燥フルーツの香りがやってきて、口にその余韻が長く残ります。
さまざまな香りの層が混在しますが、まだ少し熟した果実の1元的な香りが全体を占めている感じがして、まだ複雑さは十分ではないかもしれません。
高い酸味と、強い果実味があるために、さらなる瓶熟成が期待できそうです。
今はもっとも強く表れている熟した果実味が、瓶熟成を経ることで、より複雑なドライフルーツの香りに変わっていくかもしれません。