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ワイン名称に出てくるフランス語の「Côte」と「Coteaux」の違いとは?

 タイトルの通り、ワインの名称に出てくる 「Côte」 と 「Coteaux」 は非常に紛らわしい言葉です。 両者ともに丘陵地や斜面を表す言葉ですが、「Côte」は 「コート」 、「Coteaux」は 「コトー」 と表記されることが多いようです。 「Côte」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Côtes du Rhône (コート・デュ・ローヌ) ・Côtes de Provence (コート・ド・プロヴァンス) 一方で、 「Coteaux」 を含んだワイン名の例としては次のようなものがあります: ・Coteaux Champenois (コトー・シャンプノワ) ・Coteaux Bourguignons (コトー・ブルギニヨン) この2つの言葉の違いを調べてみましたが、どうやら 「Côte」 の方が狭い、特定の丘陵地・斜面を表し、 「Coteaux」 は比較的広い地域を表し、複数の丘陵地・斜面を表すことが多いようです。 例えば、 「Côtes du Rhône 」 はローヌ川沿いにある斜面という特定の地域のブドウ畑から造られたワインを示しています。一方で、 「Coteaux Champenois」 は、シャンパーニュ地方にある広範囲の数々の丘陵地から造られたワインを指しているようです。 詳しいことはそこまでよくわかりませんが、 ・「Côte」 → 狭い、特定のエリア ・「Coteaux」 → 広い、包括的なエリア のような使われ方のようです。 ちなみに、プロヴァンス地方のロゼワインのAOCでは、広さにそんなに違いがないにも関わらず「Côte」と「Coteaux」 の名が付くAOCが入り混じっています。 「Côte」と「Coteaux」 のどちらが含まれるのかは、必ずしも広さだけでは決まらないようです。 <了>

オーストリアのワイン法とDACが分かりにくいことについての考察

オーストリアのワイン法は個人的に苦手です。


他国のワイン法と違って、個人的にはとても分かりにくいと思います。


以前も記事として載せましたが、改めてその原因を調べてみました。


(関連記事:オーストリアのワイン生産地域、DACとは?それ以外の産地との違い



結果として、オーストリアのワイン法が分かりにくい理由は次の2点にあるのではないかと考察をしました:


・オーストリアのワイン法が、従来のドイツ式のワイン法に新たなDACの概念を取り入れたものであること


・オーストリアのワイン法がDAC導入の過渡期にあること



その考察を下に説明したいと思います。


まず、オーストリアのワイン法は「ドイツ式」のワイン法の概念が基本にあると思います。




上図のように5層に分かれるワインの分類は、ドイツのものに非常に似通っています。


PDOレベル(原産地呼称保護)のワインは上の3層であり、ここでは主にブドウの糖度によって分類が決められています。


PDOワインの産地としては、州レベルの産地名に加えて、州によってはその中にある小地区の産地名も表記が許可されています。



そして2002年、オーストリアのワイン法には新たなDACというシステムが取り入れられました。


DACの導入は、その地域で造られる特徴的なワインをプロモーションしていくためだと言われています。


DACはPDOレベルのワインに適用され、それぞれの小地区ごと(ヴァッハウや、ヴァインフィアテルなど)に導入がされているようです。




DACの中は、「単一畑ワイン」、「村名称ワイン」、「地域名称ワイン」の3つの分類があり、上位に行くほどワインに使われるブドウの範囲は狭まっていきます。これは、フランスのワイン法に近い品質分類だと思います。


このように、オーストリアのワイン法は、従来から利用されてきたドイツ的なワイン法に、DACという新たなフランス的なワイン法が取り入れられる形式となっています。


新たに加わったDACが、従来のワイン法のどの部分に適用されているかなどは、かなり複雑だと思います。


まずこれが、オーストリアのワイン法を分かりにくくしている原因なのではないかと思います。


さらに複雑なことに、DACは対象地域で造られる全てのワインに適用されるわけではありません。


例えば、DAC産地のクレムスタール(Kremstal)では、リースリングとグリューナー・ヴェルトリーナーの白ワインは「Kremstal DAC」のラベル表記が可能ですが、赤ワインに対してはDACの呼称を使うことはできず、「Niederrosterreich」という一般のクヴァリテーツヴァインのラベル表記しか使うことができません。





その理由は、DACはその産地の典型的なワイン(ここでは、リースリングとグリューナー・ヴェルトリーナー)として登録をしたワインにしか適用できない仕組みであるためです。


この部分も、オーストリアのワイン法を分かりにくくしている部分だと思います。



新たに加えられたDACという呼称ですが、これはまだ全ての地域に適用されているわけではないようです。


例えば、ニーダーエスタライヒ州のテルメンレギオン(Thermenregion)ではまだ導入がされていないようです。


そのため、近隣の産地には「Traisental DAC」や「Carnuntum DAC」という表記がありますが、「Thermenregion DAC」という表記はまだないようです。




このようにDACの導入が過渡期であることもオーストリアのワイン法を難解にしている理由なのではないかと思っています。


そう言えば私が初めてオーストリアのワイン法を学んだ時には、「Carnuntum DAC」も「Wachau DAC」も無かったような気がします。


また、現在は、州レベルの表記(Niederösterreichや、Burgenlandなど)に対してもDACの表記は無いようです。


この辺りも適用範囲をおさえておかないと混乱してしまいそうな部分です。